失われた受験文化

2013-06-28 17:43:13 | 司法試験関連

論文・短答問わず,答練の成績を記録しない,短答の過去問の点数を記録しない,というのは正直理解できない。自己の勉強の「工程管理」ができていないから,受験する年の2月3月辺りになっていきなり「短答が全然できないどうしよう!」なんて泣き言を言う羽目に陥るのである。

2回連続基準点未満の人に顕著に見られる傾向は,全く同じ失敗を繰り返す,と言う点である。過去問やって,肢別本でもやって,で済ますというミスを連続でやってのけるのである。いつも不思議だったのは,どこか途中で「このままでは駄目ではないか」と何故気がつかないままに直前期まで来てしまうのか,という点だった。

普通なら,「このままでは拙い」と感じたら手を打つはずである。にも拘らず,手を打たずに無為無策で突き進むのは何故なのか,と思っていたのだが,最近,「ひょっとして,自分自身の状況を把握できていないのではないか」ということに気がついた。「過去問題をやった」,という人はいるが,「時間を計ってやった」人がどれだけいるのか,という話である。できない人に共通する現象は,「自分の点が言えない」,というものである。論文も同様である。自分の受けた答練の自分の点数が言えない,平均点が言えない。過去問で何点とれるか言えない(科目別に把握するのは当然のことである)。一番驚くのは,「今年基準点に届きませんでした」「何点だったの?」「・・・えっと,○○○点くらいかと」。

どれだけ自分に興味が無いのか,と言う話である。「くらい」って何なんでしょうか。科目別に何点取れているのかくらい自分で調べようと思わないのであろうか。そんなことだからまともな受験対策を取れないのである。何故なら現状を把握できていないのだから,適切な手など打てるわけないからだ。病院にいって「頭が何となく痛い」といっても,適切な治療など到底期待できないであろう。風邪なのか,脳梗塞の前兆なのか,肩こりから来るものなのか,偏頭痛なのか,ストレスから来たものなのか,色々頭痛には原因がある。この程度の情報だけでは,どんな名医でも治療の仕様が無いであろう。

それと同じことをやっているのである。自分の人生にかかった極めて重要な試験において。旧司法試験の受験生は,自分の受けた答練の点数を把握していたし(というかきちんと記録していた人が非常に多い。そのため合格体験記にはその人の受験した全答練の点数一覧とかよく載っていた。しかも数年分のものが,である),答練の自分の科目別平均点も計算していたし,とにかく数値化して自分の状況を把握していたと思う。ところがこの「受験文化」が完全に失われてしまったように思える。

こう言っては何だが,直前期になるまで自分のやばさ加減に気が付かないなんてありえないし,何を寝ぼけているのか,と言われても反論できないのではないか,と思う。恐らく「漠然とした不安感」だけはあるのだろうが,具体的には自分の「やばさ加減」をまるで認識できていないのである。もう少し,自分自身に興味を持つべきだと思うのだが,皆さん如何であろうか。

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願望は願望で終わる

2013-06-26 18:29:02 | 司法試験関連

「願望」だけでは,「結果」が出ることはまずありません。「結果」を出すだけのことをやって,初めて合格の資格が与えられます。「受け控えはしたくない」,「来年で終わらせたい」等々,まぁ,「当然のことだな」とは思いますが,同時に「願望だけで,やることをやらないと無理だけどね」とも思います。

誰だって次回の試験で終わらせたいに決まっています。「あと2,3年くらいやろうかな。」なんて思っている人がいたら,よほど酔狂な風流人でしょう。なので「来年受かりたい!」という感情論だけでは,当たり前のことを単に言っているだけに過ぎないのです。

「そうだね,来年で終わらせたいよね」。「では,終わらせるだけのことを1年弱の間にやらないとね」。大事なのは後者の部分です。前者だけでは結果は出ません。「受かりたいよー!」と言うだけでは,小学生と変りません。受かりたければそれだけのことを遂行しなければならないのです。

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初夏の広島遠征

2013-06-26 13:29:49 | 司法試験関連

明日は,広島大学にお邪魔します。法科大学院生対象です。今日・明後日に講義があるため,麗しの日帰り弾丸ツアーとなります(笑)。それでも少し早めに乗り込んで,遅めの昼ご飯くらいは,広島ならではの物を食するつもりです(笑)

しかし明日は,往復移動時間が10時間くらいになりそうなので,中々あれな日ではあります。広島は4年前に旅行で行きましたが(広島修習中の同期との再会は楽しかった),仕事で行くのは初めてです。司法試験について色々講義してきます。

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工程管理

2013-06-24 19:17:05 | 司法試験関連

年度別に短答過去問題の得点を整理して記録していますか?当然科目別にです。そもそも,系統別に時間を計って解いていますか?

論文答練・模試の点数を全て科目別に記録して一覧できるようになっていますか?

していないとしていれば,何がマズイと思いますか。少し自分で考えてみてください。

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論文突破実践力完成講義 民法編 予習課題その1

2013-06-21 18:46:01 | 司法試験関連

第5問,第6問,第7問,第8問,第10問,第16問,第17問,第18問,第19問,第21問,第22問,第23問,第24問,第25問,第26問,第27問,第28問,第33問,第35問,第36問,第37問,第38問,第39問,第41問,第42問,第46問,第49問,第50問,第54問,第55問,第58問,第60問

講義1回3時間につき,8,9問程度解説予定です。

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最終提言

2013-06-21 17:49:36 | 司法試験関連

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130619-00000108-mai-soci

出ましたね。

最終提言の骨子は以下の通り。

・司法試験合格者を年間3000人とする政府目標を撤回。新たな目標は示さず
・課題が深刻な法科大学院に対する「法的措置」の導入
・新たな体制で▽法科大学院に対する「法的措置」の内容の具体化,▽予備試験の見直しの是非,▽司法試験の論文式の科目削減などを検討
・司法試験の短答式の科目を「憲法・民法・刑法」に削減
・司法試験の受験回数制限を「5年で3回」から「5年で5回」に緩和
・司法修習生に一定条件の下でアルバイトを許可

「3000人目標」そのものに何の意味があるのか分からないので撤回しようがどうでもいい気もしますが,これが直ちに「現状よりも合格者数を削減する」という方向に舵を切るのであれば,それは違うだろう,と思います。埼玉の弁護士会が1000人とか言っているようですが,グダグダうるさいんだよ。

法科大学院に対する「法的措置」ですが,卒業生に受験資格を与えないとか全く意味が分かりません。憲法論的にも相当問題があるように思えます。突然何を言い出したのか,という感じしかしない。

文部科学省の削減圧力の本当の狙いは,上位ローだけ残して,「ね,みんな合格率高いでしょう?法科大学院制度は機能していますよ」と言い出すことにあるとみるべきだ。この点を見落としてはならないと思う。何となく,募集停止のローが出てきたり,閉校圧力をかけているニュースを見ていると,「法科大学院制度は瓦解してきている」と見る向きが多いのでは,と思いますが,彼らの狙いは数を減らして,「精鋭部隊」だけを残し,自分達の政策ミスを帳消しにしようとしている点にあると思う。これはかなり上手いやり口だ。

論文試験の科目数削減は反対。恐らく選択科目のことだと思うが,これを削るのは理念に反するような気がする。なら,ローで履修を強制されている,かなりどうでも良い「周辺科目・教養科目」の強制履修を無くすべきだろう。あれほど理念倒れのものもない。

短答式試験も,減らすのは反対である。減らすとどうなるかというと,競争が激化するし,旧司法試験末期のような「変な問題」に先祖がえりする危険がある。もし減らすならば,憲法・民法・刑法を「やらずに」,他の4法のみの実施にすべきかと思う。手続法はやはり外すべきではないように思うし,短答向きだと思う。もしくは,実施時期をずらせないか。例えば,ロー在学中に統一試験という形で前倒しで実施し,基準点をクリアーしたものだけが,論文本試験受験ができる,という形にすべきではなかろうか。論文と同時期にやる,という点が一番の問題だと思うからである。

受験回数については,5年で5回で何の問題も無いと思う。恐らくこれは早い段階で導入されるのではなかろうか。ここ2,3年の入学者総数がかなり減っているので,仮に5回まで延長しても,合格率が下がるとも思えないからである。

アルバイトを可能にする理由が無いような気がする。「修習に専念すべき」,というのは今も昔も変るまい。給料の有無で変ることなのか?大事なことは給費制の復活であり,バイト解禁ではないであろう。

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第2次初夏の名京阪遠征

2013-06-21 17:43:31 | 司法試験関連

明日22日は京都,大阪梅田,23日は名古屋で説明会を行います。本試験合格に向けて本格稼動するつもりの人は是非。来年のことを考えた場合は,時期的に未だ十分余裕があります。早めに仕掛けて行きましょう。

http://www.itojuku.co.jp/event/shihou_event/DOC_031658.html

http://www.itojuku.co.jp/event/shihou_event/DOC_031096.html

更に,名古屋の夜の部では,働きながら予備試験合格目標の方向けに,入門講座の説明会も行いますので宜しければ是非!司法書士や公務員などの話も絡めつつ,お話しする予定です。

http://www.itojuku.co.jp/keitai/nagoya/event/yobi/DOC_032205.html

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効率良さそうで実は非効率極まりない罠

2013-06-20 18:12:34 | 司法試験関連

今日も条文マーキングの民法収録が順調に(かつ孤独に)進みました。笑進捗状況は第9回は,257条~280条,第10回は,281条~298条,第11回は299条~328条,第12回は329条~354条,第13回は355条~377条になります。

21日は夏至ですねぇ。一年で一番昼が長い日。言い換えれば,明後日からは日に日に昼の長さが短くなるんですよねぇ。まぁ,夏本番はこれからですが。そして23日のスーパームーンにも期待してしまいますね。

さて,「問題演習中心主義」の人もいるかと思うんですが,復習の時に,間違いが多い場合は,そもそも基礎力不十分の可能性が大なので,きちんとインプット中心の学習をすべきだと思います。そもそも間違いが多い,復習しなければならない範囲が多い,というのでは勉強効率が凄く悪いですし,苦手意識が深層心理に刻み込まれるのも後々困ります。

「演習中心の効率の良い勉強」という美辞麗句で,単に楽したがっている,インプットと言う単調な勉強を避けている事実を隠蔽している,ということにならないように気をつけて下さい。

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条文マーキングシリーズ民法進捗状況その2

2013-06-19 18:21:38 | 司法試験関連

第4回は118条~145条,第5回は146条~174条の2,第6回は175条~195条,第7回は196条~219条,第8回は220条~256条です。

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天空の夏祭り

2013-06-19 13:07:10 | 雑感

6月21日は夏至、6月23日はスーパームーン。天空も夏祭りである。

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条文マーキングシリーズ情報

2013-06-18 18:09:10 | 司法試験関連

「条文マーキングシリーズ 刑事訴訟法」は,全23回で投了致しました!かなり自身アリですので是非是非ご活用下さいさい♪

「条文マーキングシリーズ 民法」の収録を始めました。第1回は1条~20条,第2回は21条から97条,第3回は98条~117条です。

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民法訂正ほか

2013-06-17 21:08:21 | 司法試験関連

完全に読み間違いで申し訳ないのですが,民法テキストⅡの239ページのカード番号241・242についてです。抵当権の順位の譲渡・放棄について記載内容が間違っている,といってしまいましたが,241番のDは「第3位の」抵当権者になっているので,間違いではないです。「Ⅲ」を読み落としてしまいました。本当にすいません。というわけで242の内容は正しいです。

一応,講義中に別事例で242を説明しましたが,どちらの内容でも伝えるべきことに変更はありませんのでご安心下さい。しかし1度「あれ,違くないか」と思い込んでしまうと怖いですね。完全な読み落としでした。久しぶりに凹むミスです。

謝りついでですが,民法は3時間補講予定です。それから金曜の商法編は「手形・小切手法」からやりますので生講義に来られる方はテキストをお間違え無きよう,お願いいたします。

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刑事訴訟法編は。

2013-06-14 19:09:32 | 司法試験関連

「条文マーキング・シリーズ刑事訴訟法」は,全22回か23回で終わる予定です(全11時間か11時間半)。全回受講でトータル11000円か11500円です。前作のマーキング講義刑事訴訟法は全9時間で18000円でしたので,半額とまでは行きませんでしたが,随分安く抑えることができました。しかも内容はかなりバージョンアップしています。期待してもらって良いと思います(笑)

次は,2,3科目並行で収録して行こうと思っています。まずは「条文マーキング・シリーズ民法」に行きます!

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受験生の日々は悔しさの連続である

2013-06-13 19:10:43 | 司法試験関連

短答なんかの場合,本当に分かりやすいのですが,テキストには,自分が線を引いたり,マーキングしたり,印をつけている箇所であるにもかかわらず,問題解いたら「できなかった」場合ってよくありますよね?

そういう時,どう感じますか。「悔しい」とか「情けない」とか「自分は温いな」って「強く」感じますか?感じない人は問題があります。何故悔しくないのか。「ああ,書いてあったか」,「ああ,やってたか」,「ああ,覚えていなかったわ」程度で済ませては駄目でしょう。そんなことだからいつまでも「覚えられない」なんてくだらないにも程がある言い訳を平気ですることになるのです。「覚えられない」のではなく,「覚えようとしていない」だけです。

「やってたはずなのにできない」。これは,受験生にとって一番怖いことです。あってはならないことなのです。何故できなかったのか,何故ちゃんと覚えようとしなかったのか,猛省するのが当たり前になるようにして下さい。何故なら今貴方のしている勉強に自分の人生がかかっているのですから。だからこそ,できないと物凄くイライラするのが普通なんです。私もよく癇癪起こしてましたよ(笑)

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激闘の夏!勝負の夏!

2013-06-13 18:53:25 | 司法試験関連

6月から9月の4ヶ月間は,本当に多くのことができる時季である。特にローを卒業した専業受験生は時間があり余るほどある。しかも,まだ精神的に切迫感が出てくる時期でもない。答練に振り回されるわけでもなく,一番自然体でガツンと腰をすえた勉強ができる唯一の時季なのだ。この時季を有効活用しない手はない。手はない,というよりやらないと来年もアウトになりかねない。死命を制する時季でもある。

短答インプット教材を7冊読むのも楽勝である。読んで,理解して,記憶して,問題解いて,また読んで・・・という無限ループを繰り返すのである。ここで基礎固めをキッチリする。10月からの答練シーズンに入ったら,「L3」論文対策をメインにできるようにする。「L2」論文対策は夏場で終わらせる。10月以降「答練をペースメーカーに」L2対策をやるなんてのは,既に合格予備軍集団から遅れを取ることになるので注意する。

のんきなことは言ってられない。飛ばして飛ばして飛ばし捲くる。夜は力尽きて寝てしまうような生活ができるかどうかである。勝負はこの夏!

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