「ここまで解けるよ!」というのを検証しました。その①は、第11問から第15問までです。
「ここまで解けるよ!」というのを検証しました。その①は、第11問から第15問までです。
結構熱く語りました。是非ご覧下さいませ。
「本試験データ分析→予備試験データ分析→語り」、という構成になっております。
Re:スタート 2025年、巻き返しの夏
1.予備試験短答式受験組の皆さん
①自己採点をする
②法律基本科目で「8割」が目標値
③科目別の目標点との差
④「科目別」に「何がどう足りなかったのか」の分析
⑤まずは「基礎体力固め」に集中する
⑥年内にどこまで仕上げるか
⑦短答は「ただの物量戦」である。
・点が取れない=第一に、「勉強の物量」が足りないことを疑う。
・「単純な勉強量不足」であることを素直に受け容れること
*今年の刑法について
・事務処理の負荷が大きい問題を前半に並べるパターン
→ 後半には平易な問題が並ぶことが多い。
・危機管理マニュアルに従って対応したか。
→ 今回でいえば、「9問飛ばし」が正解
・開始と同時に「全頁をざっと確認したかどうか」?
→ セットリスト次第で「本番における難易度」は大きく変わる。
→ 肢別、1問ごとに解くことの盲点を突かれている。
*今年の刑法から学ぶべきこと
・「こんな問題は出ない」という「受験生都合の発想」をいい加減捨てるべき。
→ 「試験委員の求めるものに対応する必要がある」、という意識が低い。
・ポジショントークを連発する講師も相当悪い。
・学説問題は、「知識として丸暗記」すれば解けるようになるわけではない
→ 学説問題対策が「知識のとらわれ人」方式になってしまう。
→ 具体的故意説は行為無価値と結果無価値、どちらに親和性があるか
→ 新訴訟物理論と旧訴訟物理論、どちらがより緻密な手続保障を要求するか
2.司法試験受験組の皆さん
①短答の自己採点
②再現答案の作成(可能ならば)
③問題文をコピーして、答案で引用した事実、条文・文言等を全てマークする
④大まかな答案構成
⑤仕組み解釈・事実の評価部分(あてはめ)に関してはどのように書いたかを再現
⑥「試験中に足りないなと感じたこと」を素直に書きだす(科目別に)
⑦試験前・試験中に「あれやっておけば良かったな」と思ったことを素直に書きだす
3.司法試験・予備試験共通
①試験直前に「何をやりたいと思ったか」を科目ごとに具体的にメモ
②「どのような点に不安を覚えていたか」を科目ごとに具体的にメモ
➂失敗したと思った点につき具体的にメモ
4.司法試験の場合
①短答基準点突破手応え
②論文の手応え
(1)基準点突破が怪しい人
・基礎固めからやり直すのが一番の近道
・下手なプライドは有害でしかない
・「来年合格も危うい」と思えるかがポイント
・短答基準点をクリアして初めて「司法試験受験生」を名乗れる
(2)論文の手応えに難がある人
・「合格の推定」は働いてはいるが、「落ちている前提」で夏を過ごすのが無難
→ 前述の「やりたいと思ったけれど出来なかった事」をやるのがいいかも。
・手ごたえがない人は、来年に向けて直ちに始動がmust
・「敗因分析」を最優先に行う
・「再現答案」の作成をするなら今
(3)再現答案
①文章化が望ましい(合格すれば予備校に買い取ってもらえる可能性も)
②何をどう描いたかの詳細なメモで代用化
・問題文をコピーして、答案で引用した事実、条文・文言等を全てマークする
・仕組み解釈・事実の評価部分(あてはめ)に関してはどのように書いたかを再現
・文章構造は最低限明確にしておく
➂再現は、実際には「落ちた場合に」活きて来る。
・来季に向けたリスタートの手掛かりになるものだ、と言う意識をもって作成する
5.リベンジには「論文突破道場」がとにかく効く
①網羅的に重要事項を潰していく
→ 知識不足の不安を解消。
②試験合格に必要な「仕掛け」が沢山ある。
・「趣旨から考える力」を鍛える
→ 法曹としての考え方の基本を身につける
・学説を学ぶ
・沢山の事例に触れる
・「判例の役割分担」をまとめて整理する
・判例を使いながら「論文突破力」を身につける
公法系は仕組み解釈を学ぶ
規範定立
制度趣旨・理由付けを押える
事実の評価の仕方を学ぶ
本件事案の特殊性
試験で出たら補強すべき論点
・論点については「論証」を豊富に掲載
<吉野が考える新世代受験の3つのポイント>
①問題文を早く読めるようにする
②分析力を高める(真の実力をつける)
➂タイピングのスピードを上げる
1.①②について
(1)予備試験は1ページ程度なので読み切るのは難しくない。但し、情報が少ない分、無駄も少ない。事実関係の持つ意味を読み取る力が必要になる。
→ 普段から「判例」を読み込み、事実の持つ意味を考える習慣づけをする。事実から論点を抽出する能力(論点抽出能力が大事)。
→ 「3大重要基本事項」の習得。
・判例(事実関係・法適用関係・規範・理由・事実評価)
・条文(要件効果、制度趣旨)
・論点(問題の所在・自説・理由付け)
(2)司法試験は、問題文が長く、公法系は資料も多い。但し、何を書くべきかは誘導等が強く効いており、そこで間違える危険性は低い。問題は、「事案の特殊性」に気付くことと「事実の評価」である。
→ 司法試験では知識の「正確性」に加え(予備試験はここまで)、「深さ」が要求される。この段階で自分の「深さ不足」に気付く人が多い。色々な合格者講座や情報に踊らされる人が出てくる所以である。
2.➂について
普段からパソコン打ちに慣れておく必要がある。
21日のライブ配信はこちらになります!
今年の刑法についても時間をかけてお話していますので、ご参考になればと。
0.今から始めよう司法試験!
①25年6月開始
②26年7月短答合格目標
➂27年7月短答合格
④27年9月論文合格目標
*今から始めればこのタイムラインをベースに受験計画を立てられる。
・第1目標:「26年短答合格」
・第2目標:「26年論文合格」or「26年論文上位不合格」
・第3目標:「27年論文合格」
*1年目は手を広げない
*「暗記の時間」を意識的に取る
・「暗記の時間」には、「覚える時間」と「思い出す時間」がある
1.演習ベース主義の罠
最大のリスク
→「何ができない原因なのか」が分かりにくくなる。
→「復習の仕方」の個人差が大きく出てしまう
2.シン・王道基礎講座で「不安」を無くす
(1)網羅的な知識
・知識の穴を無くせる
→ 論文段階で、知識不足が原因なのか、論文対策固有のスキルに原因があるのかの区別がつかない人が沢山出て来る。間違いなく「受験期間が長期化」する。
・「判例だけ知ってる受験生」からの脱却
→ 令和時代の司法試験委員の揺さぶりに耐えられる。
*CBT時代による「大きな変化」に「対応できる講座」を受講すべき
(2)「論文突破に必要な思考力」を身につけることができる
・論文思考力は「論文段階」で身につけるものではない!「基礎段階」から身につけるべきもの。普通の入門講座では「論文の壁」にぶち当たる。
<司法試験で求められる「法令解釈能力」とは?>
水道法第十五条一項「水道事業者は、事業計画に定める給水区域内の需要者から給水契約の申込みを受けたときは、正当の理由がなければ、これを拒んではならない」。
Q「正当な理由」とは何か?
(この法律の目的)
第一条 この法律は、水道の布設及び管理を適正かつ合理的ならしめるとともに、水道の基盤を強化することによつて、清浄にして豊富低廉な水の供給を図り、もつて公衆衛生の向上と生活環境の改善とに寄与することを目的とする。
(責務)
第二条 国及び地方公共団体は、水道が国民の日常生活に直結し、その健康を守るために欠くことのできないものであり、かつ、水が貴重な資源であることにかんがみ、水源及び水道施設並びにこれらの周辺の清潔保持並びに水の適正かつ合理的な使用に関し必要な施策を講じなければならない。
2 国民は、前項の国及び地方公共団体の施策に協力するとともに、自らも、水源及び水道施設並びにこれらの周辺の清潔保持並びに水の適正かつ合理的な使用に努めなければならない。
第二条の二
4 水道事業者等は、その経営する事業を適正かつ能率的に運営するとともに、その事業の基盤の強化に努めなければならない
第六条 水道事業を経営しようとする者は、国土交通大臣の認可を受けなければならない。
2 水道事業は、原則として市町村が経営する
その他、「水道の基盤の強化」に関する規定が多数ある。
答え「水道法15条1項にいう『正当の理由』とは、水道事業者の正常な企業努力にもかかわらず給水契約の締結を拒まざるを得ない理由を指す」(最判平成11年1月21日(福岡県志免町給水拒否事件)
最決平成元年11月8日(武蔵野市給水拒否刑事事件)
事案:「東京都武蔵野市では、マンション建設に当たり指導要綱を制定して、マンション事業者がこれに従わない場合には市の水道を供給しない旨を定めていた。建設業者Xは反対住民との話合いを進めてきたが、全員の同意を得ることは困難と判断し、同意を得る努力を打ち切り、寄付願も取下げることをYに通知した。Xは、Yに給水契約の申込をしたが、指導要綱に従っていないとしてYはこれを拒否した。そこで、市長は水道法15条1項違反の罪に問われた」。
→ 「正当な理由」なし
最判平成11年1月21日(福岡県志免町給水拒否事件)
事案:「志免町(Y)においてマンションを建設している不動産会社Xは、Yに対し、水道法15条に基づき給水の申込みをした。しかしYは、本件マンションが志免町水道事業給水規則に規定されている「開発行為又は建築で20戸(20世帯)を超えるもの」又は「共同住宅等で20戸(20世帯)を超えて建築する場合は全戸」に該当するとして、給水契約の締結を拒否した」。
→ 「正当な理由」あり
(3)重要判例を徹底的に学べる
・事実関係・法令解釈の仕方・規範・当てはめ・裏話
(4)「事実の評価」の仕方を学べる
・普通の入門講座では扱わないことが多い
(5)「具体例」が豊富
・学んだことを具体例を通じて自分で追思考ができる
(6)ベテラン講師から学べる安心感
3.CBT新時代が幕を開ける
・キーボード入力に慣れる
・デジタル六法に慣れる
今はじめる理由!5月からの司法試験合格へのロードマップ
0.自分の将来に「先行投資」をしよう!
・「5歳年を重ねた自分」をイメージしてみる。
・「セカンド・ステージ」は思った以上に長い。
・「なるべき自分になる」
・次のステップアップのために「時間を投資」する
1.今から始める合格ロードマップ
*2027年合格の確率を上げられる時期!
①5月勉強開始
②第1の目標
26年7月の「短答式試験」
→ 今から始めれば、必勝態勢で臨める
➂第2の目標
26年9月の「論文式試験」
→ 正直、ストレート合格は厳しい
→ しかし「論文受験」と言う、「経験を積む」ことの大きな意義
④27年9月の「2度目の論文試験」
→ 本当の意味での「天王山」
⑤28年7月の司法試験へ!
2.必要とされるスキル
(1)予備試験編
①網羅性のある基礎知識
②論点抽出能力
➂言語化能力
④重要判例の習得
(2)司法試験
①論点選別能力(但し、誘導が強いこと、問題文の読み方スキルで対処可能)
②「本件事案の特殊性」に気付ける能力=基礎力の裏返し(ここ大事!)
➂事実の振り分け能力(問題文が長いので、重要な事実の抽出と振り分けが必要)
④初見の問題を処理できる能力(=応用力)
<平成30年本試験刑法から>
「1 甲(男性,17歳)は,私立A高校(以下「A高校」という。)に通う高校2年生であり,A高校のPTA会長を務める父乙(40歳)と二人で暮らしていた。
2.7月某日,甲は,他校の生徒と殴り合いのけんかをして帰宅した際,乙から,顔が腫れている理由を尋ねられ,他校の生徒とけんかをしたことを隠そうと思い,とっさに乙に対し,「数学の丙先生から,試験のときにカンニングを疑われた。カンニングなんかしていないと説明したのに,丙先生から顔を殴られた。」とうその話をしたところ,乙は,その話を信じた。乙は,かねてから丙に対する個人的な恨みを抱いていたことから,この機会に恨みを晴らそうと思い,丙が甲に暴力を振るったことをA高校のPTA役員会で問題にし,そのことを多くの人に広めようと考えた。そこで,乙は,PTA役員会を招集した上,同役員会において,「2年生の数学を担当する教員がうちの子の顔を殴った。徹底的に調査すべきである。」と発言した。なお,同役員会の出席者は,乙を含む保護者4名とA高校の校長であり,また,A高校2年生の数学を担当する教員は,丙だけであった。
3 前記PTA役員会での乙の発言を受けて,A高校の校長が丙やその他の教員に対する聞き取り調査を行った結果,A高校の教員25名全員に丙が甲に暴力を振るったとの話がまった。丙は,同校長に対し,甲に暴力を振るったことを否定したが,当分の間,授業を行うことや甲及び乙と接触することを禁止された」。
本問では、「乙の罪責について,丙に対する名誉毀損罪の成否を検討する。同罪の客観的構成要件である「公然」,「事実の摘示」,「人の名誉」及び「毀損」、「構成要件的故意」という各構成要件要素について,事実を指摘して具体的に論じる必要がある」。
*刑法230条
「①公然と②事実を摘示し、➂人の名誉を④毀損した者は、その⑤事実の有無にかかわらず、3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処する」。
①「公然」
判例の見解では,不特定又は多数人が認識し得る状態をいう。
本問では
→ 乙がA高校のPTA役員会において,出席していた「校長及び保護者3名」に対し,丙に関する悪評を伝えた行為に公然性が認められるかが問題となりそう。
→ 摘示の相手方が「特定かつ少数人」。「伝搬性の理論」で対処。
→ 出席者は,多数人であるA高校の生徒の保護者らの代表者である
→ 乙が「徹底的に調査すべきである。」などと発言。
→ 事実調査・噂話等により、A高校関係者と言う、不特定多数人に広まる可能性。
②「事実の摘示」「人の名誉」及び「毀損」
本問では、
→ 「2年生の数学を担当する教員がうちの子の顔を殴った」という発言。
→ A高校2年生の数学を担当する教員は,「丙だけ」
→ 教員である丙が生徒である甲の顔を殴ったという事実を摘示することは,高校教員という職業的地位に照らし,法的保護に値する社会的評価を害するに足りる行為と言える(社会上がその人に与えている評価を毀損)。
➂「構成要件的故意」
④刑法230条の2
本問では、
→ 丙が甲に暴力を振るったことが真実であると誤信している。
→ しかし、「かねてから丙に対する個人的な恨みを抱いていたことから,この機会に恨みを晴らそうと思い」とあり、「公益性」要件を満たさないので大展開しない(軽く否定で良い)。
3.1年目にやること
何を置いても、論文突破のための「基礎体力」作り!
→ 初期段階で「重要基本事項」を徹底的にたたき込む。
→ 「苦労は買ってでもする」姿勢で。
・手を広げないこと
→ 王道基礎講座テキストと六法のみ
・問題演習に積極的に取り組むこと
→ 短答過去問題集=「早稲田経営出版 体系別短答式過去問集」を推奨
短文事例問題(全288問)
・暗記の時間を意識的に取ること(とにかく覚える)
・講義を聞いて「考え方」を学ぶこと
・「理解」と「記憶」は車の両輪(どちらが欠けても永遠に不合格)
→「正確」な「理解」と「記憶」
今宵20時より、これから学習を始める人向けのライブ配信を行います!
司法試験の過去問を使ったお話もする予定です!受講を検討されている方は是非ご覧下さいませ。
目指せ大逆転!GWの勉強法
0.7月16日まで77日!
・手を広げない
・新しいことに手を出さない(原則)
1.短答対策
・侮らないこと=「基準点クリアすればよい」と言う「甘い考え」は捨てる。
・「短答の点数も含めた」総合評価であることを忘れてはならない。
→「短答:論文」=「1:8」。短答合格者平均点でもある75%程度は欲しいところ。
・「1点をもぎ取りに行く」メンタリティ。
2.論文対策
(1)インプットの仕上げ
①自説のコンパクトな論証ができるか
→ 書くときに一々悩んではならない=脊髄反射レベル
→ 考慮要素・理由付けは「書かない」にしても「覚えておく」
→ 趣旨からの論証は「許容性」がキーになる。
②条文検索能力
→ 会社法では「合否を分ける」要素
→ 民法もそれに近くなってきている(債権法改正部分は、条文の住み分けを意識)
➂重要判例の総まくり
→ 憲法・行政法・民訴法・刑訴法は特に重点的に
→ 理由付け・条文操作部分(仕組み解釈部分)・当てはめ部分を重点的にチェック
→ 公法系は、全体の事案処理の枠組みを押さえる。
例:判例の使い分け
ア 経済的自由の規制
・消極目的×許可制=薬事法アプローチ
・積極目的×許可制=小売り市場アプローチ
・消極目的×許可制よりも緩やかな規制→?
・積極目的×許可制よりも緩やかな規制→西陣ネクタイ、*医薬品ネット販売も参考に
・財政目的→酒税法アプローチ
イ 第三者所有物没収事件(手続自体の審査と比較考量)と成田新法(31条に関しては比較考量のみ)の使い分けは?
④要件論の総まくり
「要件と効果」+各要件と論点の対応関係を意識する。
(2)アウトプットの仕上げ
*三種の神器=「問題文・出題趣旨・採点実感」に没頭せよ。
①「書くべき論点」を「問題文のどの部分から抽出できるのか」を総ざらいする。
→ 論点の抽出・論点の選別能力
②時間配分と紙面配分(1ページ書くのに何分掛かるか)
➂「危機管理マニュアル」を事前に決めておく
④模試は1回は受けた方が良い(かも)
⑤「事実の割り振り」のトレーニング
→ 当てはめ能力
⑥本件事案の特殊性に関して
→ 「正確な基礎知識の習得」に掛かっている事を忘れない。
→ 判例の事実関係・判例の理由付けがキー。
0.「迷える」中上級者の皆さんへ
・入門講義等は受けたが、迷走気味な方、手応えがない方、何となく合わない方など、学習開始後数年が経った人へ。
→ 原因を解消しないといつまでも打開できない=「修正の必要性」
・メンタル的に気合が抜けつつある人
→ 改めて気合を入れたい=「心機一転の必要性」
1.伸び悩みの原因
①インプット面の不良・不足
大半はこれが原因である可能性。
条文趣旨・論点・判例・学説の不備、網羅性の欠如
②論文を意識したインプットが出来ていない
辞書的に知識がインプットされているだけだと論文突破はキツイ。
③思考力が身についていない
④事実の評価が苦手
判例の学習の仕方に難がある
⑤公法系の仕組み解釈が苦手
判例の学習の仕方に難がある
最大判昭和50年9月10日(徳島市公安条例事件)
→「明確性の判断基準を述べたあの判例でしょ」で終わりになっている人、いませんか?
①本条例三条三号の「交通秩序を維持すること」という規定が犯罪構成要件の内容をなすも のとして明確であるかどうかを検討する。
②右の規定は、その文言だけからすれば、単に抽象的に交通秩序を維持すべきことを命じているだけで、いかなる作為、不作為を命じているのかその義務内容が具体的に明らかにされていない…交通秩序を侵害するおそれのある行為の典型的なものをできるかぎり列挙例示することによつてその義務内容の明確化を図ることが十分可能であるにもかかわ らず、本条例がその点についてなんらの考慮を払つていないことは、立法措置として著しく妥当 を欠くものがあるといわなければならない。
➂しかしながら、およそ、刑罰法規の定める犯罪構成要件があいまい不明確のゆえに憲法三一条に違反し無効であるとされるのは、その規定が通常の判断能力を有する一般人に対して、禁止される行為とそうでない行為とを識別するための基準を示すところがなく、そのため、その適用を受ける国民に対して刑罰の対象となる行為をあらかじめ 告知する機能を果たさず、また、その運用がこれを適用する国又は地方公共団体の機関の主観的判断にゆだねられて恣意に流れる等、重大な弊害を生ずるからであると考えられる(*趣旨)…それゆえ、ある刑罰法規があいまい不明確のゆえに憲法三一条に違反するものと認めるべきかどうかは、通常の判断能力を有する一般人の理解 において、具体的場合に当該行為がその適用を受けるものかどうかの判断を可能ならしめるような基準が読みとれるかどうかによつてこれを決定すべきである。
④そもそも、道路における集団行 進等は、多数人が集団となつて継続的に道路の一部を占拠し歩行その他の形態においてこれを使用するものであるから、このような行動が行われない場合における交通秩序を必然的に何程か侵害する可能性を有することを免れないものである。本条例は、集団行進等が表現の一態様として憲法上保障されるべき要素を有することにかんがみ、届出制を採用し、集団行進等の形態が交通秩序に不可避的にもたらす障害が生じても、なおこれを忍ぶべきものとして許容しているのであるから、本条例三条三号の規定が禁止する交通秩序の侵害は、当該集団行進等に不可避的に随伴するものを指すものでないことは、極めて明らかである。ところが、思想表現行為としての集団行進等は、前述のように、これに参加する多数の者が、行進その他の一体的行動によつてその共通の 主張、要求、観念等を一般公衆等に強く印象づけるために行うものであり、専らこのような一体的 行動によつてこれを示すところにその本質的な意義と価値があるものであるから、これに対して、 それが秩序正しく平穏に行われて不必要に地方公共の安寧と秩序を脅かすような行動にわたらな いことを要求しても、それは、右のような思想表現行為としての集団行進等の本質的な意義と価値を失わしめ憲法上保障されている表現の自由を不当に制限することにはならない…
⑤本条例三条が、集団行進等を行おうとする者が、集団行進等の秩序を保ち、公共の安寧を保持するために守らなければならない事項の一つとして、その三号に「交通秩序を維持すること」を掲げているのは、道路における集団行進等が一般的に秩序正しく平穏に行われる場合にこれに随伴する交通秩序阻害の程度を超えた、殊更な交通秩序の阻害をもたらすような行為を避止すべ きことを命じているものと解される…
⑥通常の判断能力を有する一般人が、具体的場合において、自己がしようとする行為が右条項による禁止に触れるものであるかどうかを判断するにあたつては、その行為が秩序正しく平穏に行われる集団行進等に伴う交通秩序の阻害を生ずるにとどまるものか、あるいは殊更な交通秩序の阻害をもたらすようなものであるかを考えることにより、通常その判断にさほどの困難を感じることはないはずであり、例えば各地における道路上の集団行進等に際して往々みられるだ行進、うず巻行進、すわり込み、道路一杯を占拠するいわゆるフランスデモ等の行為が、秩序正しく平穏な集団行進等に随伴する交通秩序阻害の程度を超えて、殊更な交通秩序の阻害をもたらすような行為にあたるものと容易に想到することができるというべきである。
② マイナス要素の確認
➂ 憲法31条の趣旨からの論証
④ 限定解釈をしている部分
⑤ 結論
⑥ 定義既定の在り方の参考になる
最大判昭和35年7月20日(東京都公安条例事件)
→ 「集団暴徒化論の評判の悪い判例」で終わっている人、いませんか?
通常一般大衆に訴えんとする、政治、経済、労働、世界観等に関する何等かの思想、主張、感情等の表現を内包するものである…集団行動には、表現の自由として憲法によって保障さるべき要素が存在する。
本条例を検討するに、集団行動に関しては、公安委員会の許可が要求されている(一条)。しかし 公安委員会は集団行動の実施が「公共の安寧を保持する上に直接危険を及ぼすと明らかに認められる場合」の外はこれを許可しなければならない(三条)。すなわち許可が義務づけられており、 不許可の場合が厳格に制限されている。従つて本条例は規定の文面上では許可制を採用しているが、この許可制はその実質において届出制とことなるところがない。集団行動の条件が許可であれ届出であれ、要はそれによつて表現の自由が不当に制限されることにならなければ差支えないのである。
本条例中には、公安委員会が集団行動開始日時の一定時間前までに不許可の意思表示をしない場合に、許可があつたものとして行動することができる旨の規定が存在しない。
→ 仮に「許可推定条項」がある場合、どう使えるだろうか?
2.総まとめ150の使い方
①受講に向いている人
本試験・予備試験ともに「傾向の変化が激しいと感じる人」
判例学習に不安のある人
条文解釈力に不安のある人
学説に不安のある人
②受講の仕方
・予習は一切不要!いきなり講義を聞く。
・復習重視。自説や判例の規範を正確に「暗唱」
・講義で指摘したポイントはメモにしてまとめると見返しやすくなる
・講義を聞いて、「解釈方法をまねる」
・事実の評価の仕方を学ぶ
・判例をグループ化して覚えると良い(重要判例・類似判例・関連判例)
➂特徴
・「論文解答時を意識した」判例と具体例を使ったインプット学習
→「抽象と具体」のコンボ
・論点の整理と論証集=「網羅性の担保」
・学説の理解を深めることができる(サプライズ問題にも困らない)
・「問題文の読み方」・「事実の評価」を学べる