補助参加の利益

2014-11-30 12:07:18 | 司法試験関連

民訴法42条

訴訟の結果について利害関係を有する第三者」

・「利害関係」は事実上のものでは足りず,法律上のものでなければならない。

=「法律上の」利害関係とは,法律上の「利害」に影響を及ぼす恐れがある関係という意味である。

・その影響とは「法律上の影響」を意味するか。

法律上の(=訴訟法上の)影響がある場合すなわち判決効が及ぶ場合は,共同訴訟参加(52条)が可能となるので,補助参加では事実上の影響があれば足りるとされる。

 → 裁判所の判断と補助参加人の地位との利害関係の存在は,既存当事者間の第一の訴訟での裁判所の判断が,補助参加人に関する第二の訴訟で,論理的に前提になる場合であれば良い(第一の裁判所の判断が第二の訴訟で,事実上,影響力を及ぼすことで足りるということ)。この事実上の影響力は,判決の証明効とも呼ばれる。第二の訴訟の裁判官が,第一の訴訟での判断を参考にする事で足りる。

 例:主債務者敗の判決は,保証人に訴訟法的に判決効を及ぼすことはないが,保証債務は主債務者を論理的に前提にするから,保証人には補助参加の利益がある。

 ・「法律上の利害関係」は,「訴 訟の結果」に対してなければならない。

 → 訴訟物限定説(訴訟物についての判断に限定する)

 例:保証人が訴えられた事件に主債務者が補助参加する場合は,訴訟物たる保証債務の存否そのものが補助参加人である主債務者の求償義務に直結する。

 *保証人の主債務者への求償権行使のための請求原因は,①主債務発生原因,②主債務につき保証する旨の保証契約締結の事実,③保証契約締結は書面によること,④保証契約の委託契約,⑤保証契約の主債務につき支払いを命ずる判決確定,である。

 → 訴訟物非限定説(判決理由中の判断も含む)

 <補助参加の利益が問題となる類型>

1.被参加人が敗訴すれば,補助参加申出人が求償・損害賠償,その他の一定の訴えを提起される関係にある場合

・  主債務者が保証人側に補助参加(求償を受ける)

・  第三者から追奪請求された買主に,追奪担保責任のある売主が補助参加(損害賠償を受ける)

2.第一の訴訟が第二の訴訟の先決関係等にある場合

・  保証人が主債務者に補助参加(先決的関係)

・  主観的予備的併合の関係にあるような事実上の択一関係の場合(択一的関係)

3.当事者の一方と同様の地位・境遇にある者が補助参加を申し出る場合

・ 同一事故の被害者の1人の損害賠償請求に他の被害者が参加

・  ある村の住民大会で電鉄会社による停留所設置のために寄付金を負担する旨の申し合わせがあったと主張して出納員が村民の1人に対して起こした寄付金請求訴訟において,他の村民が被告に補助参加(大決昭和8年9月9日 肯定)

・  山林の産物採取権侵害排除請求訴訟で,隣接地についても同様の排除請求を起こす計画を原告は持っていると主張して隣接地の所有者が被告に補助参加(大決昭和7年2月12日 否定)

・  キノホルム剤がスモン病の原因であるとして同剤を製造販売もしくは製造承認をした者(国)に対して起こされた損害賠償請求の被告側に,同剤を投与したことによって別訴で被告とされている者が(医師),キノホルム剤がスモン病の原因であるかの因果関係の判断が共通の争点だとして補助参加(東京高決昭和49年4月17日 否定)

・  東京高裁平成20年4月30日 百選103事件 否定例

一審被告と抗告人らとの間の基本事件保険契約による法律関係と、補助参加申出人と抗告人らとの間の本件保険契約による法律関係とは、同一被保険者につき死亡を原因とする保険金を給付する同種の保険契約関係というにすぎないものであり、相互に損害を補填し合う関係にある旨の主張立証はないから、何ら法的関連や関係がない。基本事件において、争点である被保険者である太郎に生じた本件事故が偶然な外来の事故に当たるか否かが決せられたとしても、補助参加申出人と抗告人甲野花子との間で、本件事故による太郎の死亡についての保険金支払義務の存否につき法律上何ら影響するものではなく、補助参加申出人の私法上又は公法上の法的地位又は法的利益に何ら影響することはない。ただ、同一の争点に対する判断として、これが参考にされ、事実上影響することがあるというにすぎないのであり、このような影響を与える関係を法律上の利害関係ということはできない。

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時期に後れた攻撃防御方法(建物買取請求権)

2014-11-29 15:39:03 | 司法試験関連

「訴訟の完結の遅延」につて、最判昭和30年4月5日をどう考えるか問題となる。

この判例の判断は、買取請求権は、それが行使されると同時に建物所有権移転の効果が生ずるのであり、このための特段の証拠を要するものではなく、建物買取請求権の行使に関する主張が訴訟の完結を遅延させるものとは言えないから却下したのは違法である、と言うものである。

確かに、買取請求権の行使部分だけを見れば、その通りであろう。所有権移転の効果しかないからである。しかし、これを一般化してしまうと、買取請求権の訴訟上の行使は、いかに時機に遅れても却下されることはないことになってしまいかねない。この立場に対しては、買取請求権があれば、原告は建物収去ではなく、建物引渡請求に訴えを変更するのが常であり、これに対して被告は、買取代金支払まで同時履行の抗弁権ないし留置権を主張することになり、そのためには結局、建物の時価の鑑定が必要となるという理由から、訴訟が遅延する可能性は否定できないという指摘がある。

<応用事例>

詐欺取消権の場合と建物買取請求権の場合で比較事例。共に、前訴で時機に後れた攻撃防御方法として却下され(157条)、その後、後訴たる請求異議訴訟で持ち出すことの可否。

詐欺取消権は請求原因にならない、建物買取請求権はなる、というのが座りが良い。

建物買取請求権について、請求異議原因になるという理由付けをまずしっかりすること。

前訴の請求権とは別の実体法上の権利であること、その権利が事実上行使し得なくなる(却下されても実体法上の権利まで無くなるわけではない)というデメリットがあることなどを強調する。建物買取請求権の場合は、手続保障の意味合いが、攻撃防御方法として却下される場面と、既判力の遮断効を受けるかどうかと言う場面では異なるということである。詐欺取消権の場合は、前訴請求権に附着した抗弁であり、正に前訴でけりがつけられるべき問題である。そして前訴で抗弁としての行使を否定された以上、後訴で持ち出せなくても手続保障は満たされており、不都合はないのである。

 

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執筆完了!

2014-11-28 16:03:35 | 予備試験関連

よっしゃー!原稿上がったーーー!「前書き」を書くのが最後でした。

章立てとか細かい作業はまだまだ残るけど、とりあえず本体の執筆完了!

本をたくさん書いている人、本当に尊敬しますわ。俺は遅筆ですねぇ 苦笑

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故意の個数 どう答案を書くか?

2014-11-28 13:15:16 | 司法試験関連

X,Y1から拳銃強取を企てる。Y1殺害の可能性を認識しつつ,手製装薬銃発射。Y1胸部貫通銃創を負う。Y1を貫通した鋲が,偶然30メートル前方を歩行中のY2に命中し,Y2死亡。検察官,XをY1Y2両名に対する強盗殺人未遂罪で起訴。

Y2に何罪が成立するか。

この判例は,いわゆる方法の錯誤における法定的符合説(数故意説)を取ったことで有名な判例である。知らない人はいないと思われる。しかし,何罪が成立するのか,という観点から見ると意外に答案上処理しにくいケースである事がよく分かる。

<判例のY2に関する罪の処理の仕方>

Y2に強盗殺人未遂を如何にして成立させるか。

まずは,Y2に対する殺人未遂罪の成否を検討する。

→ Y2に対しては「強取」行為を行っているわけではないので,Y2との関係でいきなり「強盗殺  人未遂が成立するか問題となる」という問題提起の仕方はかなり違和感がある。

→ 殺人未遂罪が成立するかどうか,というところで,例の判断(法定的符合説,数故意説)をしている。この部分だけが独立して有名になっている。

殺人未遂を成立させた後,どう強盗殺人未遂罪に切り替えるか。

→ 本件殺人未遂行為は,Y1に対する強盗の手段としての鋲発射行為でもあるから,殺人未遂罪と強盗の結合犯として,強盗殺人未遂罪が成立する,というロジックを採った。

注意しよう!

刑法の問題は,最終的には「何罪が成立するか」に尽きる。しかし,結合犯等の場合,答案上は非常に書きにくいケースが出てくることがあるので注意したい。結果的加重犯の共犯事例など事前に処理手順を身につけていないと非常に書きにくいのが良い例である。行為をばらして見る,という視点は知っておいて良いだろう(結果的加重犯なら基本犯部分と加重部分,結合犯なら2つに分けてみる等)。

<応用ケース>

Aを殺害する意図で発砲したところ,弾丸がAに命中しないで,傍らにいたBに命中し,Bが死亡した場合,Bに対する殺人罪を認めるが,結果の発生しなかったAに対して殺人未遂罪を認めるのかどうかにつき,実は判例はハッキリしていない(判例の事案では,何れの場合も,結果の発生していないAに対する関係では起訴されていないため,判断の対象となっていないのである)

法定的符合説は,行為者の意図が同一構成要件内で現実に発生した事実の上に故意の実現があったとするものとする論理であるから,Aに結果が発生しなかった場合には,Bに対する故意犯の一罪の成立を認めることで評価が尽くされ,Aに対する故意犯の既遂を認めないからといって,論理の一貫性を欠くという事にはならないであろう。(実務上、検察官がAに対する殺人未遂罪で起訴しない処理が一般)

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自分の答案を見つめ直す

2014-11-27 22:37:55 | 司法試験関連

これ、去年の今頃のエントリーですが、重要なので再掲します。これまでの途中経過を総括するうえでご参考まで。

平均点以下の答案の特徴としてよく見かけるのが,①そもそも規範を立てていない,②事実の抜書きだけで評価がなされていない,③当てはめらしきことはしているが、実は規範に対する当てはめになっていない(これは結構多い),④自分でした問題提起に対して応えていないで終える(これも多い),です。あと,⑤論理がところどころ跳んでいて,実は話が連続的に流れていないのも目立ちます。

全般的に言えることですが,自分の思うところを丁寧に説明して、「相手に分かってもらおう」という意識が非常に低い感じがします。真意を誤解されたり,上手く伝わらないときは,端的に自分が悪いのです。「分かりやすく伝えよう」という気持ちが何よりも大切です。その点を強く意識して答案を作成するようにしてください。

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賃貸借契約存続中の敷金返還請求権の確認

2014-11-27 15:26:34 | 司法試験関連

1.確認対象の適否

 ①自己の、②現在の、③権利法律関係の、④積極的確認請求か否か

2.即時確定の利益

3.方法選択の適否

賃貸借契約締結時には、賃借人から賃貸人に対し、敷金、権利金、保証金などの名目で相当額の金銭が交付される事が多い。しかし、その区別は曖昧である。重要なのは、「名目より実質」であり、契約から生じる債務を担保し終了時には返還するものとされていれば、「敷金」と判定してよい。本判例も、名目は「保証金」とされていたものを、上記の実質を持つとして、「敷金」である、との認定を先にしている。

 <敷金の性質>

→ 「建物明渡しがされた時において、それまでに生じた敷金の被担保債権一切を控除しなお残額があることを条件として」発生する(明渡時説)。

→ 条件付の権利として「現在の」権利又は法律関係である、といえる。

 <類似例>

退職金請求権の確認訴訟

退職前に将来の退職金請求権の確認を求めるケースが多い。

「賃金の後払い的正性格」を強調すれば、確認対象の適格を肯定する余地がありそうだが、裁判例は否定的。一般論として、将来の権利との理由で不適法とする。もっとも定年退職日が1ヶ月後に迫った者の訴えに関して、適法としたものがある。また、退職年齢を引き下げた就業規則の改定の無効確認の訴えや従前の年齢を退職年齢とする雇用契約上の地位を有することの確認の訴えを適法と認めたものがある(後者は、定年日が1ヶ月に迫った者に限定)

<東京地裁平成15年5月27日>

定年制を前提とする雇用契約は,法律上,期限の定めのない契約であって,定年までの期限の定めのある契約ではなく,労働者に定年とされる年齢までの雇用関係の継続を法的に保障するものではないから,定年となる年齢の確認を求める訴えは,当該定年(又は変更された定年)となる日が極めて間近に迫ったり,あるいは当該定年(又は変更された定年)に達した後に,地位の存否の確認,賃金(退職金を含む。)支払を請求する等の具体的な必要がない限り,確認の利益はないものと解するのが相当

原告Aについては,本件口頭弁論終結時から1か月以内に定年となる日が迫っており,当該日以降の地位確認,賃金支払を請求する具体的な必要があると認められ,その訴え(確認請求)は確認の利益があり,適法である。

一方,原告A以外の原告らについては,定年となる日が極めて間近に迫っているとか,各自の当該定年日以降の地位確認,賃金支払を請求する具体的な必要があるということを認めるに足りる証拠はなく,その訴えは確認の利益がなく,いずれも不適法である。

外勤制度の廃止を告げられた場合の雇用者たる地位の確認

→ 即時確定の利益ありとした

 <百選NO.28事件 東京地裁平成19年3月26日>

「確認の訴えにおける確認対象は,原則として,現在の権利又は法律関係であるのが通常である。しかし,将来の法律関係であっても,発生することが確実視できるような場合にまで,確認の訴えを否定するのは相当ではない。すなわち,権利又は法律的地位の侵害が発生する前であっても,侵害の発生する危険が確実視できる程度に現実化しており,かつ,侵害の具体的発生を待っていたのでは回復困難な不利益をもたらすような場合には,将来の権利又は法律関係も,現在の権利又は法律関係の延長線上にあるものということができ,かつ,当該権利又は法律的地位の確認を求めることが,原告の権利又は法律的地位に対する現実の不安・危険を除去し,現に存する紛争を直接かつ抜本的に解決するため必要かつ最も適切であると考えることができる。そのような場合には,確認訴訟が有する紛争の予防的救済機能を有効かつ適切に果たすことができるといえるので,将来の権利又は法律関係であっても,確認の対象として許容する余地があるというべきである」。

「即時確定の利益」は,被告が原告らの権利を否定したり,権利関係について原告らの主張と相容れない主張をし,そのために原告らの権利者としての地位に危険や不安が生じている場合などのように,一定の権利又は法律関係の存否を原告らと被告との間で判決により早急に確認する必要があり,かつ,当該確認判決を得ることによって,原告らの権利又は法的地位につき存する危険や不安が除去されることが期待し得る場合には,これを認めるのが相当」

現時点における被告のRA制度廃止に対する揺るぎない姿勢を前提にする限り,原告らが本訴提起のような対抗措置をとらなければ,被告が計画どおりに平成19年6月30日限りでRA制度を廃止し,同年7月1日以降,原告らがRAとしての地位を失うことは確実であると認めることができる。そして,RAとしての地位を原告らが失うことにより,原告らは,それまで積み上げてきた顧客との契約関係あるいは人的つながりを失い,事後に廃止の無効による地位確認等が認められても回復の困難な事態を招来することも十分に考えられるところである。

以上からすると,被告がRA制度廃止を言明している時期まであと5か月ほどを残すのみである現時点(口頭弁論終結時)において,原告らには,平成19年7月1日以降のRAとしての地位について危険及び不安が存在・切迫し,それをめぐって被告との間に生じている紛争の解決のため,判決により当該法律関係の存否を早急に確認する必要性が高く,そのことが当該紛争の直接かつ抜本的な解決のため最も適切な方法であると認めることができる。また,仮に,原告らの確認請求を認容する判決がされた場合には,被告においてもRA制度廃止の方針・内容につき再考する余地も期待することができ,RAの廃止をめぐる現在の紛争の解決のほか,廃止後の条件等をめぐる将来の紛争の予防にもつながる可能性が十分に認められる。そうだとすると,本件訴えは,確認対象の選択の点で不適切であるとはいえず,即時確定の利益についても欠けるところはないものというべきである。

確認の訴えの紛争予防的機能を強調している。

現代社会においては、権利法律関係の不明確が生じやすくなっており、その不明確自体が重大な経済的、社会的な損害をもたらすようになっている。この不明確を除去し、そのような損害に対する救済を与える為には、なるべく早期の段階で確認訴訟を認め、確認判決の予防的機能を十分に発揮させるべきであると考える。

すなわち,将来の法律関係であっても,発生することが確実視できるような場合には,確認の訴えを認めるべきである。具体的には・・・

答案上、勝負のポイントは、即時確定の利益の有無である。具体的に事実を拾い、危険の現実化の度合い、抜本的解決の必要性、現時点で解決すべき必要性など、評価することが重要である。

 

 

 

 

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契約の合意内容について考える

2014-11-26 03:03:18 | 雑感

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141124-00000004-nkgendai-life

>「店が撮影禁止というのなら従わなければならないでしょう。客が暖簾をくぐった時点で、店との間には“店のルールにのっとり飲食の提供を受ける”という黙示の売買契約が交わされているからです」

「黙示の売買契約」ねぇ。。。店側が一方的に撮影禁止と考えているだけで、「当然に」合意内容になるわけではないが(仮に、当店では食事の際、女性は裸になってもらいます、と言う「ルール」だからといって、「当然に」そのような内容の売買契約が交わされたとはならない)。店内に張り紙等で「当店は撮影禁止です」とある店に入れば別だけど。 

ここでのテーマは、食事の際「店側のルール」に従うのは当然として(この意味での黙示の合意は成立している)、「そのルール」の中身が問題なわけで。 「撮影禁止という店側のルール」に従って、という「黙示の合意」が認められるためには、一般論として、①「料理の撮影は禁止」、ないし、②「店側にその決定権がある」というのが社会通念として成立しているかどうかという問題ではないかと思う。つまり「店側のルール」として当然に含まれる「一般的なルール」とはなんぞや、というのが本当の問題。 

社会通念上、撮影はそもそも禁止が原則、又は、店側に撮影に関して決定権があるとすれば、「そういう内容の店側のルールに従って食事する」という黙示の合意が成立したと言いうる。しかし、①は違うだろうし、問題は②。著作権は根拠足りえないらしいので、これを理由に禁止はできない。では何を根拠にするか、というときに、「黙示の合意があるから」これを根拠に禁止できるって、説明の仕方としてなんか変じゃないのかね。

要するに、「(撮影禁止と)店側が言うなら当然従うべき」という価値判断が既にこの人にはある。でも、今回は「そもそも本当にそうなんですか?」って質問ではと思った次第。

あと、「店は客と売買契約を“結ばない権利”もある」ことはあるけど、注文を受けて実際に料理を出してるわけで、この段階で売買契約自体は成立しちゃってる。問題は、「成立した契約の中身」として、「撮影禁止」が含意されているかだと思うけどね。「結ばない権利」云々は、「すいません、撮影していいですか?」、「いや、うちはそういうのはお断りです」という入口段階の話だよな。

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京都大のやる気のなさに世界が(予備校業界が!?)泣いた件

2014-11-25 18:46:10 | 予備試験関連

★平成26年 大学生(学部生)の大学別予備試験合格率
東京大 合格率12.4%(受験者348、合格43)...
一橋大 合格率10.4%(受験者*77、合格*8)
九州大 合格率*5.6%(受験者*36、合格*2)
慶応大 合格率*5.4%(受験者317、合格17)
中央大 合格率*4.0%(受験者478、合格19)
早稲田 合格率*3.8%(受験者260、合格10)
立命館 合格率*2.9%(受験者*69、合格*2)
大阪大 合格率*2.6%(受験者*78、合格*2)
京都大 合格率*1.8%(受験者112、合格*2) ← ココ
(合格者1名の大学:神戸、上智、同志社、獨協、名古屋、日大、法政、北海道、明治)

<参考>平成25年 大学生(学部生)の大学別予備試験合格率
東京大 合格率11.7%(受験者351、合格41)
一橋大 合格率*9.1%(受験者*66、合格*6)
京都大 合格率*5.9%(受験者*85、合格*5)
慶応大 合格率*5.8%(受験者309、合格18)
中央大 合格率*5.2%(受験者364、合格19)
大阪大 合格率*3.0%(受験者*66、合格*2)
同志社 合格率*2.2%(受験者*91、合格*2)
明治大 合格率*1.9%(受験者106、合格*2)
早稲田 合格率*1.8%(受験者228、合格*4)

ローはこちらだそうな。

<平成26年 法科大学院生のロー別予備試験合格率>

東京大ロー 合格率23.9%(受験者138、合格33)
一橋大ロー 合格率22.2%(受験者*72、合格16)
創価大ロー 合格率22.2%(受験者**9、合格*2)
京都大ロー 合格率22.0%(受験者*91、合格20)
慶応大ロー 合格率17.9%(受験者156、合格28)
中央大ロー 合格率16.3%(受験者178、合格29)
神戸大ロー 合格率*9.9%(受験者*71、合格*7)
九州大ロー 合格率*9.1%(受験者*55、合格*5)
北海道ロー 合格率*6.1%(受験者*49、合格*3)
早稲田ロー 合格率*4.8%(受験者187、合格*9)
上智大ロー 合格率*3.6%(受験者*55、合格*2)
大阪大ロー 合格率*2.6%(受験者*78、合格*2)
(合格者1名のロー:岡山大ロー、京都産業大ロー、甲南大ロー、首都大ロー、成蹊大ロー、専修大ロー、桐蔭横浜ロー、同志社大ロー、新潟大ロー、横浜国立大ロー、立教大ロー、龍谷大ロー)

<参考>平成25年 法科大学院生のロー別予備試験合格率

東京大ロー 合格率30.5%(受験者141、合格43)
京都大ロー 合格率28.6%(受験者*42、合格12)
慶応大ロー 合格率24.0%(受験者121、合格29)
一橋大ロー 合格率19.7%(受験者*66、合格13)
千葉大ロー 合格率19.4%(受験者*31、合格*6)
九州大ロー 合格率12.8%(受験者*47、合格*6)
中央大ロー 合格率11.9%(受験者126、合格15)
学習院ロー 合格率10.0%(受験者*20、合格*2)
東北大ロー 合格率*9.1%(受験者*22、合格*2)
神戸大ロー 合格率*8.3%(受験者*36、合格*3)
首都大ロー 合格率*7.7%(受験者*39、合格*3)
上智大ロー 合格率*6.3%(受験者*32、合格*2)
大阪大ロー 合格率*4.3%(受験者*69、合格*3)
明治大ロー 合格率*4.3%(受験者*46、合格*2)
早稲田ロー 合格率*2.1%(受験者145、合、格*3)

まぁ、まず関東勢に比べ、そもそも関西勢は予備校を利用しない傾向が強い。特に京大。予備校イベントにも他大に比べて顔を出さない印象がある。

また、関西は関東に比べて、予備試験についてはあまり本腰が入っていない状況にある。その影響かと思われますね。実際問題、京大学部生の予備試験に対する興味関心はかなり低いそうです。にしても合格率1.8%は驚きですね。東京大とのカラーの違いが如実に出ていると思います。

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過失犯の予見可能性の意義<最決平成元年3月14日>

2014-11-25 14:44:41 | 司法試験関連

これお蔵入りしてたもの。ご参考までに。

<Xがその存在を認識していなかったY1,Y2に対して,Xが業務上過失致死罪の罪責を負うこととなるか>

= 犯人が過失行為の時点において具体的被害者の存在を認識しているか,又はその認識可能性があったと言える事が,その被害者に対する過失致死傷罪の成立を認めるために必要なのかどうか、という問題。

【Ⅰ.個々の同乗者(被害者)についての予見可能性まで必ずしも必要ではないと言う見解】

1.人に対する死傷の結果を伴う事故発生についての予見可能性があれば足り,自車に同乗者がいるという認識も認識可能性も不要とするもの(人一般レベルで法定的符合説的考えをとる)

2.自車に一人でも同乗者がいるという認識ないし認識可能性があれば,他にも同乗者がいることの認識も認識可能性も不要であるとするもの(同乗者一般と言うレベルで定的符合説的考えをとる)

3.後部荷台に1人でも同乗者がいるという認識ないし認識可能性があれば,そこに他にも同乗者があることの認識も認識可能性も不要であるとするもの(後部荷台同乗者というレベルで定的符合説的考えをとる)

【Ⅱ. 個々の同乗者(被害者)についても予見可能性が必要であると言う見解】

4.後部荷台に同乗者があることの認識がなくても,その認識可能性があれば足りるとする見解

ケース1

<自車後部荷台同乗者のみが死傷したが,それはそのような不安定な場所に乗車していたからであったと言う場合>

→ 運転手が通常の運転をしていた場合はもとより,多少乱暴な運転をしていたとしても,後部荷台同乗者の存在を認識していない限り,原則的に過失はない。例外的に,発進前の具体的状況から同乗者があることを予見すべきであったと認められる場合に,同乗者のいないことを確認しないで運転を開始継続したことに過失があるとされるにとどまる(発進直前まで子供が自車後部付近で遊んでいたような場合)。

→ 当該運転行為による人身被害発生の危険が及ぶ領域は自車の後部荷台等人が乗るに相応しくない場所に限定されているから,運転者にその危険領域に人が存在しているという認識がない以上,その認識を前提とした注意義務を課することはできず,運転者におよそ人に対する死傷の結果を伴う事故発生についての予見可能性が無いと言って良い。

ケース2

<他の車両や通行人の存在が考えられない場所(管理された無人の競技場内など)で,自分が死傷する可能性はあっても他人を死傷させる危険はないと考えて曲芸運転をしたところ,自車に無断同乗者がいたという場合>

→ 同様

→ 自殺や自傷行為を処罰しないので,運転者自身の死傷と他人の死傷との間において法定的符合説的な考え方をすることはできない。運転者には,他人の死傷という結果についての予見可能性がないことになる。

ケース3

<高速度で無謀運転をしていたが,他の車両に衝突する危険を感じた際,とっさに他人を死傷させるよりは自分が犠牲になった方が良いと考えて,自車をコンクリート製の頑丈な電柱に激突させて停止させたところ,後部荷台に無断同乗者がいて死傷した場合>

→ 異論はありうるが,同様

→ 運転行為による人身被害発生の危険が及ぶ領域を自車の内部に限定したところ,自車には自分しかいないと認識していたのであるから,ケース2と同様に解しうる。

ケース4

<ケース3において,電柱の上部に電気工事人がいて衝突の衝撃により転落死したような場合>

→ 自車内部とは異なり,そこに人がいないと積極的に認識していたのでない限り,業務上過失致死罪の成立を認めるべきであろう。

 以上全てのケースで,同乗者のいないことを確認しないで運転を開始継続したことに過失が認められることがありうる。

 【本決定の射程距離】最決平成元年3月14日

・過失行為が、自動車の無謀運転と言う危険拡散型の行為であり,人身被害発生の危険が及ぶ領域が、自車の後部荷台などに限定されていたわけではないというのは重要事実である。ケース1のような場合は別意に解すべきであろう。

・本件においては,助手席に丙が同乗しており,このことは被告人も認識していたのであるが,丙の存在及び負傷の事実は,決定重要部分においては全く言及がなされていないので,重要な事実ではない

・本件は,貨物自動車の後部荷台という人が乗車することがよくありうる場所に同乗者がいたという事案である。運転者が知らない間に,人が普通乗用自動車のトランクの中などおよそ人が居るとは考えられないような場所に入り込んでいたか,何者かによって入れられていて,交通事故により死傷した,と言う場合にも同様に考えて良いかどうかは争いがありうるところである。

・概括的故意の概念を認める以上,故意犯と比べて構成要件の定型性が緩いとされている過失犯において「概括的過失」の概念を否定する言われはない。

・過失犯においては,行為者の不適切な行動が社会生活上影響を及ぼしうる範囲内にある人といった程度の抽象化は許されるべきであり,こうした人に対する結果の発生が予見可能であればよい。

・もっとも,概括的過失の概念を認めるにしても,それは個々の客体が確定しいなくても良いというだけのことであって,客体の範囲は無限定でも良いということではない

・もっとも本決定は,「いかなる事故を惹起するかもしれないことは,当然認識しえた・・・」と言う表現を用いている。

・本件のように自動車の無謀運転を継続する場合,対向車との衝突,自車の障害物との衝突,横転,路外への転落,歩行者の轢過,周辺人家への飛び込み,危険を感じた周囲の車両同士の激突,このような交通事故による派生的事故などの事故を,いつどの時点で惹起することになるのかを事前に予測することは出来ないが,このような事故を惹起するかもしれないことは当然認識しえたという趣旨に理解できる。本件においても,被告人にとってその死傷が予見可能な「人」の範囲は,「本件日時ころ自己が運転を予定していた道路において自車の無謀運転に起因する交通事故を惹起した場合に死傷する可能性のある人」に「限定」されているのであり,「客体の範囲が無限定」なわけではない,と言いうる。

 【ポイント】

★「過失行為の危険が及ぶ領域」かどうか,を常に考えると良い。

 

 

 

 

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強制処分とは

2014-11-24 12:41:24 | 司法試験関連

捜査の問題の定番。

「職務質問開始」→「急に走って逃げ出す」→「後ろから肩に手をかける云々」・・・というパターン。「肩に手をかけて」止める行為が適法か、という例の問題。

「任意処分としての限界」の問題だというのはすぐわかると思いますが、「任意処分」の限界を論じる以上、「肩に手をかける」行為は、強制処分ではなく、任意処分だという認定をしなければいけない。さて、どういう理由で「強制性」を否定しますか?

 

Comments (6)
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気持ちと行動

2014-11-23 13:12:26 | 雑感

「生まれた時に約束されたもの以上を目指す気持ちをもって行動する」

ブルース・スプリングスティーンが、4月に彼のバンド、「Eストリートバンド」がロックンロールの殿堂入りした時、バンドを紹介した際に口にした言葉。ズシンときたよ。

人は生まれた時に既に何かを約束されている。しかし、それで終わるか、それ以上のものを手に入れるか。それは気持ちの問題だ。

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刑事訴訟法における当てはめ

2014-11-22 14:07:25 | 司法試験関連

刑事訴訟法の「捜査」分野は、自分的には出来たと思っても、思ったほど点が伸びないことが多いです。それは、当てはめの際の、「事案に対する踏み込みの甘さ」に原因があります。任意捜査の限界でよく出てくる、「必要性」、「緊急性」、「相当性」などが典型でしょうか。

例えば、「必要性」は、捜査機関にとっての「必要性」ですが、「当該事案」において、「そのような捜査方法」を取る「必要性」を具体的に指摘しないとダメなのです。何故、写真撮影をしなければいけないのか、何故おとり捜査をしなければいけないのか、何故肩に手をかけなければいけなかったのか、事案に沿って具体的に指摘しなければいけません。

令状執行における「必要な処分」も同様です。当該捜索・差押・検証の「目的」は何なのか。被疑事実(問題文の冒頭によく出てくる、「事件の背景的事情」も使います)や捜索対象物との関係から、その「当該強制捜査の目的」を達成するために、何をしなければならないのか、そしてその達成するための補助手段である「必要な処分」は幾つかあると思いますが、この事案において「穏当な」手法はどれなのか、を事案に即して論じてください。そうしなければ説得力は「0」です。

実践力完成講義では、この辺についてかなり突っ込んで講義しています。本試験に文字通り直結した内容なので、刑事訴訟法で当てはめが苦手な人は参考にしてみてください。最後は宣伝でした 笑

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願書の季節

2014-11-21 14:14:09 | 司法試験関連

最近バタバタしていて日にちの感覚が衰えていましたが、11月も下旬に。そろそろ紅葉の季節ですね。すなわち、願書提出の時期かと。

さすがに忘れる人はいないと思いますが、なるべく早めに出しておきましょう。しかし、願書を出すとちょっと身が引き締まりますよね。答練も何だかんだと前半戦も終わりという感じでしょうか。

ここでひとまず、ここまでの答練や試験対策の状況を振り返り、進捗状況を洗い直すのがいいと思います。もちろん、定期的に短答過去問題を時間を測って解いて、現在のレベルの確認も忘れずに、です。年末の模試を受けて、初めてそこで慌てる、なんて話になりませんよ。常に自分のレベルは把握しておきましょう。

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寄る年波に。・。・。・

2014-11-21 00:02:52 | 雑感

「西島秀俊が結婚発表!“悲報”に女性ファン嘆き」

え、まじ、「西城秀樹」人気あんだな!

と3秒ほどガチで勘違い。乙。。。

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174日

2014-11-20 17:14:30 | 司法試験関連

記念すべき第10回大会まであと「174日」。さり気に残り半年を切ってます(予備試験もあと178日なので半年切りました)。

9月に合格発表があり、来年の試験は、まだまだ先のように感じるのですが、客観的にはねぇという感じです。特に、年内はあまり「試験」を意識はしないですが、年が明けると俄然5月の試験が意識されてきて、何となくふわついてきます。

特に、現役生は、2月頭まで定期試験があると思うので、定期試験が終わると、もう3月も目の前という超直前期になります。ですから、まずは年内に進められるだけ準備を進めるべきです。年明けの負担を減らすことが目標です。

個人的には大晦日から正月は休んでもいいと思っているので、その分、年内はキツメ進行でビシビシ行っちゃってください。

Comments (2)
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