少数派になる

2012-01-31 18:59:38 | 司法試験関連
あらゆる試験に言えることだが,合格するには,「正しい試験対策」をすることが必要不可欠である。しかし,司法試験に関しては,この点があまり意識されていないとしか言いようがない。よりによって一番試験対策の影響を受けやすい試験で,である。正確に言うと,「不合格者の多く」がこの点についての認識が非常に甘い,という意味であるが。

同じ「司法試験受験生」と言う属性の括りでも,その内実は大きく異なる。意識面での質的格差は顕著。って,このブログを読んでいる人に言っても意味がないのだが(笑 分かっている人が読者層であると思われるから)。一体全体多くの受験生は何をしているんだろうかと思うことがたまにある。とにかく多くのことを知らない。しかも合格するために必要なことを知らない。この情報感度の差は如何ともし難い。本人の自覚を待つしかないのだろうが,内心忸怩たる思いがする。

正確に言うと,「不合格者」という括りも大きすぎる括りである。翌年の合格に近い不合格者と,残念ながら合格からは遥かに遠い不合格者がいる。前者ならば良いが,後者だと三振一直線になってしまう。気をつけないといけない。

因みに受験界において,多数派を形成するのが不合格者であり,少数派を形成するのが合格者である(人数比から当然そうなる)。なので「少数派」にならないといけない(合格者の多いロー内では多数派になる必要があるが)。多数派の勉強は正直温い。温い勉強では受からない。そんな極楽な試験ではない。

合格したとたんに人は言う事が2,3倍大きくなる。当たり前である。受かったんだから何を言おうが構わない。中には苦労しないで受かったかのような言いっぷりをする人もいる。当たり前である,だって人だもの。しかし,不合格者にとってはこれらは宜しくない性癖ということになろう。だから鵜呑みにしてる場合じゃないのである。改めて言うが,受かったやつは相当苦しい思いをして合格している。それだけは間違いない。ただ,そういう事は意外と言わないだけである。苦労話は単なる自慢話であるし,あんまりシビアなことを言うと相手に嫌われる危険性すらあるからである(しかし,合格者同士ではその手の話はよく出るのである!)。自分に厳しくいこう!
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2月3日のガイダンス補足

2012-01-31 17:31:21 | 司法試験関連
対象者:
 ・法科大学院未修者コースに入学される方
 ・法科大学院未修者コース2・3年に進級される方

となっておりますが,もちろん既修者2年生・3年生,既卒生,今年受験回避も想定している方なども全て対象です。

名称自体はあまり気にしないで下さい。腰を据えて「正しい新司法試験対策をキッチリしたい人」「次回受験時に必勝態勢で臨みたい人」全てが対象と言うことです。重要なのは「コース属性」ではなく,「必要なスキルが身についているかいないか」です。付いていなければ是非来てください。
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短答マスター民法投了

2012-01-31 17:20:53 | 司法試験関連
短答マスター民法の収録が終わりました。補講を1時間だけやらせていただきました。その分,親族相続の全ての条文に言及しましたのでご容赦下さい。ほぼ全条文の読み上げも行っております。「短答対策講義」として正しい姿を追求した結果,1時間足らなくなってしまった次第です。反省しております。

あと,今回の改訂版情報シートには,かなり詳し目の要件事実まとめページが随所にあり,各説明も詳細ですので(もちろん口頭でも言及しました),要件事実対策としてはこれで十分ではないかと思います。特に予備試験受験生は,要件事実に対して不安感が多少あると思いますが,本試験論文対策用にはこれでOKです(後は自分の裁量で手を広げるのは自由ですが)。情報シートには新司法試験の過去問題も相当入れておきましたので,チェック用にご利用下さい。

次は短答マスター刑法です。頑張ります。
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2月3日17時半@渋谷!

2012-01-31 13:34:30 | 司法試験関連
いよいよ2月6日に「2012年 論文突破基礎力完成講義」の開講が迫り,これを皮切りに2012年吉野クラス自体が遂に始動します。

というわけで,1月早々に,「正しい論文指導」的なものを,ペースメーカー論文答練の解説と言う形で行いました。そして2月3日には,本体の説明会を行います。司法試験対策のガイドライン的な内容にするつもりで,「論文過去問題の傾向の変遷」についても言及します。そして,今年の採点実感等についてガツガツ言及していきます。まぁ,このブログでも吠えましたが,実際に吠えます(笑)。一応,ローの定期試験が「ほぼ」終わる時期に持ってきたので,是非生ライブにご参加下さい。そして,気合も入れちゃって下さい。尚,今年受験する方も,「ご法度集」になると思うので是非。

『司法試験合格水準への登り方
 「司法試験突破力を効率よく修得するコツ」』

吉野 勲講師<ライブ>
 対象者:
 ・法科大学院未修者コースに入学される方
 ・法科大学院未修者コース2・3年に進級される方
 【東京校】2/3(金)17:30-19:00
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2012年如月の陣・弥生の陣

2012-01-30 18:06:25 | 司法試験関連
2月と3月に名京阪に行きます。論文突破等,吉野クラスの説明会ですが,いつも通り,採点実感等と過去問題分析に基づいた,有益な情報提供をガッツリしていきますのでご期待下さいさい。詳細はまたアップしますです。
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平成23年新司法試験の採点実感等に関する意見 (商法編)

2012-01-27 19:16:29 | 司法試験関連
全体としては,論述が十分しきれていない答案が多く見られた。

第5回から,実務一辺倒から旧司法試験への先祖帰り的な出題の変化が見られるため,論点を論じるという要素が強くなっているのだがそれに応え切れていないということである。あと,そもそも論点抽出が出来ていないという意味であろう。

㋒の財源規制違反の瑕疵については,全く検討していない答案が多く,これに触れている答案でも,分配可能額を誤っている答案や適用される条項を正しく理解していない答案(同法第461条第1項第3号ではなく,同項第2号を根拠とするもの,同号には該当しないので財源規制違反とならないとするもの等)がかなり見られた。

財源規制違反に気がつかないのはかなり重症である。条文や論点を知らない上に,問題文の読み方がなっていないというダブルパンチである。問題文本体や資料から誰が見たって誘導は明らかであろう。

Bは甲社に対して受け取った25億円を支払う義務を負うが(会社法第462条第1項),この点を理解していない答案が多く見られた。また,この支払義務を負うべき金額を誤っており,又は具体的に示していない答案がかなり見られた。

「金額」を具体的に示さないのも相当マズイ。講義でもオープンスクールでも,数年前から散々指摘しているのだが,まだまだ「時代遅れの受験生」が多いということであろう。司法試験は「情報戦」である。

論理的整合性をもって論じた答案は,多くは見られなかった。

2009年版フレーム講義で指摘し始めたことだが,民事系(特に商法)は設問間の論理的整合性に意を払わないと,論理矛盾を起こす危険性が高い出題が多いのである。これも「情報戦」における「敗者」である。

同法第199条第3項に基づく説明義務と株主から説明を求められた場合に取締役等が負う一般的な説明義務(同法第314条)との区別を理解しない答案や,前者の違反があったと解答し後者に全く触れない答案も相当見られた。

条文の知識不足が原因だろう。会社法は条文操作能力が物を言う科目である。短答対策をキチンとやったかやっていないかで,論文でも大きく差が出てしまうのだが。

第2号議案の採決に際して乙社が議決権を行使したことが同法第831条第1項第3号の株主総会決議取消事由に該当するかどうかについては,多くの答案が触れていたものの,中には,特に理由を論ずることをしないまま,著しく不当な決議がされたとの結論だけを述べる答案も見られた。

ここでいう「理由」というのは特に事実の評価等を経ないで結論だけ書いている,という意味であろう。時間不足でそうなった可能性もあるが,素でやっていたら困った話である。

そもそも,自己株式の処分の無効は自己株式処分無効の訴えによってしか主張することができない(同項柱書)ということに触れていない答案がかなり見られた。また,説明義務違反や特別利害関係人による議決権行使が株主総会決議取消事由となることと自己株式処分無効の訴えとの関係を論じた答案は少なかった。さらに,株主総会の特別決議を欠く新株の有利発行は有効であると判示した著名な最高裁昭和46年7月16日第二小法廷判決(判例時報641号97頁)の考え方との関係について論じた答案は更に少なかった

訴え提起の必要性→無効原因って何?パターンは定番である。昭和46年判決に触れないのは驚きである。商法は,短答で判例問題が殆ど出ないこともあり,判例学習が手薄になっている可能性がある。そもそも百選掲載判例くらいは,「勉強する・しない」,「百選読む・読まない」の問題ではなく「常識」である

そもそも本件自己株式取得が財源規制違反であったことを見落とした答案が多く,会社法第462条(第1項柱書又は第1項第2号)の責任をきちんと論じた答案は多くはなかった。また,同法第465条第1項第3号の欠損塡補責任についても,これを論じた答案は少なく,これに触れた答案であっても,責任を負うべき金額まで正確に示した答案は更に少なかった。

計算とはいうもの,462条,465条は,会社法の中でも「メジャーリーガー」の部類の条文である。「知らなかった」で済むレベルではない。そもそも問題文を読んでいて,何も論点化しない点につき不思議に思わないのだろうか。仮に事前に知らなくても,条文を調べるくらいの機転は利かせないと駄目である。

同法第423条の任務懈怠責任の検討に当たっては,設問①②における論述との整合性を意識しながら,任務懈怠の内容の分析と,損害額及び因果関係について論理的な記述をすることが求められ,このような記述をした答案には高い評価を与えたが,そのような答案はそれほど多くなかった。他方,本件自己株式取得及び本件自己株式処分には上述したような種々の法令違反があったにもかかわらず,法令違反の点を度外視して,高く取得して安く処分したことに伴う差損を捉えて,そこに経営判断の原則を当てはめる答案が散見された。

これも論理的整合性が地雷になる部分。特に今年は,各小問が密接に連動しているので注意が必要。「損害額」と「因果関係」はいつもしつこく指摘している423条・429条を検討する際の最重要ポイントである。
因みに経営判断原則云々,という指摘は,法令違反の場合には経営判断原則の適用はない,という趣旨である(経営判断原則は,取締役に経営に関する「裁量」があることを前提とするが(裁量逸脱濫用審査をしているので),法令違反の場合にはそもそも裁量なんてないからである(法令に違反する「裁量」などない)。これは論文突破基礎力完成講義の論文突破レジュメでも指摘済みなのでご安心あれ。

貸借対照表を見て分配可能額を算出するという基本的な点や,取締役の会社に対する責任を含めて,事例における事実関係を読んでそれに即して論ずるという基本的な点に不十分な面が見られる。そして,基本的な判例を踏まえて,それに基づいて論理的な思考をし,また,その考え方を応用する能力にも不十分な点が見られる。

実務的な要素と論理性の程よいミックスの必要性と言うことである。
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短答マスター民法の復習方法

2012-01-27 17:30:01 | 司法試験関連
短答マスター民法の復習方法。

1.まずは,短答プロパー要素が強い部分を重点的に復習すべきであるが,論文論点(基礎マスター等で重点配分されている論点等)があやふやな人は先ずは基礎固めを優先する。

2.引き続き,過去問題集・オリジナル問題集を用いて問題演習を行うが,その際,全ての肢の正誤確認をすること(正誤の理由を各肢全て言えるようにすること)。その問題自体の正誤そのものが重要なわけではない。理解に不安の残る部分は,基本書・判例集等で補充すること。

3.民法の場合,判例六法掲載判例は,試験対策として極めて有益である。但し,時間的余裕がない場合,①不得意分野,②情報シートで解説部分の多いもの(それだけ重要な条文と言うことにもなるので)という優先順位で読み込んでいくのが良い。

4.民法の学習が終えた後でも,適宜空き時間等に肢別本を用いて,知識の定着度を高める。なお,「マコタン」は,多数のオリジナル問題からなる肢別本なので(過去問題の肢も適宜含まれる),「問題数をこなす」という観点からも利用価値があるようになっている。

*ついでに言うと,民法はまだまだ本試験未出題分野(しかもメジャーな部分も)が非常に多いので,過去問題だけで事足りるというのは大変危険である。
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短答突破実践力完成講義 第3回について

2012-01-26 17:35:59 | 司法試験関連
短答突破実践力完成講義 第3回の冒頭18分は若干吠えてます(笑)。短答対策について厳しい目のことをのたまってますが,大事な事なので身に覚えのある!?人はシッカリ聞いて欲しいと思います。

憲法・行政法は,過去問題を利用して,不合格者に多い判例の勉強の仕方の「ズレ」についての確認をかなり具体的にやってみましたので,憲法判例等の読み方のイメージがようわかん,という人は参考にしてみて下さい。

3時間目冒頭では,刑事系の学習のポイント(特に問題演習の作法に関して)を詳しい目に説明致しましたので,参考にして下さい。
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短答式試験の作法

2012-01-26 13:54:15 | 司法試験関連
最近目覚めが悪いというか眠い。この時期は大抵こうなる。冬眠モードなのか。

さて,第2回予備試験の願書出願シーズンである。チャンスは最大限に活かすべきなので,できるだけ受験すべきだと思う(ロー3年生は受験する実益がないが)。

短答は,論文に比べ,「量」が「質」を変える部分が大きい。特に単純知識問題と言って良い試験なので,正直知らなければ解けない,知っていれば解ける,というだけの問題である。

点数を上げる勉強方法は論文と比べればはるかに単純で自明である。

①インプットを「広く」「浅く」「確実に」行う事が何よりも重要。しかし,この段階をスキップしている者が多い点についてはいつも指摘しているところ。

②5肢フルセットの問題でアウトプットする。本試験当日に要求されることを「普段から」やるのである。

③肢別は,知識チェック用に使う。本番での出題形式は,「肢別では無い」ということをどれだけの受験生が明確に意識しているのかやや不思議に感じる事が正直多い。

*主要法令の中で(例えば会社法であり,民訴法であり,刑訴法である),読んだことすらない条文があるか?もしあったら,根本的に勉強のスタンスが明後日の方向を向いていると自覚すべきである。
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仕組み解釈と個別法対策

2012-01-25 16:47:35 | 司法試験関連
行政法と言えば,「仕組み解釈」という言葉が出てくるくらい,「仕組み解釈」はメジャーな受験用語となった。しかし,実際問題,どうしたもんだか,と悩んでいる人が圧倒的に多いかと思う。

最高裁が展開しているような「リアル仕組み解釈」を試験で問われているわけではない(しかしその一端は,ケースメソッド論文マスターで文字通りガツンとやった)。要は添付資料の有効活用・解釈を問うているだけの話である。試験で求められている「劣化版仕組み解釈」とは何か,は第4回・第6回が参考になると思う。2009年版,そして特に2011年版のフレーム講義では,とにかく資料の使い方に意を払ってレジュメも作成したので参考にして欲しい。今日手元に,2011年版フレーム講義と,論文突破レジュメのテキスト版が届いた。感無量(笑)

また個別法だが,百選掲載判例に出てくる個別法を中心に慣れるようにすべきである。行政立法には,大体作り方のパターンがあるので,ある程度メジャー系の法律に当たっておけば,試験でマイナー系が出てきても内容は実はほぼ同じだったりするので安心されたい。
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第7回試験会場発表

2012-01-25 15:34:47 | 司法試験関連
第7回大会の本試験会場の発表がありましたね。東京会場は4箇所と数は変りませんが,有明がなくなり平和島になりました。浜松町からモノレールで行く感じでしょうか。

札幌市北海道経済センター(札幌市中央区北1条西2)

仙台市東北学院大学土樋キャンパス(仙台市青葉区土樋1-3-1)

東京都サンシャインシティコンベンションセンターTOKYO(東京都
豊島区東池袋3-1 文化会館)
TOC(東京都品川区西五反田7-22-17 TOCビル13階)
東京都立産業貿易センター浜松町館(東京都港区海岸1-7-8)
東京流通センター(東京都大田区平和島6-1-1)

名古屋市愛知大学車道キャンパス(名古屋市東区筒井2-10-31)
名城大学天白キャンパス(名古屋市天白区塩釜口1-501)

大阪市大阪商工会議所(大阪市中央区本町橋2-8)
マイドームおおさか(大阪市中央区本町橋2-5)

広島市広島県立広島産業会館(広島市南区比治山本町16-31 西展示館)

福岡市南近代ビル(福岡市博多区博多駅南4-2-10)
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「ステマ」問題来るか!?

2012-01-23 18:06:40 | 司法試験関連
ステルス・マーケティング(ステマ)の規制立法問題は面白そうですねー。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120123-00000033-mai-soci
以下,ちょいとニュースから抜粋。

サクラを使った“販売促進活動”は以前から広くあるが、ネットでは影響力が大きいのが特徴。食べログに掲載されている東京都新宿区四谷3にある居酒屋は「客の大半はネット評価を信頼して訪れるので、正直ランキングは気になる」と話す。


「ステマ」問題の調査に乗り出した同庁表示対策課の片桐一幸課長は「著しく消費者を誘導・誤認させた事実が判明すれば、厳正に対処する」と話す。ただ、「飲食店が依頼して書かせたのか、金銭の授受があったのかなどを証明する必要がある。『お得だ』『きれい』などの言い方は一般的で、表現の自由もあり、取り締まるべきものかどうかの線引きは難しい」。

ネット上の人権侵害などを担当する総務省は「店の誹謗(ひぼう)・中傷であれば、プロバイダー責任制限法が適用されるが、ステマ問題は今のところ、違法とは言えない」(消費者行政課)との姿勢だ。

色んな角度から人権問題としてアレンジできそうですねー。依頼した企業が被告人になるような事例(刑事罰系)だとすると,企業の経済的自由,表現の自由などを複合的に聞けますし,守ろうとする「公益」は何か具体的に検討させることもできます。これは危ないかも!!!
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平成23年新司法試験の採点実感等に関する意見 刑事訴訟法編

2012-01-23 15:08:06 | 司法試験関連
事例への法適用部分では事実が持つ意味を的確に位置付けて逮捕,勾留の要件に当てはめて論じることを求めている。

事実の「抽出」のみならず,事実の「評価」が不可欠である。

正確な法的知識を当然の前提としながら,法解釈論や要件を抽象的に論じるだけでなく,事例中に現れた具体的事実関係を前提に,法的に意味のある事実の的確な把握と要件への当てはめを行うことが要請されており,採点に当たっては,このような出題の趣旨に沿った論述が的確になされているかに留意した。

刑事訴訟法は初期の頃に,「事実を書き抜けばよい」などと言う倒錯した意見が幅を利かせていたこともあり,刑事訴訟法理論を軽んじる傾向が未だに根強いが,数年前から試験委員は理論の重要性にかなり言及するようになっている。また,「理論面」について,判例の規範だけ書けば,「全て事足りる」かのような勘違いも多いように思う。理論面の言及が不可欠なものもあるので注意したい。

相当数は,不正確な抽象的法解釈を断片的に記述しているかのような答案や,問題文からの具体的事実の抽出,当てはめが不十分な答案にとどまっており,関係条文からの解釈論を論述・展開することなく,問題文中の事実をただ書き写しているかのような解答もあり,法律試験答案の体をなしていないものも見受けられた。

「不正確」かつ「断片的」な記述というのは,理論面の学習が足らないことを示唆する事実である。事実の抽出+評価の不十分性はここでも指摘されている。「解釈論なし」というのは,「規範なし+事実の書き抜き」という抽象論・具体論共に意味のある記述がなされていないことを意味する。正に「作文」であり,本人の思惑とは異なり,「法律試験答案の体をなしていない」のである。主観的評価と客観的評価が大きくずれているので,この修正は自分1人では中々できないかもしれない。

刑事訴訟法の定める逮捕及び勾留の各要件(刑事訴訟法第199条,第212条,第207条第1項により準用される第60条等)について,事例に含まれている具体的事実を抽出・分析して,各要件へ当てはめを行う必要がある。問題文に,各要件の検討に必要な具体的事実関係が与えられているにもかかわらず,これらについて全く触れないまま,別件逮捕・勾留に関する抽象論を記述するだけで終わっているような答案が相当数見受けられた。

これも,問題文中の「お宝情報」を無視することへの不満が現われている部分である。多くの受験生が「別件逮捕来たー!」と思い込んで,覚えたことを「吐き出しまくった」のであろうことが容易に想像できる。吐き出し捲くった上で,事実の評価が伴えば問題ないが,「抽象論どや!以上!」で終わったら,「新」司法試験にした理由がないのである。

設問2では,まず,捜査報告書全体について,捜査機関による検証に準じたものとして,刑事訴訟法第321条第3項により証拠能力が付与されることを前提にしなければならないところ,これについて全く論ずることのない答案が相当数見受けられたほか,司法警察員により作成された捜査報告書の証拠能力が問われているにもかかわらず,メールを印刷したものであるから,知覚,記憶,表現の過程に誤りが入り込む余地はなく,非伝聞証拠であるなどと断じた無理解を露呈する答案さえも見受けられた。

伝聞の問題は,大きく2つポイントがあり,①立証趣旨から伝聞・非伝聞の峻別(新司法試験で超本格的に要求されるようになった部分)と,②従来の伝聞問題の主戦場であった,伝聞例外要件確認部分の2つである。何せとどまる事を知らずに事案が複雑化する一方なので,②についてもかなり苦戦が強いられるようになっている。事実関係を詳細に拾う癖がついてないと,条文要件すら見落とす危険性が高いのが正にこの部分である。日ごろ,この種のトレーニングをしていないと正直厳しい。

同メールはBの供述書であるのに,その指摘を欠き,あるいはこれを供述録取書として論ずる答案が相当数見受けられた。さらに,同メール中の甲及び乙の発言部分に関しては,「死体遺棄に関する犯罪事実の存在」を要証事実とする部分と,「殺人に関する犯罪事実の存在」を要証事実とする部分とに分けられ,前者については発言内容それ自体の伝聞該当性の問題が生じ得るものであったにもかかわらず,この点に気付いている答案は極めてわずかしかなかった。

前半部分の指摘は,記述の通りである。後半部分だが,捜査資料を1個の物としか「見られない・見ようとしない」受験生の傾向が見て取れる。正に「分析と展開」が重要なのである。

甲及び乙の各々について,自己を被告人とする関係では刑事訴訟法第322条第1項の適用が,共犯者を被告人とする関係では同法第321条第1項第3号の適用が問題となることについてまで論じられていた答案は少数で,また,中には,再伝聞である甲や乙の発言について,それ自体についてそもそも甲や乙自身の署名や押印など想定できないにもかかわらず,同人らの署名又は押印がないことを理由に証拠能力を否定するなど,基本的理解の欠如が著しい答案も散見された。

これも同様。今年は伝聞例外要件の確認部分の作業量が例年と比べてもハード(細かい)であったので止むなしの感もあるが,試験委員がこれだけ「不満」をぶちまけるということは,来年もこの傾向で来ることは容易に想定される。ただ,設問2が第2回を除いて(未だに「第1回から一貫して毎年伝聞証拠を出題」等と言う指導者もいるが第2回だけ違う)伝聞証拠連打で来ている事への批判もある。そこで考えられるのは,①短答式試験で伝聞要件確認問題(当然事例は細かく長めの肢になる)を連発(しかも部分点無しの個数問題)で来るか(この場合,論文では他の分野が出題される),②批判なんか蛙の面に何とやらで,第7回もゴツイ伝聞問題を平然と出す,③短答・論文双方で伝聞をガツンと出す,の3パターンが予想される。どちらにしろ手は抜けない。

資料2の捜査報告書添付の各メールについては,そのような内容でのメールのやりとりが存在したことが要証事実であり,伝聞証拠には該当しないことが明白であるにもかかわらず,伝聞証拠であることを当然の前提として,Bのメールについては刑事訴訟法第321条第1項第3号により,甲のメールについては同法第322条第1項により証拠能力が付与されるとした答案や,検察官の立証趣旨の「メールの交信記録の存在と内容」の「存在」「内容」という言葉だけをとらえ,「交信記録の存在」である場合には非伝聞証拠であり,「メールの内容」である場合には伝聞証拠であるなどと,検察官の立証趣旨を勝手に断じて論ずる答案が,いまだに多数見受けられた

第4回以降3年連続のご指摘である。第4回の指摘は,ちょいと意味合いが違うが,第5回・第6回で試験委員が言わんとしていることは共通である。要は,検察官はどのように手持ちの証拠を利用するか?という視点からの出題なのである。2010年版フレーム講義でこの点はキッチリ指摘した点であるが,恐らくほとんどの受験生はこの手の意識は持っていないと思われる。2011年版でも詳細に検討している(「従来どおり」,個別の証拠ごとに伝聞性を検討した場合の処理と,「新型」の手持ちの証拠全体から見てどう使うか,の2点から説明したので参考にして欲しい)。実は,「問題文から窺える手持ちの証拠だけでどう立証するか」という出題パターンは,第3回から始まり,3回・5回・6回がこの出題パターンである。第3回本試験は,刑事訴訟法においては正にエポックメイキングな出題であり,以後の伝聞問題の原型となっている最重要問題なのである。因みに第6回では,この「手持ちの証拠パターン」的発想は,設問1においても絶大な威力を発揮する。

法適用に関しては,事例に含まれている具体的事実を抽出・分析することが肝要であるところ,様々な具体的事実を考慮要素として挙げながら,どの事実をどのように評価したのか全く言及がないまま結論を導き出すなど,結論に至る思考過程が不明確な答案が目立っており,学習に際しては,具体的事実の抽出能力に加えて,その事実が持つ法的意味を意識して分析し,これを表現する能力の体得が望まれる

受験生の一部は,恐らく「お宝情報」から事実を「抽出」し,そして論じることの必要性を意識している者が居ると思われるが,それを上手く表現しきることができなかったという可能性もある。特に今年は,情報量が桁違いに多く,論点も多すぎた為,時間的制約がこのような中途半端な答案を続出させた原因であることを試験委員も認識して欲しいところである。

刑事訴訟法については,2010年版と2011年版フレーム講義を先ず聞く事が何よりも重要である。「手持ちの資料をどう使うか」というスキルが今後の刑事訴訟法の出来を左右する大きな要素となっているが,この点についての指導はほぼなされていないように思えるのである。
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開講目前!!!

2012-01-21 17:26:43 | 司法試験関連
風邪は何とか終息に向かっております。

今は短答対策講座に追われていますが2月6日から,「2012年論文突破基礎力完成講義」が開講します。なので,憲法の仕込みに入らないといけません。昨年末に「7科目終わった!」と思ったのもつかの間,早くも第2シーズンです。うかうかしていられませんね!

1月21日なので1月も早くも終盤。勉強スケジュールは絶えず意識しましょう。時間はあっという間に過ぎ去ります。採点実感等の実感も,刑事訴訟法と商法が残っているので早めにアップ致しますね。

花粉症の薬を飲み始めたので,案の定,妙に眠たいです(笑)
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涙の数だけ強くなれるよ

2012-01-21 02:05:57 | 雑感
‎1989年のイースタン・カンファレンス・セミファイナル、ブルズVSピストンズ第6戦を見直した。5年目のジョーダン、マジで動き速い!ドリブルしてシュートまで尋常じゃない速さ。ジャンプする時も完全に重力に反している。本当に凄かったんだと再認識。4年連続ピストンズと対戦したブルズは、88年1勝4敗、89年2勝4敗、90年3勝4敗と来て、91年に4連勝でピストンズを降して、一気にブルズ王朝が始まります。89年のこの試合、敗退が決まった直後、ジョーダンは泣いています。涙の味を知ることも成功の秘訣なんですね。
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