何回か、「合格率」に関するコメントをしました(例年通りです)。司法試験の「合格率」ほど当てにならないものはありません。つまり、「全体平均」というのがかなり曲者というか、幻想みたいなもので、一部の上位ロー+予備組が合格率を超強烈に押し上げている結果の「平均」なのです。旧帝大クラスでも平均程度の合格率になってしまうのはそれが原因なのです。
ですから、上位ローではない場合には、自校の合格率と真正面から向き合う必要がある、ということです。注意したいのは何となく大学名のブランドに流されないようにすべきという点です。大学の教授はたまに変なプライドを自校に持っているときがあるので、その辺の言動は右から左へ受け流す必要があります。
そもそも100名前後受けて、数名しか受からないローの場合、根本的に何か問題があるとしかいいようがありません。しかもそれはローそのものじゃなくて「受験生」にです。自分のレベルをまず再確認しましょう。一番わかりやすいのは、短答の点数です。次に、答練などでの点数です。その点数が受験生全体の中での自分の位置を表していると思ってください。相当厳しいですが、それが現実です。
ロー内で「司法試験の話はタブー」という雰囲気の学校も少なくないと聞きます。正直訳がわかりません。何のために自分は時間とお金を犠牲にしてまでローに通っているのか。改めて自問自答すべきでしょう。そうしないと、大切な人生を棒に振ってしまうリスクがあります。まぁ、わざわざ本ブログを検索して読んでいるであろう皆さんにこんな話をしても仕方がなく、本来ならば届いて欲しい層にメッセージが届かない、というジレンマを毎年感じている次第です。
長年多くの受験生を見ているので言わせて頂きますと、今更かもしれませんが、一から入門講座を受けるくらいの「英断」が必要な人が多いと思います。現時点で「来年ではなく再来年合格作戦」が現実的だ、という人も少なくありません。これには時間もお金もかかりますが、無駄に5年過ごして結果が出ないまま終わる場合と比べると、長い目で見ればプラスに働きます。かなり苦しく辛いですが、合格するためには「急がば回れ」が必要なときもあるのは否定できないのです。
もしそれが嫌だというのならば、合格に必要な質と量は一定の数値で決まっています。この数値と自己の数値の差が合格するために詰めるべき「差」になります。その「差」をどれだけの期間で詰めるのかという話になります。「来年合格」にこだわれば残り8ヶ月です。この期間は不変期間であり、誰も延ばすことはできないのです。この場合、単位当たりの勉強の負荷は当然大きくなります。最初はみな「やります!絶対来年受かりたいんです!」と言います。しかし、年明けくらいには「無理です」と音を上げる始めるのが普通です。基礎力がない人はそれだけ厳しい状況にいます。5年かけてできなかったことを8ヶ月でやるわけですから、その人にとってキツイに決まっています。
それだけやることがてんこ盛りなのです。やりきる覚悟を強く持ってください。