水準の切り下げ

2017-09-30 12:15:13 | 司法試験関連

「選択と集中」,「無闇に手を広げすぎない」,という話をよくします。ただ,この言葉の受け止め方がいつも気になります。この言葉は,「手を広げすぎて全部中途半端になることを避ける」,という文脈で用いられるのが普通です。問題は「中途半端になる」,の捉え方です。

勉強は,「理解して記憶する」ことで完結します。理解が抜けても,記憶が抜けても「役に立ちません」。結局「中途半端」と言うことになります。ですから,「理解して記憶する」作業を完璧にこなせる範囲で勉強しましょう,という意味で用いられることになるのです。

あれもこれも手を広げても,結局やりっぱなしになるのであれば,やる意味がないからです。決して,「読むのが大変だから」,「面倒だから」,「楽したいから」,「なんとかやるべき範囲を狭めたいから」,という後ろ向きな理由ではありません。しかし,無意識にこのような文脈で「自己の勉強スタイルを正当化しよう」とする人も多いような気がします。「そこまではできないから(やりたくないから?)この程度で」,という実態を「手を広げすぎない」という言葉で覆い隠してしまうケースです。しかも,この手のタイプの人は,結局狭めた範囲ですらまともに記憶していないことが多いと思います(人間は目標水準までやり切れることは少ない。八掛けのイメージ)。

当たり前ですが,観念的に「合格する為に必要な知識の絶対量」というものがあります。これは主観的に増減できる話ではありません。勝手に水準を下げると当たり前ですがいつまでたっても受かりません。以前、極めて合格率の悪いロー内部の話を聞く機会がありましたが,彼らは合格者の話を聞いても,「そんな勉強は自分にはできない」,として勝手に勉強水準を下げてしまう受験生が多いとのことでした。そんなことでどうするつもりなんだろう、と本当に心配になってしまいました。本物の原始的不能パターンです。

どうしても来年受かりたい,という気持ちは分かりますが,だからといって「自分ができそうなことだけやる」というのも変な話です。「受かりたい」のであれば,「間に合わせる」しかありません。「納期」に「本旨弁済」すべくハイスピードでやり切るしかないのです。出来る範囲に水準を切り下げたりするのは本末転倒です。恐らく冷静に考えれば分かることだと思うんですが,「できないからやらなくて良い病」は意外に深刻なのです。

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答練のトリセツ

2017-09-28 11:29:54 | 司法試験関連

少し気の早い話かもし照れませんが。

答練が始まると,自分の弱点が色々と顕在化してくると思いますが,問題はその後の対処法です。当たり前ですがその都度修正していかないと意味がありません。答練の意義はここにあると言ってもいいくらいです。フォームの修正ですね。

点数は良ければそれにこしたことはないですが,なまじ良い点を取り続けると,その点数を鵜呑みにして,自分の弱点に気が付かず,本番でその弱点が一気に露呈する,という最悪のパターンも珍しくありません(模試等の上位者が落ちる,とかいう話です)。

特に,問題に大したヒネリのない答練(事前準備が物を言うだけの問題,判例まんまモノとか)で良い点を取れても,単にそれは既存の知識を「思いだして吐き出しているだけ」なので,本試験の揺さぶりに耐え切れない可能性が出てきますから要注意です。頭の使い方が本番と違ってきていることに気が付かない危険性があるのです。

答練はあくまでも、受ける前に自分自身が修正点を強く意識していることが有効活用するための大前提です。「今日はこの点を注意しよう」、と具体的に意識しながら答練に臨んでくださいね。そうしないと時間とお金を捨てるようなものです。

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情報収集だけに終わらない

2017-09-26 11:44:24 | 司法試験関連

10月いっぱいくらいまで、合格のための情報収集やカウンセリング、アドバイスを受ける等、戦略の再構築に忙しい日々が続くと思います。そこで念のため、注意点をば。

情報収集しただけでは何の意味もありません。「実践して」なんぼなのです。いくらアドバイスをもらっても実践しなければ結果は変わりません。当たり前じゃないか、と思った人がいると思いますが、行動を変えるのは結構大変なのです。今まで沁みついた(悪しき)習癖がありますから、気を付けないと徐々に元に戻り始めます。時間が経つと気も緩んできます

何事もやるなら徹底する事が大事です。中途半端は行けません。ましてや、情報収集でお腹いっぱいになってしまうようではお話になりません(意外にありがちなパターンです)。

「実践してなんぼ」です。

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知識の蓄積

2017-09-24 11:21:16 | 司法試験関連

復習の際に「純粋に記憶の時間を確保すること」の重要性の話を以前しましたが,「じゃー何時間?」という問いかけの答えは何でしょうか。

要はその日,「新情報として接した知識等」は「覚えないことには役に立たない」,というのがヒントです。

「やりっぱなし」だと,結局直近2,3ヶ月に学んだことしか頭の中に情報として蓄積されていません。いわゆる短期記憶分ですね。このような短期記憶は,結局はどんどん上書きされて頭から消えていく情報です。この繰り返しだと何年勉強しようが,年月に比例した知識の蓄積がありません。極端なことを言えば,何年勉強しようが,直近2,3か月分の知識しかなく,知識量が実は全然増えていかないのです。暗記の時間をとらないと本当にこの状態に陥ります。

同じ問題・論点を何度も何度も間違える,既知の論点なのに正確に表現できない、いつまでも不得意分野が不得意分野のまま,という人は間違いなくこのパターンです。このトラップに嵌っている人は気をつけてくださいね。

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悔しい思い

2017-09-23 13:03:33 | 司法試験関連

閑話休題的ですけど、とにかく今のうちに思いっきり悔しい思いを経験しておきましょう。積極的にそういう局面に自分を置くくらいがちょうどいいのです。

もちろん、気分悪いでしょうし、凹みます。でもそれが大事かなと思うのです。喉元過ぎれば熱さ忘れる、ではないですが、人間の脳はいいんだか悪いんだか分かりませんが、嫌なことをすぐ忘れようとします。

この時期は発表直後で合格者は浮かれています。昨日まで自分と同じ立ち位置だった人間が合格して浮かれている、これが不合格者が今置かれている状況です。間近で自分との違いを見せつけられ、悔しさ通り越して惨めさを感じている人も多いのではないでしょうか。

しかし、11月になり、彼ら彼女らが修習に行くと、静けさを取り戻します。「普段」に戻るわけです。でも、ここからが悔しさを維持できるかどうか、重要な時期になります。結局、悔しさ、屈辱感ほど人を駆り立てるものはないような気がします。これから8カ月。短いようで長い、長いようで短い8カ月ですが、悔しさを維持し続けるには長いのです。

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自分には嘘をつけない

2017-09-21 15:28:50 | 司法試験関連

他人は騙せても自分自身は騙せない。

本番当日、自信が無くなったり不安な気持ちにかられるのは、自分が全力を出し切っていないことを自分は知っているからです。

というわけで、行動指針は明らかですね。「これ以上はできませんでした」と自分が納得できるまでやるということです。

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237

2017-09-20 19:06:17 | 司法試験関連

表題の数字の意味わかりますか?本試験まで237日という意味です。

現時点の実力を「0」とし,合格ラインを「100」とすると,この237日で0から100まで数値を上げなければならないということになります。ある日突然いきなり50から100レベルになるなどと言うことはないので,右肩上がりの直線ないし曲線で少しずつ「100」に近づけていくことになります。

問題は,この直線・曲線には「限界時点」があるということである。このペースでは「もう間に合わない時点問題」です。野球で言うマジックナンバーみたいなもので,「ある時点の段階で、この数値では試験までに100まで届かない」という意味での「逆マジックナンバー」問題だ。

極端な例を挙げれば,5月に入っても基礎事項がガタガタであるとか,短答過去問で100点しか取れないとかいう場合,その年の合格はほぼ無理だと言うのはお分かりでしょう。しかし、このことは直前期になって「いきなり顕在化」するわけではない,という点が重要なのです。潜在的には12月や1月くらいにとっくに「アウト」になっていたのです。これが「そんなペースじゃ到底間に合わない問題」です。

「間に合うか間に合わないか」という問題は,直前期になれば誰にでも分かってくるものなのですが,例えば「10月の時点でこのレベル,このペース」で果たして「間に合うのか間に合わないのか」,と言うことになると途端に自覚しにくくなるのです。これが後々悪い意味で効いてくるわけですね。この危険性を常に意識することで,トップギアー状態を維持できるようになる。普段から1日1日の持つ大切さも自覚できる。直前期になると1日・1時間が大変貴重なものに感じられますが、客観的な価値は1年中どの1日も変わらないんです。

来年受かりたければ,四の五の言わずに,やるべきことをやるべき時期までに終わらせる事が必要不可欠であり,「できない,間に合わない」なんて言うのは単なる戯言にすぎない。このような強い気持ちを持って戦ってほしい。「やるか,やらないか」しかないのであり,もしそれができないのであれば、再来年合格計画に切り替えねばならない。「覚えられない,できない,間に合わない,でも来年絶対受かりたい!」なんて我侭はお天道様は許してくれません。どうしても来年受かりたいのであれば,「何としても間に合わせる」しかない。

現状の自分を再確認し,どのようなペース(=成長曲線)でいけば間に合うのか,常に意識して欲しいのです。そうしないと実は1月の時点で原始的不能でした,ということになりかねないからです

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自分との戦いに勝つ!

2017-09-19 18:10:09 | 司法試験関連

来年に向けて,まず「科目別に」チェックをすること。科目別に「ボトルネック」は何なのか確定する。それを踏まえて,初めて学習プランが決まるからである。全科目同じ状況と言うのはちょっと考えられないので、科目ごとの検討をきちんとする。

「本番でやらされること」は何なのか,を常に意識する。日々の学習は全て本試験当日にグッド・パフォーマンスを可能とするために行われなければ,勉強しないで受けに行く人間と「同じ」である。「正しい試験対策をしていない」という意味では遊んでた奴と同じだからである。ここはとても大事!自分の努力を「無駄な努力」にしない。

無駄なことはしない。自己満足に浸らない。合格に直結しない勉強は「無意味」「無価値」であると割り切る。むしろあなたの人生にとって「有害」ですらある。そのことを強く認識する。

とにかく「やりきる」。覚えられないだの,時間が足りないだの,間に合わないだの,無意味なことを言わない。もちろん「言うのは自由」だが,単に落ちるだけの話である。やりきった人間が合格し,中途半端に終わらせた人間は落ちる。試験とはよくできたシステムなのである。運のせいにしない。質・量共に努力が足らなければ合格できない。勝つためにはやるしかない。

気分転換は,他人から「少しは休んだら」と言われてからする。自分から率先してしない,したがらない。受験生活が「つまらない」なのは当たり前すぎる。つまらないからこそ,そんな生活から脱出したくなるのである。受験生身分が居心地よく感じたら危険である。「早く現状から抜け出したいんだ!」という気持ちが大事。

「自分との戦いに勝て」という事ですね。

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手段を変えると

2017-09-19 12:54:52 | 司法試験関連

最近、来季に向けてどうリブートしていくべきか、その際の注意点などを総論的に書いています。

これは司法試験に限らずなんですが,ある手段を用いた場合に,結果がいつまでも変らないとしたら,その「手段そのもの」の切り替えを検討するという決断が必要となります。

2回連続同じ対策法・勉強スタイルで試験を受け,連敗した(しかも短答式の点数変らない,論文順位変らない,下手すれば悪化したなど)と言う場合,方法論から根本的に間違っている可能性が非常に高いと言えます。にもかかわらず、無為無策に同じことを3回、4回と繰り返すなんて愚の骨頂です。

もちろん、「行動を変えれば必ず結果が変る」わけではありません。変えた方法が正しければ,という留保は当然つきます。この正しい変え方ができるかどうか、そしてその前に「そもそも変えるという決断ができるのか」が重要になってきます。

ハッキリしているのは,行動を変えなければ結果も変らない蓋然性はきわめて高いであろう,ということです。今やるべきことは戦略の立て直しです。慌てる必要はありません。

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合格者話の聞き方

2017-09-17 15:09:55 | 司法試験関連

合格体験記や、合格者の話を参考にすることは大変有益です。しかし、話を聞くときに注意しなければいけないことは、「その人が話した内容」が「今の自分の置かれた状況と前提として合致しているのかどうか」、と言う点です。

不合格になる要因は様々で人により千差万別です。しかし、合格者が力説したがるのは、主に自分が最後まで手こずった課題の克服話です。つまり、各論的な話になっていることが多いのです。必ずしも万人ウケする話をしているわけでは無い、という事を意識しましょう。

課題が異なれば処方箋も当然異なるのですが、何故か、自分とは課題が異なっていた合格者の話をそのまま自分の処方箋として鵜呑みにしてしまうケースがよく見られます。これでは来年の合格は難しい。

予備校の講座をとるにしても同じことが言えます。最近は短時間の単発系の講座が増えていますが、この手の講座は内容がピンポイントなものが多いので、自分の課題にマッチしていればいいのですが、あっていないと時間とお金の無駄になりかねません。各論レベルでの選択肢が増えるという事は、ミスマッチの危険性も高まるという事でもあります。

このミスマッチを回避するには、自分自身が課題を自覚している必要があります。自覚していればミスマッチはおきにくい。話を聞きながら「ああ、この人の話は自分の課題には関係ないかもな」と言う判断ができるくらいがちょうどいいという事ですね。

合格者に自分を寄せるのではなく、内容が自分向きなものかどうかを判断することが大切です。

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治療法は異なる

2017-09-16 12:29:59 | 司法試験関連

時期的に、合格者に答案を見てもらうことが多くなると思います。

その際、返ってくるコメントは大きく2つに分けられると思います。一つは、「基礎力不足系」、もう一つは「書き方が上手くない系」です。前者はL1・L2レベルに難があり、後者は私の言う「5ツール」のうち「答案作成能力」を中心としたL3レベルには難がある場合、と言う風に大別出来ると思います。同じ「不合格者」でも、両者は全く別物です。これが肝です。

後者の場合は、答練・ゼミなどを中心にテクニカルな部分を修正していく必要があります。インプット中心の勉強では効果が出にくいでしょう。よく聞く「最後の一年はゼミを中心に取り組んだら合格できた」というのはこの部類に難のあった人達のものです。後者のタイプの「治療方法」としては、答練ゼミなどが最適だからです。過去問なども何度も何度も書いてみましょう。「自分の理想とする答案像」に如何に近づけられるかが、来年5月までのあなたのミッションです。

他方、前者のタイプの場合は、答案云々の前にそもそも基礎力に難があるので、「とりあえず答練受けて」的な勉強をしても正直得るものは少ないです(ほぼないと言ってよい。より強く苦手意識が付くくらい)。「治療法」として最適なのは基礎固めということになります。特に短答で7割ベースを取れない人は、そもそも答案云々の前の問題だと自覚すべきです。

ただ、残念ながらこの決断ができる人はあまりいません。「今更基礎からなんて馬鹿にするな」、という無駄なプライドが邪魔をするからです。しかし厳しい現実を言えば、来年合格は結構厳しい層です。再来年合格も現実的な視野に入れるくらいの覚悟が必要です。それくらい状況は逼迫しています。中途半端な勉強を8カ月やって来年駄目だったとき、来年の今頃も今年と同じような状態に陥いります。これを5回繰り返して最後は失権します。そうならないよう、グランドデザインをしっかり持つことが大切です。初学者ではないので300時間くらいの入門講座なら年内に終わらせられます。

来季合格の為には年内100日、年明け4ヶ月というように2タームに分けて合理的な計画を練るべきです。答案は、なるべく沢山の人に見てもらうといいと思います。合格者といえども全系統のレベルが高いというわけではないですし、評価される答案というのは1つのタイプしかないわけでは無いからです。その際、自分なりに分析した結果に基づく悪い点などを言ってからコメントを貰う、という「自主的な姿勢」が必要です。相手に丸投げで「コメント頂戴」と言う姿勢では来年も厳しいと思います。

受かるか、受からないか。全て自分の選択・行動次第です。自分の人生なのですから、積極的にコミットしていきましょう。。

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普通+普通+普通=優秀

2017-09-14 15:20:30 | 司法試験関連

上位合格の為には、どのような勉強をするべきなのでしょうか。

他人に差をつける、というよりは、他人に差をつけられないようにしつつ、そのような部分が増えれば増えるほど上位に行く、というイメージの方が正しいような気がします。問題が非常に難しいので、文字通り抜きん出た答案を書くのは至難の業です。結果的に抜きん出るような感じを狙うべきです。

平均レベルを8通揃えるイメージとでも言いましょうか。この「普通」、「平均」、「人並み」というのは実はくわせものです。1個1個を独立してみると、「なんだ、普通かよ」という事になるのですが、この「普通」を「複数揃える」となると話は変わってきます。

野球で言えば、「打率2割・本塁打40本」と言う打者と、「打率2割8分・本塁打20本」という打者がいた場合、FAになった時に争奪戦になるのは間違いなく後者のタイプです。打率2割8分では首位打者は取れません。20本ではホームラン王にもなれません。そういう意味で、部門別に見た場合、「抜け出ていない」のです。しかし、この「抜け出ていない」部門が2つ、3つと重なっていくと話は別なのです。これで「盗塁も20個くらいイケる」となれば「オールラウンド・プレイヤー」の称号が付くことになります。

話を元に戻しますが、典型論点で書き負けないようにすること、答案は流れが出るような答案を目指すことが大事です。例えば、趣旨・理由付けと規範部分が対応しているかどうかという点まで詰める必要があります。例えば、理由①と規範①部分が、理由②と規範②部分が対応しているのに、理由は①しか書かない、というのはやりがちな間違った「端折り方」です。メイン論点でこれをやるのはやはり良くないです。

問題提起も的確にできるようにしたいです。やはり印象が全然違います。問題提起や規範部分の論証はコンパクトかつ正確に、当てはめ部分は重厚に、というバランスが最高です。上位合格する人の答案は悪い意味での「饒舌さ」がありません。同じようなことを重ねて書くようなこともしていません。また論理が行ったり来たりしていないのでテンポ良く読めます。流れの悪い答案は、そもそも作成者自身が論点なり事案の特殊性なりを理解できていないからそうなるのです。また、細かいことですが、なるべく「定型的な表現」を使う方が無難です。日頃からコンパクトに説明する癖もつけましょう。

過去問題の分析を行い、試験委員が望んでいる答案像を各科目具体的に持つことも大事です。これが持てていないと普段の勉強でズレが出てきてしまいます。「問題文の読み方スキル」を身につける必要があります。

問題文を読んでいなくてもその人の答案だけ読んで、何となくどんな事件(=問題)なのか想像がつくような答案というのは、事実関係が的確に盛り込まれている答案と言えます。答案だけ読んでも、全然問題のイメージが沸いてこないような答案は、抽象論をだらだら書いた旧司法試験的な答案なのです。これでは本試験では評価されません。

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閑話休題 Windians

2017-09-14 12:47:19 | 雑感

インディアンズが21連勝を記録!メジャーリーグ・タイ記録だ。

で、見てほしいのが、写真。これは、インディアンズの公式ツイッターなのだが、アカウント名が謎なことになっている。

実は、元々のアカウントは「Windians」だったのだ。WinとIndiansをかけた言葉である。ところが、連勝街道が始まると、アカウントのwの数を増やし始めた。5連勝なら「WWWWWINDIANS」と言う具合だ。

その結果、思わぬ問題が起きた。ツイッターのアカウントで使用できる文字数は「20文字まで」らしいのだ。Wの数が増えるにつれ、元々のINDIANSの部分が削れ始めた。そして20連勝した段階で、アカウント名は全て「W」になってしまったというわけである。

「WWWWWWWWWWWWWWWWWWWW」。

確かに、21連勝もすれば笑うわな。わらwww

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成績表が来る前に

2017-09-14 11:57:36 | 司法試験関連

そろそろ成績が返ってきます。これも毎年書いていることですが、「成績表の活かし方」について書きます。

まず、成績を見る「前に」、自分なりの「あたり」をつけておくことです。この科目の出来はいい・悪い、という「あたり」をつけておくのです。

もちろん、何故そう考えるのか、理由も検討しておきます。良いと思った理由、悪いと思った理由などを具体的に検討しておきます。前回紹介した再現答案も合わせて活用できますね。

これらの事前の自己評価と実際の成績評価とを照らし合わせることで、何が評価され、されていないのか、具体的にわかってきます。自己評価と客観的な成績との間に大きなズレがあるときは(特に実際は悪かった、というズレの場合)、これはかなり危険です。試験委員の求めるものと、自分でこれはよいと思うことの間に「ミスマッチ」が生じているからです。このような科目から、敗因分析を進めることになります。この点を最優先で修正しなければいけないからです。

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再起動計画

2017-09-13 22:46:19 | 司法試験関連

不合格に終わった方は、来季に向けて自分をリブートしなければいけません。既に再現答案が出来上がっている人はそれを使えばいいのですが、問題はまだ作成していない人です。

今更作成しても「再現」ではもはやないので、再現答案「作成そのもの」にこだわる必要はありません。しかし、大まかな構成と、問題文の事実(資料含む)で引用した部分などの確認は全力ですべきです。できれば各論点の書いた分量的なものも思い出せるといいです。論点そのものは「書いた・書いていない」レベルでは分析としての意味がほとんどありません。制度趣旨・理由付けであれば何を書いたのか書いていないのか、事案の問題提起はどのようにしたのか、当てはめとしてどのような事実を用いたのか、などが特に重要です。具体的レベルで検討するようにしましょう。時間をかけるべき作業です。

合格者の再現答案は若干「盛っている」部分があるので、鵜呑みにはできませんが、それでも、①何を書いていて何を書いていないのか、②分量的な配分はどうか、③どのような事実をどこでどう使っているか、などは大変参考になります。あと、上位答案と下位答案を読み比べる、という作業も有益です。何がどう違うのか、まずは自分の頭で差異を検討してみるのです。

翌年リベンジに成功した人の共通点は、「自分の問題を正確に把握」→「その課題をこなすためのベストな勉強方法の確定」→「やりきる」ということをきちんとできているということです。いわば「路線変更」に成功した人たちですね。一番難しい作業工程は、最初の「自分の問題を正確に把握」する、と言う部分です。

その意味で、これからの1ヶ月ほどは本当に重要です。腰を据えて、自己分析=自分における合格するための障害事由たる「反規範的人格態度」がなんなのか、をとことん突き詰めるようにしてください。ここがお座なりだと来年も結果は同じになりますから、慌てて雑な分析をしたりすることの無いようにしてくださいね。

「行動」を変えなければ「結果」も変わりません。これからの8カ月、勝つためにどう行動するのか。全てはそこにかかっています。

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