サキさんの介護日記     (若年性認知症の妻との記憶)

若年性認知症の妻。今までの介護の記憶と、現在の様子を気分のままに書いていきます。

サキさんの症状が進んだ原因は?

2017年03月31日 21時31分30秒 | 介護日記
B男さんから、コメントを頂きました。

私の妻のA子は診断4年目に入ったところです。急に進行しないか,怖いです。
サキさんの場合は何かきっかけがあったのでしょうか?


一昨日の藤田さんのドキュメンタリードラマを見て感じた
「サキさんとの違い」
「藤田さんは診断から10年たっても頑張ってみえるのに、なぜサキさんは急激に進行してしまったのか
少し思い出しながら書いてみます。

サキさんが診断を受けたのは平成20年12月。
介護認定を受けたのが平成24年の6月。
この間は、ゆっくりとした進行でした。
でも、平成22年に仕事を辞めてからは、一人で留守番の日々が続きました。
出かけるのは近所のスーパーのみ。家で、繰り返し、繰り返し、お気に入りのDVDを見る生活です。
「お母さん、またエイリアン見とったよ」娘が報告してくれます。

仕事を辞めて、家に引きこもっていたのが、まず第1の理由だと思います。

次に、介護認定を受け、小規模多機能施設を利用することになりました。これが第2の理由かもしれません。
慣れない場所(サキさんはデイサービスで仕事をしていたこともあり、自分が昼間、デイサービスを利用して食事などのサービスを受けることは、きちんと理解していました)で、お年寄りに囲まれ、サキさんにしてみたら不安で仕方なかったのかもしれません。仕事終わりに、サキさんを迎えに行っていました。
お父さん、遅い。心配しとったがね
私は仕事終わ地に迎えに行くので、多くの利用者さんが帰った後に迎えに行くことになります。どんどん数が少なくなって、ますます不安になって行ったのでしょう。

そして、異性のスタッフさんによるトイレ介助。サキさんにしてみたら屈辱この上ない状況だったかもしれません。

出来ることならデイサービスは、使わない方が良かったのかな。
でも私が働かなくてはいけない以上、昼間のサキさんを見てくれるところが必要だったので・・。お姉さんにも休みの日にサキさんを見てもらっていました。食事の準備ができなくなっていたので、誰かに見守ってもらわなければ仕方のない状況でした。私が仕事を辞めて、サキさんを看るという選択肢もなくはなかったですが、現実的には無理でした。

3つ目の原因。それは
インフルエンザ

平成25年の2月にインフルエンザにかかりました。(私も一緒に)これも一気に進んだ原因だと思います。

さらに考えられるのは、薬漬け
アリセプトを診断以来、飲み続けていました。それに加えて、睡眠導入剤。このころ、あまり寝てくれなくなり、夜中に何度も何度も起こされて、耐えられずに睡眠薬を先生に求めてしまいました。そして、さらに荒れだしたサキさんを押さえるための「向精神薬」の投与。これが決定的でした

サキさんが荒れだす原因の一つにショートステイの利用がありました。夜中に何度も起きるサキさんに耐え切れず、ケアマネさんにショートの利用をお願いしました。初めての外でのお泊りです。1回目は何とか良かったのですが、2度目の利用の時に、暴れてしまいました。(本人は決して暴れているつもりではありませんが)

サキさんに良かれと思ってしたことも、裏目に出ていたのかもしれません。

でも、一番大きな理由は、「私に余裕がなかったこと。私の顔から笑顔が消えたことだったかもしれません。

ある日突然、症状が進むわけではありません。
毎日毎日の積み重ねで悪くなっていった感じです。

デイの利用や、ショートの利用などの環境の変化も大きかったかもしれません。

そして、一番悔やまれるのは、安易に「向精神薬」を使って、サキさんを弱らせてしまったことです。一気に歩けなくなってしまいました。
体重が増えすぎたのも失敗でした。私の作る料理はカロリーたっぷり、量もたっぷり、おまけに塩辛い味付けなので、食後の炭酸もたっぷり。たまにはアイスも。一年でサキさんの体重が10kg以上、増えてしまいました。ますますサキさんの動きを鈍くしてしまいました。

いろいろ思い出しながら書いてみました。
また何かの機会に、じっくり時間をかけて振り返ってみたいと思います。