▼モデルは志ん朝師匠
私たち文七迷人会のホームグランドである東京・浅草雷門近くの「茶や あさくさ文七」で19日、落語会を開いた。「第6回文七迷人会」。年が改まって初の会だけに、出演者一同、普段に増してボルテージを上げ、高座を務めた。(敬称略)
「初春の高座に」、と晴れ着をバッグに詰めて持参した。本職の噺家が行きつけだという浅草の呉服屋で、昨年末に購入した黒の着物である。「宿屋の富」を演じている古今亭志ん朝が身に着けている衣装がモデル。胸からわずかに水色の襦袢がのぞく。このコントラストが何とも粋だ。
▼ぼて助のご贔屓筋
新春には目出度い噺をと、「宿屋の富」をかけることにしたので師匠にあやかった。だが、襦袢はグレーの色しか持ち合わせていない。黒にグレーではいかにも野暮ったい。襦袢も師匠を見習おうと浅草の店を物色。5、6件目にやっと、目当ての水色の襦袢に出くわせた。
午後5時30分の開場前に、早くも10人ばかりの客が席を占めていた。この日のトリを取るぼて助のご贔屓筋である。練馬から駆けつけてくれた、という。前回に続き、彼がこの会を支えてくれている。あたしの客が7人。木製が6人、ローリー2人、木凛1人。
▼余裕が蘇った木製
みんな、この数字の何倍もの友人、知人、愛人に声掛けしているが、仕事があったり、急用が出来たりで、なかなか予定通りにことが運ばない。落語会は演者だけでなく、観客と一体になって形作るものである。そんな思いから、みんなで声を掛け合っている。
開口一番は文七迷人会、お初の登場の木製。楽屋で「最初の登壇は初めてなので、(マクラで)何をはなそうか」と緊張気味。「ネタがない場合は、自己紹介をしてはどうか」とあたし。その上で、「自分のシクジリを話す。失敗談は笑いを誘う。これでやったらどうか」、と言うと、彼の表情に余裕が蘇った。
▼もっと磨いて持ちネタに
2番手はローリーだが、仕事の都合で間に合わない。あたしが繰り上げで高座に上がった。「宿屋の富」。今回は特に、「間」を意識して演じた。高座を降りると席亭から「今日の落語はよかった。このネタを、もっと磨いて持ちネタにするように」とアドバイスをいただいた。
次いで木凛が「親子酒」でご機嫌をうかがった。ドキドキものと言っていたが、なかなかどうして、この日も聴かせる落語をやってのけた。お仲入りをはさんで到着したばかりのローリーが登壇。「はあはあ、言ってます」と冗談を飛ばして、客を引き込み、オハコの「初天神」を見事に演じてみせた。
▼応援団から掛け声が
トリはぼて助。いつもの謙遜で始まり、「うどん屋」をかけた途端、「いよ、待ってました」「ぼて助頑張れ」と応援団から掛け声が飛んだ。文七迷人会の落語会としては、少し客の入りが少なかったが、客席は陽気な笑い声であふれていた。
私たち文七迷人会のホームグランドである東京・浅草雷門近くの「茶や あさくさ文七」で19日、落語会を開いた。「第6回文七迷人会」。年が改まって初の会だけに、出演者一同、普段に増してボルテージを上げ、高座を務めた。(敬称略)
「初春の高座に」、と晴れ着をバッグに詰めて持参した。本職の噺家が行きつけだという浅草の呉服屋で、昨年末に購入した黒の着物である。「宿屋の富」を演じている古今亭志ん朝が身に着けている衣装がモデル。胸からわずかに水色の襦袢がのぞく。このコントラストが何とも粋だ。
▼ぼて助のご贔屓筋
新春には目出度い噺をと、「宿屋の富」をかけることにしたので師匠にあやかった。だが、襦袢はグレーの色しか持ち合わせていない。黒にグレーではいかにも野暮ったい。襦袢も師匠を見習おうと浅草の店を物色。5、6件目にやっと、目当ての水色の襦袢に出くわせた。
午後5時30分の開場前に、早くも10人ばかりの客が席を占めていた。この日のトリを取るぼて助のご贔屓筋である。練馬から駆けつけてくれた、という。前回に続き、彼がこの会を支えてくれている。あたしの客が7人。木製が6人、ローリー2人、木凛1人。
▼余裕が蘇った木製
みんな、この数字の何倍もの友人、知人、愛人に声掛けしているが、仕事があったり、急用が出来たりで、なかなか予定通りにことが運ばない。落語会は演者だけでなく、観客と一体になって形作るものである。そんな思いから、みんなで声を掛け合っている。
開口一番は文七迷人会、お初の登場の木製。楽屋で「最初の登壇は初めてなので、(マクラで)何をはなそうか」と緊張気味。「ネタがない場合は、自己紹介をしてはどうか」とあたし。その上で、「自分のシクジリを話す。失敗談は笑いを誘う。これでやったらどうか」、と言うと、彼の表情に余裕が蘇った。
▼もっと磨いて持ちネタに
2番手はローリーだが、仕事の都合で間に合わない。あたしが繰り上げで高座に上がった。「宿屋の富」。今回は特に、「間」を意識して演じた。高座を降りると席亭から「今日の落語はよかった。このネタを、もっと磨いて持ちネタにするように」とアドバイスをいただいた。
次いで木凛が「親子酒」でご機嫌をうかがった。ドキドキものと言っていたが、なかなかどうして、この日も聴かせる落語をやってのけた。お仲入りをはさんで到着したばかりのローリーが登壇。「はあはあ、言ってます」と冗談を飛ばして、客を引き込み、オハコの「初天神」を見事に演じてみせた。
▼応援団から掛け声が
トリはぼて助。いつもの謙遜で始まり、「うどん屋」をかけた途端、「いよ、待ってました」「ぼて助頑張れ」と応援団から掛け声が飛んだ。文七迷人会の落語会としては、少し客の入りが少なかったが、客席は陽気な笑い声であふれていた。