扇子と手拭い

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“絶滅危惧種”の幇間芸

2015-05-30 08:25:35 | 落語
6年前に綴った落語日記のアーカイブ。ご笑覧ください。


▼前座はイケメン
 お江戸日本橋亭で「圓馬招演会」が開かれた。幇間芸などという者を初めて拝見した。この会は、落語はもちろんだが、その後の師匠を囲んでの飲み会が、楽しみでやってくる連中がけっこういる。
 
 圓馬師匠は「狼退治」と「湯屋番」の2席を高座にかけた。「狼退治」は初めて聴く落語だが、たっぷり聴かせて貰い大満足。お馴染みの「湯屋番」、こちらは、居候を決め込んだ大家の若旦那が番台に上がり、女湯の様子を妄想。ちょっぴり色っぽくって、クスグリ満載の噺だ。

▼お座敷芸のプロ
 この日の「目玉商品」は、幇間芸の悠玄亭玉八。料亭などお座敷で、芸者と客の間を取り持つ。太鼓持ち、ともいう。三味線は弾く、小唄・都都逸、新内は唄う、踊りはこなす、と何でもこなすお座敷芸のプロ。

 幇間芸の見どころは、何と言っても屏風や襖を使った屏風芸。身体の半分を襖に隠して1人で2役を演じる。「ダメですよ、若旦那」と言いながら、首っ玉をつかまれたままで逃げる格好をする。この様子に観客は抱腹絶倒。

▼全国でたった4人
 こうした江戸の伝統芸を伝承する幇間は、最盛期に全国で約500人いたそうだが、今はわずか4人。まさに“絶滅危惧種”である。玉八師匠、最後は「格子づくりに 御神燈下げて 兄貴ゃ内かと 姐ごに問えば・・・」と、三味線の弾き語りで「木遣りくずし」を披露。粋な芸に惜しみない拍手が飛んだ。
(2009年12月3日記)   以下次号に続く。

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