扇子と手拭い

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ついに来ました ”卒業式”

2015-05-09 16:50:45 | 落語
6年前に綴った落語日記が見つかりましたので、改めて掲載させていただきます。落語アーカイブ。ご笑覧ください。


▼大張り切りの門弟
 花伝亭の発表会は、われわれの“卒業式”。7回にわたって続いた落語の学校も、この日で一区切りというわけだ。それだけに、「最後はキリッと修めたい」と門弟一同、大張り切りで発表に臨んだ。

 落語のマクラは大事だ。その良し悪しで聴き手を引き付けられるかどうか決まる。少し前までは、スットンキョウな宮崎県知事を引き合いにした時事ネタでマクラを作ったがもう、古くなって使えない。
 
▼マクラにひと工夫
 そこで今回は、「手打ちそば ひと言誉めて 箸をつけ」なんて言ったりなんかしたりして・・・。世辞と分かっていても誉められるってのは、誠に心持ちがいいものでして夫婦だって同じです。「誉め上手 亭主育てる 妻の知恵」なんて申します。

 そうかてーとカミサンに向って、「あの顔で 料理自慢の 手の動き」なんて言ったりして・・・。こうなると、誉めてんだか、けなしてんだか分からないと振った後、本題の落語「牛ほめ」に入った。

 「憶えたことをキチンと喋られるかな?」と心許なかったが笑っていただけたので安堵した。この日の発表会には多くのお客様が来てくださった。友人も仕事の合間を縫って足を運んでくれた。

▼目キョロはダメ
 高座を終えて山遊亭金太郎師匠から「感想メモ」をいただいた。1、手拭いは懐に。扇子は脇に置く。2、会場に合わせた目線、上下を切る。3、目をキョロキョロ動かさない。4、扇子を筆として使う時、上を持ち、(紙に例えている)手拭いと離して書く、と注意を受けた後、5、与太郎(の表現)が非常に上手い。6、全体に間もよく、良かった、とお褒めの言葉もチョッピリ頂戴した。

 初級、中級コースの昼の部全員が噺を終えたところで、金太郎、圓馬、小文治、平治、遊雀、右團治をはじめとした師匠連が居並ぶ中、修了式が行われた。私も「花伝亭」と書かれた修了証書をいただいた。最後は全員で威勢よく三本締め。

▼まとめ役は女子大生
 打ち上げは近くのそば屋。中級コースの方たちとはお初のお目通り。だが、そこは落語が共通項。席に着いた途端に打ち解けた。こういう場には気配りのいい方がいるもので、女子大生がアッという間に全員の酒肴の希望をまとめてくれた。店内は貸しきり状態。愉快な話に花が咲き、瞬く間に2時間が過ぎた。

 さて、次は中級コースを申し込もう。初級コースからの希望者は優先的に入学が認められるとのことだ。有難い。(2009年8月7日記)  以下次号に続く。

鼻をかんだ、は「鼻を神田」

2015-05-09 09:33:25 | 落語
6年前に綴った落語日記が見つかりましたので、改めて掲載させていただきます。落語アーカイブ。ご笑覧ください。


▼歳を聞かれ、ビックリ
 「与太郎の歳は何歳ぐらいか」と右團治師匠がいきなり質問。「牛ほめ」の高座が終わったところで想定外の質問に戸惑った。「お人好しだが、少しばかりタガが緩んだ若者」程度にしか考えていなかった。

 苦し紛れに「17、8だと思います」と応えると、師匠は「じゃあ、その歳で与太郎を演じることが大事。そこを考えずにやると年齢不詳の与太郎になる」と言った。登場人物の年齢まで?・・・なるほど。

 ▼「鼻を神田」でいくことに
 稽古を終え、みんなで近くのスターバックスで、不味いコーヒーを飲みながら雑談。「鼻をかんだ」のあたしの発音がよくないと指摘。以前、師匠に注意されたが、直っていないらしい。あたしの「かんだ」は「オカシイ」というのである。

 それでは「東京、神田」はどうだ、と駅員の物まねをしたところ、「その感じだよ」とみんながOKを出した。自分ではなんだか変な感じで今ひとつしっくりこない。しかし、みんなが「それでいい」と言うので今後、「鼻をかんだ」は「鼻を神田」と、駅員のアナウンスを思い出してやることにした。

▼開口一番にあたしの名前
 さて、次回はいよいよ、稽古の成果を披露する発表会。初級、中級合同で4教室に分けて行う。最初にあたしたち初級組みが登場し、仲入り後に中級組みが得意ネタを披露する、といった按配だ。事前に出番表が配られた。

 参った。発表会のトップバッター、開口一番にあたしの名前が載っていた。どうしよう。困った。ズルして欠席するか? それは出来ない。落語を習いに来て「欠席」はない。やるしかない。

▼最後まで喋られるか心配
 唯一のネタ、「牛ほめ」で高座に上がる。今からドキドキ。本番で最後まで喋ることが出来るか? 大勢の師匠たちやお客さんの前で、声が出るか心配だ。 (2009年7月24日記)  以下次号に続く。