湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

井上靖の詩

2016-10-18 11:59:15 | 
井上靖はTが好きな詩人のひとり。小説家としてしか認識していなかったけれど、詩集もこんなに出していたんですね。
 井上靖全集第一巻口絵より
「北国」から一篇引用します。

十月の詩

はるか南の珊瑚礁の中で、今年二十何番目かの颱
風の子供たちが孵化してゐます。

やがて彼等は、石灰質の砲身から北に向つて發射
されるでせう。

そのころ、日本列島はおほむね月明です。刻一刻
秋は深まり、どこかで、謙譲といふ文字を少年が
書いてゐます。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 時間の詩パート8 | トップ | 井上靖「猟銃」 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

」カテゴリの最新記事