湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

放浪記の詩

2021-09-18 15:50:10 | 
林芙美子「放浪記」は、途中で自然に詩が入ってくる日記文学といえますよね。
作品内容を象徴している詩だと感じたのは、次の1篇です。

――その夜
カフエーの卓子の上に
盛花のような顔が泣いた
何のその
樹の上にカラスが鳴こうとて

――夜は辛い
両手に盛られた
わたしの顔は
みどり色のお白粉に疲れ
十二時の針をひっぱっていた。

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