湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

波の詩パート4

2018-10-26 10:05:53 | オリジナル
お散歩中の園児たちが大きな砂場で遊んでました@材木座海岸。

では、共通テーマ「波」でAが書いた詩を投稿します。



沖で波立つ水の下には
押されて曲がったような
わたしの長く浅い傷跡のような
大地の隆起がある
飛沫を櫂で顔に浴びせ
その傷が増幅した怒りに向かって行く
引きずった傷が起こす揺れを破り
二十三センチずつの足裏に全体重をかけ
大底を蹴飛ばしたい

波がかさぶたになって
やがて剥がれて空に吸われたら
わたしは凪になれるのに
あの人の予言では
これから雷の中で
更に激しく狂うそうだ
わたしの胸を折り
首をもぐほどに

処方された粒を見つめる
逆巻くだろう荒波は
わたしの血潮なのに
効果がどれくらいか分からないが
これで抑えろと、か

一人の小舟で漕いで行く
水平線が砕けながら
ずるずると逃げていく

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