湘南文芸TAK

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長谷川伸生誕の地

2021-11-21 18:33:39 | 文学
日ノ出町駅近く、大岡川にかかる長者橋の袂に建てられている長谷川伸生誕の地碑。

傍らにある解説板にはこのように書かれています。
 新コは明治十七年、この土地、日の出町の大岡川にかかる黄金橋のたもとで生れた。生家「駿河屋」はヨコハマ市街地建設のため野州から移住してきた請負業である。
 新コはこの地で関八州の渡り職人衆から渡世の礼儀を学び、また神奈川県自由民権運動の魁、相州真土村騒動の指導者たちから、民衆の側に立って闘う男の姿を学んだ。
 三歳時に母と生別し、面影を慕って、のち『瞼の母』を生んだ。「駿河屋」の没落によって小学校低学生で学業をあきらめ、三菱ドック(現みなとみらい21)に波止場小僧として働きに出た。外国人相手の土産物屋に飾られた浮世絵と、芝居小屋の看板を美術館とし、新聞の振り仮名で漢字の勉強をした。幼くして舐めた辛酸と、海に面して国際性を、川に沿って民族性を、浜風が丘にあたって人情の露にかわる港町が新コの人間性を磨き、長じてしがねえ男女の情愛をいつくしむ真の大衆作家にした。
 また治外法権の居留地のちゃぶ屋に、六連発拳銃を懐に乗りこみ、らしゃめんを解放する市井一箇の侠者でもあった。
 昭和三年、沓掛時次郎』の出現をもって、演劇界は黙阿弥の時代から長谷川伸の時代にかわる。『一本刀土俵入り』『雪の渡り鳥』『舶来巾着切』等が生まれる。長谷川伸の義理人情世界は西部劇『シェーン』にも、日活渡り鳥シリーズにも、近くはニューヨーク、インディ派作家にも影響しつづける国際艶歌である。大道芸の町野毛は、文藝において長谷川伸を師表とする。

 一九九七年四月六日 桜吹雪の大岡川河畔にて 平岡正明

長谷川伸として作家デビューするまで苦労して人生を切り拓いてきた若き長谷川伸二郎を「新コ」と称しているんですね。
生家近くの黄金橋は、碑の場所から2本上流側に架かっています。

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