前回テーマ「謎」でTが提出した「夏至の日の恋」は、萩尾望都「銀の三角」に登場するミューパントーのイメージを基に書いた詩。
合評会での意見を受けて現在進行形の多用などを改め、Tが書き直したものを投稿します。
夏至の日
降りてはいけない
警告音が鳴っている
夏至の真昼
鳥居の影は真下にある
奥に洞穴があり
下への階段が見える
十五段降りると ひいやりとして
足元がかすかな青緑色に光る
ヒカリゴケの上に蹲っている男がいる
どうしたんですか?
長いことここに居るので言葉が覚束ない
背後に闇が迫る
髪も髭も伸び放題
手足の爪は先が内側に曲がって
どこ迄も伸びている
食べ物は?
誰かが階段の下へ置いていくんです
供え物を食べているのだ
十五段上がれば外へ出られますよ
上がろうとすると足が動かないんです
衣服もボロボロ 無いに等しい
それなのに
かすかな快い香りをまとっている
ここは穏やかで安心です
暗い中でも こちらへ向ける視線は
冷たく優しい
一緒に蹲ってこのまま朽ちてもいい
突然
鳥居に繋いできた犬が吠える
犬が待っている 戻りなさい
階段をかけ上がると犬が小刻みに尻尾をふる
犬の影が少し伸びていた
洞穴の男のまなざしが忘れられない
本格SFマンガの傑作!
合評会での意見を受けて現在進行形の多用などを改め、Tが書き直したものを投稿します。
夏至の日
降りてはいけない
警告音が鳴っている
夏至の真昼
鳥居の影は真下にある
奥に洞穴があり
下への階段が見える
十五段降りると ひいやりとして
足元がかすかな青緑色に光る
ヒカリゴケの上に蹲っている男がいる
どうしたんですか?
長いことここに居るので言葉が覚束ない
背後に闇が迫る
髪も髭も伸び放題
手足の爪は先が内側に曲がって
どこ迄も伸びている
食べ物は?
誰かが階段の下へ置いていくんです
供え物を食べているのだ
十五段上がれば外へ出られますよ
上がろうとすると足が動かないんです
衣服もボロボロ 無いに等しい
それなのに
かすかな快い香りをまとっている
ここは穏やかで安心です
暗い中でも こちらへ向ける視線は
冷たく優しい
一緒に蹲ってこのまま朽ちてもいい
突然
鳥居に繋いできた犬が吠える
犬が待っている 戻りなさい
階段をかけ上がると犬が小刻みに尻尾をふる
犬の影が少し伸びていた
洞穴の男のまなざしが忘れられない
本格SFマンガの傑作!
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます