自由題でAが書いた詩を投稿します。
包丁とディナーベル
炭を熾し香ばしいチップを散りばめる
網に載せる肉は
六日間塩漬し一晩塩抜し半日間乾かしたもの
桜、楢、林檎、胡桃、椈、ヒッコリーの薫りがまわるように
通気孔を少し開けてきっちり蓋をする
詩の煙に包まれ待つ
熾火がおさまってから
小説の煙にまかれて眠る
次の朝あなたを呼んだ
――燻製好きだったでしょ
食べにきて――
返事はない
食卓に置いたままだったディナーベルを
朝から晩まで鳴らす
隣のクレーマー爺が腕を振り上げているのが
キッチンの小窓から見える
右手に包丁、左手にベル
肉には桜、楢、林檎、胡桃、椈、ヒッコリーの薫り
九月の明るい闇のなか
ずっとあなたを呼んでいる
包丁とディナーベル
炭を熾し香ばしいチップを散りばめる
網に載せる肉は
六日間塩漬し一晩塩抜し半日間乾かしたもの
桜、楢、林檎、胡桃、椈、ヒッコリーの薫りがまわるように
通気孔を少し開けてきっちり蓋をする
詩の煙に包まれ待つ
熾火がおさまってから
小説の煙にまかれて眠る
次の朝あなたを呼んだ
――燻製好きだったでしょ
食べにきて――
返事はない
食卓に置いたままだったディナーベルを
朝から晩まで鳴らす
隣のクレーマー爺が腕を振り上げているのが
キッチンの小窓から見える
右手に包丁、左手にベル
肉には桜、楢、林檎、胡桃、椈、ヒッコリーの薫り
九月の明るい闇のなか
ずっとあなたを呼んでいる
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