柴田秀子さんから新刊詩集「遠くへ行くものになる」が送られてきました。
静穏な雰囲気に微かな不穏や小さな不思議が漂う39編の詩の中から1編ご紹介します。
なにごとも無く
こんや 草の籠にねむる
つめも
かみも
まつげも 折りたたんで
ちっちゃく ねむる
マテバシイの実が
草葺きの屋根に 落ちる
間違い音を 数えつつ
ねむるスペースが 泥のように広がる
ドスッ
大きな実が落ちたのでは あるまいか
たまゆらのゆたかな刻が
また一つ 遠くへ走った
不測なことではない
こんやも
草の籠にねむるだけ
静穏な雰囲気に微かな不穏や小さな不思議が漂う39編の詩の中から1編ご紹介します。
なにごとも無く
こんや 草の籠にねむる
つめも
かみも
まつげも 折りたたんで
ちっちゃく ねむる
マテバシイの実が
草葺きの屋根に 落ちる
間違い音を 数えつつ
ねむるスペースが 泥のように広がる
ドスッ
大きな実が落ちたのでは あるまいか
たまゆらのゆたかな刻が
また一つ 遠くへ走った
不測なことではない
こんやも
草の籠にねむるだけ
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