共通テーマ「ガラス」でZが書いた詩を投稿します。
ガラスのコップ
物置の隅っこの 段ボールを引きずりだした
「しょうがねいな」 粗大ゴミばかしでと愚痴の独り言
軍手で 埃でコーティングされたガラスのコップを拭った途端
いきなり蘇る 夏の日の思い出
真っ赤だった柿の模様は 退色していたが
確かにこのコップに 原色の粉ジュースを入れて飲んだんだ
あれから もう60年
よく割れず棄てられずいたなと
暫くながめた後で
マジックで 割れ物注意と書いた指定ゴミ袋に
放り込んだ