湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

氷の詩パート3

2023-08-18 17:26:41 | オリジナル

共通テーマ「氷」でAが書いた詩を投稿します。

酸っぱいシロップ

 

新鮮な果実のソースが売りものの

夏だけ開くかき氷店の行列に一時間並んで席につくと

ほとんどのメニューが売り切れている

食べたかった果実と違うものしか選べない

いや これは選択不可能ということだ

 

食べたいと思わなかったものしかない店のテーブルで

思っていたのと違う酸っぱいシロップを

味わう気にもなれずに口に運ぶ

口中はただ冷えていく

 

選ぶのに時間がかかっても

悩みながら選んだ末に後悔しても

選択肢がほしかった

などと言っていられるのは

戦争が七十八年間起きていない国に住んでいるからだが

コメント
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