湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

自由題「余寒」

2019-04-30 14:40:23 | オリジナル
Aが自由題で書いた詩を投稿します。

余寒

読む前から冷めている指先が
手に取ることも開くこともせず
すっと詩集をこちらへ滑らせ
詩を詩の方へ押し戻す

急いで鞄に隠し蓋を閉めたが
落ち着かない膝からずり落ちた
詩集の入った鞄を拾い上げて
ここを出立することにする

水たまりをよけずに
自前の足で旅しよう
長い雨が降って耳の中の砂は湿っている
歩調に合わせて濁音が揺れている
コメント
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