湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

演じるの詩パート1

2017-10-12 13:04:44 | オリジナル
今日も写真はZAF参加作品。逗子ヤーンボンバーズの秋感が凄いヤーン自転車です。

では、共通テーマ「演じる」でAが書いた詩を投稿します。

地味な舞台

執務室の窓は海の方を向いている
それを背に
グレーの衣装をつけた部長が
半透明になっている
そんな様子
観察する意味はないのだ
話すこともないし
聞くこともないし
視線を落とし
光の変遷を冷たい頬に感じて
わたしも薄くなっていく
ああ
素晴らしい夕焼け 

観客めいた演者に手を出せなくて
振られた役から降りられなくて
なにかに硬くぶつかる
深くした溝に落ちる
ガチゴチの笑顔で
役割のない役目の演技を続ける
スポットライトはもう
水平線の向こうだ
コメント
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