共通テーマ「個」でAが書いた詩を投稿します。
密やかな撥条あるいは死の頁
わたしたちが共にもつ内臓
みたいに濃厚になりたくて
君の匂いがするバスタオルで
全身をくまなく拭く
君は交差点の手前で
向き直って言う
――僕はまっすぐ行くけれど
わたしは信号で止まり
君は信号で進み
お互い 寂しいバネ
みたいな歩みで離れていく
わたしはなぜ信号で
止まったのだろう
道に迷って古本屋に入る
本棚の間でまた迷う
欲しい本が
泣きたいほど見つからない
だって詩集が一冊もないのだ
詩は死の領域にある
紙魚がバネみたいにはしゃぐ
かさついた頁をめくる
君のねじれた螺旋が透けて見える
詰め込まれたわたしの詩が瞬発しそびれ
読まれぬまま浮かんでいる
密やかな撥条あるいは死の頁
わたしたちが共にもつ内臓
みたいに濃厚になりたくて
君の匂いがするバスタオルで
全身をくまなく拭く
君は交差点の手前で
向き直って言う
――僕はまっすぐ行くけれど
わたしは信号で止まり
君は信号で進み
お互い 寂しいバネ
みたいな歩みで離れていく
わたしはなぜ信号で
止まったのだろう
道に迷って古本屋に入る
本棚の間でまた迷う
欲しい本が
泣きたいほど見つからない
だって詩集が一冊もないのだ
詩は死の領域にある
紙魚がバネみたいにはしゃぐ
かさついた頁をめくる
君のねじれた螺旋が透けて見える
詰め込まれたわたしの詩が瞬発しそびれ
読まれぬまま浮かんでいる