湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

逗子会館ZAF&個の詩パート2

2017-10-10 19:13:01 | オリジナル
共通テーマ「個」でAが書いた詩を投稿します。

ヘヴンズドア

透明になびく壁
ガスが作る冷酷な自然
その内側で
時に抗い
時に震える
私たち

粒子の震えは突然
脳梁からうずくように始まって
刺激の形式を変更しながら
アキレス腱まで降りてくる
私たちは崩折れる
救急箱まで這って
鎮痛薬を一錠飲めば
いとも簡単に治まるが
いやらしい震動は
忘れた頃に再開する
のたうち笑うほど
内壁が痛い

反復する振戦を
消す手立てはひとつ
ガスでできた透明な
決して開かぬ
向こう側のない
ヘヴンズドアに
偶然衝突すること
一瞬のチャンス
上手に激しくぶつかれば
雲散霧消する
私たちもガスだから

こうして待ち時間は終わる


上の写真は、10月29日までの土日に逗子会館の階段で鑑賞できる空間アート「透覚」。
他にも楽しいアートが満載のZAF(逗子アートフェスティバル)中の逗子会館は、外壁に掲げられた本間亮次さんによるウォールバナーが目印ですよ。
コメント
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