湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

浮かぶの詩パート3

2017-04-11 00:00:37 | オリジナル
共通テーマ「浮かぶ」でEが書いた詩を投稿します。

浮ぶ

先端科学によれば
宇宙の起源はビッグバンだという
この広大無辺の大きさが
はじまりは微小な一点であった
ということは宇宙はスカスカなのだ

死海にゆうゆう浮んで
読書している写真がある
逗子鎌倉の海でも
鼻の先だけにすれば
長く浮いていられる

と、うかつにも信じこんで
のん気に浮遊している
スキ間がしのびこんでいる
するりと口をあける すべる
あっと言う間もない

たそがれどきなど
街が一刻シンとする
人は安気に歩いているが
浮遊感におびえているのだ
すぐ下にスキ間が口をあけている

しずかに しずかに
気づかせてはいけない
耳はなくとも
繊細な有毛構造があって
振動を感じるのだ
コメント
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