湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

「聞く」をテーマにした詩の合評パート2

2015-02-23 22:21:32 | 
今日はお題「聞く」でTが作った「体の音楽」という詩について合評会で話し合ったこと報告です。「体の音楽」は、こんな詩でした。
ライブハウスの壁にもたれて
ジャズの演奏を待っていた
ピアノ ベース ドラム
トリオが奏で始めると
壁が震えだして振動が伝わってきた
骨伝導ということがある
あれは体内部で聴くことだ
音に体を晒し 浸して
細胞に直接響く生の音
人の体はある部分が駄目になっても
それを補い合うものなのだ

ジャズに呼応して
体の奥深くで奏でられているもう一つの音を
聴いた


:作者の弁 :評者の弁
福岡伸一の動的平衡という理論を読んでいてできた詩です。平衡が崩れると起こる反応として欠損を自ら補う働きが人体にあるということを一連目の後半に入れたんですけど、全体の流れを阻害しているかなぁ。
「人の体はある部分が駄目になっても…」という箇所ね。この2行がなくても動的平衡を語れたのでは? もっと長くしてメタファーで表した方がいいと思います。鼓膜じゃないところで音楽を聞く状態を、科学的な言葉や理屈だけではなく更に感情や感動の独自表現を加えて書くと、ライブハウスでの体験で終わらず世界や宇宙に広げられると思います。
コメント
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