湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

テーマ「対話」で詩作パート2

2015-02-11 00:18:18 | 
共通テーマに沿って詩を書き、毎月合評会をしています。次の合評会は3月4日(水)14時~逗子市民交流センター1階で開催。見学・参加希望者は当日お気軽にいらしてください。今日は「対話」をテーマにしたTの新作を投稿します。絵もTの作です。


穏やかな対話

桜の花が咲くと
必ず会いに行きたくなる木がある
街はずれの小さな公園にある
何本かの桜の木の1本
古木で他の木より花の数は少ないけれど
花の色がいくらか白く透明な感じがある
「また会えたね」
木に手を当て 花を眺め そっと話しかける
ひらひらと花びらが散って
相槌を打ってくれる

秋になると
銀杏の木に会いに行く
鎌倉の神社の本殿の両脇に
対に植えられた これも古木だ
訪れる人がいなくても ひっそりと黄葉し
音もなく散っていく
「今年も来たよ」
銀杏の木に頬を当て 語りかける
これから散る葉とすでに散ってしまった葉の
黄色に包まれて
銀杏の木に励まされる
コメント
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