575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

夏服や手でしわ伸ばし良しとする    すみ

2014年06月30日 | Weblog
手で皺を伸ばして整えることを手熨斗(てのし)というそうです。
取り出した夏服のちょっと気になる皺を手熨斗、
これで良しとしよう、という主婦の気持ちを素直に詠んだ佳句。

辞書を引くと手熨斗とは
①江戸時代、貴人が目下の来客に応接する時の礼法の一種。
結んだ熨斗鮑のしあわびを貴人が手ずから取って与えること。
②手火熨斗(てびのし)に同じ。

手火熨斗とは、金属製の片手鍋のような容器を温めて、
その熱と重みで布のしわをのばすこと、とあります。
子供の頃にみたことがあります。

その後、炭火を使ったアイロン。さらに電気アイロンへと進化。
今では、そのアイロンも姿を消しつつあるようです。
我が家でも、どこか部屋の片隅で眠っているのでしょう?
ここ十年以上見たことがありません。

   嬰のもの手熨斗に畳む小春かな 片岡 祥子

追伸
この句、夏の暑いのにアイロンをかけるのはちょっとイヤだな。
こういう気持ちが込められているのを読み取らなくてはダメでは?
と、奥さん(佐保子)から指摘されました。
                        遅足
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