575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

御降りやはな緒に慣れぬ歩みして  晴代

2023年01月31日 | Weblog

若い女性の着慣れぬ和服姿を詠んだ句でしょうか。成人式かもしれません。若い人に限らず、私なども最近は草履の存在を忘れる程。下駄箱の奥の方にあるにはありますが、足を入れても爪先立ってしまいそうです。

 

選句コメントです。

須美さん: はな緒に慣れなぬ歩みは御降りのなか尚更ですね。情景が浮かびます。

結宇さん: 下駄も履かないし、まして雨時なら日和下駄かな。 これも昔ですよねえ。 若い子なんでしょうね。

亜子さん:  ◎の句。お正月に着物を着ると慣れない鼻緒に違和感を感じる。「御降り」にぴったりの句。

 

 御降りや自宅療養音は無し  須美

暮れにコロナに感染してしまったという作者。新年は家族で集まれないため例年の賑やかさはなくひっそりしていたそうです。もし御降りであればなお一層ひっそりしていたことでしょうと添えられていました。

 

時事句と言えるかもしれないこの句には麗子さんと私が票をいれました。

麗子さん: コロナ感染で自宅療養を余儀なくされた方も多かったと思います。楽しいはずのお正月が、だれとも接触できず静かな部屋。御降りの音だけが聞こえたかも知れません。

郁子: 御降りと自宅療養のとりあわせがおかしい。吉なのか凶なのかどちらでしょう(笑) 一人隔離の部屋は殺風景で・・ストーブの上、しゅんしゅんと沸くやかんの音をなつかしく思い出しました。

 

       

新型コロナの位置づけが5月8日に5類相当に引き下げられるようです。マスクとのお別れはうまくいくでしょうか。

マスクの下からは笑顔と血の通った生きた言葉があふれ出てきてほしいと思います。 郁子

 

コメント (2)
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