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永子の窓

趣味の世界

源氏物語を読んできて(年中行事・梅から桜へ)

2008年11月18日 | Weblog
梅から桜へ ~日本文化の興り~

 かつて天皇の住居であった京都御所の紫宸殿(ししんでん)の前には、現在でも左近の桜と右近の橘(たちばな)が植えられている。ところが平安京成立当初は、この桜の場所に梅の木が植えられていた。

 中国文化の影響で、貴族たちの唐趣味の影響から、もっぱら梅の花が賞玩されたのである。 ところが、この梅の木は遷都から半世紀ほどたった承和年中に枯れてしまった。そして、そのあとに、時の仁明天皇が梅に代えて桜の木を植えたのである。この桜の木も、天徳四年(九五〇)の内裏の火災によって一緒に焼失するが、その後移植された桜は、醍醐天皇の皇子重明親王の家にあったもので、もともとは吉野山から運んできたものであったという。
 

 この背景には、中国文化の影響から脱して日本の土着文化を見直そうという機運があった。和歌や仮名の発達とともに、農耕と密接に関係して愛好されてきた桜の美しさが見直されたのである。

◆参考と写真:風俗博物館

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