永子の窓

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源氏物語を読んできて(源氏物語絵巻・紙作り・2)

2008年08月29日 | Weblog
源氏物語絵巻・紙作り(2)

 復元プロジェクトの模写に際しても、全く同じく良質の紙を見つけることから始まった。
研究グループが、初めてハイビジョン顕微鏡カメラでとらえた、剥がれた絵の具の隙間から、平安時代の紙の繊維が見えた。900年前のものとは思えない、艶やかな輝きを保っている。(前述)
 
 繊維の太さや形などから、紙の原料は「楮(こうぞ)」と考えられた。

 楮はクワ科の落葉低木で、繊維作物として各地で栽培されている。この木の樹皮が和紙の原料となる。

 復元模写の紙作りを任されたのは、京都の岡墨光堂社長・岡岩太郎氏で、紙の材質について詳しい方である。

 現在、われわれの周りにあふれている紙は、繊維加工の工程で化学薬品を使ってつくられているものが多く、900年もの年月に絶えることはできない。岡氏の研究室で、
「国宝・源氏物語絵巻」の紙の質に近づける研究が進められた。

◆写真 楮(こうぞ)の木
◆参考 NHK出版

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