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永子の窓

趣味の世界

源氏物語を読んできて(38)

2008年05月03日 | Weblog
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【葵】の巻 (1)

「花宴」の巻から2年たちました。
源氏22歳4月~23歳正月  右大将(うだいしょう)ダイショウと濁る。
藤壺27~28歳  葵の上26歳で逝去  紫の上14歳
六條御息所29~30歳  斎宮13から14歳  夕霧誕生~2歳

 桐壺帝が朱雀院(すざくいん)にご譲位の後は、源氏には万事につけて面白くなく(朱雀院は、弘徴殿女御腹の皇子で、外戚の右大臣側が羽振りをきかす世になって)、また、右大将に昇進されて貫禄が加わったせいか、軽率なお忍び歩きも遠慮されていらっしゃいます。方々のご婦人を待ち遠しくおさせしている、その報いか、

「なほわれにつれなき人の御心を、つきせずのみ思し嘆く」
――いまなお自分につれない藤壺のお心を、限りなく嘆いておられる――

◆朱雀院=源氏にとっては、腹違いの兄宮になります。
 
 桐壺院は藤壺腹の皇子を東宮にお立てになったものの、しっかりしたご後見人のないのを、心配されて、行く末を源氏に託されます。源氏は
「かたはらいたきものから、うれしと思す」
――気がとがめるものの、うれしいと思うのでした――

「まことや」――ところで――と物語が展開していきます。
 前皇太子と六條御息所とのお子様の姫君が、伊勢の斎宮に決まりましたので、六條御息所は、このところ源氏のお心が当てにならないこともあり、姫君と一緒に、いっそのこと、伊勢に下ろうと思っていらっしゃるのを、桐壺院がお聞きになって、源氏をお叱りになります。

 桐壺院「故宮のいとやむごとなく思し、時めかし給ひしものを、軽々しうおしなべたる様にもてなすなるが、いとほしきこと。……心のすさびに任せて、かくすきわざするは、いと世のもどき負ひぬべき事なり」
――六條御息所を弟の故宮が大層重く考え、大事にされていたのに、お前は軽々しく普通の女のように扱うということだが、気の毒なことだ。(自分は斎宮を我が子と同列に思っている)気まぐれにこんな浮気をするとは、全く世の批判を受けるに決まっている。(相手の女に恥をかかせるようなことはせず、どの人も穏やかに扱って、女の恨みを買わないようにせよ。)――

と、院は不機嫌におっしゃる。源氏は、もしや自分の藤壺に対する大それた気持ちを、院が聞きつけられた時は…と思うと恐ろしくなり、畏まって退出されます。

◆伊勢斎宮=神宮に奉仕する未婚の皇女。帝が代られる毎に替わる。この度は、桐壺院の弟宮でいらした故宮と六條御息所との姫君で13歳の方が選ばれました。

◆伊勢への道=都(京都)→奈良櫻井を経て伊勢に向った。
        写真は奈良古道で、前方が奈良、手前が伊勢

ではまた。

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