中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

偲ぶ

2016-02-08 21:48:47 | 音楽
 大阪の「いずみホール」には毎年、山響の大阪公演で訪れています。音響の良いホールですね。一度、客席でコンサートを聴いてみたいものだと思っていましたが、昨日は嬉しくも、それが叶いました。

 私の母の三度目の命日の昨日に催された、まさに「偲ぶ会」ともいえるソプラノのリサイタルを聞ける幸運に感謝しております。ほぼ満席のお客様の中央に用意していただいた招待席で、良いひとときを過ごしました。

 作曲家は、その作品が演奏されれば、その場によみがえるものです。久しぶりに母に接したような気がします。また、その作品が愛されているのを見るのも、嬉しいことです。

 葬儀は故人の遺志により無宗教だったので、いわゆる「~回忌」のような法事はありませんが、よく知らないお経を上げてもらうよりもずっと、心に残る命日になりました。主催者・関係者の皆様に心から感謝いたします。


 都合により、大阪から山形への夜行バスで帰りました。12時間弱。通い慣れた道のりですが、「夜行」で走る冬の日本海側というのは独特の静けさ、それも、思い出に浸るしかないような真っ暗な車窓がなんとも沁みます。


 ところで、打ち上げの席で「夜行バスで帰るんです」と言うと、「それは大変だ」とばかりに、おにぎりやミカンなど様々なお土産を持たせてくれました。…なんだか親戚を訪れた帰りのような感じです。

 親しい故人の思い出を共にしている、という点では、まさに親戚と変わるところがないのかも知れません。


 良い法事になりました。
コメント
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