中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

春の講習

2014-04-30 10:45:17 | ヴァイオリン
 昨日は「昭和の日」でしたが、「平成生まれ」の人たちに囲まれて過ごしました。それも文字通り「取り囲まれて」。・・・自分がこの子たちの年齢の時に、世の中は平成に変わったんだな・・・などと、昭和を偲びつつ。


 向かったのは天童にある「山形県青年の家」。小高い丘の上にある学校風の、宿泊もできる研修施設です。入り口には「今日の研修」という掲示板があり、そこには「山形県器楽・管弦楽専門部講習会」と表示されていました。


 ということで、久しぶりにお声がかかり、県の高校の合同弦楽部の講習会の指導に行ってきたのです。7月に茨城の、つくばノバホールにて行われる大会で演奏する曲の指導です。曲目はブリテンの「シンプルシンフォニー」の3・4楽章。私は第1ヴァイオリンの担当講師でした。

 古い階段を3階まで上り、二段ベッドが詰まった寝台車のようなたくさんの部屋の前を通り抜け、たどり着いた教室にいたのは、17人の高校生たち(うち16人は女子)。

 こういう「指導」は過去に何度かしましたし、塾講師の頃は高校生も教えたことがあったので、その感覚でいましたが、高校生と言えばもはや息子とほとんど変わらない。ということは、相手から見ても私は「親の世代」なのだということにふと気づいて軽くショックを受ける。


 さて講習ですが、みんなまじめ。よく頑張っています。本当のことを言えば、楽器を持って1年や2年で、こんなに難しい曲を弾くのは無謀なのです。しかも、第1ヴァイオリンですから、とんでもなく高い音もでてきます。普通2年間ではポジション移動までもいきません。それを、指板のへりの方の音まで、くじけずに練習するのですから、青春って素晴らしい。

 それに対して私が数時間でしてあげられることなど、ほとんどないのです。しかし、酒田や新庄・米沢など、わざわざ遠くから集まってきたわけですから、学校ではできないことをしてあげたい。

 そこで、あれこれ言わずに、ひたすら弾いて見せることにしました。「芸は盗むものだ」とは古くさい言葉ですが、課題曲を弾いて見せる間にも、他に応用できるような奏法のイメージをつかんでくれればなと。

 かわいそうなのは、楽器の状態が悪すぎること。弦は錆び駒は曲がり・・・実用されてない古道具にしか見えない楽器もありました。昼休みに片っ端から駒を直し、弦を私が持参したものに張り替えるなど、学校の備品に対して勝手なことを・・・いや、できるかぎりのことはしましたが、もう少しやってあげたかった。

 とにかく貴重な高校生活、一生懸命に楽しんでほしい。


 ・・・さわやかな「昭和の日」でした。
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山形弦楽四重奏団第51回定期演奏会終了

2014-04-27 12:04:13 | 山形弦楽四重奏団
 昨日はたくさんのお客様に来ていただきました。
ハイドンシリーズをお休みしての「ハイドン・セット」第一夜、いかがだったでしょうか。

 50回を過ぎて、また新しい一歩を踏み出すという気持ちで演奏しましたが、四重奏団として、それなりに手応えを感じています。

 ずっと応援して下さっている皆様には、本当に感謝しています。


 ただいま、若干の二日酔いですが、また次回へ向けて頑張っていきます。

 次回は7月21日(海の日)。メンデルスゾーンの3番をメインに、紺野陽吉のデュオなども交えつつ(ヴァイオリンは今井嬢に任せて私は魅惑の降り番)、またハイドン・シリーズもすすめていきます。

 オーケストラのスケジュールも、そして暑さも厳しくなっていく季節ですが、また楽しみたいと思います。


 ありがとうございました!
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いよいよ

2014-04-26 16:54:20 | 山形弦楽四重奏団
 これから山形Q第51回定期。ただいまゲネプロを終えて、あと二時間後の開演に向けて鋭気を養うべく、だらだらしております。

 少し暑いぐらいの晴天。文翔館の広場には、ベンチで談笑している人たちがいるほどの良い気候です。

 本格的な春にふさわしい気分で演奏したいと思います。
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春の演奏会に向けて

2014-04-24 19:42:08 | 山形弦楽四重奏団
 いよいよ明後日はもう、山形Qの第51回定期。今日明日は山響のリハーサルなどもありますが、それでも、今回はスケジュールに無理がないので、落ち着いて最後の準備ができているように思います。


 ということで、酒の話はやめにして、モーツァルトの話をしましょう。

 今回は、モーツァルトの「第14・15・16番」を演奏するわけですが、演奏順は逆で、14番がメインとなります。

 長さはどれも同じですし、全部名曲ですから、どれをメインにしてもよいわけですが、あえて「14番」を選んだのには深~いわけがあります。それは・・・

 この曲が「春」というニックネームで呼ばれているからです。「春にやるから春」・・・以上。

 ・・・というのは半分ぐらい嘘です。


 「14番」は、ハイドン・セットの第1曲。ハイドンの四重奏曲を研究して学び取ったことを、それ以上の成果を込めて、ハイドンその人に献呈という形でぶつける・・・そういう気迫がみなぎっている曲なのです。

 その頃のモーツァルトは、自分をきちんと評価してくれないザルツブルグの司教の元から離れて、文化の先進地であるウィーンに移り住みました。つまらない会社を辞めて脱サラし、まさに自分の腕一本でやっていくという、前向きなやる気にあふれている時期です。

 それに加えて、コンスタンツェとも結婚しました。先生であり先輩でありプロデューサーである父の許しを得ないうちに、「勝手に」した結婚です。今まで何から何まで父親の庇護のもとに生きてきたモーツァルトが、初めて自分の足だけで歩きだした一歩でもあります。

 そして気合いを入れて書いたオペラ「後宮からの誘拐」が、ウィーンで好評を博します。

 脱サラ・結婚・成功・・・モーツァルトの生涯の中でも、最も「ノっている」時期に書かれたのがこの「春」なのです。


 それにひきかえ、私たち山形Qは、結婚は75%しているものの、安サラリーマンだし、成功もしているとは・・・

・・・いやいや、そういう話ではなくて、山形Qは前回に「第50回」の大きな節目を迎え、これから新しい気持ちでさらに飛躍しようという、前向きな活気にあふれているところなのです!そんな折に、まさにこの「春」はふさわしいという、ひとつの意気込みでもあるのです。


 春らしい、良い演奏会になるように頑張ります。少しでもたくさんのお客様に来ていただきたいと思っています。
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白ゆき姫殺人事件

2014-04-22 23:28:15 | 映画・ドラマ
 もう先月のことですが、また映画館のレイトショーを観に行きました。

 夜更けに、しかもさらに暗いところに潜り込んで、あのシュールな「ストップ!映画泥棒」のCMを観るとワクワクしてしまうのです。本編より好き・・・と言ったら過言ですが。


 今回選んだのは、「白ゆき姫殺人事件」。

 私は基本的に「犯人探し」のサスペンスは、あまり好きではありません。推理小説に興味が持てないのです。「犯人は・・・この人です!」・・・ふ~ん。そんなことよりも、犯人がなぜ、その罪を犯さずにはいられなかったのかということを、しっかりと描いてほしい。


 ということで「~殺人事件」と名の付く本は手に取りません。しかしこの「白ゆき姫~」は、推理サスペンスではないらしいし、話題になった「告白」の原作者の本の映画化で、しかも、ツイッターをはじめとする「ネット社会」の病理をえぐった作品だというので、思わず足を向けたのでした。

 
 ところが・・・

 しょせんツイッターなど、やったことはもちろん、見たこともない人間には、事の重大性や必然性がよくわからない。

 「ネット社会に毒されている若者」という設定の主人公は、とにかく何でもすぐに「ツイート」する。ラーメンを食べれば瞬時に「大した味じゃなかった・・・星ふたつ」とか。すごいのは、元彼女からの電話に生返事しながら「うぜえ・・・」などと、同時進行でコンピューターを駆使し「ツイート」している。

 いったいこの青年は「異常者」なのか、はたまた「天才」なのか、それとも「よくいる若者」なのか・・・それが読みとれないと話についていけない。


 面白かったのは、ヒロインが憧れているアーティスト。ヴァイオリンとヴィオラとピアノの3人組。実際にいるグループです。去年、山形テルサにも来ましたね。

 それが映画のシーンでは、本番のライヴ会場に観客より遅く来て、ホールの正面にタクシーで乗り付け、会場入りする時にファンにもみくちゃにされて階段から落ちて骨折する。・・・これはないでしょう。ゲネプロぐらいしたら?そして、出入りは楽屋口からどうぞ。


 ・・・基本的に「炎上」とかがよくわかっていない私には、物語に入り込みにくかった。現代社会の歪みからも取り残されている、ということなのか。・・・ちょっと残念。
 

 「炎上」すると困るらしいので、映画としての星の数はつけずに、これぐらいにしておきます。
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春の七重奏

2014-04-21 22:20:24 | 山形交響楽団
 春は出会いと別れの季節。


 昨日で、一週間にわたる今年度最初の山響定期が終わりました。ウズベキスタンの若き俊英による名曲コンサートは、お客さんにも楽しんでもらえたのではないでしょうか。

 
 さて、それとは別に、今回は開演前のロビーコンサートにも参加しました。曲目はベートーヴェンの「七重奏曲」。ヴァイオリン・ヴィオラ・チェロ・コントラバス・クラリネット・ファゴット・ホルンの編成による、ベートーヴェン初期の名曲です。もうずいぶん前のことになりますが、山響首席ファゴットの高橋あけみさんの呼びかけにより私も参加して編成した、「パストラーレ室内合奏団」として演奏会をした曲です。

 この度、彼女が山響を退団することになり、記念として、演奏会前のロビーコンサートで再演したのです。管楽器も交えたアンサンブルは、バランスその他、弦楽四重奏とは違った難しさがあります。加えて、初期のベートーヴェンのシビアなこと。・・・「懐かしいね」などと感慨に耽る余裕はありませんでした。

 6楽章まである大作なので、すべて演奏する時間はなく、1・3・5楽章のみの本番になりましたが、周りを取り囲むように聴いてくださった多くのお客様は、どう感じられたでしょうか。


 長く続く団体は、その経過のなかで人が入れ替わって存続していきます。生物における「新陳代謝」と同じく、必要なことです。人の体もそうでしょう。

 しかし、大きな集合体から見れば細胞のひとつに過ぎない個々のプレーヤーも、それぞれに人生があり、泣いたり怒ったり、そのあとでちょっと向上したりして精一杯やっているのです。取り替えがきくかも知れないが、それぞれには、かけがえがない。離れていくのは、やはり寂しいものです。


 ということで、本番後は送別会。日付が変わるまで飲みました。・・・そのせいで今朝は結構つらかった。

 「出会いは別れの始まり」と言いますが、別れはまた新しい出会いの始まりでもある。離れていく者を見送りつつ、応援したいと思います。
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誘惑との闘い

2014-04-19 10:10:52 | 山形
 山形市の桜が満開になりました。ここ数日は毎日カラッと晴れて、日中も15~16度と、最高の花見日和が続いています。

 いつもは忘れられて人気のない「児童公園」も、桜が一本あるだけで、パッと明るい行楽地のように見えます。花見に行くなら今週末がベストでしょうね。


 毎年この時期に悩まされているのが、近所の薬師寺の「花見まつり」。境内の桜が開き始めると、「海の家」のようなお座敷を装備した居酒屋が、ある日突然出現するのです。店先では煮込みの良い香り。

 あああっ、・・・行きた過ぎる!(めまいを起こし昏倒)
 
 しかし、毎年なかなか都合がつかない。


 満開の桜にライトアップされた露店が、今年も眩しく目に刺さります。今日も歯を食いしばって素通りし、山響の定期へと向かうのでした。
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新進気鋭

2014-04-17 22:55:44 | 山形交響楽団
 今週の土日は山響の定期演奏会。昨日からリハーサルが始まっています。


 今回の指揮者はウズベキスタン出身の若手。きちんとプロフィールを見ていないので、何歳なのかは知りませんが、すごく若く見える。自分が歳をとったせいでしょうか?まだ「青年」と言ってもいいぐらい。体格はもちろんデカいが、本当に音楽が好きなのが伝わってくるその目つきを見ていると可愛いとさえ思える。


 プログラムはシューベルトの5番、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲、ドヴォルザークの8番。新年度にふさわしい、名曲系のコンサートです。

 「ドヴォ8」などは、若手だからといって「そこはもっと気持ちを込めて激しくっ!」などと言われると、「若いのはお前だけなんだよ・・・」とグッタリしてしまうものですが、今回の指揮者はその情熱を、明確に譜面を表現することに向けるタイプなので、イヤな感じはしません。


 そう言えば、この間の旅行で思ったことですが、飛行機のエコノミークラスは、体格のいい外国人にはさぞ苦痛でしょうね。我々でさえつらい。こういう肉付きが良い男性と隣り合わせになりたくないもんだな・・・などと、目の前の指揮者を見て、リハーサル中に思っておりました。彼が何クラスの飛行機で来たのか知りませんが、狭かったら気の毒だなどと。余計なお世話ですね。


 とにかく、良い演奏会になるよう頑張ります。
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くどき上手「亀仙人」

2014-04-16 21:12:36 | お酒の話し(山形県)
 消費税が8%になりましたね。先月の「駆け込み需要」の様子を他人事のように見下ろして、「たかが3%ぐらいで騒ぐのはいかがなものか」などとナメてかかっていましたが、甘かったようです。世の中のほとんどのものが、なんだかんだ言って3%以上値上がりしている。・・・もっといろいろ買っておくべきだったか。


 そんな先月、「高いものを買うなら今のうち」とばかりに買ったのは、やっぱり日本酒。・・・はい、結局それしか頭にない。一度飲んでみたかった、「くどき上手」のレアもの「亀仙人」です。

 1升4200円(先月まで)を、高いと見るか大したことないと見るかはそれぞれでしょうが、私の感覚と身分では、何か言い訳でもないと買いにくいレベル。気が引けるところだが、増税ではしかたがない・・・。批判は私ではなく、アベノミクスにお願いします。


 ところで、何が「亀仙人」なのかというと、希少な酒米「亀の尾」を使っているということです。「亀の尾」は栽培が難しく、一時絶滅したと言われていた米ですが、篤志家の情熱によって復活したブランドです。

 しかし・・・私個人の好みからすると、やや味が硬いような気がする。「亀の尾を使ったからこんなに旨い」という酒には、実は出会ったことがないのです。

 ということで、期待を込めて一杯。

 ・・・なんと瑞々しい。新酒だからでもありますが、キラキラするような若々しさ。しかし、はじける感じではなくて実に品がいい。ちょうど今の山形の桜の、開きかけたばかりの、うるおいのある花びらの色のようです。「亀の尾」のポテンシャルをここまで引き出すとは。

 育ちは良いが、いまいち可愛げがない子供が、しばらく見ないうちに、驚くほどの気品と、はじけるような若さあふれる美少女に成長していたのを見るような。亀の尾・・・お見それしました。


 とにかく、堪能しました。そして・・・四月を迎える前に、飲み干したのでした。
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かなし

2014-04-14 21:25:55 | クァルテット
 山形Qの第51回定期演奏会が、もう来週です。

 
 さて、プログラムの中の「第15番」は短調の曲で、モーツァルトの短調作品のなかでもっともペシミスティックな曲だと言われています。それがまた本当に素晴らしい。キュンとして「ほっとけない」感じ・・・ちょっと違うか。

 ところで、この曲はコンスタンツェがモーツァルトの初めての子供を産むあたりの時期に作曲されています。特に、第3楽章のメヌエットはまさに出産のさなかに書かれたとか。


 ・・・さすが天才モーツァルト。妻の初産に冷静でいられる根性がすごい。私ごときと比べるつもりはありませんが、ふつう男はオタオタするものだと思うのです。

 夜中に「破水して入院した」という電話を受けて、ハスイがどういうことなのかまったくわからずも、この世の一大事とばかりにあちこちにぶつかりながら車に飛び乗って、真夜中の環七をぶっ飛ばし、息を切らせて病室に駆け込んでみると、「あれ、もう来たの?」みたいな反応をされ・・・

 私のことはどうでもいいですね。とにかく、なかなか作曲などに没頭できるものではないのが普通です。


 しかし、「おめでた」の時に作曲したものがなぜ「短調」だったのか?これに関しては、どんな資料も何も言っていません。「真の天才は『些末なこと』にその創作を乱されることがない。」ということなのでしょうか?そもそも、この曲は本当に「ペシミスティック」なのか?


 「わたしを感傷的にするものはただ無邪気な子供だけである」(芥川竜之介)

 自分もこんなふうに、何も知らずにいた頃があったのだ・・・ということでしょうか。


 父の期待を受け、神童として世界中を連れ回されて、ほとんど移動の馬車の中で育ったモーツァルト。「この世に生まれてくる」ということ自体が、思い運命を背負って歩きだすということだったかも知れません。天才も、自分で好きこのんで天才に生まれたわけではないのです。

 
 日本語の古文では、「かわいい」のことを「愛し」と書いて「かなし」と読みますよね。語源学のようなことは知りませんが、「ふびんである」の「悲し」と同じ発音であるからには、まったく無関係ではないのではないでしょうか。

 そう考えると、「15番」の短調が「ペシミスティック」というのは、言葉が軽すぎるような、表面的な評価であるように思えてきます。


 ・・・いとおしんで演奏したいと思います。
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締切間際

2014-04-11 23:56:10 | 山形弦楽四重奏団
 さて、山形Qの第51回定期演奏会が、もう再来週にせまっています。今回の「担当者」は私なので、他メンバー以上に張り切っていかなければ。


 しかし・・・担当者の最大の役割である、演奏会パンフの「プログラムノート」が、まだできておりません。春休み中にやるはずだったのに・・・。

 ということで、今夜は強引に酔いを醒まし、8月31日夜に夏休みの宿題をやる子供のごとく、ただいま執筆中でございます。考えてみると昔から、宿題はギリギリにやるタイプでした。こういう性質は一生変わらないものなんですね。


 おっと・・・前の行を書いてから、ちょっとぼんやりしているうちに、もうこんな時間。いかんいかん。

 ということで、再び「ハイドン・セット」の世界へと戻ります。
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セキュリティ

2014-04-09 21:59:27 | 旅の空
 先日の旅行ではもちろん飛行機に乗りましたが、最近はテロ防止のためか、昔とは比較にならないほど、セキュリティが厳しくなりましたね。

 すこし前に国内で飛行機に乗った時にも驚かされました。預ける荷物と手荷物を両方ともスキャンに通した時、即、呼び止められたのです。危険物は入ってないはずなのに・・・。

「ライターが入ってますね。」
・・・いけないのでしょうか?
「ライターの持ち込みは、一人ひとつまでです。」
・・・なんと。別にたくさん持ち歩いているつもりはないけど、どこかでもらった「おまけライター」でも入れっぱなしだったのか。ダメだと言うなら差し上げますよ。はい、これですか?
「どちらのバッグにも3個ずつ入ってます。」
・・・えっ?(さすがにやや恥ずかしくなる)ちょっと、すぐに探せるかどうか。
「底の方と外側のポケットです。」
・・・わかってるなら先に言ってくれればいいのに。しかし6個も持ってたとは知らなかった。はいはい、これでいいですか?
「では、もう一度通してみて下さい。」
・・・まだやるんですか。はい、わかりましたよ。
「あっ・・・すみません。」
・・・いや、別に謝らなくてもいいですよ。
「あの、あと2個入ってるみたいなんですけど。」
・・・。

 結局、着替えズボンのポケットと、洗面用具の袋に入ってました。「・・・密輸?」みたいな周囲の視線の中、下着までひっくり返しては手品のように次々と「おまけライター」を出す男。これは情けなかった。


 これを教訓として、今回は事前に自分の荷物を入念にチェック。ライターは1個。その他、液体っぽいものはすべて預け物の方へ。コンタクトもしっかり外して、完璧を確信。しかしそれでも不安になったので、航空会社のカウンターで優しそうなお姉さんに確認。

 折りたたみ傘は大丈夫ですよね?
「どういう傘ですか?・・・ああ、これなら大丈夫ですよ。」
 ホッ・・・。ちなみにひげ剃りは?
「どういうひげ剃りですか?」
 えっ・・・海外でコンセント使いたくないのでT字ですが。
「ああ、それはダメです。凶器とみなされます。預けて下さい。」

 凶器って・・・。ずいぶんと厳重なんですね。これでハイジャックできるわけないと思うんですが。
「ホォラ機長さんよ。これ以上剃られたくなかったら言う通りにするんだな。」
「わ、わかったから、たのむ・・・眉毛だけは勘弁してくれ!」
みたいな展開を警戒しているのでしょうか。


 しかし、実際に行方不明になっている飛行機もあるので、警戒するに越したことはないのでしょう。ともかく、おかげで安全に空の旅ができたわけですから、憎まれ口はきかないことにして、無事に帰って来られたことに感謝しましょう。
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豪遊記

2014-04-08 00:26:56 | 旅の空
 さて、せっかく行ったオーストラリアですから、いくつか体験したことを忘れないうちに書いておきます。何しろ最近、どんどん忘れるのです。とくに酒が入っている時の記憶がない。水が高価で、旨いワインと大差ないような国は危険です。今回も昼間からよく飲みましたが、オーストラリアの白ワインの旨いこと。日本酒の新酒を思わせるような、さわやかな甘みと酸味、そして・・・はい、酒の話はそこまで。


 ダーリング・ハーバーという、観光名所の港には、毎日遊びに行きました。お台場のような所ですね・・・(行ったこともないのに、知ったかぶりを申しました)。ここには水族館と動物園と蝋人形館があります。セットのチケットを買ったので、毎日ひとつずつ攻めました。

 水族館・・・ジュゴンが名物。やはりその辺で穫れたジュゴンなので鮮度が・・・いや元気がよいのはさすが。くつろいでいるように見えたのは、見る側としても嬉しい。カモノハシは頑固に隠れていて見つけられず。

 動物園・・・コアラは「看板」の自覚があるのか、写真を撮られるために自ら近づいてくるほどのプロ意識。怠惰なイメージを持っていたことを反省。しかし、記念撮影をした子供たちの感想は「けっこう臭かった」。

 蝋人形館・・・これは日本にもあるようですね。残念ながらオーストラリアの有名人をあまり知らないので、「リアルだね」「わりと小さいね」ぐらいしか言えない部屋多し。私が一番気に入った世界の歴史的有名人は「ガンジー」。蝋人形からでも「良い人のオーラ」が出てるのはすごい。


 その他は、もちろん「オペラハウス」。

 できてから40年ほどしか経ってないのに、世界遺産に登録されたそうです。それほどまでに、人類が誇るべき作品だということでしょう。

 もちろん中も見学しましたが、見れば見るほど、こんなものを考え出した人は本当にすごい。そして実際に造った行政もすごい。何よりも、当初の計画よりも大幅に延びる工期と何十倍にも膨れ上がる予算を、不満でなく期待を、誇りを持って見守り続けた市民がすごい。

 莫大な建築費がかかったようですが、しかし、こうしてオーストラリアが世界に誇れるものができ、これだけ観光資源としても活用できているわけですから、その先見の明にも感服します。ユーカリをふんだんに使った2700席のコンサートホールのイスに座り、羨ましくステージを見下ろしながら、山形の新県民会館に期待。


 ・・・と、巡った観光名所はこのぐらいでしょうか。あとは街歩き。とにかくよく歩きました。しかしこれが一番、その土地の風土を肌で感じられます。この度、シドニーは自分の中では「いい街」に登録されました。

 そして地酒。シーフードとワインについて、じっくり考察・・・するのはいずれまた。
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帰国

2014-04-06 18:42:40 | 旅の空
 今朝、飛行機を降りたときに、東京の寒さに驚きました。出国の時は「帰ってきたら、桜もすっかり終わってもう初夏の陽射しかな」などと思っていましたが、とんでもない。昨日まで南半球で、夏の終わりのギラギラした日を浴びて「暑い暑い・・・」とグッタリしていた身には、この差がこたえます。 


 ということで、オーストラリア3泊5日の家族旅行が終わり、無事に帰ってまいりました。行き先は欲張ると疲れるので、シドニーのみ。コアラやカンガルーをなでなですることよりも、外国の街並みや空気を体験する事に主眼をおいて、同じ場所に3泊。秘境やパワースポットを訪れるよりも、近所のスーパーで買い物をするような「異国の日常」を冒険したかったのです。

 オーストラリアはもちろん、南半球も初めて。成田から9時間、夜行の飛行機で行きます。予算はもちろん距離的にも、ヨーロッパより「手頃」な感じがするのがいい。時差も2時間。・・・恥ずかしいことに、シドニーが東京よりも東にあるとは知りませんでした。


 一言で言えば、シドニーは「大都市」。歴史のある港町で、海のすぐ近くに高層ビルが立ち並びます。観光地とビジネス街が一体化していて、いろいろなものが混在している。パリッとしたスーツ姿でアタッシュケースを下げ、スマートフォン片手にスタスタ歩くビジネスマンと、Tシャツ短パンにリュックを背負ってサンダルでペタペタ歩く「ふつうの人」(若者だけではない)が、一緒にスクランブル交差点を渡っています。

 人種もさまざま。それも、職種と無関係にさまざまです。ビジネスマンやブランドショップの店員からウエイターや掃除夫まで、ひと昔前の外国にありがちな人種による偏りのようなものはありません。庶民のフードコートでも、雲突くような金髪美女が、客の散らかしたコップや皿をごく自然に片づけている。誰もが、気取りも卑屈さもなく、大らかに暮らしている感じで、居心地の良い所でした。

 しかし・・・これほど物価が高いとは。値札を見るたびに青ざめます。だいたい日本の倍以上。聞けば、アルバイトの最低賃金は時給1600円だとか。日本よりはるかに豊かな国なのです。「豪ドルは米ドルよりちょっと安い」という知識しか無かったので、完全にナメてました。ペットボトルの水を一本買うにも、安い店を探さないといけない。観光地では500円しますから。「貧しい国から来た旅行者」として、体格以上にシュンとしてしまいます。


 それでも負けずに観光を敢行(・・・失礼)。その中身は、また明日にでも。
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帰国前。

2014-04-05 23:59:34 | 旅の空
 「分け入っても分け入っても青い山」と詠んだ山頭火も、きっとびっくりするスケール。山の緑を「青」と表現するのは日本人だけではないようです。ここは、シドニーから車で西に2時間弱の「ブルーマウンテン」。とにかく広い。ユーカリの森が、どこまでも、うんざりするほどに続いています。これを見れば「地球は青かった・・・」のも当然のような気がしてくる。
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