「だが、何より困ったのは、ズボンのちょうど膝の上のところに、ばかでかい黄色いしみができていることだった。このしみひとつだけでも、ぼくの品位の十分の九は吹っ飛んでしまうことを、ぼくは予感した。だが、そんなふうに考えるのが実に下劣だということも、やはりぼくは承知していた。」 (ドストエフスキー 「地下室の手記」より)
今年度は山響のスケジュールがいまだかつてない程にたてこんでいるために、まだ4月なのにもかかわらず、スクールコンサートのシーズンに突入しました。
シーズン中は基本的に朝から晩まで黒服を着っぱなしです(夏場は上着はなくなりますが)。そしてほとんど車に乗りっぱなし。外回り営業の会社員のように、社内で昼食をとる事もあります。
そんな時に気をつけなければならないのが、「食べ物のしみ」です。Yシャツの見える部分に、トマトソース系のしみがついてしまったりすると本当に最悪です。何気なく下を見た時に、赤い大きなしみを見つけた時の悲惨な気持ちは筆舌に尽くしがたい。
「何で、おにぎりかサンドイッチにしておかなかったんだろう…」
と地団駄ふんでもどうにもならない。午後の本番の時間も迫ってきてる。新しいYシャツを買いに行く時間はない…。
我々にとって(特に男性は)「ステージ衣装」など「作業服」同然。晴れ着などではなく、汗まみれで働くためのものでしかない。多少の汚れやシワも付かないようになどできるものではありません。しかし…やはりステージに立つとなると、客席からわかりそうなほどのしみは、ちょっとまずい。また自分で気にすると、全観客にこのしみが目だってしまっているような気がどんどんしてくる。すると今度は自分の演奏までもが何だかみすぼらしく思えて…。
「やはり何とかしなくては!」と、取り乱して水をつけてこすったりすると、目も当てられない。色の濃さはそのままに、どんどんサイズが拡大していく、悪夢のようなしみ…。
ということで、私の車のダッシュボードの中には、その時危機を救ってくれた「修正ペン」が入っています。
今年度は山響のスケジュールがいまだかつてない程にたてこんでいるために、まだ4月なのにもかかわらず、スクールコンサートのシーズンに突入しました。
シーズン中は基本的に朝から晩まで黒服を着っぱなしです(夏場は上着はなくなりますが)。そしてほとんど車に乗りっぱなし。外回り営業の会社員のように、社内で昼食をとる事もあります。
そんな時に気をつけなければならないのが、「食べ物のしみ」です。Yシャツの見える部分に、トマトソース系のしみがついてしまったりすると本当に最悪です。何気なく下を見た時に、赤い大きなしみを見つけた時の悲惨な気持ちは筆舌に尽くしがたい。
「何で、おにぎりかサンドイッチにしておかなかったんだろう…」
と地団駄ふんでもどうにもならない。午後の本番の時間も迫ってきてる。新しいYシャツを買いに行く時間はない…。
我々にとって(特に男性は)「ステージ衣装」など「作業服」同然。晴れ着などではなく、汗まみれで働くためのものでしかない。多少の汚れやシワも付かないようになどできるものではありません。しかし…やはりステージに立つとなると、客席からわかりそうなほどのしみは、ちょっとまずい。また自分で気にすると、全観客にこのしみが目だってしまっているような気がどんどんしてくる。すると今度は自分の演奏までもが何だかみすぼらしく思えて…。
「やはり何とかしなくては!」と、取り乱して水をつけてこすったりすると、目も当てられない。色の濃さはそのままに、どんどんサイズが拡大していく、悪夢のようなしみ…。
ということで、私の車のダッシュボードの中には、その時危機を救ってくれた「修正ペン」が入っています。