中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

名優賛

2013-03-30 09:29:00 | 映画・ドラマ
 今日はこれから山響で映画音楽のコンサート。「ゴッドファーザー」のテーマなどを中心に。


 「ゴッドファーザー」を観たのはずいぶん昔ですが、好きな映画の一つです。やっぱり、マーロン・ブランドのシブさにつきるでしょう。「裏社会の帝王」の貫禄を出すために、口の中にティッシュかなんかを詰めて演技していたと聞きます。さぞかし気持ちが悪かったろうと思いますが、そこが役者魂なんですね。

 記憶が定かではありませんが、一番好きなのは彼が死んでしまうシーン。確か、畑かなんかで孫と遊んでいるときに、心臓発作でポックリ逝ってしまうんでしたよね。帝王ではない、普通のおじいちゃんとしての安らかな最期は救いです。


 しかしそのシーンでも、孫の男の子を怖がらせるために、口にオレンジの皮をつめていた気がします。ティッシュやら皮やら・・・演出された安らかさの裏には大きな苦労があるわけですね。


 リハーサルで、トランペットが哀愁たっぷりに歌う例の「テーマ」を聴いたら、もう一度観たくなりました。
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20世紀組

2013-03-29 08:27:23 | 山形交響楽団
 この間、山響ファンクラブから頼まれた、新入団員紹介の記事を書きました。会報に載せるんですね。その新入団員は、新人も新人・・・まさに「新しい人」です。なんと平成2年生まれ。


 ということで、平成2年のことをいろいろと思い出しておりました。平成2年といえば1990年。私が大学に入学した年です。ひたすら遊んでいるばかりで社会の情勢などまったく知りませんでしたが、まさにこれからバブル崩壊が始まるあたりですね。

 厚かましくもついこの間のような気がしていましたが、考えてみると、チャラチャラした学生たちもみんな髪が黒くて、誰ひとり携帯電話を持っていないわけですから、やはり今とは「時代が違う」と言うべきでしょう。「アッシー君」だって、電話ボックスとか喫茶店のピンク電話(しかもダイヤル)で呼びつけられていたんです。

 
 ところで、「平成生まれ」が出現したことによって、我々は「昭和組」になってしまったわけです。今までその意識がなくても、そうなってしまう。いずれ今度は「20世紀組」として再編されるわけですが。

 昔、祖母がグチっておりました。
「あと何ヶ月か遅く生まれてたら『大正生まれです』って言えたのに・・・」
子供だった私には、何を悔しがっているのかまったくわかりませんでした。


 私たちは「昭和生まれ」の誇りを持って生きていきましょう。
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バレリーナ

2013-03-28 08:58:25 | 危機管理
 昨日は、緊張のあまり手がふるえてしまいました。
 米沢で山響のファミリーコンサートがありましたが、そこでではありません。(・・・もちろん緊張感をもって臨んではいますが)。


 終演後、急いで向かった先は、山形市にある700席ほどのホールです。・・・娘のバレエの発表会。間に合って良かった。たくさんの人が来ていて、受付にはプレゼントの花がどっさり、客席には、やけに姿勢が良い女の子がたくさんいます。これはバレエの発表会特有の華やかさです。

 ところで前から、「今回は出番が多くて、しかも一人だけで踊るところがたくさんある」ということを娘が嬉しそうに言っているのを聞いていました。私は酔っぱらって「ふ~んすごいね~よかったね~」と聞き流しておりました。だって、まだ幼稚園生ですから「おゆうぎ」のちょっと複雑なヤツぐらいにしか思っていなかったのです。

 本ベルの後、モーツァルトの華やかなオーケストラ曲(なぜか弾いたことも聴いたこともありません。バレエ音楽としては定番のようですが)が始まって、ゆっくりと幕が上がっていきます。すると、少しずつ現れてきたのは、腰を落としたポーズでずらりと整列している子供たち・・・と言っても、きちんとバレリーナのメイクと衣装を着て(当たり前か)、まばゆいほどのライトに照らされていると、本物のバレリーナたちのように見えます。

 しかもその先頭の子は、よく見ると確かにうちの娘で、しかも幕が上がりきったところで、一人だけ、他のみんなが整列している前で踊りだしたのです。・・・ちょ、ちょっと大丈夫なのか?手に持っていたプログラムを落としてしまいそうになりました。

 それにしても、みんなよくもまあ、流れている音楽のフレーズだけをきっかけに、満員の客席を前に体を動かせるものです。その後、今度はさらに、ステージ上に完全に一人だけ出てきて踊る部分もありましたが、見ているこちらが硬直しっぱなし。中ホールとはいえ、山響でも乗ったことのある広さのステージに、幼稚園生が一人で出てきて、厳密に決められた手順どおりに、跳ねたり回ったりしなければいけないわけですから・・・応援する余裕もなく、ひたすら固まったまま手汗をかくことぐらいしかできませんでした。

 しかし・・・他の子もみんな、緊張して泣き出すどころか、すごく楽しそうに踊ります。バレエとはそういうものなのか、指導が良いせいなのかは知りませんが、たいしたものだと思います。

 上級生のお姉さんたちも、みんな前回とは別人のように成長して、そのステージは本格的でした。感動して、今度は鳥肌がたつほど・・・(見ている方も忙しい)。これがみんな小学生や中学生だとは信じられない。


 終演後、着替えてロビーに出てきた出演者たちは、ステージでの姿からは想像できないほどの、「ただの子供たち」。あんなに大きくて大人のお姫様のように見えた子も、小さくて華奢であどけない。でも、競技を終えたアスリートのような美しさがありました。

 お母さんたちは裏方で大変だったようですが、ヴァイオリンの発表会には無い感動がありますね。教室全体で創る公演は、一つの作品として完成していて素晴らしいものです。

 母子ともども、お疲れさま。
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気配なし

2013-03-26 08:01:44 | 山形
 公園の片隅にひっそりと立つ枯れ木。足下には昨夜のうちに降った雪がうっすらと積もって・・・なんとも寒々しい。

 実はこれは枯れ木ではなくて、桜です。ここは自宅近くの桜の名所。・・・実際は「名所」というほどでもないのですが、毎年ここでは「花見まつり」という、心躍るようなイベントが開催されるのです。

 なんと、境内わきの広場に、突如として居酒屋が出現する。ただの夜店や屋台ではない、普通の居酒屋。中はちゃんとした畳敷きに卓がいくつも並ぶ「海の家」のような感じで、とても即席でできたように見えない。・・・もちろん昼間からしっかり営業中。

 これが何とも場違いで、同時に強烈に魅力的で、森の中に突然現れる「お菓子の家」のごとく、妖しく危険な吸引力を発散するのです。白昼堂々と。


 昨日テレビのニュースで、週末の上野公園の花見のにぎわいを見て驚きました。もうあんなに満開なんですね。

 ということで今朝、こちらの桜の様子を見に行ったのですが、まだまだまだ・・・。こんな枯れ木立が、もう半月もたつと花で埋め尽くされるのが信じ難い。


 ・・・それが桜の魅力なんでしょう。期待もしていないような所が、いきなり別世界になる。桃源郷に迷い込んだような眩惑的なところが良いのです。それに花を添えるのが(花を添わせるというべきか)、「花見まつり」のコンセプトなんですね。

 いましばらく、待つことにしましょう。
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ファンタジー

2013-03-23 09:20:04 | 山形交響楽団
 今日はこれから山響の「ファンタジック・コンサート」。メインの出し物は、林光の音楽物語「セロ弾きのゴーシュ」です。宮澤賢治ですね。


 楽長にしぼられて仕方なく練習に励んでいるチェリスト。イライラして猫に八つ当たりする。出来の悪い弟子(カッコウ)にうんざりしつつも、大して自分とレベルが違わないような気がして、プライドが傷つけられる。純粋で一生懸命な小さい子(たぬき)に付き合って合奏するうちに無心になり、冷静さを取り戻す。自分の演奏でも、それによって癒される人(病気が治る動物)がいることを知り、勇気づけられる。そして、職業として演奏する音楽から離れて、演奏する者と聴く者が相乗的に心を豊かにし合うという、本来の音楽に還っていく。

 ・・・ポイントを要約するとこんな感じでしょうか。なんだか身につまされるような気もしてきます。あくせく忙しいと、音楽を忘れてしまうものです。


 冒頭で楽長が怒って言うセリフに「演奏会まであともう10日しかないんだぞ!」というのがありますが、「10日もあるなら充分。まだまだ練習を始めなくてもいいぐらいでは?」と思ってしまう。「今日はまず、明日の演奏会の楽譜を読まないと」というのが現実です。実際の楽隊は、宮澤賢治が思ってるよりも、はるかに「その日暮らし」なんです。

 
 しかし今日は「ファンタジック」。ひととき、しがない現実から離れて、ゴーシュと一緒に、本来の音楽を楽しむことにしましょう。
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オメダイ

2013-03-21 11:20:15 | 危機管理
 昨日は山響のオペラ「フィガロの結婚」公演の本番でしたが、以前書いたとおり、私は「降り番」。貴重なお休みを頂きました。


 という幸運のおかげで、娘の卒園式に出ることができました。

 キリスト教系の幼稚園なので、式は「お御堂」、つまり教会で行います。ミサに参列する信徒のように、保護者は長椅子に並んで座りますが、ミサのような落ち着きは無し。卒園児たちがいつ入場してくるかとそわそわしつつ、ビデオの準備やら、感涙にむせぶためのハンカチの準備やらに余念がありません。

 保護者よりもよっぽど落ち着いて、両手を併せながら入場してきた園児たちは、祭壇に一礼してから静かに着席します。入園式の時には、騒ぐわ走るわ寝ころぶわで動物園さながらだったのが、やはり変わるものですね。もうこの時点ですすり泣く母親多数。


 私はクリスチャンではありませんが、こういう「式典」は、そこに漂う伝統と格式の点で、教会にかなうものは無いと思います。園長先生の「お話」も、学校の校長先生がついでにやるのではなくて、神父さんのお話ですから、しみじみと聴かせるという点では経験と実力が違います。

 園児が歌ういろいろな歌も、自然な「感謝」がベースにあるので、いっそう感動的です。・・・前後左右で滝のように泣かれると、さすがにもらいそうになってしまう。


 そして記念品。
「なにもらったの?」娘に訊いてみると、
「おめだい。」

・・・「おめだい」?また何かきっと面白い聞き間違えだろうと思って見せてもらうと、マリア像が刻まれた小さなブローチ。
「おメダルでしょ?」
「ちがう!お・め・だ・いっ!先生がちゃんとそう言ってたもん。」
「はいはい、おめだいね。おめでたい。」
・・・卒園したとはいってもまだまだ幼稚園児だな。

 しかし・・・おお神様、私の無知をお許し下さい。冗談で調べたら、信徒が身につけるこういう物を本当に「オメダイ」というんですね。全く知らなかった。そしてバカにしてすみませんでした。マリア様がいつも共にいて護って下さいますように、という、ロザリオのようなものなんです。

 
 子供は、親が思っている以上に成長しているようです。この三年間、父兄としても良い経験をさせてもらいました。感謝。
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敏直賛

2013-03-18 19:26:19 | 音楽
 「交響讃歌やまがた」の演奏会が、昨日終わりました。山形の作曲家、故佐藤敏直氏の2時間近くある大曲です。オーケストラ・合唱・児童合唱・バリトン・尺八・法螺貝・ドラムセット・・・想像しにくいと思いますが、大編成の、まさに大作です。

 どんな曲想の音楽なのか・・・これも、知らない人にはちょっと説明しづらい。「現代的だ」とか「叙情的だ」とか「古典的」だとか「民俗的」だとか「アメリカ的」だとか・・・そのどれもであるとも言えるし、そうでないとも言える、ジャンル分け不能の傑作です。素直に、氏の作風の幅の広さに感銘を受けるべきでしょう。


 山形Qでは、氏の「弦楽四重奏曲第1番」と「モルト・アダージョ」を何度も演奏しています。どちらも好きな作品ですし、弾けば弾くほど親しみがわく。特に「第1番」は、民謡調あり現代音楽調ありロックンロール調あり・・・まさに縦横無尽。「交響讃歌」に通じるものがあります。

 初めてふれると、「まとまりがない・・・」と感じてしまう危険性もあります。私もそうでした。しかし、しばらくつきあってみると、決してそうではないと思うのです。


 「芸術作品を理解するには、その時代背景を知らなくてはいけない」ことはよく言われます。ヨーロッパの貴族社会から市民社会への流れを知ることが、モーツァルトやベートーヴェンを解る手がかりになるでしょうし、ソヴィエトを知らないとショスタコは語れない。

 そういうことを佐藤敏直氏の作品に当てはめてみると、とりとめが無いように見える各パーツの底に、一本の筋が浮かび上がってくる。氏の場合・・・それはやっぱり「昭和」でしょう。

 前衛的なものへの憧れと、日本的なアイデンティティーを大切にしたい気持ち、海外から入ってきたものを素直に受け入れて楽しむ心、まだまだ巷にあふれていた人情味・・・それらすべてが活気を持って同居していた「昭和」なのだと思います。


 山形が誇るべき作曲家です。「昭和」が懐かしまれることの多い昨今ですから、もっと演奏されても良いのではないでしょうか。山形Qでもあちこちで弾きたいですね。
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楯野川「直汲み」

2013-03-17 22:39:14 | お酒の話し(山形県)
 最近の楯の川酒造さんは、「しぼりたて」だの「にごり生」だの、ちょっとずつ変化をつけて限定品を次々に出してきます。そして今度は「直汲み」。困ったものです・・・どれも旨そうで、まんまと買わされてしまう。「直汲み」だと何がどのようにすごいのか、ちっともわからないのに、「なにっ、これは見逃せない」と思ってしまうあたりが重症です。


 ところで楯野川ブランドは少し前にリニューアルして、すべてが純米大吟醸になりました。これはすごいことです。日本全国でもあまり例がない。

 しかしそれは裏を返すと、グレードが一つしか無いということにもなって、バリエーションが豊富でなくなるとも言える。「精米歩合50%」のものばかりで、どうやって変化をつけるのか。「どうするつもりなんだろう・・・まあ、どうせ旨いからいいか」と思っていました。


 ところが・・・出てくる出てくる。にごり、無濾過、生、攻め、火入れ、秋あがり・・・なるほど同じ規格・製法でも、それぞれの課程ごとに出してくるわけです。これはかなりの自信がないとできないことでしょう。どの段階で出しても恥ずかしくないとは・・・大したものです。またこれがどれも旨いから参った。

 そしてそれぞれに、はっきりとした違いがあります。この「直汲み」は、その理屈はわかりませんが、たしかに「しぼりたて」よりも味が繊細でまろやかなのです。それが山田錦自体のふっくらとした甘みと相まって・・・またしてもやられた。


 ・・・もう黙ってついて行きます。
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健康増進

2013-03-16 10:34:21 | 山形
 山形もすっかり春の空気になってきました。

 暖かいのはもちろん良いのですが、不快さも増してきます・・・花粉ですね。独特の、ベタベタした感触が吹き付けてきます。目も開きにくくなり、くしゃみは出るし、のどは痒い。

 しかし・・・まだその程度です。例年ならこの時期にはもっと瀕死状態になっているはずです。目は、「取り出して氷水にひたしてみたい・・・」ということしか考えられないし、鼻水は仰向けに寝ても垂れるし、肌荒れに微熱、頭痛に呼吸困難、吐き気と二日酔い(・・・これは違うか)。今年はそれがまだありません。一昨日から思い出して少しずつ漢方を飲んでいますが、そのせいだとは思えない。


 「今年の花粉は多くて強力」だと世間では言われているのを、不思議な気持ちで聞いています。

 もしかして治ったのか・・・? 

 だとすると、いったい何が良かったのか。酒量と食生活は例年以上に乱れてるし、ストレスと呼べるものも少なくなったはずは無し。・・・ひょっとすると純米大吟醸には、長年きちんと毎日多量に飲み続けるとアレルギーを抑える働きがあるのか?


 そんなはずはないでしょうが、とにかくありがたい。単に出遅れているだけかも知れませんが、春を楽しむことにいたします。

・・・寄生虫のおかげでないことを祈りつつ。
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50周年

2013-03-15 18:08:21 | 山形交響楽団
 休み明けの今日からは、山形県県民会館の開館50周年を記念して、佐藤敏直作曲の「交響讃歌やまがた」のリハーサル。


 古い古いとは思っていましたが、50周年とは知らなかった・・・。「お疲れさまでした」と言ってあげたいですね(他意はありませんよ)。2年前の震災でもビクともしない頑丈なホールですから、この先もまだまだ頑張ってくれてしまうのでしょうか(他意はありませんよ・・・正直言うと新しいホールも欲しいですが)。

 
 先日、山形の局のラジオ放送で、このコンサートの宣伝をしてくれていました。FMのポップス音楽番組でしたが、パーソナリティーがDJ口調でいきなり「やぁまがた県民会館、ごぉじゅっ周年を記念してぇ、交響讃歌やまがた演奏会が開催されます」とテンポの良いノリでPR。

 ・・・違和感がありますね。でも考えてみると、こういう形のPRも良いことだと思います。クラシックのコンサートだからといって、いつも神妙な口調である必要もありません。痛ましいニュースを読み上げるアナウンサーのようなトーンが、クラシックコンサートにふさわしいと感じてしまうのは良くない偏見です。


 山形Qの宣伝も、もう少しポップな感じでやったら効果があるのか?とも思って考えてみましたが、やっぱり難しい。ラジオ番組に呼んでもらって定期演奏会のPRをしたことがありますが、どうしても堅くなってしまいます。まあ、私のキャラの問題でもありましょうが、「親しみやすさ」を演出するのが難しいジャンルだということは間違いない。「ハイドン作曲、弦楽四重奏曲作品17の6」・・・このフレーズを、「くだけた感じ」で言うのは至難の業です。一歩間違えると、本当に頭が足りないのかと思われてしまう。

 まあ、無理せず地道にやるしかないですね。「くだけて」みたところで、集客力がアップするとも思えませんし…。
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感謝の休日

2013-03-14 08:52:05 | 山形交響楽団
 昨日と一昨日は、本来は山響でオペラ「フィガロの結婚」のリハーサルがあったのですが、私はお休み。今回は有給休暇ではなくて「降り番」。小編成での公演における、余剰人員のことですね。

 この「降り番」というお休みは、本来はどこのオーケストラでも日常的に発生するものです。肉体労働者である楽団員はそれによってローテーションを組んで、体力を維持しているわけです。


 しかし山響はご存じの通り、もともと人数が少ない。なので、あらゆる演目で必要な弦楽器奏者は、ほとんど常にフル出場です。よほど珍しい編成の曲か、特殊な趣旨で人数を絞ってやる公演の時にしか「降り番」はありません。そういう演奏会は、回数にすると年に1~2回。非常に貴重な機会なのです。


 その貴重な機会の恩恵にあずかる権利を、いったい誰が獲得するのか?・・・毎回、血で血を洗う争奪戦は熾烈を極め、多数の死傷者が出・・・るということはなく、麗しい譲り合いの精神によって和やかに決定されます。ローマ法王を選ぶ「コンクラーベ」といえども、これほど穏やかで愛に満ちたものだとは思えない。

 ・・・くどくど何を書いているのかと言うと、要するに、みんなが忙しく働いている時にこうして休んでいるのが、正直言うとやや後ろめたいんですね。・・・結論。パートの皆様、ありがとうございます。時間は、実家の整理のために、有意義に使わせて頂きました。
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八重と樹氷

2013-03-11 09:01:48 | 山形
 NHKの大河ドラマ「八重の桜」、昨日始めて観ました。なかなか面白そうですが、やっぱり「平清盛」にはかなわないかな・・・などと思っていたら、ようやく車が動きました。ようやく事故処理が終わったらしい。良かった・・・このまま吹雪の中にいたら、暗闇の中で車ごと樹氷になってしまうところでした。


 昨日は山響定期演奏会の3日目。酒田公演でした。これで契約切れとなる指揮の工藤俊幸氏の地元である酒田で、良い演奏会ができたことを嬉しく思います。


 しかし・・・天気が良くなかった。朝は暖かかったのにそれからどんどん気温が下がり天気が崩れて、終演後には吹雪になっていました。とにかく風が強い。

 酒田で風が強いのは仕方ない・・・と思いつつ帰途につきましたが、月山が近づいてもいっこうにおさまらないどころか、勢いを増して、猛烈な地吹雪に。すぐ前を走る車の姿がフッと消えて「あれっ?」と思ったとたん、こちらの視界も真っ白になります。

 しまった・・・遠回りして平地を行くべきだったか・・・とも思いましたが、ここまできたら行くしかない。通行止めにはなっていないみたいだし。

 分け行っても分け行っても白い山・・・というより夜の吹雪で視界がほとんどない。見えたり見えなかったりする、前の車に慎重についていきます。

 ところどころでヒヤッとしながらも、てっぺんを過ぎて、下りに入り、もう少しで麓というところで、なんと「事故発生全面通行止め」。ここまできてそんなこと言われても、迂回路なんかないし、やっとの思いで越えた山をもう一度越えて戻る気にはどうしてもならない。あきらめて車列の最後尾につけます。

 ・・・10分・・・30分・・・1時間・・・まったく動かず。イラッとした感じでUターンする車もちらほら。しかし吹雪はますますひどく、命がけでしかも4時間もかけて迂回する気にはなれない。

 -7℃の強風が常に吹き付けているので、しだいに窓が凍り付いて、その氷が少しずつ膨れてきます。電熱線が入って曇らないバックミラーまで、氷の勢いに負けて、だんだんもっこりしてきた。・・・このようにして樹氷はできるんですね。

 イライラしても仕方がないので、カーナビのテレビをいじってみる。携帯も圏外の山奥なので受信できるチャンネルはほとんどありませんが、なんとか大河ドラマをキャッチ。ときどき画像が止まったり、女優さんの顔が粉々になったりしますが、楽しく観ました。やっぱり会津の「訛り」に違和感を感じるのは、私も東北暮らしがそこそこ長くなってきたからなのでしょう。


 結局2時間近く待たされましたが、無事に家に帰りつきました。・・・さすがに今度こそ、東北にも春が来るはずです。
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春を思い出す

2013-03-09 08:32:21 | 山形
 少しずつ、空気がネットリしてきてるように感じられ、目がジャリジャリしてきました。春ですね・・・花粉の季節です。

 今年の花粉は「去年の~倍」だとか、あっちの大気汚染の影響で「症状が重くなる」とか、恐ろしい情報があふれています。ホームセンターでガスマスクでも買うべきでしょうか。

 そういえばテレビのニュースに、実家の最寄り駅が映っていました。馴染みのある店の前に、たくさんの救急隊員と、運ばれるケガ人・・・。事故かと思ったらそうではなく、東横線の混んだ車内で催涙ガスを「うっかり」噴射した人がいたとか。「うっかり」も、八兵衛の時代より凶悪化が進んでいますから注意が必要です。やはりガスマスクぐらいは常備しておかないといけないかも知れません。


 しかし、ふと例年の自分の花粉症を思い出してみると、今年は発症がずいぶん遅い。去年も一昨年も、一月下旬から二月上旬には始まって、漢方を飲んでいます。今季は昨日まで、すっかり忘れていました。

 今年はいろいろなことがありましたから、「それどころではなかった」ということなのでしょうか。花粉症というのも、案外、精神的なものなのかも知れません。

 
 さて今日はこれから、三日連続の山響定期の二日目。タフな精神を保つために、とりあえず温泉に寄ってから行くことにします。
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楯野川「合流」

2013-03-06 18:48:00 | お酒の話し(山形県)
 「ひなまつり」は、暦の上での「大寒」とか「啓蟄」とかのように、特段の印象を残すこともなく過ぎていきましたが、せっかくなので、もう少し白酒を召すことにいたしましょう。


 ということで、またまた楯野川の新酒。こう次から次へと新作を出されてしまうと飲むのが追いつきません。またどれも飛ぶように売れて、すぐになくなってしまう。このあいだの「しぼりたて」も残念ながらあっと言う間に「売り切れ」・・・ひと瓶しか飲んでないのにまた来年か。季節の回転が速すぎて、「つかみ捕り」の魚のように、わずかな感触だけでツルッと逃げていってしまいます。

 そこで今回、気合いとともにつかんだのが、この「合流」。にごり酒ですね。去年までの「濁流」よりも「おり」は少な目。「濁流」が地吹雪のような真っ白だとすると、この「合流」は春の寒い日に舞う雪煙のような、淡くきらきらした濁り加減が美しい。

 見とれつつ開栓すると、バシュッという轟音・・・生きてる生きてる。噴きこぼれるほどの勢いはないものの、細かい泡がはじけて、フレッシュな香りが漂います。素晴らしい・・・。

 (・・・ところで時々、この「酒レビュー」を読んだ人から、「本っ当に日本酒がお好きなんですね・・・」と、余韻にあわれみがこもったトーンのお言葉を頂くことがあります・・・ある種の病人をいたわるような。しかし、心配は無用です。心配されたぐらいで治るものではございませんので。)

 さてその味は・・・一言で表現すると「春」。冬の澄んだ空気が残っている中に、ざわざわした生命感があふれている。わかりやすく(?)言うと、楯野川らしい澄んだ味と、「にごり」の力強い濃厚な米の味が両立しています。ややまとまりには欠ける気もしますが、良いとこ取り・・・これが「合流」ということなのか。とにかくウキウキするような「イキのいい」酒に仕上がっています。


 春の宵と酔いを堪能しました。右大臣ほど健康的でないので「赤いお顔」にはならないものの、ちょっと召し過ぎましたかね…。
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都会の休暇

2013-03-04 23:11:14 | 危機管理
 昨日は有給休暇を頂きました。もともとは母の見舞いなどのために申請していたものでしたが、残念ながらそれもなくなったので、完全な休日。取り下げようかとも思ったのですが、すでに代わりの奏者を手配してしまったということなので、ありがたく休ませて頂くことにしました。

 おりしも「ひなまつり」の日。娘のために使いますかね・・・。


 ということで、家族で仙台へ。

 「仙台に遊びに行く」などということは、ほとんどしたことがありません。それも動物園に行ったぐらいで、ショッピングなどができる「都会」としての仙台ではありません。

 しかし昨日はバリバリの都会、それも三越へ。

 ・・・なにも三越なら東京で行けばいいのに。

 そうはいきません。催事場でひらかれている展覧会を見に行ったのです。「ハインデル」という画家の。

 
 「休日に絵を見に行った」などと言う人がいると、「負けた」と思って憧れてしまうぐらい、私は絵画にまったく不案内です。もちろん「ハインデル」なんていう人も知らない。しかし、聞くところによると、この人はバレエに造詣が深い画家らしく、バレエダンサーを描いた作品がほとんどで、その「生きて踊っている」かのような躍動感が素晴らしいとか。

 ・・・なんのことはない。娘のバレエの先生に「絶対にイイからぜひ見に行ってちょうだいっ!」と言われたということなのです。娘本人というよりも父兄がですね。ついでに、仙台にあるバレエ用品店で買い物があるらしい。


 宮城県民会館の近くに車を停めて歩くと、日曜日にしては人通りは少な目。
「すげえ、何ここ東京じゃん!」
・・・東京と山形しか知らない息子は、その都会的な街並みに、妙な感動をしていました。

 仙台の三越は気のせいか、東京のよりも広々としていてきれいです。スペースに余裕があって、近くの幼稚園の園児が描いた絵がたくさん飾られていました。
「へえ、あれなの?」
・・・いくらなんでも違うってわかるだろ。やっぱり美術館みたいな所に、息子を今まで一度も連れて行かなかったのは良くなかった。

 催事場はこじんまりとしたスペースで、訪れる人もまばらな静かな場所でした。・・・なるほど確かにバレエダンサーの絵ばかり。それも練習風景など、バレエの舞台裏をよく知らなければ描けないだろうものばかり。バレリーナ特有の、細くしまった体の線や筋肉への光の当たり具合、ジャンプした後のスカートのひらめく様子・・・実にリアルでしかも美しい。残念ながら原画はわずかでしたが、一見の価値はあると思います。

 「なに、どういうこと?コピーなのに、なんでこんなに高いの?」
・・・気持ちはわかるけど、静かにしなさい。

 
 その後、ディスニーストアに寄ったり、バレエ用品店に行ったり・・・手持ちぶさたな男たちを後目に、女性たちはショッピングを楽しんだようでした。


 家族サービスで仙台の市街に買い物に行く・・・というのも、ある意味では山形県民らしい過ごし方なのかも知れません。
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