中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

今年の抱負

2024-01-09 22:36:00 | 昭和〜平成
 みなさんは年賀状書きましたか?

 世の中では少しずつ、この習慣が消えていく方向に動いているような気がします。

 来たものに対して返事を出さないのは、大変失礼な気がする…というだけで続いているやりとりもありますよね。

 「今年は会いたいね」と、もう20年以上言い続けるだけのやり取り。…無駄といえば、これ以上無駄なものもない。絶滅すべき習慣かもしれません。

 …と、そう思い続けていましたが、やっぱりそうでもない。

 年賀状をやり取りするだけの関係というのも決して無意味ではない。「切れてしまっていない」というだけでも、思ったよりも大きい価値があると思うのです。

 最後の糸。

 毎年、私が一番大切にしているやり取りは、自殺してしまった親友の両親です。中学の時に出逢った友人ですが、もう亡くなって20年以上になりますが、両親はご健在です。

 私の両親も亡くなりましたから、お元気なのを知るだけでも安心します。

 年賀状には、とくに書くこともない。息子が中学生になった時には、「もう子供が、あの頃の僕たちの年齢になりました」などと書いたものですが、他の年は「あいかわらず彼の夢をよく見ます」とか「今年も墓前に缶ビールを供えました」とか。毎年、そんなもんです。

 それでも返事が返ってくるとホッとするのです。ご両親がお元気だったということだけでなく、自分の中でも薄れてしまいそうな大事な記憶が、すこし修復されたような気がする。

 「今年は会いたいね!」という定型文を、それだけに終わらせないで、実現することを今年の目標にしたいと思います。
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音の風景

2022-05-16 21:27:00 | 昭和〜平成
 先日のスクールコンサートの、校長先生の前説(といったら失礼ですね。お話)で、「朝、目が覚めた時の音」のことを言っていました。

 冬が終わって良い季節になり、鳥の声で爽やかに目を覚ますことが多くなったと。人は音を楽しむ生き物で、音は私たちにいろいろな気持ちをもたらしてくれる、と。

 …良い話だと思いました。

 そこは田舎の学校です。都市部では、やはり、車やオートバイの音で目を覚ますことがほとんどでしょう。集合住宅なら隣の家の目覚ましとか。

 しかし昔の記憶を辿ってみると、私の場合、耳に残っているのは「雨戸」の音です。

 昔の家の、木でできた雨戸は重くて、夕食前に「雨戸閉めてきて」と母に言われるのが嫌でした。湿って、ささくれだった古い板を、戸袋から引き出すのがひと苦労でした。きちんと閉めないと、杭のような鍵がはまらない。

 あの重い摩擦音が、開ける時には、それでも、朝らしい爽やかな音に感じられる。あれが戸袋にしまわれると、部屋に朝陽が射し込んで、雀の声も聞こえるようになります。

 あれが、アルミ製の軽くてキャスターのついたものになった時には、開け閉めが楽で感動しましたが、でも、ガシャガシャと金属的な音になってしまった。

 そして、今は雨戸はありません。一軒家の皆さんは、まだあるのかもしれませんが、マンションでは雨戸の音を聞く機会は無くなって、すっかり忘れていました。

 NHKラジオに「音の風景」という番組がありますが、時代とともに、暮らしの音も変化してゆくものですね。

 ちなみに、今の家の前に住んでいた山形市の郊外の地区では、休日の早朝には交通安全を呼びかける広報車が巡回します。みんなが寝ているのにスピーカーで「今日は交通安全の日です。事故に遭わないようにしましょう」と言って廻る。

 初めて聞いた時には本当に驚きました。都会の住宅街でこれをしたら、運転している人は無事で帰れないと思います。

 …こういう朝の音は無くてもいいですね。
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