中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

心しずかに

2014-12-31 23:02:29 | 雑記
 東京の、春のような暖かさに驚いています。陽射しが柔らかい。もうすく始まる新しい年も、こんな感じだと助かるのですが。


 さて、今年もいよいよ終わります。お世話になったたくさんの方々、本当にありがとうございました。

 そして、来年が皆様にとって良い年でありますように。
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風物詩

2014-12-30 14:13:57 | 温泉
 休日は、まず温泉から。これはオールシーズン共通です。

 しかし、山形はこの時期、人口が急増します。帰省のためです。ウキウキしたおじいちゃんおばあちゃんを、至る所で見かけることになります。もちろん温泉でも。

 私の行きつけの温泉にも、意気揚々とお年寄りが入ってきたと思ったら、息子と孫が後からついて来ていました。孫は3歳くらいの女の子。遠くからでも、おじいちゃんのメロメロぶりが伝わってきます。

 でも、この温泉は熱くて有名。地元に暮らす大人でも敬遠する人多数なのに、こんなに小さな女の子が持ちこたえられるのか?

 おじいちゃんも、ふと心配になったらしい。
「ちっとあっづいかな~?カナちゃん泣いちゃうかもしんないなぁ」と予防線。

「大丈夫ですよお義父さん。カナはお風呂大好きで、熱くてもいつまででも入ってますから!」
…東京から帰省中の、義理の息子らしい。
「いや~朝から温泉なんて最高ですねっ!ねっ、ウレシいね~、カナ‼︎」
…気遣いのハイテンションが初々しい。
「そうか?ヨシッ、じぃじと一緒に先に入ってようか!」

 カナちゃんを抱えて颯爽と湯船に浸かる「じぃじ」。しかし、足が湯に触れた瞬間ビクッと震え、笑顔を失くす「カナちゃん」。

……天然なので温度にムラがある温泉ですが、今日は特に熱かったのでした。素人にはムリ。

 あまりなついてない「じぃじ」に気を遣い、無言でもがく「カナちゃん」。抱っこされながら、砂漠のトカゲのように足を引っ込めては湯から逃げています。騒がないのが偉い。「気遣い」が本能にプログラムされている。

 娘のヘンな動きを、はしゃいでいると勘違いした義息は、
「お義父さん、お風呂上手ですねっ!」
と場違いなコメントをしながら湯に足を踏み入れて硬直。
「ア、アハッ!けっ結構熱いですね‼︎」
それでも根性で、即、肩までイン。
「大きいお風呂、気持ちいいね~、ねっカナ‼︎」
リラックスしていない声音が響きわたる浴室。

 残念ながら子供は正直。
「あつい~、もう出る!」
幼児とは思えない活舌でキッパリと宣言。

「じゃあ10まで数えたらジュース買ってあげる!」
義息も、もはや破れかぶれ。支離滅裂だが、自分も熱い。

 ところがなんと、ここでカナちゃんが駆け引き。
「アイスがいい…」
「えっ、あっ、アイスはママに怒られるんじゃないかな…」
この状況で思考能力が薄れているにもかかわらず、そちら方面にも気を遣う義息。…もうアンタは充分頑張った。と、タオルを投げ込みたくなる。

 そこへすかさず、
「じぃじがアイス買ってやる‼︎なっ、カナちゃん!」

 ここで落とすしかないと瞬時に判断した義息。
「良かったな~、カナ‼︎」

 それぞれの思いを胸に、全力で10まで数える親子三代。周りでハラハラしながら浸かっていた我々全員も、心の中でテンカウント。その時浴場がひとつになりました。


 …心温まるドラマが生まれる、年の瀬の山形を後にして、我が家も、東京へ帰省することにします。
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冬眠

2014-12-29 12:42:15 | 雑記
 昨日の「第九」公演が終わって、今年の演奏会が全て終わりました。

 山響でも山形Qでも、今年もたくさんのコンサートがあり、多くのお客様に来て頂き、また応援して頂き、感謝しております。


 ということで、冬休み。

 秋からの演奏会ラッシュや、それでも良くならない不景気、その他もろもろで、心身ともにだいぶ擦り減っています。横たえる身体が「涅槃像か?」と思うほど、ドッカリと重い。

 まずは、ゆっくり休むことにします。
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また会う日まで

2014-12-27 23:47:32 | 音楽
 今日は山響の「カルミナブラーナ」の本番。満席のお客様と共に、この風変わりでウイットに富んだ、万華鏡のような音楽を楽しみました。


 その後は着替えもそこそこに、文翔館へ。昨日も書きました「ピッコロムジカ」の演奏会、二曲目に間に合いました。


 私が大学生オーケストラをやっていた時に、いろいろな人から言われました。

「こうして、生まれも育ちも、これからの生き方も違う若者が集まってほんの一瞬、音楽のためだけの時間を共有することが、どれだけ素晴らしいことか」

…その時はもちろん、理解できませんでした。音楽は素晴らしいけど、みんな勉強や就職活動の合間の不自由な時間の中で「もっと集中してやりたい」と思って、不満を感じてもいる。プロとして、それだけに専念できたらどんなにいいか。

 と、思ったものでした。しかし、この歳になってようやく今日、それがそういう意味ではなかったという事に、気づきます。


 そこにいてもいいし、いなくてもいい、その気になればどこにでも行ける若者が、ある一時、ひとつの音楽のために集まる。それは、純粋であるがゆえに密度が濃い。必要性や限界という水たまりの中で酸欠にパクパクしている「大人」には許されない、本当の能動的な結びつきが、そこにあるのです。そこにこそ、真のアンサンブルがある。

 そんな事を、聴きながら思い出した、素晴らしい演奏会でした。

 自分にも、こんな時代があったな…

…なんともオヤジ臭い。むせてしまいそうですが、とにかく、感傷的になるほど良いコンサートでした。

 
 四月から、東京で就職する人、就職活動が始まる人、音楽が好き過ぎて業界に入る人……またそれぞれの道に分かれて進むわけですがまず今日は、ひとつになって立派な演奏をしました。

 惜しみない拍手を贈りたいと思います。
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ピッコロムジカ「第1回演奏会」

2014-12-26 11:02:09 | 音楽
 明日は、山響「カルミナブラーナ」の本番なわけですが、おかげさまでチケットは完売状態のようです。ありがとうございます。


「うそっ!残念、買いそびれた‼︎」

という、おっとりした性格の貴方へ、素敵なコンサートをご紹介しましょう。


 山形大学医学部を中心にした学生による、弦楽合奏団「ピッコロムジカ」の第一回演奏会が、文翔館議場ホールで行われます。

 私も3度ほど、リハーサルのお手伝いをさせてもらいましたが、レベルの高さに驚きます。さすが、忙しい勉強の合間をぬってオーケストラ活動をし、さらにそれにも飽きたらずに弦楽合奏まで手を出そうというだけの事はある。そしてまた、それだけ音楽に向かう姿勢が真剣です。

…若いって素晴らしい。

と、こちらが心洗われると共に襟を正すような気になる、爽やかな演奏が聴けることと思います。


 しかも控えめに「入場無料」。…年の瀬のひと時、雪の文翔館にふらりと立ち寄って、心静かに弦楽の響きを楽しむというのも、良いのではないでしょうか。
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ハーモニーの余韻

2014-12-24 21:55:53 | 雑記
 オーケストラの年末といえば、もちろん「第九」です。歓喜の歌にのせて「ああ…今年もいろんな事があったけど、終わり良ければ全て良し。さあ、どこに飲みに行こうかな」。

 しかし第九の回数が少ない山響では、第九は「風物詩」まではいかない。では、何で「年末感」を味わうのか?

……それが、白鷹町での「ハーモニー・コンサート」なのです。毎年、押し詰まってきて、本格的な雪のシーズンと共にやってくる恒例のイベントです。これがないと一年をつつがなく乗り越えた気がしない。


 ということで、昨日がその山響「ハーモニー・コンサート」でした。毎年書いてますが、町の実行委員会の方々が主催する「手作り」のコンサートです。終演後には心づくしの「交流会」(打ち上げですね)があり、気持ちの上ではこれが我々にとって真の「忘年会」になる。勝手に、温かく「ねぎらってもらう」、楽しい会なのです。


 ところが…。残念なことに、それも今年で最後。委員の皆さんが、今までだいぶ無理をして継続してきて下さったようですが、いつまでもというわけにはいきません。これまでだけでも、本当に身に余るようなもてなしをして頂きました。感謝しきれません。

 
 最後になった今回は、ハイドンの最後のシンフォニー「ロンドン」をメインに、モーツァルトの「クラリネット協奏曲」などを演奏しました。集めて下さった、たくさんのお客様と一緒に、良いホールで音楽を楽しめたのは嬉しいことです。

 そしてもちろん「交流会」。地元の「にごり酒」などを、毎年会う顔なじみの地元の皆さんと楽しみました。ともすると、芸術の秋で擦り減り気味なこの時期、こういう会は実にありがたい。雪に囲まれた集会場で味わう熱々の汁物に、ホロッときてしまいます。


 実行委員の方々が蒔いてくれた種は、その手を離れても、何かの形で町に根を張って育っていくことでしょう。我々にもまだ今後、できることがまだあると思います。

 今までの活動に、心から感謝しています。白鷹の鮎貝という町が好きになりました。ありがとうございました。
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Q 納め

2014-12-22 23:10:00 | 山形弦楽四重奏団
 いよいよ今年も押し詰まってきましたね。ということで、昨日は山形Qの練習納め。


 今年は、らびお氏の五十肩やら、今井嬢の手の故障やら、数々の苦難がありましたがどうにか乗り越えたようです。

 そんなこともあって、山形Qは例年に無く、演奏会の少ない一年でした。

 しかし、オール・モーツァルトの定期2回など、ジタバタせずにじっくりと実力を蓄える年として、充実した一年になったような気もします。


 今は次回1月の定期に向けて、ベートーヴェンの14番の練習に余念がありませんが、2月の庄内定期のプログラムであるベートーヴェン「第5番」の練習もしました。

 初期とはいえベートーヴェン。定期で初めて弾いた時は随分苦労したものです。しかし、山形Qも今度の14番でベートーヴェンはコンプリート。これだけやった後に、こうして初期に帰ってみると、ようやくこの曲の「軽やかさ」「楽しさ」が実感できます。

 カルテットの世界は10年20年経っても、まだまだ駆け出し。

 そんなフレーズを耳にして、なんとなくは感じていましたが、山形Qもこうして15年目にして、その意味がわかってきたような気がします。


 さて、実りの「円熟期」に向けて、来年は「巻き気味」に頑張ります。(そろそろきちんと円熟しないと、身体年齢だけが「巨匠なみ」になってしまいますから)。
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ロールプレイング

2014-12-20 23:14:15 | 雑記
 もう一昨日になりましたが、仙台にて山響のコンサートがありました。演目は「ドラゴンクエスト3」。

 開場前にはお客さんの長蛇の列。「ここが最後尾です」の札を持った係員が整理するほど。やはりすごい人気なんですね。クラシックのコンサートとは雰囲気が違います。


 恥ずかしながら(と言うべきなんでしょうね、もはや)、ゲーム「ドラクエ」にはほとんど触れずに生きてきました。 

 小学生の時に友達の家で見たのが初めて。「スライム」とか「キメラ」など現れる敵に、ボタンを連打して弾を当てるのかと思ったら、のんびり武器を選んだり、何の魔法を使おうか迷ったりしているのが不思議でした。
「これはロールプレイングだからね」
と、したり顔で言われました。

 この瞬間に「なんて面白そうなんだ。俺もやってみたい‼︎」と感じてたら、人生変わったのかもしれませんが、私はこの時、
「面倒くさ…」
と思ってしまったのでした。

 その後、出かけようということになった時、
「ちょと待ってくれよ、パスワード書かないと…」
これを見て確信。

……ロールプレイングは、「マメさ」のない自分には向いてない。その確信は正しかったと思っています。


 コンサートにて、客席を見ると、皆さん真面目そうです。経験値を上げ、少しづつ武器を買い、ひとつひとつ呪文を覚え、パスワードを間違えずに書き取り(またはこまめにセーブして)……そういう忍耐力にあふれた人たちなのだと思うと、尊敬してしまいます。


 ところで、私の友人で、新宿歌舞伎町ゴールデン街の店のママがいます。きっぷが良くて毒舌で、気取りが無くて大好きなのですが、その店の名前が「メガンテ」。

 どういう意味なの?と訊いたことがあります。すると、
「アタシが好きな呪文だよ」
ですと。ドラクエ通の人にはお分かりでしょう。唱えると、自分も死ぬが、敵も全滅する魔法らしい。

 …それを聞いた時は、少しだけ、ドラクエがやってみたくなりました。もちろん、そんなスタンスでは「全クリ」は到底無理でしょうけど。
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雪が降ると

2014-12-17 22:27:59 | 山形
 自宅マンションの植え込み。まだ12月半ばなのに、ずいぶん降りました。雪というものは、こうして見てるだけなら「キレイね~」ですむのですが、これをどけたり、この上を歩かなければならないとなると邪魔なものです。

 重いし、すべるし…。

…おっと、受験生を抱えている家庭としては、そろそろ禁句です。


 山形では、「受験生は雪が降ると火が付く」と、ことわざのように言われているそうです。入試が近づいてくる気配を雪で実感する、北国ならではの感覚ですね。

 我が家でも厳しい冬が始まりましたが、暖かい春を目指して乗り切ろうと思います。
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辯天「純米大吟醸原酒」

2014-12-16 22:50:40 | お酒の話し(山形県)
 またまた結構なものを頂きました。「お歳暮」。そんな時期ですね。

 
 子供の頃、「お歳暮」といえば、お客さんが玄関で話し込んだ後に「これ…つまらないものですが」と風呂敷から出てくる箱というイメージがあります。

 お客さんが帰った後で、ワクワクしながら開けてみると、石鹸。もしくはサラダ油。……本当につまらなくて、びっくりしたものです。


 それにひきかえ、どうですか、この輝き!燦然ときらめく「金賞受賞」!おかしな言い方かもしれませんが、お歳暮とは思えない素晴らしさ。


 ということで、高畠の銘酒「辯天」の、純米大吟醸原酒です。それも山田錦35%…聞いただけで「ほっこり」するね(使い方あってますか?)。

 この蔵の酒はいろいろ飲みましたが、どれも実に好感が持てる。派手さはないものの、誠実で質が高い。喩えるなら、おばあちゃんの手料理のような、優しい味なのです。

 
 その蔵の最高級酒。いったいどんな味なのか?

……やっぱり「辯天」、いい味です。35%まで磨いても、よそ行きにならない、いつも通りの素朴な甘みが優しい。居心地が良くて、ついつい飲み過ぎてしまうような酒です。


 心づくしの味を堪能しました。こちらこそ、今年もお世話になりました。
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選挙の難しさ

2014-12-15 22:49:35 | 山形交響楽団
 「ひまわり」という懐かしの名画がありますね。戦争の悲哀を描いた名作映画として有名です。しかしこれが私には、ひとつのトラウマになっています。

 時期がいけなかった。母親がテレビで観ていたのを、茶の間の横でなにげなく観たのが小学生時代。ストーリーもよくわからないながら、ソフィア・ローレンの怒っているシーンだけが記憶に残り、正直、「女性は怖い」と思いました。

 イタリア人だけに気性が激しい。さっきまで優しい言葉を言っていたのに、男が拒絶した途端、突然わめき散らす。
「なによ!だったらいいわよ。何さ、ちょっと人が下手に出たらすぐ調子に乗って。いい加減にしてよっ!」
…みたいな。だったら、さっきまでの甘言は、男に取りいるために心にも無い事を言ってただけだったのか。恐ろしすぎる!


 その後、私も成長して、この手のたぐいの事は男女に限らず、どこにでもある普遍的なものだということを知りました。人は、ものを頼む時だけ、しおらしくなる。そして、聞き入れられないとわかったとたんにブチキレる。

 当然でしょう「人間だもの」……私はそう思いません。ソフィア・ローレンぐらいの理があればまだしも、本来そういうことは、やってはいけない。発言というものは自分の信条に基づいているはずで、相手の反応に左右されるのはおかしい。


 たとえば、投票前は地元に尽くすような事を言って、負けて比例で受かった途端に、地元の事は知らん顔で私利私欲を追求するような輩は最低です。

 自分を選ばなかった地域のためには尽くしたくない。だって自分が無理して掲げた公約を無視したんだから。しかし、だからといって、地域のためよりも、私利私欲のために動いて良いという口実ができたように行動するのは人間としてどうかと思います。


 利益誘導よりも、人として立派な候補者に票が入るようになれば良いと思うのですが…難しいようです。
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イルミネーション

2014-12-13 22:02:46 | 山形交響楽団
 クリスマスですね。青山通りのイルミネーションが綺麗です。

…暗い?まばら?それは、写真の腕前のせいではありません。誰もこの写真が青山通りだとは言ってませんよ。

 ここは山形駅前。山形テルサホールで夜の公演を終えて、帰り道に信号待ちしている間に撮ったものです。

 東京のイルミネーション名所は混雑で大変だそうですが、山形はのんびりしたものです。午後9時でこれですから。


 とは言っても今夜の山響定期は、たくさんのお客様と共に、温かみのある、良い演奏会になったような気がします。今回のチェコの指揮者、シュトルンツ氏の人柄のせいか、ドヴォルザーク五番の曲想のせいか、またはチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲のソリスト、二村英仁氏の魅力のせいか……とにかく、弾いていて気持ちの良いコンサートでした。

 
 ところで、東京では、目黒川がイルミネーションの名所になっているそうですね。古い目黒区民としては信じられない。あんなに臭くて汚い、目黒の「隠したい部分」として有名だった所が……喜ばしい事ですが、時が経つと何でもどんどん変わっていくものですね。

 綺麗な明かりが灯されると、それを見ている人の心にも、明かりがさすような気がします。だからみんな、美しいイルミネーションに引き寄せられるのでしょう。


 今日のコンサートも、そういうものになっていれば嬉しく思います。…さて、今日は早く寝て、明日の本番に備えることにします。
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忘年

2014-12-12 10:26:31 | 山形交響楽団
 昨日は、山響の忘年会。年内は明日・明後日の定期演奏会を含めて、まだ6本7公演が残っているものの、とりあえずは「今年もお疲れ様」ということで。


 ファンクラブの方々も交えて楽しく飲みましたが、皆さんじつに詳しい。そして熱心。「本当に音楽が好きなんだなぁ」と、こちらが感心してしまいます。

 明日からの定期のプログラムは、ドヴォルザークの「交響曲第五番」がメインですが、私は今回初めて。どんな曲か知るために、CDも仕方なく買いました。

「いや~、ドヴォルザーク楽しみにしてます!」
…あ、どうも。(8番とか新世界とか、もう少し有名な曲だったら良かったんですが、すみませんね)。
「いや実は私、4番5番6番が昔から大好きなんですよ」
…(襟を正しつつ)そ、そうでしたか。それなら良かった。(5番は初めて知り、6番はかなり前に弾いたがすっかり忘れた。4番にいたっては、見たことも聞いたこともない)。
「5番を生で、しかも山形で聴けるのは本当に嬉しいですよ」
……(恐縮しつつ)そう言ってもらえるとこちらも嬉しいです。(私も生で聞いたことありません。たぶん新世界しか)。

 その他にも、「今年の山響で一番感動した曲」などの話題になりましたが、弾いた私よりも、その時のことをずっとよく覚えていたりする。…お恥ずかしい限りです。


 今年も残り少なくなりましたが、こうして楽しみにしてくれているファンに対する感謝と、演奏した曲は忘れないように気をつけて、頑張りたいと思います。
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一の段

2014-12-10 09:42:24 | 危機管理
 娘が九九を覚え終わったようです。

 
 覚える段の順番は、私が子供の頃と同じです。まずは手始めに「五の段」から。掛け算の仕組みが分かりやすいし、リズムもいい。

 次は「二の段」。これも2ずつ増えるのが分かりやすくてやさしい。「ににんが」の響きもキュート。

 そして「三の段」。これは「サザン」率いる「さぶろく」「さんぱ」など、個性派ぞろいで大人気。「九九って何だか楽しい」

 しかし、そう思えるのもここまで。続く「四」「六」あたりから愛嬌がなくなって親しめない。「ロック」もあまりノレない。

 そこでついに「七、八、九」の親玉登場。かなり手ごわい「七」そして「八」を倒しとうとうやって来た最後、「クク八十一!」……登りきったその時、「クク?…そうか、九九とはこの事だったのか‼︎」。感動のフィナーレ。

 
……と思ったら「一の段」。これはつらい。「何これ。意味あんの?バカみたい。」小学二年生から罵倒されまくる「一の段」。出てくるタイミングが悪すぎるとは言え、気の毒極まりない。


 誰もが経験する「九九」のドラマ。「一の段にはなりたくない…」その恐怖の体験によって、人は「空気を読む」ようになってしまうのかも知れません。
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カタルシス

2014-12-07 22:19:22 | 山形交響楽団
 村山での「第九」公演終了。

 何度弾いても、飽きるほどに知っていても、やはり感動してしまうのは、この曲が持っているパワーのせいでしょう。

 水戸黄門の印籠、金さんの桜吹雪、ウルトラマンのスペシウム光線……古今東西、さまざまな「わかっちゃいるけどカタルシス」がありますが、第九の合唱を超えるものはなかなかありません。

 ベートーヴェンの「宇宙的」とも言える集中力と、それを凝縮する力は本当にすごい。


 山形Qでも、次回1月の定期演奏会のためにベートーヴェンの「第14番」に取り組んでいますが、同じものを感じます。いや、ベートーヴェンの世界を圧力鍋にかけて凝縮したような感じは、第九以上だと思います。ベートーヴェン自身が「最高傑作」だと自負しただけのことはある。

 シューベルトが「14番」を聴いて、「この後でわれわれに何が書けるというのだ?」と言ったというのは有名な話です。

……その気持ちはよくわかる。私たちも、世界的なカルテットの演奏を見るとヘコみます。

 しかし、やめようとは思わない。そんな、怖いぐらいに素晴らしいものに触れると、ヘコみはするものの、逆に離れ難くなるものです。その憧れがまた、新しいエネルギーにつながる。シューベルトも、きっとそうだったと思います。実際、ベートーヴェンと同じくらいの数の弦楽四重奏曲を作っていますね。

 それもまた、名曲の持つパワーでしょう。


 今日の演奏会は、村山市の「市政60年」の記念だったようです。村山も、次の記念の年に向けてのエネルギーをもらったのではないでしょうか。
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