中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

実りの秋

2011-10-30 13:47:46 | 山形弦楽四重奏団
 山形Qによる、大江町の小学校でのスクールコンサートが終わりました。やはり大江は山形市よりもさらに、秋が深まっています。途中のイチョウ並木が、そこだけ明るくなっているように、金色に光っていました。

 先月に訪れた学校よりも、生徒の数が多いのですが、それでも100人。のびのび育つはずです。変なストレスが無いせいでしょうか、ハイドンの「ひばり」を全曲弾きましたが、静かにちゃんと聴いていながらも「息を殺してかしこまっている」というわけではなく、リラックスしています。良い環境で育っているんですね。

 それがわかることがもう一つ。大江町民として司会を担当した、らびお氏の「大きくなったら何になりたいですか?」「何か質問してみたいことがある人?」などの、かなり唐突なフリに対して、即座に手を挙げて発言しようとする子供が多いことに驚きました。優等生でも、はみ出し者でもない、普通の子たちが、構えずにリラックスして発言します。
「バイオリンは、どこから音が出てるんですか?」
「一番難しい曲は何ですか?」
素直で素朴な質問をしてきます。逆に、
「ヴァイオリンの中には何が入っていると思う?」
と訊いてみたら、
「機械。」と即答されました。その素直な感性を、物怖じしないで発揮する態度は、ほとんど感動的です。


 さてその後、隣の寒河江市のホールへ急行。娘のバレエの発表会を見に行きました。娘が通う山形教室と、寒河江教室との合同発表会だったのです。

 子供は一年経つと、はっきりと成長が感じられますね。みんな去年より大きくなったなあ・・・。娘のクラスの子達も、ずいぶんバレエっぽい動きをするようになりました。幼稚園生に、ここまでいろいろ覚えさせるのは大変なことでしょうね。普通の踊り、ひつじ役、星の役と、三つの出番がありました。

 ちびっ子達はともかく、お姉さん達の踊りは本格的で、バレエというものをほとんど見たことがない私などは、感心するばかりです。「なんでそんなに体が曲がるんだろう」「よくもあんなに足が上がるもんだ」・・・。もちろんそれだけでなく、ジャンプした時にフワッと、少し時間がゆっくりになるような、ああいう不思議な感じを出すのには、そうとうな訓練が要るんでしょうね。

 小学生の女の子が、大ホールのステージに独りで立って、何の道具も使わずに、自分の身体ひとつで観客をひきつけるというのは、凄いことです。そういう「芸」に、真剣に打ち込んでいる姿にも感動しました。

 それと・・・バレエ音楽というものは、バレエのための音楽なんですね。ド素人のような感想ですが、例えば、「くるみ割り人形」なんかは、やっぱりバレエあってこそ、その良さが輝くものなんです。今ごろになって、ようやく気がつきました。初めは「なんだ花ワ(花のワルツのことです)か・・・。しかもこの、使ってるテープの録音は、あまり良い演奏じゃないな・・・。」などと斜に構えていましたが、真剣に練習を積み重ねた踊りとくみ合わさると、なんと素晴らしい作品か。最後には鳥肌がたちました。


 夕食は娘の希望で、新幹線が皿を運んでくるあの回転寿司に行きました。お父さんは、もうちょっと美味しいお酒が置いてあるお店が良いんだけどな・・・とは言いません。打ち上げは出演者のものです。お疲れさま。
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一日の記

2011-10-29 09:19:15 | 雑記
 青梅から山形へのロングドライブは予想以上にきつくて、昨日の朝は朦朧としながら息子を起こす。
「ほらっ、起きなさい!」と、自分の目を覚ます意味も込めて、容赦なく布団をはがします。土中からひっぱり出したミミズのように迷惑そうにモゾモゾしているのを見て、冬が近づいているのを感じます。

 息子を学校に送りだした後、まだ体が起き出さないので、温泉へ。
「やっぱり寒くなると混むな~」と、湯船の縁で常連たちが、困っている人たちに暖を分け与えてやっているかのように、話しています。確かに体が冷えた朝に入る温泉は格別です。留守にしていた間に、山形の秋は、もう終わりかけていることを実感。

 ようやく元気になって、山形Qのリハーサルへ。明日のスクールコンサートのための確認です。こうして四人で音を出すのは、前回の定期以来です。やっぱりカルテットはいい・・・最初は疲れていた音が、少しずつ生き返ってきます。一時間半ほどで解散。

 途中で昼食をとって、東根へ。山響のスクールコンサート。やっぱり県内のコンサートはなんとなく落ち着きます。帰りに、校内にある東根名物の「大ケヤキ」(天然記念物)を見て、なぜかホッとしました。

 その後は山響事務局へ行って、会議。組合と事務局でのスケジュール調整に関連した会議ですが、げんなり。「働けど働けど・・・」(愚痴禁止)。

 
 ということで、ようやく帰宅。今日の、娘のバレエの発表会を見るために東京から来た義母も一緒に、近所のそば屋へ。久しぶりに家族そろっての夕食でした。ここの店は、夜遅くまでやってるし、日本酒もなかなか。山形市内の蕎麦店と男山酒造が共同で造った銘酒「そば屋の隠し酒」を堪能しました。なんともそのまんまのネーミングですが、蕎麦店でしか飲めない、「蕎麦に合う酒」です。

 すっかりリラックスするとともに、疲れが出て、家に着いたら倒れるように就寝。
 

 以上、たまには日記らしく、出来事を羅列してみました。やっぱり面白くないですね。無精はよくない。


 さて、今日は山形Qでのスクールコンサートのあと、娘のバレエの発表会。娘も張り切っています。親父も負けずに頑張らないと。
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都心の秋

2011-10-27 09:24:32 | 旅の空
 朝起きてホテルの1階に下りて、バイキングの朝食をとり、外へでると、爽やかな快晴。目の前に増上寺の門と、東京タワーが、朝日を受けて輝いています。

 ・・・なんで実家のある東京で、しかも東京タワーの「ふもと」にあるホテルに泊まっているのか。

 
 昨日は本当に長い一日でした。まずは埼玉の三郷でのスクールコンサート。県境を越えた松戸のホテルから向かいましたが、江戸川を渡る橋の渋滞にやられました。わずか1キロほど動くのに40分もかかるとは・・・。都会の人の方が、実は気が長いんでしょうか?どっと疲れはてて演奏会場に到着しました。

 その公演後、今度は首都高速に乗って芝公園へ。メルパルクホールへと、急いで向かいます。寛仁親王殿下主催の「愛のコンサート」に、山響で出演するためです。到着するなり、支給されたお弁当をかきこんでゲネプロ。終了直後に、もう開場。

 今年は震災があったこともあって、東北のオーケストラをゲストに、ということで招いて頂きました。非常に光栄なことですので、スケジュール上の無理をおしての参加だったわけです。

 そして本番終了後は、殿下主催の懇親会のため、ホテルオークラへ。殿下の気さくなお人柄と、それを慕って集まった方々による、よい雰囲気のパーティーでした。

 ・・・とはいえさすがに、ガブガブ飲んで打ちあがる、というわけにはいきません。帰り道にちょっと足をのばして、新橋の安居酒屋で休憩。やはりこういう方が、性に合ってます。店に入って、ホッとネクタイを緩めたのが、もう12時近く。ようやく長い一日が終わりました。


 という展開を予想して、楽器と大荷物を持って実家に帰ることを避けて、メルパルクホールの横の、メルパルクホテルに宿をとったわけでした。


 しかし、実は理由がもう一つ。メルパルクホテルに泊まってみたかったのです。ここはホテルマンである、私の弟の職場なのです。弟は、結婚式などの宴会担当なので、フロントとか客室とかは関係ないのですが、せっかくだし、こういう機会はめったにない。今年のお盆に会ったときに訊いてみたら、値段もそんなに高くないらしい。ということで決定。

 残念ながら弟は出張中で、会うことはできませんでしたが、面白い体験でした。ホテル暮らしが多い私が評論してみれば、芝公園という、都心なのに緑があって静か、という絶好のロケーションに恵まれた良いホテルだ思います。強いて、エラそうにアドバイスをするとすれば・・・そんなことは正月にでも直接会った時に言えばいいか。


 さて今日は、これから青梅の方でコンサートをしてから、山形へ帰ります。移動距離が長い一日ですが、秋の演奏旅行も、これでほぼ終わり。道中の景色を楽しみつつ、帰ることにします。
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都会の秋

2011-10-26 09:28:54 | 旅の空
 そしてまた、北関東をまわっています。一昨日は群馬の館林、そして昨日は千葉の松戸に宿泊しました。ホテルのすぐ脇を川が流れていますが、やぱり都会の川は窮屈そうで元気がない。それでも「できる範囲で」、秋の空を映しています。


 昨日はずいぶん暖かくて、演奏会場の体育館は暑いほど。こういう時、男性の黒服はとくに暑苦しくなるので、着用が免除されます。

 それはもちろん、ありがたいことなのですが、個人的には、今ひとつ好きになれない。蝶ネクタイも免除にしてほしいのです。暑いからではありません。

 Yシャツに黒蝶だけというのは、どうもいただけない。どう見ても、一昔前のバーテンダーかボクシングのレフリーみたいだと思うのです。交響楽団があまりラフじゃいけないから、ということで黒蝶をつけているつもりかも知れませんが、ちっともフォーマルな感じがしない。逆に「くずれた」印象になってしまう気がするのです。まあ実際、「くずれた職業」だから、仕方ないと言えばそれまでですけど。

 とにかく、見た目がよろしくない、と思うのは私だけなんでしょうか?


 さて、今日は長い一日になります。三郷でのスクールコンサートの後、都心に繰り出します。高級料亭で都心の夜を満喫するため・・・ではなくて、メルパルクホールでの「愛のコンサート」に、山響としてゲスト出演するためです。どんなコンサートなのか、実はあまりよくわかっていないのですが、良いコンサートになるよう頑張ります。
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秋の山形にて(後編)

2011-10-24 12:18:41 | 危機管理
 さて、スポーツの秋。自然豊かな山形では、どこへ出かけても空気が良くて、広々として、景色がきれいです。とくに今の紅葉シーズンは、わざわざ遠くから、たくさんの観光客が訪れるほど。

 そんな美しい秋の山形を堪能できる貴重な日曜日。家でじっとしてるわけにはいきません。気持ちよく体を動かそう、と思って出かけた先は・・・ボーリング場。がっくり。


 昨日は、近づいているバレエの発表会に向けての、大がかりなリハーサルがあるということで、午前中から母娘で出かけていきました。そこで息子と二人で留守番・・・しててもつまらないので、出かけることに。

「千歳山でも登りにいこうか!」
「なんで?このあいだ学校から行ったばっかりだよ。」
・・・あっさり却下。じゃあ、何がしたいの?父さん明日からまたいないけど今日なら少し時間があるから、何でもいいから言ってみな。

 ・・・ということで向かったのが、ボーリング場。まあ、仕方がない。山形で生まれ育っている小学6年生には、「山形の秋を満喫したい」などという発想が無いのも当然か。


 ボーリングなんて、いつ以来だろう。たしか、山響のボーリング大会(昔、みんながもっと若かった頃には時々あったんです)以来だから、もう10年以上だろうな。

 「好きこそものの上手なれ」・・・私はべつにボーリングが好きだったことは無いのですが、嫌いというわけでもありません。実家近くに、いつでも空いてるボーリング場があったので、友人とよく行ったものです。もちろん飲んでからフラフラでやるので、ちっとも上手くなりませんでしたが。


 さて、靴を借りてレーンへ。えっ、もう24センチもあるの?・・・知らなかった。

 学校のボーリング大会で優勝したらしいから侮れない。どうぞ、お先に。

・・・ん?なんだ、下手くそじゃん。えっ、学校の大会では横の溝が無かったって?・・・なあんだ。よし、じゃあ今日は父さんが教えてやろう。

 いいか、こうやって、一度足をそろえてピタッと止まってから、助走で勢いをつけつつ、ボールはていねいに置く感じで・・・あらっ・・・溝にブチこんじゃった。ボーリングの球って、こんなに重かったっけ?

 初回は親子ともども散々。そろそろ思い出すからもう一回やろう。画面に表示された、恥ずかしいフタ桁のスコアを急いで消すかのように、「次のゲーム」ボタンを押します。

 ・・・やっと調子出てきた。二人とも、知らず知らず夢中になって、次から次へとゲーム消化。ふと気がつくと、右腕が痛い。いかん、これ以上やると仕事にさしさわる。

 カウンターに靴を返してお会計。
「6000円になります。」
・・・うっ、そんなに高いんですか。物価の上昇は恐ろしい。というより、いったい何ゲームやったんだろう?


 こうなれば「毒食わば皿まで」。そこにビリヤードの台があるから、そっちもやろう。男の子なんだから、やり方ぐらい知ってた方がいいよ。・・・もはや自分が、昔を懐かしむモードに入って遊んでしまいました。


 暗い店を出ると、外は天気が良くて、気持ちの良い秋の風。いったい何をやってるんだろう。まあ、しかし、これはこれで貴重な時間の過ごし方。よしとしよう。


 ということで、週末は終わり。今日は秋の山形に別れを告げて、また関東へと向かうのでした。
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秋の山形にて

2011-10-23 14:40:17 | 危機管理
 さて、食欲の秋。自然の恵みにあふれた山形の秋は、何を食べても、日本人に生まれた幸せを感じさせてくれます。新鮮なキノコと牛肉たっぷりの芋煮、それをひきたたせる新米や新そば・・・。

 そしてこの週末は、美味しい秋の山形を堪能できる、貴重な時間です。来週も旅行ですから。そんな土曜日のランチに選択したのは・・・オージービーフのハンバーグinファミリーレストラン・・・。これも、出張続きのお父さんの宿命か。


 昨日は、息子の中学進学に関する説明会があるとかで、昼に母子で出かけていきました。ということで、娘と二人でお留守番・・・してても時間がもたないので、遊びに行くことに。のんびり二人で出かけることなど、めったにできないので、娘の好きなようにしてやろうかなと。

 そこで行ったのは、山形駅に付属した「産業科学館」。雨模様の日にぴったりの、お出かけスポットです。いろいろ遊べるし、親も喜ぶ「入場無料」・・・素晴らしい。

 ここも娘は、しょっちゅう来ているようで、案内してくれます。
「こっちだから。ついてきて。」
螺旋状のスロープを、2フロア分、かけあがります。初めは追い越してしまわないように気を使って、後からゆっくり走っていましたが、最後の方は普通に息切れしました。
「だいじょうぶ?」
・・・はい、ご心配ありがとうございます。

 しばし、娘の指導のもとに、一緒に遊びました。休日なのに、人もまばらなのが、また素晴らしい。巨大なシャボン玉を作ったり、目の錯覚を利用したような見せ物を楽しみました。そんな中にあったのが、反射神経を鍛えるようなゲーム。父娘で協力してやりましたが、なかなか難しい。しかし血眼になるのも大人げないだろうと思って、普通にやったら、
「ママとやった方が、点数が良かった・・・。」
「えっ・・・なに、ちょっと待ちなさい!もう一回、もう一回だけやらせてよっ!」

 あちこちランダムに点滅するランプを、息もつかずに追いかけて、構えた両手は阿修羅のごとく、タッチパネルを乱れ打ち・・・。
「はあはあ・・・ほらっ、スコア見てみて!結構すごいんじゃない?」
「うん・・・次あっちいこう。」
・・・別に、どうでも良かったのね。振り回されてます。


 しばらく遊んで、気づくと午後1時過ぎ。さてお昼は・・・はい、やっぱり。ご希望は、ドラえもんのファミレス。予想通り。娘の一番のお気に入りだから、仕方がない。

 車で向かうと・・・目当てのファミレスの駐車場は、なんと満車。なんで?そんなにみんな好きなの?いくらなんでもこの時間でこの混雑・・・きっと何かの間違いだろう。他の支店が車ですぐなので、そちらへ。

 すると・・・何とか駐車はできたものの、待っている客の多いこと。順番待ちの紙に名前を記入して、げんなり。山形の人たちは、東京の人たちよりも、あきらかにファミリーレストランが好きなんです。昔から不思議に思っています。
「別のお店いって、他のもの食べようか?おなかすいたでしょ?」
「ううん・・・だいじょうぶ。まってる。」
・・・こういう時は、本当に辛抱強い。まいりました。お父さん、他にも美味しいお店、たくさん知ってるんだけどなあ・・・。


 ということで、めでたくハンバーグを食べて帰りました。

 ・・・これはこれで、貴重な週末にこそ、しておくべきこと。お父さんらしい週末を、楽しみました。
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楯野川「暖流」

2011-10-22 09:24:05 | お酒の話し(山形県)
 秋が深まってきました。まだまだ過ごしやすくて、良い季節です。それでも少しずつ、温泉の温かさが「ホッとする」心地よさをともなってきました。夏場は「体に喝を入れて、シャキッとさせる」ような気持ちで温泉に入りますが、これから冬にかけては、それが逆になります。

 ということで酒に関しても、「熱燗」という言葉が、心地良さげな光を放ち始めると、もう冬が近づいている証拠です。


 ところで、不思議に思いませんか?居酒屋では、酒のメニューに日本酒の銘柄がいくつか並んでいても、熱燗は「熱燗」、それだけです。「何の銘柄の酒を熱燗にするのか」は選べないし、知らされないこともほとんどです。よくある書かれ方は、「お酒(冷・燗)」。

 考えてみると、ひどい事です。レストランのメニューが「魚(生・焼)」「肉(炒・揚)」「野菜(冷・温)」みたいなものですから。もう少し、こだわりませんか?

 しかし、これには訳が無いこともないんです。酒を熱燗にすると、味の微妙な輪郭は融けてしまいます。アルコールも飛ぶし、甘さが暴れてしまうからでしょう。繊細な味の酒ほど、熱で融けたチョコレートのように、ぐにゃぐにゃになってしまいます。

 粗野で雑味が強い方が、崩れない。むしろ逆に、「七難かくす」ことになります。だから、燗酒には最低ランクのものがよく使われますし、銘柄による微妙な違いも、たいして関係が無いから書かないわけです。


 でも、本当は違うんです。まずい酒は燗しても、まずさが隠れるだけで、旨くなるわけではない。「旨い熱燗」、つまり燗をしたときにこそ、その良さが引き出されるような酒が、ちゃんとあるんです。


 長い前置きの後に、ようやく登場。またまたご存知、楯野川の新銘柄、「暖流(燗あがり)」です。「燗あがり」とは、「燗仕様」ということです。

 ・・・しかし楯の川は、純米大吟醸しか造らないと決めたはず。まさか大吟醸を燗するわけはない。どういうことなのか?ラベルを見てみると・・・山田錦50%!純大吟を燗させる気なのか?いろいろある「燗あがり」の酒でも、聞いたことがありません。

 純米大吟醸、しかも山田錦50%を、電子レンジにいれて
しまう勇気がどうしても無く、冷でそのまま味見。・・・む、重い。もちろん雑味は無いものの、楯野川とは思えない、詰まったような重さと、すえたような渋み。かなり酸度が高く造ってある。

 となれば、燗してどこまで味が変わるのか?本当は、きちんと湯煎したいところだが、仕方なく電子レンジで、「酒のかん」ボタンをポチッ。

 久々に出した猪口で、ひとくち・・・おおぉ。こうなるのか!これほどきれいな「円みを帯びた」味は初めてです。実によく計算されている。酸味が程良く融けて、甘みとなじみ、すっきりした輪郭を見せたかと思うと、フワッと消えていく。「熱燗」に対する認識が変わるような逸品です。


 久しぶりの我が家にて、ホッとあたたまるひと時でした。
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岩瀬湯本

2011-10-21 12:02:14 | 旅の空
 埼玉で二日間の公演してから、また福島に戻ってきました。やっぱり「帰ってきた感」があります。帰り道の東北自動車道でも、宇都宮を越えたあたりで、三車線二車線になると、なぜかホッとします。辺鄙だと安心するというのも困ったものです。

 しかし埼玉は子供が多い。体育館に900人も入ると壮観です。こんな光景を山形で見ることはないので驚いてしまいますが、考えてみると昔、自分通った小学校は全校生徒1500人でしたから、もっと混んでいたはずなんですね。その反動なんでしょうか?人混みが本当に苦手な人間になってしまいました。しかし、埼玉の子供たちは明るくて元気です。こういう子供たちが、こんなにたくさん育っているのを見ると、日本の将来も明るいのかな、という気になります。(いけませんね、もはや次世代に託す目線になってしまっています)


 超高層ビルが立ち並ぶ「さいたま新都心」に別れを告げてやってきたのは、福島県の天栄村。同じ日本であることが信じられないほどの別世界です。白河から会津の方に、真っ暗な山道を一時間ほど入ったところで、あるのは山と川と田んぼのみ。でも落ち着きます。

 そうしてたどりついたのが、岩瀬湯本温泉。なんと、かやぶき屋根の旅館。屋根から生えた草を見て、昨日までのビジネスホテルとの、あまりのギャップに感動しました。

 もちろん温泉旅館なのですが、自慢のはずの風呂は、玄関の脇の、半地下みたいな変なところにあります。脱衣所も狭いし浴室は暗い。やっぱり田舎は・・・

 ・・・こう感じるのは、「超」が付くド素人。健康ランドに行きなさい。実はこれこそが、温泉マニア垂涎の「自噴式」の源泉なのです。

 私は温泉マニアではないので、実は、そこまでの思い入れは無いのですが、自噴の源泉は非常に貴重で価値が高いということは知っていました。機械を使って地中深く掘削して出したり、遠くからパイプをつないで引いてきた温泉が多い中で、もともと自然に湧いていた源泉の場所に、そのまま浴室を作った、本当の意味での「天然温泉」が自噴式なのです。言ってみれば、昔ながらの、自然にある温泉ということです。

 何故それだと良いのか・・・?温泉も、湧き出た瞬間から、古くなって劣化がはじまります。長いパイプを通ってくる間に、お湯が「いたんでくる」わけです。つまり、湧いている、まさにその場で浸かることができるというのは、新鮮なとれたての物をその場で食べるようなものなのです。

 以上が本で読んだウンチクでございました。知識はともかく、体験してみないと。

 入ってみると・・・なるほど、やわらかい。泉質のせいもあるでしょうが、「生」という感じがぴったり。お湯を形容するのにふさわしいかどうかわかりませんが、「みずみずしい」のです。贅沢なひとときを過ごしました。


 ・・・と、ここまで書いて、この地域が、電波の「圏外」だったことを思い出しました。町に下りてから送信します。
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岳温泉

2011-10-18 09:09:50 | 旅の空
 朝6時前に起床して、散歩に出ます。「早起きは三文の得」ということで、旅先でも頑張って早起きに努めている・・・わけではありません。温泉宿の夜は早いのです。昨晩は、なんと9時前に就寝。ということは9時間睡眠。赤ちゃんじゃあるまいし、これ以上寝てたら「床ずれ」してしまいます。


 さて、ここは安達太良山のふもとにある、岳温泉です。先月も立ち寄りましたが、宿泊するのは初めて。小さいながら、きれいな並木のある、静かな温泉街です。

 山の斜面のような場所にあって、もちろん眺めも良いのですが、とにかくお湯が素晴らしい。わずかに硫黄で白濁した酸性泉で、肌に心地よい刺激があります。そんなに長く浸からなくてもがっちり温まるのですが、湯上がりは驚くほどサッパリ。

 山形県外でいろいろな温泉地に行っていますが、正直言うと、「山形の温泉は本当にレベルが高いんだな」ということが逆に実感できる結果になることが多いのです。しかし、この「岳温泉」は、「山形にもほしい!」と思える、数少ない温泉の一つです。

 
 さて温泉旅行は、ここまで。今日から関東圏に入りますので、ビジネスホテル暮らしになります。ちょっと気が重い・・・関東には関東のオーケストラが行けばいいのに・・・おっと、文句いわない。北関東の地理には疎いので、どの辺をまわるのか、よくわかっていませんが、市街地を旅するというもの、また一興でしょう。楽しむことにします。
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柳津

2011-10-17 10:11:37 | 旅の空
 会津の柳津温泉に来ました。目の前は只見川です。薄緑と薄茶を合わせたような色の水が、とろとろ流れています。向こう岸にはお寺があって、いかにも会津らしい風景です。静かで、しっとりした感じ。

 このお寺は円蔵寺といって、良寛も訪れたという由緒ある寺です。長く続く石段を上っていくと・・・あっと言う間に息がきれた。なかなか急で、一段一段が高いから・・・というのは言い訳。運動不足です、情けない。最近は忙しさにかまけて、ウォーキングもサボりがちでした。

 その昔、良寛も、江戸から新潟への帰り道に、この寺に立ち寄ったと下に書いてありました。なんと60歳の時に。昔の人は足腰が丈夫ですね。きっとこの程度の石段ぐらいじゃ、ゼーゼー言わなかったでしょう。粗食で、よく運動して・・・いにしえの偉人の、研ぎ澄まされた感性は、きっとそういうところから生まれたものです。見習わないと。

 などと思っているうちに、本堂へ到着。そこからの只見川の眺めも、ひろびろしてきれいでした。「本堂内での撮影厳禁!」と、無数にいろんな所に書いてあったので、携帯は取り出さず、景色を記憶に留めました。すぐに写真に収めて安心してしまい、実はよく見ずに終わってしまうということがよくあります。「実物を、じっくり時間をかけて見る」・・・大切なことですね。


 早朝は、だいぶ冷えるようになってきました。宿にもどって温泉につかると、その温かさが体に沁みます。

 さあ、そろそろ出発。良い季節ですし、じっくりと旅行を楽しむことにします。
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総乃寒菊「夢の又夢」

2011-10-16 12:00:41 | お酒の話(県外)
 嬉しいことは(そうでないこともそうでしょうが)、重なるときは不思議と重なるものです。今度は大学時代からの友人から、銘酒を頂きました。最近、こんなことばっかり書いてますね。確かに良い酒ばっかり飲んでます。まったく皆さん素晴らしい。


 今度は千葉の銘酒、総乃寒菊の大吟醸「夢の又夢」です。「モンド・セレクション最高金賞受賞!」・・・これはすごい。きっとビックリするほどすごい賞なのでしょう。

 ・・・ごめんなさい。どんな賞なのかよく知りませんし(…主水が選んだ?と思ったほど)、化粧箱やらステッカーが随分とアピール過剰な感じがするので、私の偏屈なマニアック・セレクションでは、こういうのは減点の対象になります。しかもマニアは好きなものを目の前にすると、義理や友情、政治的配慮を見失います。もはや、これを下さった人への感謝はどこへやら、「どれどれ・・・じっくりと判定してやろう」とばかりに桐の箱から取り出します。

 この手の酒のスペックは見なくてもわかります。山田錦40%でしょ。瓶を裏返すと・・・ほらね、ご名答(我ながら感じ悪い)。さて肝心の味は・・・。

 ・・・お見それ致しました。これは納得の味。柔らかさと深みのバランスが、限りなくよく「作り込まれている」感じ。これは東北の酒にはない、味の粒子が細かくて複雑な感じで、高級感のある旨さです。ワイングラスで飲むべき酒。つまみは刺身でなくて、カルパッチョですね。国賓を招いての晩餐会なんかに合う酒でしょう。

 「夢の又夢」・・・なるほどたしかに、貴重な体験をした気にさせてくれました。


 さて、今日からまた旅が始まります。旅費の心許なさを心配しなくても良い旅行は「夢のまた夢」。良い酒も充分飲んだことだし、旅先では選り好みはせず、おとなしく過ごすことにします。
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旅をする木

2011-10-15 16:59:05 | 読書
 今こうして、焼いた厚揚げの上でクネクネと踊る削り節を眺めながら大吟醸を一口すするこの瞬間、地球の果ての方では誰もいない暗闇の大雪原の上をオーロラが彩ったりしているんですねぇ。

 そしてまた「次はひさびさに熱燗にするかな・・・」と、二合徳利を電子レンジの中へ入れてスイッチを押しているその瞬間、白夜に照らされた北極海ではクジラが氷の間から潮を噴き上げて息をついでいたりしているんでしょう。

 私は北極とかそういう所を訪れる冒険家にあこがれる気持ちは全くないので、私の人生にオーロラが出てくる可能性はまず100%ありえないわけです。でもオーロラは、紀元前とか遠い未来にしかないわけじゃなくて、今この瞬間も同じ地球上(のどこかの上空)に実際に存在していて、もし私に今すぐそこへ移動する手段と「その気」があれば、見ることができるんです。(「その気」が一番の難関か)

 いや・・・酔っておかしくなっているわけではありません(まだ)。でも本当はこういうことを考える方が、もういないバッハやモーツァルトの空想したことを想像するよりも、よっぽど現実離れしていないはずなんです。

 そういう意味では、高校生の時に見た一枚のアラスカの写真に心を奪われて、そのままその写真に写っていた村の村長に手紙を書いて訪ねて行って、結果的にアラスカに永住してしまった写真家の方が、音楽家なんかよりも現実的な生き方をした、と言えるかも知れません。



 昨日一昨日と、昼休みの待ち時間が長かったので、演奏会場に隣接する図書館で、本を読んでいました。そこで見つけた本が、星野道夫著「旅をする木」。山形Qメンバーの今井東子嬢の「おすすめ本」として、記憶に残っていた本でした。アラスカの大自然に魅せられた写真家のエッセイですが、写真が一枚もない不思議な本です。

 冒険家の旅行記などには、まったく興味が無い私です(インドア派なもので)。正直言って「義理で」手に取り、何か感想を言ってあげるために5分間ほど斜め読みするつもりでした。

 それが・・・あっと言う間に引き込まれて、結果的には「閲覧席」を陣取って二日間、わき目もふらずに一気に読了。素晴らしい。なんとも爽やかな読後感。「旅行記」ではなくて、自然の中で率直に生きる人々の「物語」と言ってもいい内容でした。

 その中での、もっとも印象的なテーマが、「いまこの瞬間にも、別のところでは全く別の時間が、しっかりと流れている」ということを、「実感として知る」ことが人生を豊かにするのだというものだったわけです。

 バーチャルな人生ゲームの中だけに生きてしまいがちな現代の文明人は、それが「世界のすべて」だと思ってしまいます。でもその「ほんのちょっと向こう」には、全然別の、静かでしっかりして広々とした世界が、昔から平然と続いているわけです。


 「ミクロの世界」の中でストレスを抱えている自分に、ふと気がつくような名著でした。
(著者はその後、クマに襲われて短い生涯を閉じたということを知って読むと、また別の感情が湧きますが、それは著者が望むことではないでしょう。)

 
 さて、明日からまた旅行です。せっかくですから、いつもの日常とは「違う時間の流れ」を体験して、リフレッシュするような旅にしたいものです。(まあ、遊びに行くわけじゃありませんから、そうもいかないんですけどね。)
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あゆっこ

2011-10-14 12:34:18 | 山形
 直立した巨大な鮎のモニュメント。見上げると、とにかくでかい。魚型ロケットのようにも見えます。秋の空に上っていこうとしているかのようです。こんなのが実際に飛んでたら怖いですが。


 今週は、山形県内でスクールコンサートの毎日。つまりは平穏な日常といったところです。この時期だけは、学校の開け放たれた体育館が気持ちよい。湿気がないので音もよく響きます。

 ということで、朝の通勤途中に立ち寄りました。舟形町の「若あゆ温泉」です。国道をそれて、だいぶ色づいてきた木々を両側に見ながら、車で林道のような道を上っていくと、小高い丘の上にあるのが「あゆっこ村」。キャンプ場ですね。その中に建つ公衆浴場が「若あゆ温泉」です。山形の山の中では、たいていどこでもそうですが、川でとれる鮎が名物なのでしょう。

 ところで、東北の人たちが使う、「~っこ」という呼び方が結構好きです。京都なんかでいう「~さん」(おまめさんとか)みたいなものでしょうが、もっと親しみがこもっている感じがします。秋の山形名物の「芋煮」も、「芋子煮」という書き方がされている方が、いかにも昔から親しまれた郷土料理なのだという雰囲気が伝わって来て好きです。

 ここ舟形町でも親しみを込めて「あゆっこ」と呼ぶのでしょう。親しみがこもりすぎてモニュメントも巨大化したんですね。


 さてここのお湯は、掛け流しではないものの、塩分が高くて温まります。なんでも大昔はこの辺りは海だったそうで、そのころの海水が地熱で温められて出てきたもののようです。アンモナイトとか三葉虫がたっぷり溶け込んでいるから・・・かどうかは知りませんが、じわっと効きます。


 来週からはまた旅行。福島と埼玉です。旅先で風邪などひくとつまらないので、疲れをとってから出かけることにします。
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菊駒(大吟醸)

2011-10-13 07:52:49 | お酒の話(県外)
 日頃、山形Qの演奏会でも、聴きに来て下さったお客様から、お花やお菓子を頂くことがあります。
「これ、皆様でどうぞ。」
ということで、菓子折りなど。

 4人で分けられる物は分配することもありますが、それが難しい物は順番だったり、それが好きなメンバーに譲ったりします。私の場合、奥さんが家にいない時には花をもらっても活けたりできないので譲りますし、お菓子も、その価値がよくわからないので、味のわかる他メンバーに食べてもらうことが多いのです。

 それをもらって一番喜ぶ人がもらえば、きっとくれた人も喜んでくれるはずです。そうでしょう?・・・ねっ!


 ・・・すでにおわかりかと思いますが、以上は山形Qのメンバーに対する単なる「言い訳」です。だって、もう飲んじゃったんだもん。



 ということで、先日の山形Qの定期で頂いた、青森の銘酒「菊駒」の大吟醸です。八戸からわざわざ聴きに来て下さった方から頂きました。そうです。私が代表して頂きました(開き直り)。

 「菊駒」は以前からよく知っています。八戸でめぐりあった銘酒で、青森では「田酒」か「菊駒」と決めているぐらいお気に入りの酒で、正確には五戸の酒です。

 今回は「大吟醸」ということで、期待して飲みましたが、さすがに旨い。一口飲んで「うん・・・これこれ。」素朴でまっすぐな味。大吟醸にありがちな「ふにゃっ」とした感じはありません。地に足がついた「芯のある」輪郭で、それでいながら雑味は無し。飾り気がなく、おっとり控えめに見えて、まっすぐな芯が通っている・・・青森の人の性格に近いかも知れません。


 ゆっくりと杯を傾けながら、定期演奏会を振り返りつつ、すべての出会いに感謝して(もちろん山形Qのメンバーにも大きく感謝して)、堪能しました。

(今度また、お菓子の時に譲りますから・・・。)
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2011-10-11 17:16:51 | 山形弦楽四重奏団
 さあ、定期演奏会も終わったことだし、また新しい気持ちで、山形Qは次回へ向かいます。

 ・・・やっとの思いで終わったばかりなんだから、しばらくはカルテットのことなんか考えたくない・・・

とはならないのが、カルテット馬鹿。そして本番直後ほどやる気が出るのが、演奏家のどうしようもない習性でございます。まあ、そんなところがあるからこそ、ずっと続けていられるんでしょうね。


 さて、次回の山形Q第42回定期演奏会は、来年の1月17日。残念ながら平日です。これは、ホール予約抽選における私のクジ運にもついに陰りがさして、当たりをひけなかったから・・・ではありません。各週末はすでにオーケストラの予定がいっぱいなのです・・・ありがたいことではありますが、山形Qとしては今後も苦労が絶えない。まあ、これは宿命か。


 そんな次回の曲目は、もちろんハイドンから。初期の作品17ー1。そしてメインはベートーヴェンの「第5番」。初期の中では唯一、我々がまだ手をつけていない作品です。

 そして間にはさんだのは、フィリップ・グラスの「第3番」。・・・マニアックな曲ですが、私が推した曲なので一言。

 この曲には「Mishima」の表題がついています。これは三島由紀夫の生きざま(死にざま)を、彼の作品の断片とともに描いた日米合作の映画、「Mishima」の映画音楽として、グラスが作曲したものを、組曲としてまとめた曲です・・・おそらく。英語の解説を流し読みしただけなので、また今度きちんと調べます。

 肝心なその、映画「Mishima」ですが、なんと日本では公開されなかった。遺族の方の反対によるそうですが、残念。でもなんとか見てみたい。

 ということで、ついにDVDを入手しました。インターネットを駆使して・・・よく頑張った、やればできる!すごい時間がかかりました。しかも日本で売られたことがないので、少し高くつきました。

 しかし、三島由紀夫ファンとしても避けては通れない作品。「第41回が終わるまでは…」と、まだ封を開けていませんが、グラスの音楽がどういうシーンで使われているのか楽しみです。(しかし、どう考えても「お茶の間向け」の映画ではなさそうだから、家族がいない時に見なくては…でもヘンな誤解されてもイヤだし…いろいろ気を遣います)


 とりあえずまた、さらに良い演奏会になるように頑張ります。
コメント (2)
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