中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

銀リーチ

2021-03-31 23:09:00 | 危機管理
 とうとう、銀まであと一歩。

 銀と言えばまさにシルバー。まったくもって、その通りです。それだけの月日が流れたということですね。

 …何の話かお分かりでしょうか。

 先日、忙しい最中に、ふと気づくと結婚記念日。数えてみると24回目。

 ということは、来年は銀婚式です。まあ、25歳で結婚したわけですから別に指を折らずともわかるはずなのですが、「マジか…」と思ってしまう。

 24年といえばかなりの年月です。

 マンガ「ど根性ガエル」の町田先生は、「教師生活25年…」が口癖でした。いわゆるベテランの教師の定型。子供の頃、それを見ていて「25年も先生をやっているとは…もうおじいさんなんだな」と思っていました。

 24年前は、平成初期。

 馬鹿にしながらも、「ノストラダムスの予言が当たりませんように」と心の底ではかすかに祈ったりしていた時代。

 これもマンガですが「北斗の拳」でも、未来のこととして「199X年、地球は核の炎に包まれた」というのを毎回見ていましたから、「…きっと大丈夫だよね?」「でも、バブルは崩壊したけど」などと、世紀末的な漠然とした不安があった、あの頃です。

 …しかし実際に過ぎてみれば、あの頃思っていたほどには、世の中、あまり変わりませんでしたね。

 自分の意識もそうです。達観までいきません。町田先生だって「教師生活25年」程度では、私より若いはず。そう考えると、まだまだでしょう。

 「金」は50年ですから、さすがに果てしないものの、「銀」はそれほど大したことないということですね。

 構えず気楽にいくことにします。…何かは買わされるかも知れませんが。
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ちえびじん「番外編」

2021-03-30 23:59:00 | お酒の話(県外)
 いろいろあった今年度も、今日で終了。お疲れ様っ、ということで。

 大分の銘酒「ちえびじん」。その「裏」バージョン。ロゴが逆になってますが、山田錦60%の純米吟醸です。

 九州の銘酒は、とにかく、その柔らかさと独特の甘みが素晴らしい。たまに呑むと、心に保湿クリームを塗ったような、ケアしてもらっている感がある。

 この「裏ちえ」はまさにその最たるもの。ケガに塗る薬のような、優しい柔らかさが、何とも心地よい。

 過ぎ去ってみれば「すべて良し」。それで良いのです。…そんな気持ちにさせてくれる酒です。次に向かうためには「智恵」を麻痺させることも大切、そう言う意味での「ちえびじん」でしょうか。

 とにかく、皆様のおかげで今年度も、つつがなく終われました。来年度も気持ちを新たに頑張ります。

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卒業シーズン

2021-03-29 22:51:00 | 山形交響楽団
 昨日の「オーケストラの日」が終わったばかりですが、今週の山響は返す刀で、明日の「庄内定期」。

 プログラムは、グリンカの「ルスラン序曲」、牛田智大さんをソリストに迎えてのショパン「協奏曲第2番」、そしてメインは同じくブラームス「交響曲第1番」。

 さて、この演奏会が今年度最後のコンサートになります。定年制度ができてから、毎年「卒業」なさる方がいるわけですが今年はホルンの大和さんとセカンド・ヴァイオリンの菖蒲さん。

 私も入団してから23年になりますから、それだけ長い年月、お世話になった先輩です。特に、若い頃から組合の長を拝命していた私にとっては、演奏面だけでなく、いろいろな場面で助言や助力を頂いたお二人です。

 山響もいろいろと大変な時期がありましたから、組合運営について叱責を受けたこともありますし、反発したこともありました。しかし数日前に、「これまでお疲れ様でした。もう少しですね」みたいな会話をした時に、「中島君がいてくれて助かったよ」と言ってもらえた時には、やはりジーンときました。

 昔の人は、と言うと失礼ですが(私ももちろんそっち側です)、個人の立場だけでなくで全体のこととか、ひいては社会のことを自分のこととしてとらえます。

 たとえば「今の社会は腐ってる!」とか、ただの大学生が激論する。それが学生運動にもつながったのでしょう。今の若者は考えもしないことです。大学生が居酒屋で世の中を論じたところで何の得にもなりませんから。

 しかし、本当にそうでしょうか?なんだか、最近の若者を見ていると、がっかりしてしまいます。「真・善・美」とか、そういう1円の得にもならないことに熱くなれるのが若者の特権のはずだと思うのですが。…ああ、こういうセリフが出るとは、もう完全に前時代のおじさんですね。

 最近の若い団員には、山響もひとつの就職先。決められた業務をこなして給料を得るところ。もちろん、それでいいわけです。そこには自分たちが頑張らなければ、山響など簡単に無くなってしまう、という視点は当然無い。それで良いのです。それは、山響が成熟したということでしょう。

 草分けのころから山響を支えて来た先輩方に感謝しつつ、明日は良い演奏会になるよう頑張ります。
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音楽で街を元気に

2021-03-28 21:44:00 | 山形交響楽団
 山響「オーケストラの日」が終わりました。例年だと「オーケストラ探検」ということで楽器体験などのコーナーがあるのですが、今年は緊急事態ということもあり、規模縮小。それでも、展示やアンサンブル演奏などで楽しんでいただけたはずです。

 …私はそのメンバーに入っていなかったので、コンサートのみの出演でした。

 例年だと花粉症の薬を多量に飲んでから、次々にやってくるちびっ子たちの対応をするのが恒例でした。…それが無いのは楽なような、寂しいような。

 しかし、コンサートの方は例年以上にゴージャスなプログラムで楽しんで頂けたのではないかと思います。まずはサックスの須川展也さんをゲストに招いてのステージ。モリコーネ、イベール、ピアソラで存分に名人芸を楽しんでいただきました。

 その後は、山形のアマチュアオーケストラ「山形フィル」と共演で「アイーダ」「威風堂々」。

 ずいぶん前ですが、私も山形フィルに、エキストラで出演したことがあります。今回、私の隣で演奏した山フィルの団員さんは、その時のことを覚えていて下さって、懐かしがって下さいました。もう10年以上前のことなのに。

 …こういう再会は良いですね。同じ狭い山形でオーケストラをやっている者同士、プロモアマチュアもなく、「同志」として親しくありたいものです。

 そしてメインは山響によるブラームス「1番」。

 ブラームスの交響曲はアマチュアの方がよく演奏するものです。それがなぜなのかが、やっとわかった気がします。

 決して簡単なわけではない。では、なぜなのか…。音の正確さよりも、音に魂がこもっているかが重要だからです。魂がこもりすぎた故に音を潰してしまったとしても、それを許してくれるのがブラームスです。この包容力はモーツァルトにはありませんね。

 緊急事態の折ですが、こうして狭い街のなかで、お客さんを含め、音楽を愛する者が一堂に会して、共に音楽を楽しむことは、大きな力になるはずです。

 去年より状況は厳しいとも言えますが、コロナの中でも一体感を感じられる貴重な楽しみとして、クラシックのコンサートが日常に定着するきっかけになればと思います。
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オーケストラの日

2021-03-26 20:34:00 | 山形交響楽団
 緊急事態の山形ですが、今週の山響も、感染対策をしっかりして、予定通り行います。やはり、クラシックのコンサートが「接待を伴う飲食」と同等に扱われるべきではないでしょう。

 ということで、まずは週末の「オーケストラの日」。楽器体験などはさすがにいつも通りというわけにはいかないので、展示のみです。…例年、この日は花粉症の薬をたくさん飲んでから、子供たち相手の楽器体験コーナーに登板するのが恒例でした。

 しかし今年は人数を絞って、体験はアンサンブル・指揮者体験などのアトラクションのみにして、コンサートの方に注力する形でいきます。

 リハーサルが今日から始まりましたが、ゲストはサックスの須川展也氏。吹奏楽の皆さんにも喜んでもらえるはずです。そして、伝統ある山形のアマチュア・オーケストラ、山形フィルとの協演で「アイーダ」「威風堂々」。山響の演奏のメインはブラームス「第一番」。

 魅力的な企画でお楽しみ頂きます。

 良いコンサートになるよう頑張ります。
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春の病

2021-03-24 22:26:00 | 危機管理
 山響が休みの今日は、もちろん山形Qのリハーサル。

 だいぶ暖かくなってきたのは嬉しいのですが、花粉の辛さがピークを迎えています。

 やはり今年は多いのでしょいう。目が痒いとか鼻水がとか、そういうレベルではない。どうかなっちゃった感じの全身に渡る不調。頭や目だけでなく、いろいろなところが痛い。

 熱も出ます。

 毎日、出勤すると検温されますが、冷血な私はいつも体温が低い。34度台が出て数回計り直し、ようやく35度台で「もうこれでいいです」。

 これが最近は一発OK。一昨日は36.9が出て逆に慌てました。間違いなく花粉のせいですが、これが、もともと体温が高めの人だったら大変ですね。

 それに加えてコロナの緊急事態。今日は山形Qのリハーサルでしたが、練習場のコミュニティ・センターも緊急事態宣言の対応で、管楽器は使用不可になるとのこと。

 今後のリハーサルのための会場を取り直さなくては。

 …薬も切れてきたし、何かと疲れる春です。
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緊急事態の中で

2021-03-22 22:42:00 | 山形交響楽団
 仙台に続いて山形にも、県の緊急事態宣言が出されました。最近になって急に感染者が増えてきたことへの警戒を促す必要があったための措置でしょう。

 桜もそうですが、どんな波も一足遅れてくるのが東北です。東京で宣言が解除になった途端に宣言発令。気を引き締めて、解除の時を待ちましょう。

 しかし、クラシックのコンサートが原因で感染が拡大した事例は日本のどこでもありません。それを受けて、仙台でも山形でも、コンサートに関しては今のところ制限が設けられる動きはないので、この先の山響も予定通りです。

 もともと、リスクが少ない上に充分な対策をしていることの証でしょう。

 ということで、ファンの皆様には、これまで同様、安心してコンサートを楽しんでいただけますので、ご心配のないようにお願いいたします。

 今日は山響のストリングスのリハーサル。明日の夜7時に文翔館で開演です。

 プログラムは、弦楽合奏の「パイレーツ・オブ・カリビアン」、バーバー「弦楽のためのアダージョ」、そしてチャイコフスキー「弦楽セレナーデ」。

 いつまでとも知れぬ不安が長引く世の中で、クラシックコンサートは、むしろ、数少ない安全な楽しみであることが証明されたこの一年でもあります。今回も、良いコンサートになるよう頑張ります。
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第20回

2021-03-21 21:50:00 | ヴァイオリン
 今日は毎年恒例の「つくしんぼコンサート」。山形Qメンバーの門下生による合同発表会のことです。とは言っても、最近は生徒の数も少なくなってしまって、私の所の数名と、Vc茂木氏の教室の数名のみ。

 他の山響メンバーと、さらに合同でやるという手もありますが、このご時世、少人数で短時間でまとめるのも有効です。会場費が安い山形ですから、少人数でもどうにかなるのが強みです。ということで、総勢9人での、こじんまりとした発表会になりました。

 …去年は見送りましたから、こうして開催できるだけでも、良しとしましょう。

 この「つくしんぼ」も、もう「第20回」。第1回は、まだ私の息子が小さ過ぎて参加できなかったぐらいですから、ずいぶんと時代が流れました。奇しくも、今回は、初期の頃と同じ会場。山形が全国に誇るラスクで有名な「シベール」本社併設のホールです。山形市の外れ、蔵王の麓の広々とした敷地にあるパン屋さんの2階。…なんとものどかなホールです。そして懐かしい。

 昔は、そこで終演後に会食をすることが条件で使用できるホールでした。お茶とお菓子を人数分注文して、それがそのままホール使用料になる仕組み。

 その頃は生徒もたくさんいて、盛大な会でした。息子などは興奮してお茶の席の間を走り回っていたものです。

 昨今の状況で、今はもちろん「会食しばり」は無し。その代わり、出演者全員分のお菓子を、お土産に購入する。

 いずれにしても、実に良心的なホールなのです。そして響きも良い。

 短時間でしたが、良い会になりました。人が本気で一生懸命演奏する姿というのは、見ていて気持ちの良いものですね。下は幼稚園生から、上は「お恥ずかしながら60の手習いなんですよ〜」という方まで。

 とにかく、楽器の演奏というものは、人に聴いてもらわなくては上手くならない。このご時世でもこうして集まって頂いた価値は大きい。

 きっと、良い刺激になったはずです。…上手くても、そうでなくても、こうして人が集まって音楽を演奏しそれを聴くのは、良いものですね。

 …心置きなくこういう会が自由に催せる日が戻ってくることを祈ります。
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歌のお姉さん

2021-03-20 21:07:00 | 山形交響楽団
 今日は、山響の「ファンタジック・コンサート」。毎年恒例の、おもに未就学児対象のファミリーコンサートです。残念ながら去年はコロナで中止になってしまった企画の再演です。

 かつての「歌のお姉さん」がゲストとして招かれることが多いのですが、今回は「つのだりょうこ」お姉さん。

 ウチの息子が幼稚園に上がる前の「お姉さん」です。

 …そう考えると、現在の幼児を連れた客席の皆さんよりも、ステージにいる私などの方が「おおっ、本物のりょうこお姉さんだ!」という感動がある。

 まだ言葉の通じない息子がうるさいからテレビでもつけて…という感じで見せていたあの頃を思い出すと、それほど前だとは思えないものの、実は、その頃の私はようやく30歳を過ぎたくらい。遠い昔です。

 幼少の自分が「おかあさんといっしょ」を見た記憶は無いので、事実上、初めて見た「歌のお姉さん」が、この「りょうこお姉さん」なわけです。20年ぶりの再会ですね。

 さすがプロです。歌も容姿も昔とお変わりない。

 客席の若いお母さんお父さんを懐かしく見ながら、しみじみと演奏しました。
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サンクスとファンタジック

2021-03-17 23:01:00 | 山形交響楽団
 今週の山響は、まずは明日、天童で行われる「サンクス・コンサート」。製薬会社がスポンサーについての、名曲コンサートです。「フィンランディア」「ペール・ギュント」「禿山の一夜」など、誰でもオーケストラの魅力が感じられる小品を並べたプログラムでお楽しみいただきます。

 …最近、レコーディングやら動画配信やら、緊張が強いられる状態で厳密さを求められる演奏会が多かったので、なんだかホッとします。

 多分、それは客席にも伝わると思います。先週の定期とか、録音を兼ねていたために、完成度は高かったのではないかと思いますが「伸びやかさ」みたいなものには欠けていたかもしれません。それが、明日はあるはずです。

 そして週末のもう一本は、子供向けの「ファンタジック・コンサート」。かつての「歌のお姉さん」つのだりょうこさんをゲストに迎えて、和やかに。

 私たちにとっても、とにかく忙しい年度末にあって、その最中でありながら、少し息がつけるようなコンサートです。

 お客さんの皆様にも、ちょっとした「心の休日」として楽しめるコンサートになるよう頑張ります。
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麒麟賛

2021-03-16 23:23:00 | 映画・ドラマ
 今さらながら、録画してあった大河ドラマ「麒麟がくる」を観終わりました。

 いや〜、面白かった。

 歴史の中で、「どうしちゃったの?」という感じでしか扱われない「本能寺の変」の経緯が、想像や創作を含めてではありますが、納得できる形になったのは偉業でしょう。

 「正義」の在りどころは難しい。「正しさ」というものは、普遍であるはずなのに、実は、時代や状況によってコロコロ変わるものなのです。

 そこを割りきれない人が、時代の流れに飲み込まれて消えてゆく。そんな人のひとりが、明智さんだったと。

 信長も良かった。暴君も、愛情に飢えた少年がそれをこじらせて大きくなってしまっただけなのです。それが、見る人に親近感を持って伝わったのではないでしょうか。

 良いドラマでした。…ただ、テーマ曲に関しては、どうしても「パイレーツ・オブ・カリビアン」を連想してしまうのは私だけでしょうか?

 ちなみに、「パイレーツ・オブ〜」って、どんな曲だったっけ?と思った方、来週の山響「ストリングス・コンサート」で演奏しますので、ぜひ聴きに来ていただきたいと思います
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別れの季節

2021-03-14 22:35:00 | 山形交響楽団
 二日間にわたる山響定期演奏会が終了。ご来場のたくさんのお客様に感謝します。

 さて、年度最後の定期ということで、終演後に定年退職者に花束が手渡されました。今年度は2名。2ndヴァイオリン とホルンです。

 特に2ndVnに関しては、同じパートで、しかも永年、ヴァイオリンパートにおける、私以外の唯一の男性だったこともあり、随分とお世話にもなりましたし、支えてもいただきました。

 ふと考えてみれば、私も入団して23年。大ベテランたと思っていたその方も、計算してみると、私が入団した頃は、今の私よりもだいぶ歳下なわけです。

 …今の若手からは、あんな感じで見えているのか。

 などと思ったりして、複雑です。

 私もいずれはそう言われるのかもしれませんが、山響が大変だった時代を支えて下さった大先輩に感謝して、惜しみない拍手を贈りたいと思います。
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祈りを込めて

2021-03-10 22:19:00 | 山形交響楽団
 今週の山響は、週末の定期演奏会。飯森氏の指揮で、ブルックナー「0番」、ハイドン「ピアノ協奏曲」、モーツァルト「3つの行進曲」。

 ブルックナーに関しては、今回もレコーディングを兼ねての演奏です。

 何事もそうでしょうが、自分でやってみないと、その苦労はわからない。モーツァルト・シリーズ、そしてブルックナーをこれまで録音してきましたが、その苦労は並大抵のものではない。

 人は皆、CDなどで簡単に録音を聴きます。YouTubeなどその最たるものです。私もよく利用しています。世間には、これはどうだろう、というものも含めていろんな録音がありますが、それでも手軽に聴けるのは素晴らしいことですね。

 しかしよくできた素晴らしい演奏を聴いて、いつも思うのは、これを録音した苦労はどれほどのものだったかということ。聴くのは簡単ですが、編集を含めて、その演奏には想像を絶する苦労があるのです。

 それを思うと、YouTubeでも、録音をした人への敬意を忘れてはならないと、いつも感じるのです。ブルックナー の楽譜なんて「間違い探し」みたいな音形が果てしなく続くわけですから、当然まちがえる。それを、いちいち修正して進む作業は果てしない。…写経のようなものです。まさに修行。

 今週は修行に励みます。それがきっと、本番でも、良い演奏につながるはずです。

 おりしも明日は、あの震災からちょうど10年。祈りを込めるには良い機会です。

 本番の方は、冬の公演ということもあって、まだまだ残席があるようです。お時間のある方はぜひ、聴きに来ていただきたい。お待ちしております。良い演奏会になるよう頑張ります。
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富岳

2021-03-09 22:27:00 | 雑記
 最近、コロナに関するニュースで、スーパーコンピューター「富岳」がシュミレートした、「飛沫」の飛び具合の画像を見ることがあります。

…あれが嫌いです。

 サロンパスの透明人間みたいなのが口から、赤や黄や青に彩られた「毒霧」を噴射するやつ。

 まあ、世界一のコンピューターが言うことですから間違いは無いし、実際にそうなのしょうが、ゾッとするのです。

 人が会話する時、目には見えてないだけで、昔から常にああいうことが起きていたのか…と。

 今まで永年、指揮者の目の前で過ごしてまいりました。ダメな指揮者ほど、リハーサルではよくしゃべる。あんな感じの霧のシャワーを頭上から、いったいどれだけ浴び続けてきたのだろうか…と。私はそれを、呼吸するごとに、どれだけ多量に摂取してきたのだろうか…と。

 ソーシャル・ディスタンスは大切ですが、「富岳」の画像のせいで、実際の距離以上に、心のディスタンスが拡大してしまう。…これはワクチンを打っても、縮まりそうにない。

 人は目に見えないからこそ、許容できていることがたくさんあるような気がします。世の中には可視化してしまわない方が良いことが、科学者が思うよりたくさんあるのです。

 忘れましょう。…気にしない、気にしない。
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雪どけ

2021-03-08 22:08:00 | 山形
 あまり報道されてない感じですが、山形のコロナ警戒レベルが4から3に下がりました。

 その「4」とか「3」の数字の根拠はよく知りませんが、これだけ何日も連続で感染者が出ていないですから、2でも1でも良さそうなものです。

 まあでも、とにかく下がったということはひとつの安心材料。…しかし、これが「3」だというなら、他の地方は何なのかとも思いますが。

 それはともかく、とにかく、下がったからには、どうしても潰れてほしくない大好きな店や、いつも応援してくれる店主の店などに、この機会にぜひ、応援とお礼を兼ねて訪れたい。

 「夜の街」が槍玉に上がってから、ずっと自粛していたのです。去年山響は「コロナに負けるな」という、多くの方々からの厚い意志で寄付をいただきました。その手前、いかなる理由があっても感染するわけにはいかないなと。

 しかし、応援してくれている方々の中には、飲食店さんも含まれています。なんとかお礼がしたい。

 石橋をたたいて渡る県民性ですが、いつまでも緊急事態の都市部と同じように縮こまっているのが良いとも思えません。

 …理由をつけて飲み歩こうというわけではないのです。気をつけながらも、少しずつ、お礼に行きたいなと。そういう「雪どけ」も、あるべきではないのかなと。
 
 細心の注意をはらいつつ、活動範囲を広げてゆくことを考える時期かもしれません。
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