中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

能代にて

2013-08-31 22:46:39 | 音楽
 今朝、目を覚ますと能代にいました。秋田県の北の方ですね。もちろん、拉致されて来たわけではありませんが、疲れた後に酔っぱらってビジネスホテルのベッドで寝てしまうと、明け方に「・・・ここはどこ?」になることが、昔より多いのです。

 枕元に置いてあったペットボトルのウーロン茶を飲みながらようやく思い出す・・・レクイエムを弾きに来たんだった。


 ということで、本日は能代での「レクイエム演奏会」に参加しました。モーツァルトです。

 悪天候でしたが、聴きに来たたくさんのお客さんも、合唱団も主催者も一体になって、熱のこもった良い演奏会になりました。地方都市でのこういう活気に満ちたコンサートが、もっともっと増えると良いですね。


 ところで、モーツァルトのレクイエムは、私にとっては思い出深い曲の一つです。学生時代は、大学のチャペルで毎年秋に演奏していました。聖歌隊と合同での「レクイエム奉唱会」です。今考えると、オーケストラも難しいし(特にトロンボーン)、歌のソロも大変なのに、学生だけでよくやっていたと思います。

 すべての講義が終わった後に(私はだいたいサボっていましたが)、「ずいぶん日が短くなったなあ」などと思いながら楽器と譜面台を担いで、薄暗いキャンンパス内をチャペルへと向かいます。

 チャペルの中はさらに暗い。いくら厳粛な場所とはいえ、もう少し明るくしても地獄に堕ちないだろうに、と思うほど、いつも暗いのです。あの頃は若かったからどうにかなりましたが、今だったら楽譜が見えないでしょうね。

 モーツァルトのレクイエムは劇的な部分も多いので、どうしたって若者は燃えます。「キリエ」とか「ディーエス・イーレ」は、ふと気がつくと、死者も神もそっちのけで熱演してしまう。その中でも私が一番好きなのは「ドミネ・イエズ」。最高にカッコいい。たまらんですね。血沸き肉躍る・・・完全に「奉唱会」の意味を忘れて、弓の毛を切りまくる、バランス無視の勝手ヴィルトーゾ。そんな時代もあったのです。


 もちろん今は「大人」になりましたからそういうことはありませんが(良くも悪くも)、それでも今日も、やはり良い曲だと思いました。

 能代の合唱団は、この曲は初めてだそうです。新鮮な気持ちで感動した人もいたでしょう。その一助になったら嬉しく思います。
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ジョイフル

2013-08-29 22:35:11 | お酒の話し(山形県)
 アメリカで開催された日本酒の鑑評会で、またもや山形県産の銘柄がぶっちぎりで金賞を穫りまくったようですね。

 アメリカの鑑評会、その名も「ジョイ・オブ・サケ」。・・・あまりにもアメリカンなネーミングで、真面目にやってるのか不安になりますが、日本全国の蔵元が出品しているところを見ると、片っ端から呑んで楽しむだけの集まりでなく、きちんとした名誉ある会なのでしょう。 

 そこで山形県酒の18銘柄が金賞。続く他県は、兵庫が10銘柄、新潟・福井が各9銘柄。これはまさに「ぶっちぎり」と言うにふさわしい。


 これはジョイフルなニュースです。素直に喜ぶべきでしょう。しかしそれと同時に、行きつけのお気に入りの店が雑誌で高く評価されてしまったような複雑な感情もありますね。急に混んだり値上がりしたりすると寂しい。

 いや、そんな小さなことは言いますまい。これからも星飛雄馬のお姉さんのように、いつも陰から見守りつつ声援をおくっているから、栄光の階段を思うぞんぶん昇るがいい!


 しかし、ひとつ気になるのはこのニュースで「県産日本酒のキレの良さが評価された」と書かれていたこと。・・・キレ?

 味覚を表す語彙が人それぞれなのは確かですが「キレの良さ」は、ちょっと違うでしょう。それなら兵庫か福井です。山形酒の良さをひと言で表すとすれば、「水の綺麗さと米の旨み」だと思います(ふた言ですが)。


 とりあえず、めでたいことは間違いない。さて、祝杯をあげることにしますか。
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後半戦

2013-08-28 06:57:41 | 山形
 テレビでは「ちびっ子たちの夏休みも、あと一週間ですね~」とか「夏休み最後の思い出に~」などと言ってますが、山形の子供たちの夏休みは、もうとっくに終わってます。夏の間、ベランダで咲いていた娘のアサガオも、種をふくらませつつ、また学校へ戻っていきました。


 ということは・・・山響のスクールコンサートも始まり。

 今日からまた、体育館での公演の毎日が戻ってきます。


 明け方、やたらと寒いので「しまった・・・クーラーをつけっ放しで酔いつぶれていたか」と思ってリモコンを手探りすると、開けた窓から入ってくる風だった・・・という季節になってきました。山形では朝晩、秋の空気が感じられるようになりましたね。早いものです。

 しかし日中の日差しはまだまだ健在。この期におよんで「夏バテ」するようなことが無いように気をつけます。
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清水の舞台

2013-08-27 08:57:57 | 危機管理
 どこの家庭にも、その人専用の食器があるものです。黒塗りの太いやつは「お父さんの箸」、赤っぽくて細身で花が描かれているのが「お母さんの」、樹脂でできた実用的なのが「お兄さんの」、そしてキャラクターつきの短いのが「末っ子用」など。茶碗もだいたい決まってます。

 こういう文化があるのは日本だけだという話を聞いたことがあります。たしかにフォークにサイズ以外の個性を求めるのは無理がある。ティーカップなんかも、一人一人違ったのでは変な感じがします。

 逆に外国の人から見れば、日本のそういう習慣は封建的だとか、夫婦茶碗は男尊女卑だとか、そういう話になるんでしょうか。私は、日本人が大事にすべき、美しい文化の一つだと思います。


 ところで、息子がくれた修学旅行の「おみやげ」。京都といえば「八ッ橋」ですが、それ以外にも家族それぞれにありました。妹にはかわいい文具、母親にはきれいな手ぬぐい、そして私には「湯呑み」。・・・基本に忠実なセレクトですね。

 湯呑みはもちろん、見るからに「お父さん用」の、厚手で重い、すごく濃くて熱い緑茶が入ってそうなやつです。清水の舞台が、渋い色調で描かれている。


 自分が中学の時も、まさにこういうものを買って帰りました。私の場合は「ぐいのみ」でしたが、発想はまったく同じです。

 これもまた、古都を訪れるのと同じように、世代を超えて受け継がれていく文化なんでしょうね。
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過ぎし夏

2013-08-24 10:54:51 | 雑記
 夏の高校野球が終わりましたね。今年は山形の代表が初のベスト4になったということで、一時期は県内どこでもテレビ中継がついていました。

 私も普段は甲子園などにはまったく興味がないのに、この時ばかりは結果を確認してみたりしたものです。そういう山形県民は多かったのではないでしょうか。不思議なものですね。突如として湧きおこる愛県精神と連帯感。つね日頃持ってれば、もっと素晴らしい県になると思うのに。


 言うまでもなく、オリンピックやワールドカップも同じです。それだけの愛国心と情熱があれば、国内はもっと平和な友愛に満ちても良さそうなものです。

 ・・・「世界平和」「人類みな兄弟」が本当に実現されるためには、やはり火星人の襲来が必要なのでしょうか。


 ところで、優勝した高校のエースは本当にすごい投手だったようですね。スタンドで応援していた、その選手の父親までもがテレビで取り上げられていました。

 その学校のユニフォームを着てメガホンを持ち、なりふりかまわず我が子を応援する。そして、優勝が決まった瞬間、まさしく我を忘れて歓喜の雄叫び。人が純粋に、心から夢中で喜ぶさまというものは、見ていて清々しい。

 その後、お父さんもインタビューを受けていましたが、テロップを見てびっくり。

 ・・・私と同い年か。もう、そういう年代になったんですね。


 そしてまた、夏が過ぎてゆくのでした。
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明治へ

2013-08-22 16:58:42 | 映画・ドラマ
 山形Qで使用したホールの使用料などを納めに、文翔館へ。ご存じの通り、ここは旧県庁の建物で、明治時代らしいレンガ造りの建築です。

 石造りの階段から入り口を抜けて、事務室へ行く途中の窓からは、中庭が見えます。ここもきれいなレンガの壁に囲まれた石畳の広場で、一瞬ヨーロッパの路地裏に迷い込んだような趣があります(などと、いかにもヨーロッパをよく知っているかのような口調ですが、あくまでもイメージ)。ここで山形Qのチラシの写真を撮ったこともありました。

 廊下を歩くときには、いつも窓からこの中庭を見下ろすのが習慣になっています。少しだけ、現在の日本と違うところにいるような感覚を楽しむためです。


 今日もいつも通り意識せずに中庭を見下ろすと・・・恐ろしい光景が。

 けが人がゴロゴロ倒れている!それも顔にやけどのようなひどい傷、首まで血がべっとりとついて横たわっている男性が7~8人!等間隔で並べられたゴザに寝かされて、周囲にはそれを介抱しているように見える人の姿も。

 ・・・これは一体なにがあったのか?のんびり使用料など払っている場合なのか?払わず逃げるか?


 しかしよく見ると、けが人はみんな同じ、不思議な服を着ています。男子校の詰め襟の制服のような。回りの人も袴を着てたり、女性は和服姿。・・・明治時代?

 ・・・はい、広場の奥には大きなカメラがありました。ドラマかなんかの撮影ですね。文翔館ではよくあるんです。隣の窓から覗いていた人に訊くと、明治維新の頃の話のドラマだそうで。


 それにしても傷のメイクのリアルなこと。遠くからでも痛そう。しかも、近くで火薬が爆発したケガだと一目でわかります。すごい技術です。


 ・・・しかし、ふと考えてみると、私たちは実際これほどの大やけどや大ケガを見たことはありません。それなのに「リアル」とは?

 震災の日に、海が盛り上がって車や工場が流されていく映像をテレビで見て、「映画みたいだ」と感じたことを思い出しました。大きな揺れを感じた直後で、しかも右上に「中継」と表示されているのに、それでも現実味がない。

 平和と安全に慣れきっている私のような者には「リアリティー」を語る資格はないのかも知れません。・・・メイクの傷に、わりと本気でギョッとした自分を恥じつつ。


 そんなことを考えながら、落ち着いてよく見ると、みんなかなり暑そう。明治らしい服に温暖化の夏は厳しいでしょう。軍服の負傷者も血より汗の方が出てる。あれでは、ケガで死にそうなのか熱中症で死にそうなのかわからない。

 ・・・異常気象も深刻ですが、とりあえず平和に感謝しつつ、無事に使用料を払ったのでした。
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古都のフルコース

2013-08-20 20:55:20 | 危機管理
 今日は朝5時半に起床。歳のせいか眠りが浅くなり、外が白み始めると目が覚めてしまうから・・・ではなく、息子を学校へ送ってゆくためです。夏休みが終わったとたん、今日から修学旅行なのです。いろいろな意味で「早いものです」。

 行き先は関西。京都・奈良・大阪を3泊4日。生意気にも仙台から飛行機で行くので、昼食はすでに大阪。だから出発が早いんです。


 修学旅行で京都・奈良といえば定番中の定番。私もそうでした。東京の中学はほとんどそうでしょう。山形も同じなんですね。違うのは大阪の「ユニバーサルスタジオ」が行程に入っていることです。たしかに、お寺巡りだけでは変化がない。本気で無病息災を祈る年齢でもありませんし。


 私が修学旅行で行った京都・奈良の思い出は・・・しばらく思いだそうとしましたが、驚くほど出てこない。「お寺で仏像を見た」ということしかないので、どこがどこだか区別がつかないのです。しかもどこへ行っても同じような制服の集団でごった返していて、仏像が小さいとよく見えない。だから覚えているのは東大寺の大仏のみ。人だかりの後ろから見て楽しむには、あのぐらいのボリュームがないと。

 泊まった宿は京都の古い旅館で、何十畳もある暗い大広間に布団を敷いて寝たのは記憶にあります。旅館なのに食事は冷たいナポリタンで、もちろん美味しくない。・・・ああ、こういうつまらない記憶は残りやすいものです。


 ・・・中学生の旅行も楽じゃない。かわいそうに・・・と思いながら息子の学校の「しおり」を見てみると・・・

 昼食・・・○○ホテルにて中華御膳。
 夕食・・・△△ホテルにてコースディナー。
 宿泊・・・□□ホテル(3人部屋)。

など、いちいち豪勢。中学生のくせに生意気ですね。

 ・・・まったく近頃の若いもんは。
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真夏はじまり

2013-08-18 22:05:34 | 山形交響楽団
 さて今日は山響の、夏休み明け最初の演奏会。プログラムは、メンデルスゾーン「真夏の夜の夢」、モーツァルトの「クラリネット協奏曲」・ベートーヴェン「田園」。名曲コンサートですね。


 特筆すべきはクラリネットのソリスト。山響団員で、先の日本音コンで優勝した川上一道氏です。

 団員がソリストを務める時には、同僚として応援しつつ成功を祈るような気持ちで合わせるものですが、彼の場合はそういう気遣いは一切無用。抜群の安定感と、スケールの大きな演奏は、むしろオーケストラがエスコートされているような感覚。

 ひがみっぽいセリフ「あるところにはあるもんだ」は、お金だけではないんです。・・・彼の才能を手放しで絶賛したい。


 ということで山形Qの次回の「庄内定期演奏会」の宣伝を。9月14日、川上氏をゲストにブラームスの五重奏を演奏します。こちらも是非!
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遺志

2013-08-17 22:24:22 | 山形
 夏休みは終わり。あっけないものです。「一ヶ月ぐらい・・・いやせめて十日ぐらいあればいいのに」とも思いますが、終わるときには結局、同じ気持ちでしょう。

 もうちょっとだけ夏休みの思い出を、ということで、あとひとつだけ山形観光の話を。


 せっかくプライベートで庄内に行ったので、加茂水族館からの帰りに、寄り道をしました。

 それは・・・即身仏。ミイラ仏ですね。一説によると日本の即身仏の半数以上は庄内にあるらしい。確かに、演奏会で庄内に行くたびに案内の看板を見て、気にはなっていたのです。これはこの際、是非見ておかなければ。「仏」ですから、ある意味「お盆」にふさわしいとも言える。


 月山のふもとからわき道にそれて、「大日坊」へ。山間の集落にある大きなお寺です。エジプトのミイラと違って、あくまでも「仏」ですから、博物館のケースにあるわけではないのです。拝観料を払って、本堂に入り、まずは住職の講話を聴きます。

 この寺の由緒から始まって、お参りの仕方、数珠の使い方、そして即身仏になった偉いお坊さんの話、即身仏になる方法・・・なかなか興味深い話でもあります。

 心を決めてから約10年(!)もの間、肉類はもちろん穀物も摂らずに木の実などだけで暮らし、期が熟す(要するにもう長くないと悟る)と穴の中に入り、漆を飲む。あとはひたすら念仏。弟子が呼びかけても答えの鈴の音が返ってこなくなると、空気穴をふさぎ、しばらく「寝かせる」と完成。

 ・・・なんと壮絶な。自力でミイラになる、しかも防腐剤まで飲んで。究極の「行」です。


 さて、講話が終わると、いよいよその上人にお目にかかります。ガラスケースの中で朱色の法衣を着て座禅を組んだその姿は・・・

 誤解を恐れずに感想を言うと、「美しい」。博物館のミイラと全然違う。ただ「保存された遺体」などではなく、堂々と座っている姿には威厳を感じます。年代の違いだけではないと思います。やはり意志を持っているからでしょう。そして、それまでの摂生のたまものなのか、肌の色や状態もすごくきれいで、これに比べればエジプトのなどはボロボロと言ってもいい。


 信仰心がわくというよりも、「実際にいたすごい人」なのだという感動があります。いつの人だったのかを見てみると、江戸時代初期。なんと、だいたいバッハと同じぐらい。

 「後世にのこる偉業」には、いろいろな形があるものです。感慨にふけりつつ、手を合わせました。
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海月御殿

2013-08-16 21:26:14 | 山形
 せっかく山形を観光したので、もう少しひっぱりますか。


 湯野浜温泉から観光に行くとすれば・・・やはり加茂水族館でしょう。名もない寂れた、小さな地域の水族館だったのが、クラゲに特化した効果で一気にブレイクしています。それで来年、リニューアルオープンするわけですが、レトロな雰囲気が見納めとなる今もまた、「旬」です。これは行っておかなければ。

 ということで行ってみましたが・・・これほどとは。

 みんな、ここがどこかわかっているんですか?ディズニーランドと勘違いしてませんか?山形のこじんまりとした、地味な水族館なんですよ・・・と言いたくなるほどの大混雑。やはりメディアの力を侮ってはいけません。ほら、職員の人たちもパニックになっています。

 なんとか入館し、パニックを察知して早めの昼食。備え付けの小さなレストランコーナーはすでにごった返していて、店員さんも災害に見舞われたような余裕の無さ。しかし、せっかくなので話のタネにと、負けずに「海月(くらげ)ラーメン」を注文。

 さすがは山形。洒落で作っても真面目なんです。思いの外ふつうに美味しくてびっくり。クラゲを練り込んだという、想像しただけでは一瞬たじろぐ麺も、つるつるしこしこで美味。具も、木耳と海月のコラボレーションが、単なる洒落の範囲を超えて満足できる納得の味。やはり山形の「食」は本当にハイレベルです。


 さてお目当ての、生きて泳ぐクラゲ。しかし展示室はどうにもごった返していてなかなか見られない。ところがクラゲにもいろいろな奴がいるんですね。ピカピカ光ったり、クリオネみたいな面白い動きをする奴は有名で人気がある。それ以外の、ただ流されてるような奴は、わりと素通りされるので、すぐに見ることができます。

 円形の水槽には水流があって、白く濁ったクラゲがたくさん、べらべらと流されて回っています。時々、ふと抵抗するように頭(?)の傘を「もふっ」と動かして、無目的にちょっとだけずれる。まったく人をバカにしてるのかと思うような、気持ちのよい流されっぷりが、どうにも憎めない。こんなふうに生きてみたい・・・これこそがクラゲの魅力なんですね。


 広い海で、波まかせ。明日は明日の波がたつ。無駄な思考は一切なしで、上になろうが下になろうがお構いなし。気ままに流れて、時々「もふっ」と動いて見せたりしながら、気に入った物が寄ってくれば食べてみたり、気に入らなければ刺してみたり、あきたら光ってみたり・・・なんとアウトローな生き方でしょう。これにはかなわない。

 
 やや「負けた」ような気がして、クラゲの巣窟を後にしました。リニューアルしたら、また行ってみたいと思います。
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日本海に触れる

2013-08-15 15:52:00 | 山形
 日本海で初めて泳ぎました。


 日本海といえば・・・荒々しい断崖絶壁の岩場。叩きつけるような荒波。まさに「割れて砕けて裂けて散るかも」・・・

・・・のようなイメージがありましたが、夏の海水浴場は全然違いました(当然か)。しかも湘南かと思うほどの盛況ぶり。砂浜にビーチパラソルが咲き乱れていました。波も家の近所のプールの人工波より穏やか。子供でも安心して遊べます。


 ということで鶴岡の湯野浜温泉に弟の一家と一泊してきました。湯野浜といえば、少し前に山響で訪れたばかり。その時はまだ梅雨明け前のせいもあって、やや「寂れた」印象でしたが、ピーク時は混むんですね。県民として、少し安心しました。

 息子・娘・二人の甥たちとともに泳ぎましたが、なかなか気持ちの良いものです。塩素くさいプールより断然良いですね。


 一緒に泳いだ弟と家の奥さんは翌朝「体が痛い」などと言っていましたが、私と子供たちは元気。「なんだだらしがないなあ」とばかりに子供達を引きつれて、朝から宿のプールで、もうひと泳ぎ。ここも貸し切り状態で気持ちよかった。


 わりと鈍ってないもんだな・・・などといい気でいたら、なんと今朝になって筋肉痛。午前中いっぱい、起きられませんでした。

 がっくり・・・負けていなかったのは老化の進み具合だったか。運動不足を反省。

 
 しかし、海の幸も堪能して、良い夏休みでした。山形に住んでいても、観光する機会は逆に少ないものです。私たちもあらためて、山形を楽しみました。
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田舎の伯父さん

2013-08-12 22:58:31 | 危機管理
 さあ、今日から夏休み。夢は広がるばかりです。さて、何をしようか?ナイアガラの滝でも見に行きますか。いやいや暑いから、避暑を兼ねてアラスカにオーロラでも見に行きますか。

 いやいやたった5日の夏休みではそこまでできません。今日も組合の代表として、山響の事務所に話しに行ったりなど・・・どれだけ意味があるのかはわかりませんが、なかなか自由になる時間はないのです。


 ところで、お盆の時期は山形の人口が増えます。帰省してくる場所なんですね。山形駅周辺は、新幹線に乗って遣ってくる孫などを迎えに来る車でごった返しています。

 かくいう私も、お迎えのため山形駅へ。弟の一家が山形へ遊びに来るためです。

 二人の甥たちにとっては、楽しみな「田舎」への旅行です。私たちは「山形の伯父さん一家」なわけです。


 そうなると確かに張り切ります。せっかく山形に「来てくれる」わけですから山形ならではの、そば屋から始まって、自然と親しめるスポットや温泉、山形牛と気合いを入れて連れ回しますね。

 毎年この時期になると、ちまたに張り切ってるおじいちゃんおばあちゃんが、そこかしこに増えるものですが、その気持ちがよくわかりました。


 ということで、明日は庄内へ行ってきます。「うまいもの」としては庄内は外せない。楽器を持たずに庄内へ行くのは久しぶり。楽しんできます。
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凉を求めて

2013-08-10 22:32:00 | 山形交響楽団
 暑いですね。でも集中豪雨よりマシだと思いましょう。


 ということで、今日から山響は「クールビズ」。

 ・・・要するに、今日と明日の定期演奏会の衣装を、男性の燕尾服をやめて黒シャツにしてみたということです。

 考えてみれば、温暖化と節電が叫ばれている真夏に、燕尾服は無理がある。頑張るべきところはもっと他にあるはずです。

 さて感想ですが、スポットライトのあたる舞台では、涼しいとまではいえませんが確かに燕尾より楽ですね。


 しかし、正直な感想を言えば、服装よりも曲目を涼しくしてほしかった。

 今回はブルックナーの「第1番」。・・・音が多すぎる。今まで「ブルックナーはトレモロが多くてつまんない」と少しでも思ったことを反省させられるような、音符の大混雑に、少々疲れました。


 明日もあるので、今日はこれまで。明後日からの「夏休み」を夢見て寝ることにします。
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レイトショー

2013-08-09 22:10:42 | 映画・ドラマ
 「映画」のカテゴリーの記事が少ないようなので書きましょう。


 今週は家族が東京に行っています。夏休みの帰省ですね。

 私は山響定期に縛られているので、おとなしく留守番。毎朝ベランダでタバコを吸いながら、娘のアサガオに、とぷとぷと水をやる。

 夜はリハーサルの帰りにスーパーの惣菜を買って、自宅でダラダラ飲み、酔いつぶれて寝る・・・。


 この、あまりにも型にはまった日常から、ふと抜け出てみたくなり、一昨日は酒を飲まずに、レイトショーを観に行ってみました。


 「さよなら渓谷」。主演の真木よう子のファンだから・・・ではなく、たまたまその前に友人に奨められたから。タイトルも初めて聞いたし、もちろん内容も知りません。スクリーンに映って初めて「真木よう子というのはこの人か」と思うぐらいに、一切の予備知識なし。たまにはこういう「あてのない旅」のような観かたも良いかなと。

 しかし、始まったと思ったらいきなり、真木さんのラブシーン。しかもやや激しめ。一方、客席には私も含めてわずか3人。そして私も含めて全員おじさん。・・・ちょっとこれは。やっぱり家で酔いつぶれてた方が良かったかな・・・。


 しかしトータルとしては、なかなか面白く観ました。サスペンスでもなく、もちろんアクションでもなく、強いて言えばラブロマンスなのか・・・ジャンルがよくわからない、静かな映画でした。「悪人」の吉田修一の原作を映画化したものなんですね。言われてみればなるほど。同じようなテーマです。

 「衝撃の~!」と見せかけて、実はあまり毒がない。シュールかと思わせて、実はポエティック。現代人の心の闇を深くえぐるような話ではありません。辛口に言えば、ちょっと焦点がよくわからない。被害者と加害者が愛し合うという無理な設定をしてまで、何が言いたかったのかが、しぼりきれない。特にラストシーンは・・・腑に落ちた人がいるなら解説を聞いてみたい。

 しかし全体としては、キレイな映画なのではないかと思います。ハズレだとは思わない。私が真木よう子のファンだったらもっと絶賛してます。上映が終わって、そそくさと席を立つおじさんたち(含私)は、それなりに納得して帰りました。

 
 レイトショーは初めてでしたが、なかなか良いものですね。とにかく空いてるのがいい。思いの外、楽しみました。
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風物詩☆

2013-08-07 20:17:25 | 山形弦楽四重奏団
 「花笠まつり」も今日が最終日。外から聞こえ続けているエンドレスの「花笠音頭」にも、そろそろ疲れてきました。

 毎年のことですが、耳に残ってしまって、終わった後でも聞こえる気がするのが怖いんです。夜中にふと目が覚めて、
「あれっ、まだやってるのかな?」
と思ったり。・・・まあ、これも風物詩。

 昨日と一昨日は雨でした。それも時々強く降ったりして、踊った方々もさぞ大変だったでしょう。いくら全員「かさ」を持っているとはいえ。


 ということで、昨日の山形Qによる「北部☆夏コンサート」も、本番の途中で雷が鳴り出して、豪雨のうちに終了。しかし、たくさんのお客さんが足をはこんで下さいました。主催の公民館の方々とも、ホッとしております。「また来年もぜひ」などというお言葉を頂きました。山形Qは定例のファミリーコンサートをしていないので、これが夏の恒例になるのも良いことかと思っています。

 
 さて次は、9月1日の酒田美術館でのコンサートです。こちらはハイドン「皇帝」をメインに、格調高くお送りします。お近くの方は是非☆

(☆を入力する度にちょっとテレるが、それもやや快感になってきた)
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