中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

出羽桜「純米吟醸(出羽燦々)」

2012-01-31 23:21:52 | お酒の話し(山形県)
 はい、今日も休肝日。健康診断が終わったからといって、ハメをはずしてばかりもいられません。「勝って兜の緒をしめよ」・・・違うか。まだ結果は出てません。せめて、惨敗してませんように。

 ということで、またしても先日ありがたく戴いたお酒を思い出しつつ。・・・最近こればっかりですね。本当に皆様には感謝しております。しかし、いくら戴いても「飲みきれない」ということがないのには困ったものです。


 さてさて、今回は山形でもっともポピュラーな蔵、天童の「出羽桜」の限定品。特別栽培米の出羽燦々を50%まで磨いた純米吟醸です。

 ところで、「天童」という町は、山形県の中では比較的「田舎っぽさ」が無い土地です。温泉街にも高級旅館が多くて、そこで将棋の大きな対局が催されたりするせいでしょうか。ちょっと「洗練された」感じを受けます。

 「出羽桜」の酒のカラーも、それに通じるものがあります。ふわっとした、キレイな酒が多い。香りもフルーティーな、おしゃれで、華奢な感じ。「たおやか」という表現が合います。


 「たおやめぶり」なひとときを過ごそうかと、ひと口飲んでみると、予想に反するシャープなキレ。「特別栽培」とわざわざ書いてあるだけあって、キレの良い出羽燦々の持ち味が、普通のものより強く出ています。出羽桜にしては、芯がしっかりした仕上がり。

 「ちょっと硬さが前面に出てるかな・・・」と思いつつも、飲みすすめると、求めているものがわかってきました。ビンの見た目通り、白ワインのようなものを作りたかったんですね。たしかに、そのつもりで飲んでみると、上質な辛口の白ワインのような、さっぱりした後味が飲み飽きしない。

 出羽桜は海外での評価が高いと聞いています。それがよくわかる逸品です。


 洗練されたひと時を堪能しました。
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アルプス

2012-01-30 01:05:04 | 危機管理
 昨日は豪雪の南陽へ。しかしよく降り、よく積もります。1月でこれほどスゴいのは久しぶりじゃないでしょうか。

 何年か前に、このあたりで「道と間違えて線路に入った車が列車と衝突」という事故がありましたね。それを聞いたときには、よほどボーッとした人だったんだろう、などと思いましたが、今日はそれを反省しました。こんなにどこもかしこも真っ白では、道なのか線路なのか壁なのか、前なのか後ろなのか、わからなくても無理もない。


 しかし、そんな中でも聴きに来てくれるお客様がいるのは、本当にありがたいことです。出し物は、山響の「子育て応援コンサート」。幼児向けの、歌あり手遊びありの「参加型」イベントですね。もはや家の娘よりも小さい子供たちが、たくさん来ていました。


 手遊びの一つとして、「アルプス一万尺」がありました。やはりこれは、今も昔も定番ですね。娘もよくやってます。

 一番の歌詞は「アルペン踊り」、二番は「ちょうちょが飛んできてキスをする」ですよね。ここまでしか知りませんが、もっと続きがあるのでしょうか?家の娘は、幼稚園で友達から聞いたのか、最近へんな「三番」を歌います。

♪と~な~りのじっちゃんばっちゃん 
 い~も~食って屁~して
 大事なパンツに穴開けたっ!(ヘイッ!)
 (ラ~ンラランランララララ・・・)♪

 調子に乗ってくると「ヘイッ!」の部分が、「プリッ!」とか「ビリッ!」になります・・・(品がない)。


 大人が「子供向け」のものを考えると、どうしても「よい子のみなさぁ~ん」的になってしまうものですが、そういう「よい子」は実際は、どこにもいないものです。子供は素直だから、本当はこういう下品なのが大好きなんです。

 しかし、それを大人がやってしまうとオシマイだし、いろいろ問題が・・・。そこが「子供向け」の一番難しいところですね。
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健診

2012-01-28 10:42:28 | 雑記
 今朝はすっかり寝坊してしまいました。これだけ布団から出られないことも珍しい。・・・昨日きっちり飲んでしまったせいでしょう。内臓が重い感じがします。しっかりと、そしてもちろん一気に飲みましたからね。・・・バリウムを。


 ということで、昨日は健康診断本番。大雪の中、朝は早起きをして、息子をスキー教室へ送っていってそのまま「健診センター」へ。健康のために、朝食をしっかり摂る派の私としては、目が覚めてから飲まず食わず(喫わず)のこの時点で結構なストレスを感じております。

 この「健診センター」は病院ではなくて、健康診断をするための施設です。毎日、いろんな会社の人たちが、検査のためだけにやってきます。早朝からこれだけ多くの「健康な人たち」でごったがえす医療施設というのも不思議なものです。

 待合い席でそんなことを考えていると、名前が呼ばれて、ロッカーの鍵を渡されます。あの、パジャマと浴衣が混ざったような服に着替えるわけですね。いろんな会社のいろんな職種、いろんな役職の、さまざまな人生観を持った個人は、ここでそれをすべて捨て、一様な「男性・~歳」になって、流れ作業の検査のベルトコンベアに乗ります。


 毎年のことですからさすがに慣れて、自分のコース(会社によって検査プログラムが違います)は、どの部屋をどのように回ればよいかがよくわかっているので、スムーズです。本を持って行きましたが、読む時間はほとんどありませんでした。

 例のバリウムも、味も感触もその後の展開も、もはや熟知しているので、美味しく(?)飲めました。台の上で回転するのもなめらかにこなす。映写技師の説明は相変わらずわかりにくいのですが、「あっ、そっちじゃない、右回りっ!」などと言われた去年までと違い、どんな角度も「そぉ~そぉ!」と一発OK。

 そんなこんなでコンベアはスムーズに流れ、いつもより早く終了。終点のロッカールームで、元の「個人」に戻ります。「不良品」のように、はじかれてしまう日が来るのを恐れながらも、それぞれの生活へと帰っていくわけですね。


 さて、少なくとも結果が来るまでは健康。非常に空腹なので、近くの食堂に入って、しばし健康を謳歌。

 したのもつかの間、満腹になって車を走らせたとたんに、激しい便意が・・・(失礼)。さっき飲んだ下剤の効き目がもう来たか。しかし雪道は渋滞。苦しみながら自宅へと帰りました。

 午後の山形Qの練習も、腹部の不調に悩まされながら。・・・あの下剤にだけは、どうにも慣れることができないようです。
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山形大学「燦樹」

2012-01-27 00:25:41 | お酒の話し(山形県)
 またまた、休肝日の夜長にお付き合いいただきます。実はこれまでも、夜の時間帯に酒の内容の記事をアップしている時は、間違いなく休肝日なのでした。ダイエット中の人が、食べ物の夢を見てしまう感じでしょうか。


 これも戴きものです。なんと山形大学の酒。最先端のバイオテクノロジーを駆使して、研究室のフラスコの中で合成された新時代の酒・・・というわけではなさそうで、農学部で栽培された酒米で醸したということのようです。ビンの裏を見ると、醸造したのは学生ではなくて、庄内町の「鯉川酒造」。

 そうか・・・さすがの山形大学も、プロにお願いしたか。やはり酒造りは、学生が研究室でできるようなものではないんですね。しかし鯉川さんを選ぶあたりは、なかなか侮れない。鯉川は私もお気に入りの一つです。

 肝心の酒米は、もちろん「出羽燦々」。山形が誇る酒造好適米です。ということで、ネーミングは「燦樹」(きらめき)。ちょっと凝りすぎて、日本酒の名前にはどうかというな気もするが、学生らしいナイーヴな感性を素直に前面に出した爽やかさをかって、良しとしましょう。


 出羽燦々を50%まで磨いた純米大吟醸。さて、味は・・・う~ん、若い。シャープなキレが潔い。学生が味の監修をしたわけではないでしょうが、とことん真っ直ぐで、まったく媚びないところが気持ちいいほどです。ちょっとカタい感じはありますが。

 ナイーブなネーミングからフルーティー系を想像したのですが、気持ちよく裏切られました。辛口で、キレがスパッと男らしい。まあ、これは鯉川のカラーでもあります。

 もともと出羽燦々は、山田錦に比べると味が硬くなりやすい気がします。気品と清潔感があって良いのですが、悪く言えば深みが足りない。そのあたりが解消されるような改良を、ぜひ山形大学には研究してほしい。つくづくエラそうで申し訳ないが、期待しております。


 真っ直ぐな若さを堪能しました。
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冬の風景

2012-01-26 10:03:24 | 山形
 東京でも雪が積もったらしいですね。昨日いつものように、息子と二人で朝食の時にニュースで見ました。

「4センチだってよ。」
「ええっ!たったそんだけで、どうしてみんな転んでんの?」
「慣れてないからね・・・仕方がないんだよ。」
「だってほら見てよ、あんなの、積もってるとは言えないじゃん。」
・・・確かに。東京の皆さんには悪いけど。

 寒い日が続いています。こちらは日中も氷点下の日がよくあります。そんな日でも雪の中、氷の上を、ふつうに学校から1時間歩いて帰ってくる山形の小学生には、テレビで騒いでいるリポーターを上から目線で見る資格がある。


 私たち夫婦も山形暮らしが長くはなりましたが、雪国で生まれ育っている我が家の子供たちにはかないません。

「最近テレビ見てると、イラッとするんだけど。」
「(怖)なんで?」
「だって7度とか8度もあんのに、お天気の女の子が、寒い寒いうるさいんだもん。ああ・・・あったかい所に行きたいっ!」
・・・確かに。でもまあ、そうイライラせずに。
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再会

2012-01-25 00:42:14 | 山形弦楽四重奏団
 家のマンションの敷地に植えられている木です。植物の名前には自信が無いので恐る恐る書きますが・・・「ナナカマド」です(たぶん)。赤い実の集まりに、それぞれ雪が積もっていて、不思議な絵本の挿し絵みたいです。ナナカマドは、「山形市の木」に指定されているらしいですね。雪が似合う木だからでしょうか。


 さて、山形Qの練習がまた、月曜から始まりました。本番が終わったばかりではありますが、実はもう次の演奏会まで20日ほどしかありません。2月12日の庄内定期に向けて、すぐに準備にとりかかります。

 「追われている感じ」はそれほどありません。プレーヤーの習性として、演奏会が終わった直後こそが、一番ヤル気が出る時なのです。本番直前は「これが終わったらのんびりできる・・・」と自分にむち打ってステージに向かいますが、終演後に気持ちよく呑むとすっかり忘れてしまって、またワクワクして次のプログラムの譜面を開いてしまう。・・・考えてみると、なんだか学習能力の足りない人のようですね。


 メインはベートーヴェンの「ラズモフスキー第2番」。久しぶりの再演ですが、大曲で難曲で、そして名曲。充分すぎるほどの、やり甲斐があります。個人的には「ラズモ」の3曲の中では、この「2番」がもっとも好きです。ベートーヴェンの四重奏曲全体の中でも、上位にランクします。

 基本的に、庄内定期のプログラムは、過去の山形での定期で取り上げた曲で構成しています。なので、より高いクオリティを目指したいところ。

 この「ラズモ2番」も、かつて定期で弾いた時はその難しさと複雑さで、息も絶え絶えでした。しかし、再びこうして音を出してみると、昔ほどの難解さは感じません。やはり少しずつではありますが、団としての経験値は積み上がっているようです・・・と信じたい。そして何よりも、充分消化しきれなかった名曲に、また触れることができて、より深く味わうことができる幸せを感じます。


 じっくり楽しみつつ、良い演奏会になるように頑張ります。
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いざ鎌倉

2012-01-23 10:49:12 | 危機管理
 一昨日の土曜日は、息子の入試でした。入試とはいっても、附属小から附属中に上がるだけですから、形だけのものです。「受験の練習」といっても良いかも知れない。落とされる人はいないらしいですから。

 しかし、外部の小学校から試験を受けに来る子にとっては違います。倍率は2倍ほどですが、れっきとした「中学受験」です。そういう子たちは結果がどうあれ、今は入試が終わって、すごい解放感に浸っていることでしょう。私もそうでした。


 私も中学に上がるときに私立の学校を受験しました。結果的には望んだところに合格しなかったので、実家の隣の公立に行ったわけですが、そういうわけで小6の時はずいぶん勉強しました。私の代は「団塊の子」で人数が多い、まさにピークの学年でしたから、あらゆることに競争率が高かった。偏差値全盛の時代でもあって、通っていた塾も大混雑でしたが、模試の時なんかは殺伐とした空気が漂いました。

 一週間に6日、塾に通っていました。しかも毎週日曜にあるテストの点数が悪いと「赤紙」が来て、唯一の休みの日にも補講に出なければならない。しかし「赤紙」とは・・・子供に根性を押しつけようとするおじいさん達の歪んだ冗談としか言いようがない。あの時代はまだ、そういう戦時中の教育を受けて育った、おじいさん先生が結構いたものです。教室を回って、名前が書かれた赤い紙を該当の生徒の机に置いて行く。私たちは、自分の机の横を素通りしてくれるように、息を詰めて祈ります。その緊張した顔や、紙を置かれてうなだれる生徒たちを見る「おじいさん」は、本当に嬉しそうでした。・・・こんなこと今やったら問題にされて騒がれるでしょうね。

 それでも塾の、面白い先生の授業は本当に面白かった。学校みたいな制約がないので、自由にやれたんでしょうね。「先生がそんな解き方をしていいのか?」と思いつつも、学校の勉強よりはるかに現実的でわかりやすいので、ひきこまれました。「良い子」をつくろうなどとは、微塵も思っていない、「強い学力」を身につけさせようとする姿勢は好きでした。


 私の受験の冬は、東京では珍しい大雪の年でした。「すべる」と縁起が悪いので、裏にスパイクのついた長靴をはいて、雪にまみれて混んだ電車に乗って試験会場に行きました。しかし、試験会場はさらに混んでいて、全体説明の時は、受験生たちだけで満員電車のような状態になりました。幼少の頃から人混みが嫌いな私は、それだけですっかり疲れてしまって、猛烈に帰りたくなってしまいました。

 終わって校門から出たときは、空気が涼しくて、本当に気持ちが良かった。そして、すばらしい解放感。結果なんかどうでも良かった・・・。(そういう、根性の無さが良くなかったんでしょうね)。


 息子の入試は、もちろん、そんなものではなく、のんびり・のほほんとしたものでした。とてもよいことだと思います。しかし・・・

「試験どうだった?」
「鎌倉は京都にあると思って、そう書いちゃった。」
「・・・。」

・・・もう少し厳しくしないといけないかな。
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サン・スフル

2012-01-21 11:34:05 | お酒の話し(山形県)
 毎日毎日、酒ばっかり・・・と、お思いでしょうが、違います。昨日は休肝日。あと10日後に控えた、恐怖の「健康診断」に備えて、一年間の反省をしつつ、体調を整えております。

 しかし1月に健康診断とは・・・。まるで「抜き打ちテスト」のようです。年末年始に羽をのばしたところを、捕まえて絞り上げるとはひどい。一年でもっとも不健康な時期なんだから。例年通りの3月でも準備が間に合わないぐらいなのに。

 それもこれも、2~3月の山響のスケジュールが、空前の忙しさのためです。ありがたいことなんでしょうけど、スクールコンサートのシーズン以外でも、ここまで忙しくなってくると、休む間がありません。山形Qの演奏会のスケジューリングにも、本当に苦労します。


 さて、休肝日。味気ない時間が流れます。せめて空想の中ででも、杯をかたむけることにしますか・・・。

 ということで、この間飲んだワインの話でも。


 またまた戴きものですが、山形の上山(かみのやま)にある、タケダ・ワイナリーの赤ワイン。ここは「蔵王スター」が主力銘柄の、小さな蔵で、丁寧な酒造りに定評があります。

 少し前に、その近くにゴミ処理場が建つ計画が発表された時、私もなじみの酒屋に頼まれて、反対の署名をしたことがあります。ブドウを育てる土づくりからこだわってやっているワイナリーですから、「処理場ができたら蔵をやめる」覚悟でいるようで、それを知ったファンがなんとかここのワインを守ろうと署名運動をおこしたのです。結果、かなりの署名が集まったようですね。熱いファンが多い蔵なんです。


 今回戴いたのは、「サン・スフル」。無濾過・無添加の生づめワインです。オリが入っていて、微発砲。コルクでなく王冠がついています。

 ワインの「無濾過」の良さは、よくわかりませんが、「酸化防止剤」が入っていないワインの旨さは知っています。友人宅でイタリアから持ってきたワインを飲ませてもらった時に、感動しました。それまで「ワインというものの味」なのだと思っていた、あのツンとするような、すえた風味がまったくなくて、味も香りもすごくキメが細かかった。ワインについての認識がガラッと変わるような体験でした。もちろん、ワイン自体もかなりの逸品だったようですが。


 さっそく開栓。日本酒の「発砲にごり」とは全然違って、泡立つことはありません。飲んでみると・・・ブドウの味が、とにかく濃い。ブドウジュースをとことん凝縮させたような、フレッシュな酸味を感じます。アルコール度数は11%なので、酒としては軽いのですが、力強い生命感のようなものが詰まっています。

 さすがは「生」。自然のうまみを直に堪能しました。


(・・・書くために思い出してたら、渇いてきてしまった。いかんいかん。誘惑に負けずに「健康診断に向けた体づくり」に励むことにします。所詮は「付け焼き刃(悪あがき)」なんですけどね。)
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海舟散人

2012-01-20 12:09:37 | お酒の話(県外)
 最近、いろいろな方から、良い酒を戴くことが多いです。日頃の行いが良いからなのかな・・・いや、酒しか喜ばないという事がバレているだけでしょう。深く深く感謝して、どんどん飲むことにします。


 ということで、今回は千葉の佐原のお酒。「海舟散人」です。全国の鑑評会で何年か連続で金賞を受賞している酒のようですね。

 佐原といえば、個人的には強い思い入れが・・・あるはずもなく、千葉県の地理にも疎い私にはどのあたりなのか見当もつきません。

 名前の「海舟散人」とは、もちろん勝海舟のこと。海舟がここの蔵を気に入って、しばらく逗留した縁で、名前をもらって、一番グレードの高い酒につけたということです。あの勝海舟が愛したのですから、きっとすごくいい蔵なのでしょう。なんといっても、あの、勝海舟ですから。

 勝海舟ときいては、私の燃えさかる「幕末愛」がムラムラと・・・起こってくると良いのですが、そのあたりの歴史や人物にも疎くて申し訳ない。幕末ファンに怒られそうな程度の知識しかありません。


 ここまで書いてくると、「中身にしか興味が無いのか?」とお叱りを受けそうですが・・・もう正直に言ってしまうと「その通り!」。しかし中身への、興味・情熱・愛情・探究心では負けません。気合いを込めて、じっくりと味わってみることにします。


 鑑評会で金賞ですから、もちろん大吟醸(純米ではない)。山田錦を35%(!)まで磨いた、最高級グレードですね。・・・惜しげもなく開栓。いただきます。

 ・・・なんと・・・さらさらふわふわ。春の日の穏やかな風に、サッと頬をなでられた感じ。澄んでいて、柔らかい。わざと輪郭をぼかしているようでもあります。そして、とにかく香りが綺麗。涼しげな果実香が、懐かしいような優しさで香ります。

 漢字四文字だし「海舟」などというと、「濃い」印象をネーミングから受けますが、まったく違います。ほんのりと美しい、ひとときの淡い夢のような、少し儚げな味でした。

 勝海舟がまさにこの味を愛した、というわけではないのでしょうが、思ったよりかなり繊細な人だったのかも知れません。


 日本史の偉人を、少し身近に感じつつ、堪能しました。
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山形弦楽四重奏団第42回定期演奏会終了

2012-01-18 09:58:47 | 山形弦楽四重奏団
 山形県の旧県庁舎である、文翔館ホールの裏側、喫煙所からの光景です。雪の晴れ間で陽が射して、石造りの建物がヨーロッパのどこかみたいで趣がありますね。会場づくりを終えて一服。

 もう、ここで定期演奏会をするのも42回目です。このホールは、もともと議事堂だったところですから、イス並べや舞台設営は、自分たちですべてやらなくてはいけません。やたらと重い「演壇」を移動するときに、自分の年齢の変化をリアルに感じます。「子泣きじじい」のように、毎回、持つ度に重さを増しているような・・・。


 ということで、昨日、山形弦楽四重奏団の第42回定期演奏会が、無事終了しました。年明けの忙しい平日にもかかわらず、足を運んでくださったお客様たちに、本当に感謝しています。しかし、さすがに今回は少なめでした。ハイドンとベートーヴェンの初期、そしてP.グラスという地味なプログラムのせいもあるかも知れません。

 でも、地味でマニアックなのはこのジャンルの宿命。それでも応援して下さる方々が、これだけいることを幸せに思います。今回の演奏はどう感じられたでしょうか。また、気持ちを新たに、今日から精進していきます。


 さて、次回は4月。珍しく、ハイドンはお休みです。先日お亡くなりになった、林光氏を追悼する意味で、彼の作品を演奏する予定です。そして再び登場、壺井一歩氏の作品。

 ・・・邦人を2曲やるとは、プログラムのマニアックさを全く反省していないのか?

 という反応にもちょっとだけ配慮して、メインはシューベルトの「ロザムンデ」。ついに登場の名曲です。


 これからも山形Qをよろしくお願いします。聴きに来て下さったお客様方、本当にありがとうございました。
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古巣へ

2012-01-16 18:22:49 | 山形
 朝の温泉からの帰り道の風景です。真っ白でわかりづらいですが、広々とした雪原(本来は田んぼ)の先に山形市街が見えて、さらにその向こうに蔵王の山が見えています。もちろん、見るからに寒いわけですが、自分はすでに充分に温まっているので、やたらと爽やかな景色に見えて、思わず車を停めて写真を撮りました。真冬の農道で、後ろから来る車もいません。すべてが静かで良いところです。


 ここ数年ずっと通っていた温泉が、枯渇したのか、閉鎖してしまいました。そういうこともあるんですね。自宅からそこそこ近くて、熱いけど柔らかい泉質で、気に入っていたのでショックです。常連のみんなも困ってるでしょう。長年の生活リズムが崩れますからね。

 ということで、前に住んでいたアパートから通っていた、山形市の隣町の温泉に「ホームグラウンド」を戻すことにしました。ちょっと遠いので時間に余裕がないと厳しい。でも2時間弱で、家を出てから、ゆっくりお湯につかってまた家に戻ってくることができるので、充分ではあります。

 昨年末に久しぶりに行ったら、番台(といっても近代的なカウンターですよ)の女性が、「お久しぶりです」と声をかけてくれました。ここに毎日のように通っていたのはもう10年近く前なのに、たまに行っても覚えていてくれているんです。こういうのは嬉しいですね。またお世話になります、とばかりに回数券を買いました。

 ここのお湯は、褐色で塩分が高く、「がっつり系」です。今までの所のお湯が間接痛に効くのに対して、こちらは筋肉疲労に効く感じ。

 まだ体が慣れていないせいか(昨晩の酒量が多かったせいか?)、今朝は軽くのぼせて、クラッときてしまいましたが、よく温まる良いお湯です。


 すっきりとしたところで、明日本番の山形Qの最後の練習に向かいました。われわれも、常連のお客様に喜んでもらえるように、頑張ります。
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映画音楽

2012-01-15 11:21:29 | 映画・ドラマ
 昔、映画館で観た「カジノ」という映画の冒頭のシーンが忘れられません。

 大きな屋敷から出てくる、ロバート・デニーロ。やっぱりマフィアといえばこの人ですよね。これにかなうのはマーロン・ブランドぐらいか。

 などと思っていると、大きなアメリカ車に乗り込んだデニーロがキーを回してエンジンをかけた瞬間、激しい轟音とともに、車が爆発炎上。そこでクレジットタイトル。さながら地獄の業火のような火焔の中を、スローモーションでデニーロが回転しながら落ちてゆく。

 そのキャストロールのバックに大音量で流れる、バッハの「マタイ受難曲」の終曲・・・。

 
 ・・・これはしびれた。ふるえましたね。体中「とりはだ」(関西でいう「さむいぼ」・・・この表現は生々しくてちょっと好き)。映画の中でのクラシック音楽の使われ方で、これ以上衝撃的にカッコいいのは思い浮かびません。

 しかしそれ以上に衝撃的だったのは、その映画がちっとも面白くなかったこと。「そんなはずは・・・」と思いながら最後まで観ましたが、ストーリーはちっとも印象に残ってません。「シャロン・ストーンは好きになれないが、でも、どう批判的に見ても確かに美人だな」と思ったことしか覚えていない。・・・残念。


 さて、昨日は今年最初の、山響の演奏会。映画で使われた音楽を並べたコンサートでした。スメタナの「モルダウ」やマーラーの「アダージェット」など。定番系ですね。新年ですが、たくさんのお客さんが来てくれました。来年以降もやる企画なら、お客さんからのリクエストなんかが取り入れられても良いかもしれません。


 さあ、次はいよいよ火曜日に迫った、山形弦楽四重奏団第42回定期演奏会です。プログラムの中の、フィリップ・グラス「弦楽四重奏曲第3番(Mishima)」も、ある意味映画音楽です。でも、これはリクエストは来ないでしょうね・・・。しかしきっと、映画「MISHIMA」を観てなくても、独特の世界観を楽しんでもらえると思います。

 平日開催ということで、チケットの売れ行きは今一つですが、こちらもどうぞ、よろしくお願いします。
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食卓の風景

2012-01-13 22:20:05 | 危機管理
「ほらっ、なんでこぼすのっ?気をつけなさい、っていつも言ってるでしょ!」


 こういうとき、息子は素直にすまさそうな顔をしたものですが、やはり女は強い。娘は言い返します。


「え~っ、ママだってお料理のときに、いろいろ落っことすでしょっ!」
「とうとだって、こぼすときあるじゃん!よっぱらってて。」


 ・・・はい。すみません。その通りでございます。でも、いちいち「酔っぱらってて」って言う必要ないから。まあ、食卓では基本、酔っぱらってるので、そういうイメージになるのは無理ないか。


 こぼさないように気をつけます。しかし先が思いやられるな・・・。
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あと一週間

2012-01-12 12:36:29 | 山形弦楽四重奏団
 山形Qの練習で使わせてもらっている、コミュニティーセンターの、見事な「つらら」です。毎日よく冷えてますから、日中に少し陽がでると、すくすくと成長します。たまに折れて、下に積もっている雪の塊に「さくっ!」と刺さります。伝説の秘宝が盗掘されないために仕掛けられた「わな」のようで、ちょっと怖いですね。映画の観すぎでしょうか。


 さて、昨日と一昨日は二日連続で山形Qの練習。本番まで、あと一週間ですからもう、最後の詰めです。おおむね仕上がってきましたが、あとは各自、個人的な問題をクリアして、前日の最後の練習に臨みます。


 ということで、練習を終えて自宅に戻るなり、私がしたことは・・・打ち上げの居酒屋さんの予約(これはモチベーションアップに欠かせない)。


 さあ、年明け最初の定期演奏会ですから、良いお酒が飲めるように・・・いや、良い演奏会になるように頑張ります。
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両関「月雪花」

2012-01-11 08:52:56 | お酒の話(県外)
 「湯沢」といえば新潟・・・と思う人の方が、全国的には多いでしょうか?スキーシーズンは特にそうかも知れませんね。越後湯沢。酒も旨いし、良いところですよね。

 しかし山形では「湯沢」というと、距離的に近い秋田県の湯沢市の方が先に思い浮かびます。まあ、どちらの「湯沢」も、雪が多いことには変わりない。


 ということで、秋田の湯沢の銘酒「両関」の純米大吟醸、「雪月花」です。山田錦を40%まで磨いた、なかなかの高級酒。もちろん、ありがたい戴きものです。

 
 と、ここで湯沢の風景や風物を、格調高く描写してみたいところですが・・・出てこない。考えてみれば、私は湯沢には泊まったことがありません。スクールコンサートでは何度も訪れたことがありますが、山形から中途半端に近いので、宿泊にしてもらえない。そうすると、どこでも景色に大差のないホールだけしか見ないで終わってしまって、記憶に残らないんです。街の風情を知るにはやはり、宿をとって、居酒屋へ繰り出さないと。

 たぶん今頃は、一面の雪景色がひろがっていることでしょう。(いい加減で申し訳ない。)

 
 ということで、味の方は・・・さすがです。とことん磨いた感じ。それでも、純米なので跡形も無くなってしまうということはなくて、「おいしい水」のようなスッキリした味わいです。「雪月花」というネーミングがよく合う、「きれいな」酒に仕上がっています。

 雪の晴れ間に、よく冷えた月が出て、風の音もない夜のような、静かな味を堪能しました。
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