中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

ピーターと狼

2008-02-29 22:50:06 | 音楽
 明日は山響の演奏会が東根のタントクルセンターであるので、そのリハーサルでした。親子で楽しむ系のプログラムで、「ピーターと狼」や「運命」などです。

 我が家はスカパーでクラシックのチャンネルを契約しているのですが、その「ピーターと狼」の番組がお気に入りです。子供向けの番組で、折り紙で作られた動物達が登場人物として動き回ります(例えばピーターはぶち模様の猿)。少しずつ動かして撮影しているのでしょうか、動きが実にかわいく、アニメーションのようにうまく出来ています。

 ドイツの子供番組なので台詞はもちろんドイツ語です(日本語字幕付)。家の子供達は普通のテレビ番組をあまり見ていないせいもありますが、字幕がわからないうちから楽しんで見ていました。

 最近の子供向けの番組はアニメーションがけばけばしく、見た目も音も刺激が強すぎるような気がします。それに慣れてしまうと、昔の物なんかは地味で退屈に感じられてしまうことでしょう。テレビゲームなどもとても高度になっていますから、それに慣れていれば昔の電気を使わないおもちゃはやはり地味で退屈でしょう。

 大人が余計なものを与えさえしなければ、子供は手近な物で好きに空想して楽しむものだと思います。そして、その方がなかなか飽きがこないものです。空想する力が育っていないと、明日の「ピーターと狼」も楽しくないんじゃないでしょうか。

 我々も「子供ダマし」にならないよう頑張ります。
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山形Q練習27-vol.4

2008-02-28 22:22:57 | 山形弦楽四重奏団
 本番が近づいて煮詰まってくる終盤はいろいろありますが、序盤の練習は楽しいものです。しかし今回はそんな中でも特に楽しいプログラムです。「名曲の力」を感じます。

 まずハイドンの「五度」。彼の四重奏曲の集大成とも言える作品76で、完成度がとても高い曲です。後期の作品はやたらと難しくなってしまう事が多いものですが、ハイドンは違います。いろいろな実験はしつくした末だからでしょうか。

 今日は主にボーイング合わせでしたがいろいろやりたい事が見えて、つい熱が入ります。

 ベートーヴェンは初期に分類される作品18-6ですが、終楽章などは後期のものを連想させます。いろいろな種類の表現が要求されます。これも楽しみになる曲です。

 フォーレは最高です(しつこい)。けど造りは今回で一番難解でしょうね。またまだカオスにしか聞こえない部分が随所にあります。パート譜だけでは愛情の注ぎようがないですから。 

 客観性が無くなるほどの思い入れはどうかと思いますが、作品に対する共感は理解の大きな手助けになると思っています。共感しましょう。

(写真は練習場所の公民館のつららです。まだまだ寒いですね)
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休肝日

2008-02-27 23:56:05 | お酒の話し(山形県)
 演奏家も肉体労働者なので体が資本です。ということで、一年程前から週2日平均で休肝日をつくるようにしています。特に肝臓を壊したわけではありません。健康診断の紙に「週に2日は休肝日を…」と書いてあったからという単純な理由です。(禁煙に失敗した罰でもありましたが) 

 まるで義務のように年中無休でお酒を欠かさず生きてきたので、はじめは大変でした。決めた日は前の晩から憂鬱でどんより…。当日は何度も「ストレスの方が体に悪いに違いない。百薬の長って言うしな…」などと思ったりしました。何とか耐えても夜は全く眠れないし。ここまで習慣になっていたのかと思い知りました。

 しかし、ここ何ヶ月かでようやく馴れてきました。何と言っても翌日の旨さが半端じゃないですから。健康のためというよりも、そのために今日も眠れない夜を過ごす事にします…。
(結局あまり馴れていないようですね)
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帰宅

2008-02-26 23:37:18 | 旅の空
 やっと山形に帰ってきました。新幹線が福島を過ぎると、雪山の間を流れる川などが見えて「帰って来た」感じがします。山形駅で電車を降りると、キンと冷えて透き通った空気が冷酒のようで美味しく感じます(重症)。 

 旅行は旅行で楽しいし、東京の実家はホッとしますが、やはり家で子供達のにぎやかな声を聞くと落ち着きます。

 気をつけていても(そうでもないか…)、旅行中は太ります。健康診断も近いので身も心も引き締めないと…。
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2008-02-25 21:53:05 | ヴァイオリン
 今日の東京は穏やかで春らしい、爽やかな天気でした。昨晩の酒で若干頭痛がしつつも外に出ると涼しく、東京の春特有の生暖かさもまだなくて梅がきれいでした。

 昨日は何を書いたかよく覚えていませんが、良い経験をしました。人に自分の演奏を聴いてもらう事の喜びをシンプルに感じました。何が正しいとか、こうあるべきだとかいうことも大切な事でしょうし、自分はそういう事を分かっているんだ、こんな事ができるんだという所を見せたい気持ちはついて回るものだとは思いますが、演奏するという事の本質とは違うものだという事がよく解りました。

 昨日のサロンコンサートでは一番前のお客さんとは50センチくらいの距離で、日頃いくら山形Qの演奏会で客席が近いとは言ってもさすがにビビりました。そうなると取り繕うことなどできず、ありのまま語りかける事しかできないものですね。それが演奏というもの本来の、当たり前の姿だという事に今さら気付きました。

 昔テレビでヨーヨー・マが言っていました。「私は以前、自分を証明するために演奏していた。でも今は聴く人と喜びを分かち合うために演奏している」。良い言葉だと思います。

 
 そろそろ温泉の禁断症状が出てきたので山形に帰ります…。
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終電にて

2008-02-24 23:52:22 | ヴァイオリン
 関東では今日も強風が吹いて、いろいろな交通障害がありました。電車の電線にビニールが引っ掛かって、それを撤去する作業のためにしばらく待たされたりしました。

 そんな中でも今日のサロンコンサートは盛況で、感謝しつつ弾きました。マニアックなレスピーギも評判が良く、安心しました。弾く方が感動してるのは、うまく伝われば大きな力になりますね。

 終了後の宴会でだいぶ頂いたので、今日はここまで。また明日書きます(今も終電の中ですし…)。
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春一番

2008-02-23 23:02:03 | ヴァイオリン
 東京にいます。穏やかな天気でいいななどと思っていたら、どんどん風が強くなりました。台風かと思いましたが、春一番だそうです。もうすぐ春ですね。(なんだかラジオの「昼のいこい」みたいになってしまいました…)

 明日は知人に頼まれて、横浜の方でサロンコンサートをします。35席くらいの小さな会場ですが二時間弱を一人でやるのはなかなか大変ですね(もちろんピアノ伴奏はありますが)。曲目は好きなのを自由に選ばせてもらいました。マニアックは承知でメインはレスピーギの「6つの小品」です。

 レスピーギの若い頃の作品で、全部で30分ぐらいですが6曲それぞれが個性的で美しい曲集です。「子守唄」「メロディー」「伝説」「ワルツ」「セレナータ」「アリア」の6曲でどれもメロディックで叙情的です。特に「伝説」は厳粛ながら情熱的なところが見え隠れして好きです(しかしかなり難しい)。

 終了後の宴会のために頑張ります。
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無事終了

2008-02-22 17:34:35 | 旅の空
 最終日は新潟から北上して、村上の手前の神林の中学校でのコンサートでした。この辺りも雪の多い所です。学校の周りは一面の雪原で幻想的ですらあります。

 今回のような移動音楽教室は都会から離れた、場所的に日頃コンサートホールへ行く事が難しい所でやるべきだと思います。そういう地域の子供の方が熱心に聴いてくれるし、父兄の方々も心から喜んでくれます。今週はそのような意味でも良い旅行でした。文化庁はどんな基準で選んでいるのかわかりませんが、すぐ近くに立派なホールもオーケストラもあるような大都市に行くこともあります。それは貴重な文化予算の無駄遣いのような気がしています。

 終了後は所用のため特急「いなほ」と上越新幹線を乗り継いで東京へ。羽越本線、初めて乗りました。雪原を電車で走るのもいいもんですね。新幹線で通った越後湯沢の辺りも絶景でした。
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長岡~新潟

2008-02-21 21:53:03 | 旅の空
 長岡の小学校でのコンサートの後、最後の宿泊地の新潟へ。新潟駅周辺は久しぶりに来ましたが、山形駅周辺と比べると大都会に感じます。長岡では多かった雪もこちらでは全くありません。

 そうして結局飲みに行くわけですが、今日は少し違います。新潟に住む、らびお氏の大学時代の友人(山形Qも山響も何度も来てくれてる)の案内で新潟を満喫しました。とりあえず夕食前には日本海の荒波と夕日がよく見えるポイントへ。今日は穏やかとは言っても、厳しい感じの冬の日本海に沈む夕日はしばし日常を忘れます。 大都会からすぐにこんな景色が見えるのは不思議な気がします。

 その後は彼の料理の師匠の蕎麦屋(とは言うもののほとんど高級料亭)で、和食のフルコースを頂きました。前菜から〆めの蕎麦まで、最高でした!

           

 ほとんど独学で料理の腕を磨いたご主人の話は、飾り気がなく真の職人を感じさせるもので勉強になりました。肩書でもハッタリでもなく、自身の厳しい舌とそれに基づく妥協しない心が伝わりました。

 もともと隣県の新潟ですが来る度に親しみが湧きます。
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直江津

2008-02-20 21:00:02 | 旅の空
 今日は日本海の近く、直江津の小学校でのコンサートでした。午前中、時間があったので直江津駅の周辺を歩きました。

 この辺りも昔、源義経が頼朝からのがれて弁慶などと共に通った所らしく、それにまつわるエピソードが伝わる場所が多いようです。義経達が泊まったと言われる寺や、義経の夢枕に童子が立ち「追っ手から逃れるために源義経の証である兜を捨てよ」と言われて兜を捨てた「兜沼」などを見ました。

 今朝はとにかく天気が良くて、旅行日和でした。どんな神社やお寺も青空と雪があると絵のようです。

 コンサート後は長岡へ。お気に入りの店で結局飲みました…。
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上越へ

2008-02-19 23:31:46 | お酒の話(県外)
 富山の上市町(かみいちまち)の小学校で演奏しました。今日は天気が良く、北アルプスの山々が綺麗に見えました(こんな写真では伝わらないと思いますが)。富山の子供たちは寒くても、明るく元気で気持ちがいいです。

 その後、再びトンネルを約30本越えて新潟の上越へ。上越は新潟県の中では山形から最も遠い辺りですが、ここ何年かもっと遠い所に行っているせいか、近く感じます(隣県という感じ)。

 今回の上越では吟田川(ちびたがわ)というお酒が収穫でした。すっきりとシャープな味で楽しめました。新潟の酒はもともと好きですが、まだまだ知らないいろいろな酒があるもんですね。あとは定番の〆張鶴を美味しく頂きました。

(旅に出るといつも酒の事ばかりですみません)
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黒部

2008-02-18 20:11:19 | お酒の話(県外)
 文化庁主催の山響の移動音楽教室で富山の黒部へ。新潟から約30本トンネルを抜けるとそこは富山です(割とつらい)。

 今日は移動日なので宿に着いたら飲むしか予定はありません。ということで、近くの酒屋へ。この黒部では二軒の酒造が有名でそれぞれ「銀盤」と「幻の瀧」がウリです。

 今回はとりあえず銀盤の方で大吟醸と純米焼酎(15年もの)をチョイス。大吟醸の方はとにかくリーズナブルな値段で(四合で千円ちょい)、まっすぐな味。和食に合いそうな感じでした。

 焼酎はすごくスムースながらしっかりとしていて、25度とは思えない満足度。「サラっとしっかり」気に入りました。

 実際の仕事は明日からです…。頑張ります。
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フォーレ2

2008-02-17 23:00:36 | クァルテット
たいした一日ではなかったので先日に引き続き、もう少しフォーレの弦楽四重奏について書きます。

 僕が初めてこの曲を聴いたのは中学生の頃で(もちろんLP)、ピアノ五重奏の1番とのカップリングでコラールとパレナン四重奏団のものでした。その頃はお金がある時にレコード屋で知らない曲のLPを適当に買うのが自分のささやかな贅沢で、これもそうしたものの一つでした。

 五重奏の方はすぐに好きになりました。ピアノの序奏だけでも鳥肌級に好きでした(暗い中学生ですね)。でも四重奏の方はよくわからずに、パッとしないにも程があるなという印象でした。

 でもこれが繰り返し聴いていると本当にハマってくるのです。なんとも言えない物寂しさと、何かの結晶のような純度の高い透明感に夢中になりました。

 ロンの「回想のフォーレ」から弦楽四重奏曲についての部分です。
「弦楽四重奏曲はフォーレの白鳥の歌です。作品はこの上ない愛を包み込んでいます。愛、このすばらしい、永遠に色褪せない言葉は、何度も繰り返し言うこてはできても、それ自体は繰り返しのきかないものです。
 この音楽による辞世の句には、放棄とは言わないまでも、大きな諦観があることが感じられます。何と穏やかに、フォーレはまもなく別れを告げようとしている人生の最後の時と向かい合っていることでしょう。
 創造の苦しみをすべて知った後、フォーレの音楽は来世への思いの中に沈み込みました。というのも、彼は自分のメッセージがそれよりも生き永らえることを知っていたからです。フォーレはこの世を去ろうとする時に、魂を高揚させる喜びの歌を書きとめました。それが弦楽四重奏曲が心の奥底にしみじみと語りかける調べです。この世に属するものを全く超越し、安らぎに満ちたあの世が姿を現しています。[僕の創作活動も終わりに近づいた。]フォーレは弦楽四重奏曲を完成させながら慎み深くこう言いました。」


(明日からまた旅行です。いつまでもしみじみしていないで準備します…。)

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回想のフォーレ
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ハーモニーコンサート

2008-02-16 23:38:34 | 山形交響楽団
 昨日・今日と白鷹町のハーモニーホールで山響のハーサルとコンサートでした。毎年山響を呼んでくださって、しかも実行委員会の方々が心尽くしのもてなしをして下さいます。

 今日も本番後に交流会を開いて下さいました。おいしい料理とお酒でしばし楽しい時を過ごしました。車で帰らなくてはならない団員が多かったので、飲める人は少なかったのですが、その分たくさん頂きました(わざわざFgの高橋さんが送り迎えをしてくれました)。

 ハーモニーホールは小さいので、いつも小編成の曲をやりますが(今日は前半弦楽、後半はハイドンの驚愕でした)、我々にとっても良い刺激になります。お客さんも本当に楽しみに聴いている感じが伝わるので、演奏していても張り合いがあります。

 以前、藤島の明治ホールに山形Qでおじゃました時のような温かい感じがしました。このような、弾く人と聴く人とさらに企画した人が触れ合えるコンサートは貴重です。

 酒のせいだけではなく、心地良い気分で寝ることにします。
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回想のフォーレ

2008-02-15 23:43:33 | クァルテット
 毎日寒く、雪も降っているのに花粉まで飛んで来て困っています。今年は花粉も多いみたいで、びくびくしています…。

 最近、マルグリット・ロン(ロン・ティボーのロン)が書いた「回想のフォーレ」を読みました。フォーレの親しい友人で彼の多くの曲を初演したロンのこの本は、人間としてのフォーレが生き生きと描かれていて面白く読みました。

 二人は互いに信頼し尊敬しあっていたのに晩年、音楽界の権力争いに巻き込まれて対立し、絶交してしまいます。しかしある日彼女は、「どうしてももう一度ロンに会いたい。僕はあることを消し去らないうちに死にたくない。」とフォーレが言っていることを伝え聞き、和解できる期待と喜びに震えながら彼の家に着いた時、彼が直前に息を引き取った事を知るのです…。こんな感じで実話ながら(だからこそ)ドラマチックで引き込まれます。

 「それでも私はフォーレに再会しました。彼は死の床につき、憔悴した表情をしていましたが、まだ表情はわかりました。ああ!この最後の表情が、私に向けられたものだったかどうかわかりません。フォーレの音楽が私の存在理由そのものであり、音楽家としての青春時代のすべてと結び付いているからこそ、私はフォーレに消しがたい忠誠を守ってきました。
この最後の表情によって、私はフォーレへの信頼を回復し、喜びと忘却と許しを永遠のものとしたのです。音楽は私たちとともに、かつての幸福がすべて崩壊し、灰になっても見守っていてくれる…。」

(しみじみ感動…。フォーレの音楽に関する記述についてはまた今度書きます。)
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