中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

良いお年を

2012-12-31 11:10:48 | 山形弦楽四重奏団
 大晦日・・・大きめな日付がもうすぐ変わるというだけなのに、なんとなく厳粛な気がするのは、「すりこみ」によるものなのか世の中のムードに影響されているだけなのかわかりませんが、「心して過ごさなければ」と思うせいでしょう。静かな時間が流れています。

 
 さて、「今年の反省」というわけでもありませんが、今回東京へ向かう車で、Vc茂木編集による、山形Qの今年の定期演奏会の録音を聴いておりました。

 夜の長距離運転は、どうしても眠くなるものです。しかも、勝手知ったる東北道ですから、慣れているのは楽なのですが、リラックスは注意力散漫につながります。

 音楽家にあるまじき発言のような気もしないでもないが、私の場合、音楽は眠気が増します。車だと雑音で細部まで聴けないので、なんとなく喫茶店のBGMのように「ふと我に返ると遠くで流れてる」感じになって、ぼんやりとしてくるのです。それは、心地よいということでもあるのかも知れません。よく客席に、「素敵な寝顔」で眠っているお客さんをステージから目にするのですが、悪い気はしませんね。それだけ心身が安らいでいるということなのですから。言うと慌てて謝ってくれますが、その必要は無いんです。

 なので、長距離運転の眠気覚ましには、「言葉」。文学の朗読CDが最適です。ひきこまれているうちに時のたつのを忘れて、目的地に着くのが残念に感じられるほど。運転に適していると言えるかどうかは知りません。


 しかし・・・山形Qの過去の録音は、運転中に聴くには最適だということがわかりました。
「うわっ、こんなハズシ方したっけ・・・」
「あらら・・・これじゃあ何弾いてるのかわからない」
「きたないよコラッ!」

 ・・・演奏のアラが気になって眠れやしない。精神衛生上どうかはわかりませんが、充実の「反省タイム」になりました。

 ・・・本当はもっと「心地よく」ついウトウトするような演奏をしたい曲もあったんです。


 ということで、今年も山形Qを応援して下さった皆様には、本当に感謝しています。来年はさらに良い演奏でおもてなしできるように、メンバー一同、頑張ります。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

冬休み

2012-12-29 14:33:11 | 雑記
 山形寒い。外にいると凍えます。屋外にある水道の蛇口をふと見れば、こんな感じ。凍っていると言うより、氷の中におさまってる。・・・たしかにこれでは寒そうだ。人間も外でずっと立ってたらこうなってしまうのか?


 ということで、昨日の山形Qの練習をもって、今年のスケジュールはすべて終了。さあ、暖かい東京に避難しましょう。


 暖かき故郷、東京。やはり実家はいいですね・・・

・・・というわけにもいきません。在宅療養をしている母の具合が、かんばしからず。急速に、いろいろな時に介助が必要になってきてしまっています。

 ベッドから起き上がる時に支える母の腕の、なんと細いこと。
 辛い時にさすってやる背中の、なんと小さいこと。


 いろいろな事を悲しむ気持ちは、しばし封印。蛇口のようになってはいかん。暖かさは自分で創るもの。まとわりついてくる氷を自ら融かす力を持ちましょう!・・・と言うか、お与え下さい。


 「良い冬休みになりますように」改め、「良い冬休みにします」。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

年末の第九

2012-12-28 09:46:55 | 山形交響楽団
 昨日の「第九」で、今年の山響の公演はすべて終了。


 年の瀬の今日この頃、スーパーのお節料理の材料が並んだコーナーでも、「第九」を耳にします。何の違和感もなく聞けてしまう。新年あけてからの「六段」と全く同じレベルの身近さで、季節感さらに言えば風流さえ感じてしまう。日本人はベートーヴェンをこよなく愛しているということなのか。

 それなら年末にこだわらなくても良いはず。オールシーズン楽しむべきです。しかし、もし真夏の海水浴場にある海の家で「第九」を流したら、たぶん、ラーメンもカレーライスもいつもよりまずくなる。やっぱり「第九」は年末の音楽なんです。


 ・・・これはどういうことなのか?

 昨日、ようやくわかりました。

 「やった!これで仕事納めだ!辛くて長かった今年の業務も全て終了。あんなこともこんなことも、とりあえず全部忘れて、気持ちよく正月を迎えよう。きっと来年の自分がうまいことアレしてくれるはず。さあ、仇どうしも今だけは手をとりあって歌おうじゃないか・・・歓喜の歌を!」

 たぶんこういうことなのですね。全てを「水に流す」ことを好む日本人にぴったりです。そういう考え方は、必ずしも良いとは思わないが、実際かなり心地よいことを私も認めます。


 ということで、今日の山形Qリハの後、歓喜とともに冬休みに入ることにいたします。今年も山響を応援して下さった皆様に感謝しつつ。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

惣右衛門

2012-12-26 22:42:24 | お酒の話し(山形県)
 クリスマス・ディナーで、晴れやかに開栓する酒は、もちろんシャンパン・・・ではなく当然、日本酒です。キリストの肉がパンで血がワインなら、日本人の肉は米で血は日本酒。要するに米ですね・・・日本の魂は。


 ということで、先日、白鷹のコンサートの際に頂いた銘酒「惣右衛門」を。白鷹のお隣、長井市の蔵の作品です。この蔵の主力ブランドは「惣邑(そうむら)」。やや芯の強い、まっすぐな酒です。生真面目な感じ。その上のグレードのものが「惣右衛門」です。蔵の当主の名前だそうですが、なんとなく伝統と風格が漂いますね。絶対に和服着ていそう。

 希少価値の高い「愛山」という米を、惜しげもなく40%まで磨いた大吟醸。さすがは当主の名を冠した酒。精神統一の後、正座して頂きます(嘘)。

 ・・・なんと滑らかで、ひんやりとした光沢を思わせる舌触り。愛山特有のシャープさが輪郭をはっきり浮かび上がらせるも、刺々しい「キレ」は無く、ツルッとした美しい陶器のような喉ごしです(陶器飲んだことありませんけど)。大吟醸なのにフワッとしたところは微塵もなく、古池の水面のような、静かな落ち着きを感じます。

 思わず、「結構なお手前でした」と言いたくなるような枯淡の趣のある逸品でした。


 「わびさび」の世界を堪能・・・やはり、クリスマスにはちょっと合わなかったかも知れません。
コメント (1)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

クリスマス

2012-12-25 18:15:47 | 山形
 クリスマスイブの昨晩は、家族で娘の幼稚園の教会へ。ミサに顔を出すためです。敬虔なキリスト教徒だから・・・ではありません。ミサの始まりに、娘を含めた幼稚園児の有志が歌を奉納(?)するので、それを見るためです。

 やや寒い聖堂に集まったたくさんの信者の方々は、どことなく厳粛な雰囲気でしたが、園児たちが「イエスさまのお生まれになった日」の歌を力まかせに歌うと、和やかな微笑みに包まれました。いくら父兄とは言え、ここは聖なる場所。さすがに携帯でビデオを撮影するのはまずいだろうと妻を制止。ここはしっかりと目に焼き付けて胸にしまうべき・・・と思いきや、その向こうで、先生(自分の子供が今年、園児として参加している)が身を乗り出してビデオ撮影していました。まあ、イエス様も自分のバースデーパーティーだから、大目に見てくれるか。


 そして今朝は、サンタクロースからのプレゼントを携えて、満面の笑みを浮かべる娘にたたき起こされました。スマートホンのおもちゃです。女の子はこういうものに本当に目がない。また液晶が本物さながら。「ほら、がぞうがいいでしょ」だと。・・・本物を買わされる日まで、あと何年ぐらい猶予がもらえるのでしょう。

 
 ということで、我が家のクリスマス行事は終了。家族は慌ただしく東京へ向かいました。私は「第九」と山形Qリハが終わり次第、帰省することにします。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

プレゼント

2012-12-24 15:35:41 | 山形交響楽団
 クリスマスです。だからどうした・・・とも思いますが、とりあえずめでたい。めでたいのは良いことです。焼き鳥で一杯やって眠り、翌朝、目覚めると枕元に札束でも置いてあれば、言うことないのですが。


 しかし昨晩は、大人の私どもにも、嬉しいクリスマスプレゼントがありました。

 年末恒例となった白鷹町での、山響ハーモニー・コンサートが、今年は昨日、無事に終わりました。毎度書いてますが、町の実行委員会の方々が協力して、手作りで開催するコンサートです。

 みなさんの努力で、今年も会場は満席になり、嬉しい限りです。こうして町の人気イベントとして、山響のコンサートを定着させて下さったことに感謝します。

 ・・・と、堅苦しい感謝の辞はここまで。

 なんと言っても、楽しみなのは終演後の、実行委員の方々との飲み会・・・いや「懇親会」です。これがないと年が終わらないと言っても良いほど、私にとっては楽しみな会でございます。しかも今回はドヴォルザークの「弦セレ」そして「ベト7」で苦労した後なので、ビールの旨さが格別です。すべての艱難辛苦が報われ、美しく浄化される甘美なひとときです。

 今年は少な目でしたが、雪に覆われた山間の公民館が、あたたかなもてなしの場と変わります。「心尽くしの」という言葉がぴったりの、手作りの汁物や、自家製の梅干し、お菓子などが宴のご馳走に華を添えます。
どの方も、「自分は音楽の事には詳しくないんだけど・・・」という前置きをしますが、心から演奏を楽しんでくれて、それを「良いものだから少しでも多くの人に聴かせてあげたい」との一心で毎年、こうして熱心に開催してくれる委員の方々は、本物の音楽愛好家だと思います。

 と言いながらも、今回は酒屋の若旦那と、音楽ではなくて、ずっと日本酒について熱く語り合っておりました。


 素晴らしい、何よりのクリスマスプレゼントを頂いた気がします。ありがとうございました。

(内緒ですが、委員の方からさらにプレゼントを頂きました。もちろん私の大好物です。そのレビューはまた後日「酒の話」コーナーにて。)
コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お受験

2012-12-22 19:11:29 | 危機管理
 「お受験」・・・それは、親の欲望が渦巻き、燃え上がる虚栄心が火花をあげてぶつかりあう戦場・・・

・・・か、どうかは知りませんが、昨日は娘の小学校入試がありました。別に有名私立難関校を受験したわけではありません。山形にそんなところはありませんから。もちろん息子と同じ、山大の附属小学校です。ただ、幼稚園は別のところに行かせていたので、小学校からの「受験」になるわけです。

 大して倍率も高くないとは思いますが、「受験」いうからには、落ちることもあるわけで・・・。

「みんなお父さんも来るらしいわよ。」
え・・・でも平日なのに?
「だって両親の面接があるんだから。なんとか予定あけられないの?」
・・・あけます。

 山形Qのリハーサルは午後からだし、もし、落ちたときに私のせいになっても怖いので、その他の予定をキャンセルして、早朝からスーツを着込んで、小学校へ。


 なんと・・・本当にみんな、お父さんも来てる。危ないところだった。いつも思うことだが、みんな仕事どうしてるんだろう?

 しかし、繰り返すが特別な難関校でもないので、面接で両親がそろっていないだけで落ちるとは思えない。そういう空気もあって、お父さんたちは大体が、奥さんに強く言われて仕方なく出てきた系です。子供は試験があるので別室に連れて行かれますから、親の待合室には、ややどんよりとした雰囲気が漂います。お父さんの眠そうな背中についているゴミを、隣に座った奥さんが力まかせにひっぱたいて払っている。

 
 それでも、面接の直前は、待合室が緊張に包まれます。今さら受験生のように、説明会でもらった学校のパンフ(本校の教育方針などが書かれているやつ)を予習している夫婦もいました。・・・そんなの出ないと思いますよ。

 私たちは息子の幼稚園の時の面接を経験しているので、うろたえることもなくボーッと待っていると、私たちの番号が呼ばれて、いざ出陣。

 面接といっても、採用試験とは違いますから、予想通り、学校にとって協力的な両親であるかどうかが見られるだけなので、それほど困るような質問をされることもなく、また我が家の教育方針のいかに優れているかを熱く開陳する場でもなく、すんなり終了。


 終わった順に、また別の待合室に移動して、子供の帰りを待ちます。面白いもので、やはり「試験が終わった」という解放感からか、さっきまで静かだった奥様たちが、いきなり、しゃべるしゃべる。今までは、係の先生がする案内をいちいちかしこまって聴いていたのに、ここではもう何言われても全然聞いてない。・・・こういう態度を減点すべきだと思うけど。


 そんなこんなで、お受験は無事に終了。しかし、子供の方の試験がなかなか終わらず、うるさい待合室でだいぶ待たされました。そして、山形Qのリハにも遅刻。・・・すみませんでした。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

子羊

2012-12-20 20:34:30 | 危機管理
 「大天使ガブリエルになれなかった子羊は、メエメエ鳴いてつまづいたあと、星になった。」

 マタイによる福音書の中には、このような一節が、書かれているわけではありません。


 娘の幼稚園の「クリスマス会」が、一昨日、終わりました。キリスト教系の幼稚園なので、「クリスマス会」こそが、一年のメインの行事になります。年長児が伝統の「聖劇」を演じて、有終の美を飾る。まさに「ハズせない」催事なのです。

 しかし・・・私は、スクールコンサートのため参観できす。季節はずれの災害にみまわれたような気分ですが、仕方がない。


 ところで、娘のほうも、思い通りにならない事があったようでした。「聖劇」の役のことです。

 年少・年中と二回見た上級生の聖劇で、「大天使ガブリエル」の役に憧れていたようですが、希望者の中でのジャンケンに負けたのです。ガブリエルはセリフも多くて、マリア・ヨセフにも劣らない主役級の役柄です。背中に大きな羽をつけて、二人に神の意志を伝えて皆から崇められる、天使の中の天使。これは、控えめでない女の子にとっては、かなり魅力的です。

 しかし、ジャンケンの天使は気まぐれ。年中から入園してきた女の子に勝利をもたらしました。負けた娘は、羊飼いに追われてメエメエ鳴きながら、はいずり回る「子羊」の群の一匹に。しかし、さすがにそれだけでは可哀想なので、羊は、必ずもう一つの役を兼任します。娘はなんとか、次にやりたかった「星」になることができました。救い主が生まれたことを三博士に告げて導く、星です。なぜか複数あるようで、何人もいるためセリフは少ない。


 ・・・人生、思い通りにならないこともある。しかも本番、前を歩く羊の子が急に止まったとかで、つまづいたらしい。まあまあ・・・子羊は「迷えるもの」と相場が決まっているので、良い演技だったということにしておこう。


 以上で、幼稚園に関する行事は、卒園式を残すのみとなりました。早いものです。とりあえず、「お疲れさま」と言っておきましょう。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

紺野陽吉

2012-12-19 15:55:35 | 音楽
 先日のラジオ収録で話すために調べた作曲家、紺野陽吉のことについて、ここでも少し語ることにいたしましょう。とにかくデータが無いので、苦労しました。


 紺野陽吉は1913年、山形県白鷹町生まれ。

 ・・・その頃の山形は、どんなだったでしょうね?かの有名な「おしん」は、物語中では1901年生まれということになっていますから、あんな感じをイメージしてしまいます。雪に降りこめられて、囲炉裏ばたで草鞋を編んでばかりいるような・・・雪国と生活苦のダブルの寒さ。なぜか家族もみんな顔が汚れ気味で・・・おお可哀想に。

 しかし、紺野陽吉は郷里でもヴァイオリンを弾いていたそうですから、どうも違うようです。そういう家もあったんですね。というよりも、「おしん」で創られた「暗く貧しい山形」の先入観は、きれいさっぱり捨てた方が良いのかも知れません。そう、山形は昔から文化的な土地柄だった、ということにしておきましょう。


 東京での学生時代、立教大学のオーケストラでヴァイオリンを演奏。

 ・・・これには驚きました。「先輩だったんすか!」と運命的なものを感じて色めきたちましたが、それは不明。どの大学に在学していたのかもわからない。ただ、立教オケに出演したという記録があるのみ。一番後ろのプルト(座席)だったそうですから、エキストラかも知れないですね。

 ところで、我が立教オケのOBで一番有名なのは誰だと思いますか?それはやはり・・・上原謙でしょう。OB名簿の1ページ目に載っているのを見たことがあります。しかし考えてみると、上原謙は1909年生まれだそうですから、案外、紺野陽吉が出演した時に重なってる可能性もあります。残念ながらOB名簿がもう手元に無いのでわかりません。(そういえば、OB名簿のそのあたりには、ディック・ミネの名前もありました。ある意味「黄金時代」だったのかも。)


 作曲家、清瀬保二に師事。

 ・・・武満徹や佐藤敏直の兄弟弟子だったということですね。本当に、戦死してさえいなければ、「山形の誇りとして知らない者はいない」ぐらいになっていてもおかしくはなかった。残念という他はありません。


 他には、めぼしいデータは無し。・・・このようにして、多くの可能性を持った若者が、戦争によって、人知れず消えていってしまったんですね。

 しかし、作曲家はその作品が演奏されれば、再びそこに生きて立ち現れます。1月14日の定期演奏会では、心を込めて演奏することにします。少しでも多くの人に聴いてもらいたいと思います。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

聴きどころ

2012-12-18 22:27:56 | 雑記
 昨日はラジオの収録。


 ゴールデンタイムの人気番組に、スペシャル・ゲストとして招かれ、高額の出演料をもらって演奏を・・・

・・・したわけではありません。15分間の山形のイベント情報番組で、1月の山形Q定期の宣伝をさせて頂いたのでした。もちろん楽器も持たず。

 1月のプログラムの中に山形の作曲家、紺野陽吉の曲があるので、そのせいでもあるのでしょう。昔からいろいろとお世話になっている、合唱団「じゃがいも」の指揮者である鈴木義孝氏が、自身がパーソナリティーを務める番組で山形Qを取りあげてくれたという事なのです。


 メンバーの今井嬢と二人でお邪魔しましたが、やはりラジオというのは生放送でなくとも、緊張するものです。「限られた時間の中で売り込まなくては」という意識がプレッシャーになって、どうしても焦ります。結果、早口になったり、同じ事を繰り返してしまったりします。

 ああ・・・もっと余裕を持って、ムダの無い情報を、人を引きつけるような知性とユーモアをにじませつつ、穏やかに語る予定だったのに・・・。

 「後悔するヒマがあるなら、もっときちんと準備しろ」とも思いますが、セリフを決めてしまうと、それはそれで硬直化してしまって、できそこないの留守番電話みたいに不自然な印象だけが残る結果になります。

 まあ、トークのプロではないので、勘弁してもらいましょう。少しずつ慣れていくしかないですね。


 そんな中で、今井嬢を連れていったのは良かった。彼女は私以上に緊張していたものの、やはり女性の声は大切。焦っている中年男性の声だけでは、内容以前に、音声として魅力がありません。チャンネルを変えられてしまいます。・・・私なら変える。

 彼女の知的な声で、「新メンバー」として彼女自身のPRもさせてもらえたので、それだけでも、音声として、そして情報として、価値がアップしたのではないかと。・・・どうですか、少し聴いてみたくなったでしょう?


 オンエアは、山形放送で23日の日曜日、午後6時10分から(たぶん)です。「山形見どころ・聴きどころ」という番組が始まったら、「地味だな・・・」と感じてもチャンネルはもうしばらくそのままで、ご辛抱下さい。
コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

つづく

2012-12-16 23:43:00 | 山形交響楽団
 山響の創立名誉指揮者、村川氏による、二日間にわたっての定期が終了しました。


 40年前、40歳で、この山形という地方の小都市にプロオーケストラを創るという暴挙を成し遂げた男が、40年経った今、80歳にしてステージで見せた「変わらぬ想い」に胸を打たれたお客様も多かったようです。


 物語というものは、たいてい、主人公がある一つの目標(欲望)に向かってひた走っている様子を描いたものです。徳川家康には「天下統一」、三蔵法師には「天竺詣で」、マルコには「母を訪ねる」という、一貫した目標がある。途中には豊臣秀吉や妖怪、いつも狙いすましたようにあと一歩のところで転居する母親など、それぞれの障害が立ちはだかります。それとの戦いがまたドラマを生む。

 そして目標は、必ずしも達成される必要はない。「夢半ば」で倒れれば、悲劇として完成します。不可欠なのは、最後まで「目標に向かい続ける」ことです。途中で懲りて投げ出してしまっては喜劇にもなりません。


 そういう意味で、今夜の村川氏の、タクトを振る後ろ姿を映画の感動的なワンシーンのように見たお客様もいたことでしょう。「山形にオーケストラを」のただ一念で、ここまで来たわけですから。「シベリウス2番」のフィナーレなら、BGMとしても申し分ありません。

 しかし現在の山響を、氏の夢が具現化したものと見るには、まだいろんな意味で不十分です。評判はよくなりましたが、経営は不安定なままですし。だからこれをラストシーンにはできません。次の登場はいつになるかわかりませんが、まだまだお元気でいてもらわなくてはいけないでしょうね…(心配なさそうでしたけど)。
コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

巨匠定期

2012-12-15 10:27:49 | 山形交響楽団
 山響創立40周年ということで、今日明日の定期には、創立名誉指揮者の村川千秋氏が久々の登場。巨匠も、もうすぐ八十歳・・・「アラウンド傘寿」のステージになります。

 対するソリストはチェロの堤剛氏。こちらも言わずと知れた大巨匠です。正確には知りませんが、もう七十歳をこえたあたり・・・ということは「アラウンド古希」。それで今なお現役の第一線で活躍しているというのは、めでたいし、素晴らしいことです。


 古来より生きとし生けるものは、悠久の長きにわたって齢を重ねると、霊力を帯びるものです。深い森の奥にたたずむ樹齢千年の大木や、大きな沼の底にひそむ、甲羅から長い藻をはやした大亀などは、神性や妖気を身につけると考えられるために、畏怖され、まつられるのです。


 今回のコンサートでは、老巨匠たちのそうした「幽気」がぶつかりあって化学反応を起こし、リハーサルのステージが「異界」と化すのでは・・・

・・・と、大変失礼な想像をしておりました。


 ところが、お二人が発しているのは妖気ではなくて、むしろ若々しいエネルギーでした。

 村川先生は、私が入団した頃と比べても、見た目も棒もほとんど変わらない。むしろ私の方がこの15年で老けたに違いないと思うほど。前に、200回記念で見たときよりも若返っている印象を受けました。今回はお得意の「シベリウス2番」ということで、懐かしい。

 堤氏は私は初めてですが、柔和な笑顔で現れて、ドヴォルザークの協奏曲をリハーサルからすべて暗譜で弾きました。すごい気迫が「座頭市」のようです(失礼)。重厚でしかもエネルギッシュに歌います。


 ・・・熱い演奏会になりそうです。頑張って巨匠の「若さ」に、ついていくことにします。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

忘年よりも

2012-12-13 23:09:25 | 山形交響楽団
 昨日は山響の「忘年会」。しかしここ数年は、忘れようとする余裕はありません。むしろ、しっかり記憶に留めておこうと思わないと、一年など知らないうちに手からすり抜けてしまいそう感じがしています。

 
 とは言え、「今年もお疲れさまでした」と言葉をかけあって、グラスを合わせるのは悪くないものです。

 その後は・・・「あんな事があった」「こんな事もあった」と、この一年の出来事の記憶をひもとき、乗り越えた艱難辛苦の一つ一つに思いを馳せながら、しみじみと語り合う・・・ようなことはほとんど無く、学生のコンパのようにワイワイ飲んでガヤガヤ騒ぐ、「ただの飲み会」になります。

 楽団員とともに「ゆく年」を振り返り、労をねぎらって下さるファンクラブの方の参加も、年々定着して嬉しく思います。次の日も普通に朝から仕事があるのにもかかわらず、たくさんの人が、私たちと一緒に、真剣にビンゴをして下さいました。・・・皆さん今朝は大丈夫だったんでしょうか?

 ちなみに私は大丈夫ではありませんでした。息子を起こすために目覚めた時は、ドブ川におぼれているような気分。起こしたのは良いが自分が起きられず、再びグラグラ揺れながらブクブクと汚泥の中へ沈みました。・・・明け方近くまで飲んで無事でいられる年齢は、もう過ぎたらしいことを実感しつつ。


 ところで、昨晩の会は、新入団員歓迎会を兼ねていました。フレッシュな20代が新たに3人も入ると、オケが少し若返ります。しかし全体が若返るということは、相対的に自分は、またじりじりと「古参側」に押し出されたわけで・・・。昔より二日酔いが重症化するのも無理ない。


 ということで忘年会は終わりましたが、来年の事を考える前に、わずかに残る今年を(今日の午前中のように棒にふることなく)、充実させようと誓ったのでした。
コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

冬入り

2012-12-12 09:11:24 | 山形
 一昨日、スクールコンサートで鶴岡まで行きましたが、その途中の、月山の景色です。もうすっかり雪に覆われてますね。これが土台になって、この上にさらに雪の層が堆積していきます。それが融けて、今のこの雪が汚くなって再び顔を出す頃には、私は花粉症のピークに悩まされ、家の娘は小学生になっているはずです。


 さて、12月上旬だというのに、今年はよく降ります。山形市内の街なかでも、日当たりの悪い通りには、もう凍った雪がべったりと付いてしまっています。「師も走る」と、すっ転んでケガをすることでしょう。

 ということで、息子の中学でも、もう春まで自転車通学が禁止になりました。小学校の時と同じように毎日、バスで通いますが、それほど身長は伸びていないのに中学生なので、運賃が一気に二倍。定期代も馬鹿になりません。・・・これも冬の厳しさか。


 長い冬です。「春はまだかなぁ・・・」と言って、ただ過ぎ去るのを待つのでは、もったいない。じっくりと味わうことにします。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ダイヤ

2012-12-10 22:23:09 | 旅の空
 ついに私の足に「影響」が出てしまいました。日頃の生活の乱れとプリン体の過剰摂取で通風に・・・なったわけではありません。

 よくニュースで、「事故によるダイヤの乱れで、5000人の足に影響が出ました」などと言いますよね。子供の頃これを聞いて「ダイヤとは何という恐ろしいものなのだろう」と思ったものです。・・・キラリと放つ閃光で、これほどまでに多くの人が一瞬にして歩けなくなってしまうとは・・・などと想像して思わず自分の膝に手を当てたりしました。


 ということで、昨晩の東京からの帰りは難儀しました。東京駅の新幹線乗り場は、戦後の大陸からの「引き揚げ」のような混乱。ただの混雑ではない雰囲気はすぐにわかりますね。スピーカーを持ってわめくように状況説明をしている駅員を取り囲んでいる群衆は、騒ぎはしないもののイライラした空気に包まれています。

 聞けば、上越新幹線の停電による影響で、東京~大宮間を通るすべての新幹線が渋滞し、ホームにあふれた乗客が一人、線路に落ちたと。戦後、乗り切れなくて蒸気機関車の窓にしがみついている人の映像を思い出してしまいました。日本で一番怖いのは、昔は食糧難、今は停電ですね。

 しかし、私が着いた時には、状況はすでに収束に向かっていたらしく、山形新幹線は結局40分ほどの出発の遅れで済みました。


 しかし、米沢付近でまたしばらく停車。ダイヤの乱れで単線のシェアがうまくいかない為だそうです。しんしんと雪が降り積もる山間の暗闇に、煌々と輝く新幹線がジッと停まっているのは、向こうから見たら銀河鉄道のように唐突で、さぞ幻想的だろうな・・・などと思っているうちに、再び動き出しました。

 
 結局のところ、私の足には大した影響は無し。むしろ駅まで車で迎えに来てくれていた、家の奥さんのご機嫌が、一番影響を受けたようでした。・・・ダイヤ恐るべし。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする