無意識日記
宇多田光 word:i_
 



『真夏の通り雨』は変わった構成の曲である。今までのヒカルのレパートリーで類似する曲は見当たらない。

具体的にみてみよう。冒頭部、『夢の途中で〜もう幻』までのひとまとまりのメロディーをB、『汗ばんだ〜深く刻んだ』までのメロディーをAと仮に呼ぶ。

すると、『揺れる若葉に〜教えてほしい』は大体B、『今日私は〜言い聞かせてるけど』は大体A、『勝てぬ戦に〜正しいサヨナラの仕方を』は大体B、『誰かに手を〜溢れて』も大体Bである事がわかるだろう。

次の『木々が芽吹く〜見送りびとの影』の部分はBともAとも違う新しいメロディーだ。仮にCとする。ならば次の『思い出たちが〜真夏の通り雨』の部分もCになる。

間奏後の『夢の途中で〜明日へ』は再びBだ。そして次の『ずっと〜渇き』のパートはまた新しいメロディー。Dと呼ぼう。

以上を踏まえて纏めてみると次のようになる。

B:『夢の途中で〜もう幻』

A:『汗ばんだ〜深く刻んだ』

B:『揺れる若葉に〜教えてほしい』

A:『今日私は〜言い聞かせてるけど』

B:『勝てぬ戦に〜正しいサヨナラの仕方を』

B:『誰かに手を〜溢れて』

C:『木々が芽吹く〜見送りびとの影』

C:『思い出たちが〜真夏の通り雨』

(間奏)

B:『夢の途中で〜明日へ』

D:『ずっと〜渇き』

…以上のようになる。『B→A→B→A→B→B→C→C→(間奏)→B→D』だ。こんな構成の曲は他にない。例えば『First Love』は『A→B→C→A→B→C→C』だし、『Flavor Of Life』は『C→A→B→C→A→B→C→C→D→C→C』で、こういう構成がPopsのスタンダードだ。そこから大きく逸脱している。

何故こういう事になったのか。詳細な分析はまた次の機会に。取り敢えず『真夏の通り雨』を聴き直しておいて下さいな。

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本日で2016年も上半期が終了。ヒカル復帰で沸き立ったが本人が完全に制作モードな為露出は増えず、まだまだこれからな感は否めぬ所。その代わりと言っちゃあ何だが毎日歌声がテレビから流れてくる日々を味わっている。

朝ドラも副音声解説やってるんだったらそれそのままラジオで放送すればいいのにね。時間帯ズラして。勿体無い。

という訳で下半期は偏にヒカルが制作を終えるかどうかに焦点が集まる。結婚出産を経て生活と制作のペースをどうしてくるのか、という所から始めないといけないかな。家族のある事だから独身時代のようなカツカツキツキツ大忙しタイトスケジュールでアルバムと本2冊同時並行で作り上げて挙げ句倒れる、なんて事になってはいけない。いや家族の有無にかかわらずなってはいけないが。

「子育てに休みなし」と悟った以上、それが社会的な仕事ではなく生き方そのものなんだと思い知らなければならない。即ち、ロールプレイでなく「本当にそういう人になる」必要がある。それをするには、仕事である制作の方に変化が出てくるのはやむを得ない。今まで全力で取り組んだ以上、その全力を配分する以外ない。隠し玉も取って置きも無いのだ。

なので、今後制作がどれくらいの進捗を見せるかサッパリわからない。二年もありゃ終わるだろ、と高を括る訳にもいかない。第二子出産とかあるかもしれないし。

実際、レコード会社のスタッフも「出た目に合わせる」以外出来ないのだと思う。どの時点かでプロジェクトのスケジュールはコンファームされる(企画予定が固まる)のだろうが、それがいつなのか、或いはいつだったのか。どうも、予めスケジュールが組まれてるとするとこの3ヶ月のプロモーション形態っていまいちピンと来ないというか、"長期的な狙い"みたいなもんが匂って来ないのよ。「ひとまず、タイアップが2つ決まったから発表」という以上のものが見えてこない。梶さんなら「このタイミングでこれくらいバズらせて、その熱量が減衰しないうちにここらへんで次の一手を」という風に考える筈だ。それが無い。あるのを隠してる可能性もあるがそれって誰も得しないんじゃ。

という訳で、彼が7月の口火をどう切ってくるか、それの作る空気でヒカルの進捗と配分を測る事にしよう。まだまだ何も決まっていないのかもしれないし、もう具体的な日程は出ていてあとは発表するだけ、なのかもわからない。どっちも今の雰囲気から推察する事は出来ない。来週明けたらどうなってるか、暫しの間楽しみに待っている事にする。

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