わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

素朴な疑問  289 陶芸の手順とは6(轆轤作業の手順6)。

2017-06-08 20:10:15 | 素朴な疑問
陶芸に限らず、何事にも手順があります。手順を忘れたり、手順前後の誤りにより、思いも拠らない

結果を招く事は多いです。

1) 全体の手順

 ① 陶芸の作業の手順。

 ② 轆轤作業は特に手順を大切にしますので、轆轤を例にとって述べます。

 ③ 成形の手順  

 ④ 底削りの手順

  ⅰ) 削りに掛かる前に用具を揃える。

  ⅱ) 作品を伏せて轆轤の中心に据える方法は、以下の方法があります。

   a) 直接轆轤上に作品を据える。

   b) 轆轤上に止め土用の粘土を薄く敷く方法。

   c) 湿台(シッタ)を使う方法。

   d)  湿台(シッタ)の固定方法。 以上が前回までの話です。

  ⅲ) 作品を轆轤の中心に据える。

   中心が出ていないと、片側のみが薄く削られる所謂(いわゆる)片削りとなり、最悪側面や

   高台脇に穴が開きます。

   轆轤の中心に据える事は轆轤の初心者には、大変難しい作業でもあります。

   a) 中心が出ているかを判断する位置は、高台の脇で作品の底面より約1~2cm程度の位置

    です。ここが振れずに綺麗な円を描ければ、良いとみなします。当然作品全体を見れば、

    口縁や胴部分は綺麗な円を描かないこもしれません。尚、基本的には削りたい部分周辺が、

    轆轤の中心に有れば良い事です。

   b) 中心が出ている事を確認する方法。

    轆轤の回転がやや速い場合には、目で見てもある程度狂いを確認できますが、ゆっくり回転

    させると、狂いは確認でき難いです。この点が難しい一因です。

    イ) 定位置からの作品までの隙間が一定である事が基本です。定位置とは、左手の人差し

     指で有ったり(右回転の場合)、轆轤の傍に置かれた固定した物の事です。実際には

     作品の表面は、カンナ類の刃から等位置にある事になります。即ち轆轤をゆっくり回転

     させた際、作品に触れる指が常に触れた状態であれば、中心に据えられたと見なします。

     但しこの指が作品に合わせて動いてしまっては意味がありませんので、しっかり固定され

     ている事が大切です。

    ロ) 轆轤をゆっくり回転させ、指が作品から離れた場所で、轆轤を瞬時にストップさせ、

     指と作品の隙間の半分程を、指のある方向に両手で移動します。轆轤の回転が速いと瞬時

     にストップが掛かりません。確実に止める為には、片手は轆轤の縁の傍に置いておく必要

     があります。

    ハ) 良く見る光景は、作品の胴の部分を横から軽く叩きながら、中心を出す方法です。

     この方法はかなり轆轤に慣れた方では可能ですが、初心者ではほとんど不可能です。

     作品の大きさにより、叩く力も加減する必要があり、更に作品が叩かれた場合わずかに

     移動する必要があるからです。慣れないと叩く度に狂いが増す事も珍しくありません。

    ニ) 芯出し機械も市販されています。必ずしも芯出しが出来る訳ではありません。

     轆轤上にセットしてつかいます。三方向から作品を挟み込み、轆轤の中心にセットする

     方法ですが、三点を抑える部分は、轆轤上又は数センチ上の部分です。

     前者は伏せた作品の口縁を押さえる事になります。この場合作品の背が低い事と、歪みが

     少ない事が条件になります。轆轤上即ち口縁は中心が出ますが、伏せた作品の上部に行く

     程、狂いが大きくなります。その為、一番削りたい部分が大きく狂う事になります。

     後者はやや背の高い作品に使います。即ち作品の胴体付近を押さえる事になります。

    ホ) 何れの方法であっても、かなりの練習が必要です。

     初心者は指導者等の他の人に作品が、中心に据えられているかを確認してもらう事を

     お勧めします。

   ⅳ) 作品を轆轤上又は湿台(シッタ)に固定する。

以下次回に続きます。
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