わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

素朴な疑問 228 陶芸の騒音とは1。

2016-03-05 13:14:07 | 素朴な疑問
陶芸では特別な場合を除いて、大きな音を出す事は少ないです。

特別な場合とは、機械類の音や窯焚きの際に発生する場合が多い様です。特に窯焚きの場合、近所

迷惑になる騒音と成る事もあります。

音の出るのは、制作途中、電動轆轤や土練機、電動ミル、換気扇、冷暖房機などの機械類から発生す

るもの、及び窯焚き時に発生する騒音などが上げられます。騒音には単発の音と長時間続く音があり

ます。又、昼間では問題なくても、夜間の騒音は大きな問題になります。

1) 作品を制作中は、熱中して無言で手を動かし、音が出る要素は少ないです。但し、土を轆轤上

  に据える際や、土を締める際には土を強く、手や叩き板を用いて叩く為、音が発生する場合が

  あります。土を練る際、テーブルや台が不安定な場合には、「きしみ」など異常音が出る場合も

  あります。但し多くは連続音ではなく、単発音ですので迷惑になる様な音ではありません。

2) 電動轆轤以外に、土練機や釉を擂り潰す電動の「ミル」等の機械類があり、冷暖房器具や、

  換気扇なども少なからず、雑音を発生させています。

 ① 電動轆轤が原因の騒音。

  ) モターを使用していますので、使用時にはモター音が連続して発生します。又、スイッチ

   ON時やOFF時にも音が発生します。轆轤は機械ですので、メンテナンスを疎かにすると、

   動きが悪くなったり、擦れた音や引っ掛かた音などが出る場合があります。定期的に潤滑油

   などを可動部に注し、動きを滑らかにし、音の発生を抑えます。

  ) ベルト音の発生。通常では問題に成りませんが、ベルトに傷(凹み)が出来ると音が出ま

   す。電動轆轤に備わった可変速機構は、(V)ベルトと三角錐の組み合わせで行っている事が

   多いです。轆轤使用時には、両者は強く接触し、不使用時には切り離されます。即ちクラッチ

   が切れた状態になります。クラッチの入った状態のまま、電電をOFFにすると強く接触した

   ままですので、ゴム(又は合成素材)製のベルトは金属の円錐形によって凹んでしまいます。

   長時間この状態のまま放置すると、ベルトの凹みは元に戻りません。凹んだままで轆轤を使用

   すると、「トントン」とした音と共に振動も伝わり、使い勝手が悪くなります。

   必ず、クラッチを切った状態で電源を切る事を守る事です。

   尚、轆轤に張り着けられた注意書き(ラベル)や、轆轤の仕様書などにも、その旨が記載され

   ています。余談ですが、私も失敗した事が有り、お湯に漬けたり叩いたり、凹んだ部分に樹脂

   などを入れて補修を試みましたが、巧く行かずベルトを買い替えました。尚、メーカーから

   取り寄せるとかなり高額に成ります。同様なベルトは大きな資材店で、安価に購入する事も

   可能です。長さを確認してから購入します。   

  ) 設置場所による騒音。

   電動轆轤は数十kgの重量があります。水平な床の上に置かなければ、轆轤自体の振動で小刻み

   に動き、音が発生す場合もあります。一般に四本足ですので、足の一本が浮かない様に詰め

   物をする必要がある場合もあります。当然ですが轆轤作業では、泥が発生し床や周辺が汚れ

   ますので、清掃し易い環境を作っておく必要があります。

  ) 床に轆轤の振動が伝わり、共鳴し大きな音になる場合もあります。

   コンクリ-トの床であれば、ほとんど問題に成りませんが、木製の床の場合、床の構造に

   よっては、床が振動して音を発生する場合もあります。

  ) ビビリ音の発生。用具を「ドベ受け」上に置いた場合。

   スケール、剣先、竹へら等の平たい物や、細い物などんの軽い小物類を、前面に置ける「ドベ

   受け」がある電動轆轤の場合、これら小物類を置くと、「ビビリ音」が発生する場合があり

   ます。かなり気になる耳障りの音です。又、小物が振動して跳ね回る事もあります。その場合

   少し小物の位置を移動するだけで音が消える事があります。又、振動の度合いによって共鳴が

   変化しますので、轆轤の回転速度をわずかに変える事で、消滅する場合もくあります。

以下次回に続きます。
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