わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

騙しのテクニック43 本物が偽物よりも多い作品2

2014-08-08 22:19:03 | 騙しのテクニック
3) 唐加彩俑(とうかさいよう)

  ① 俑とは死者と伴に墓に収められる副葬品で、従者、人物、家畜、家屋、調度品の模型です。

    中国では、戦国時代の紀元前5世紀頃から、殉葬(じゅんそう)されていた人間や、高価な

    道具に代えて、陶器や木製品でどで模型(俑)を作って副葬するようになります。

   a) 秦の始皇帝(紀元前259 ~紀元前210年)陵の兵馬俑:

    1974年3月に古都西安で発見されます。

    中国初代皇帝の始皇帝陵を永遠に守る陵墓の副葬品として埋葬された今衛師団です。

    その数8000体で、1.8mの等身大の兵士6000体あり、異なる風貌をしています。

    その他、縮尺1/2の木製の戦車45両と馬があり、青銅の兵器などもあります。

   b) 漢や隋の時代にも、多くの俑が作られていますが。圧倒的に数が増すのは、唐の時代に

     なってからです。

  ② 唐の時代(8世紀)になると焼き物技術が向上し、洗練された美しい所謂「唐三彩」の俑が

   登場します。 唐三彩などで色付けされた俑が、唐加彩俑です。

   洛陽、長安 などの貴族の葬礼品(副葬品)として、使われた物で、当然、発掘品(又は盗掘品)

   です。

  ③ 種類としては、以下の如くです。

   ) 唐加彩婦女俑、 唐加彩騎馬美人俑、唐加彩仕女人物俑、 唐加彩立女俑、灰陶加彩

    楽人、唐加彩舞女俑、唐加彩演奏女子俑、唐加彩武人俑、唐加彩胡、人駱駝俑、唐加彩

    文官俑、唐加彩騎馬球技婦人俑、唐加彩馬人物置物、唐加彩小人俑、唐加彩異人俑など

    バラエティーに富んでいます。 一個で完結している物が多いですが、中には数個の俑で

    一つのグループを構成している物など、個々に個性が強く出ています。

    大きさは高さ20cm程度の物が多く、中には40cm以上の物も存在します。

   ) 手捻りで容易に制作する事ができますので、俑の人気が上がるに従い、俑の贋作が

    増えて来ています。

  ④ 中国の贋作事情。

   中国の古美術の中で、陶磁器は圧倒的な存在で、世界の古美術の中心地になっています。

   各時代の各窯でその時代の贋作は、存在するとも言われています。

   ) 1985年頃から、香港やマカオ等から、大量の古陶磁器が出回る様になります。

     一時期、香港でも真作7割り、贋作3割り程度の時代もあったようですが、次第に発掘品

    の供給も細り、5分5分に成り、更には逆転する程との事です。

   ) 加彩俑の中には、後加彩された物も多いです。色調が新しく生々しいのが特徴です。

   ) 贋作の多くは、東南アジア、台湾で出回り、その後我国に流入すると言われています。

以下次回に続きます。
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