わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

焼き物は壊れ物 31 焼成前の確認事項4

2014-01-19 21:53:22 | 焼き物の材料(原料とトラブル)

2) 焼成前の確認事項。

 ④ 当日の天候は大丈夫か?

   昔の窖窯(あながま)の窯焚きは、風が窯の中を駆け抜ける様な、北や西風の強い日を選んだ

   そうですが、 現在では風の強い日は敬遠したい処です。勿論、電気窯の様に屋内で焼成する

   場合には天候に左右される事なく、焼成が可能ですが、気分的にも天候の悪い時には避けたい

   ところです。 昔の窯焚きは、年に数回程度ですが、現在ではほぼ毎月焚いている窯も多いです

   ので、晴天を願っていてばかりはいられませんが・・。

  ) 窯焚きを敬遠する天候とは?

   a) 台風が来る事が予想される場合には、窯焚きを延期しなければ成りません。

     台風には雨台風と、風台風がありますが、後者の方がより危険性があります。

     特に、屋外で燃料を使う窯では、火災などの危険性がありますので、延期するのが妥当です。

     勿論、その日に窯焚きを終らせ、窯出しの日程も決っていたとしても、止む得ない事情として

     受け入れるしかありません。但し、台風などは予め予想され、コースも解かり易いですかえら

     台風の来る前、又は後にすべきです。特に個展や展覧会、公募展などに出品する作品の場合

     どうしても、締め切り直前になり易く、気を揉むところです。

   b) 突風に注意。

    台風以外にも突然大風が吹く事があります。台風の様に予想できずに、対応が難しくなります。

   イ) 突風が吹くと困る事は、炎が影響される事です。

     ガス窯などの場合、点火直後は直ぐに高温にしない様に、極弱い炎にする場合が多いです。

      弱い炎は横風によって、火口から真直ぐ真上の窯に登らず横になびいてしまいます。

      更に強い横風を受けると、吹き消されれる恐れがあり、結果的にガス漏れを引き起こします

      消された事を早く察知すれば、直ぐに再点火が可能ですが、遅れると窯の中に生ガスが

      注ぎ込まれます。この状態で再点火すると、ガス爆発を起こし窯が壊れます。

      それ故、風のある時には、点火直後からしばらくの間は、窯から離れない事です。

     ロ) 換気扇が機能しない事もある。

      屋内の電気窯でも、還元焼成する時は換気扇を回す必要があります。還元焼成でなくても

      水蒸気が大量に発生しますので、換気扇は回しておいた方が安全です。

      突風や強い風が吹いた場合、その風向きが換気扇の出口に吹き付けられると、換気扇の

      回転が弱くなったり、逆に換気扇から風が吹き込む場合も有ります。尚、換気扇の外側に、

      扉が付いている場合には、風で扉が閉まる場合も有ります。その為喚起が出来なく恐れが

      発生します。

   c) 窯焚きには、夏と冬とに差は余り有りません。

    「外気温の高い夏場は、窯の温度が上昇し易く、冬場は低いので時間が掛かりまか?」

    と言う質問を受ける事があります。 外気温の差と窯の温度とは大幅に違いますので、影響は

    有りません。

    イ) 夏場で気を付けるのは、雷雨です。雨はさほど問題ではなく、雷が怖いです。

      特に、近くで落雷があると、停電する恐れがあります。電気窯の場合にはたちまち窯が

      冷えてきます。煙突のある窯でも、めったに煙突に雷が落ちる事はありませんが、焼成を

      中断すべきか判断に迷う事があります。特に攻め焚きで、もう少しで最高温度になる

      状態での中断はしたくないですが、状況を見て判断しなければ成りません。

    ロ) 冬場で気を付ける点は、窯詰めした作品が凍る事です。

      特に、素焼き前の作品には、必ず水分が含まれていますので、極寒の地では、屋外の窯の

      作品が凍る恐れがあります。作品が凍ると土は膨張して作品は破損します。

      それ故、昔は極寒の地では焼き物は出来ないとまで言われていましたが、現在では色々な

      暖房方法がとられ、極寒の地でも焼き物を作っている人もいます。但し、冬場は休業する

      人もいます。もう一つ気を付ける点は、ガスボンベを使う場合です。前にもお話した様に

      液体ガスが気化する為には、ボンベの周辺の熱が必要です。周囲が冷えている様態では、

      十分気化できず、ガス圧も高まりません。それ故中々温度が上昇してくれません。

      ボンベにお湯を掛けてガス圧を上げる方法もありますが、一時的には良くても直ぐに冷えて

      しまいます。

 ⑤ その他。酸化、還元焼成の別、焼成温度、焼成条件等

以下次回に続きます。     

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