わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

本焼き(非常時の対処5地震)

2009-06-21 22:30:25 | 窯詰め、素焼、本焼の話し
3) 気象条件の急変、地震など、不測の事態

  屋外(室外)に設置された、燃料を使う、窯の場合に付いて、引き続き述べていきます。

 ④ 地震の場合の処置(前回の続き)

  ) 窯の中の作品や棚板が、壊れた場合には、とりあえず、全ての作品を、窯の外に出し、

    傷の有無を、点検します。

   ・ 壊れた作品は、傷の大小に関係なく、残念ながら、破棄すべきでしょう。

   ・ 釉が熔け始めた段階で、棚板上の作品が動き、隣同士が接触し、「くっつく」場合が

     有ります。「くっついた」作品は、残念ながら、切り離す事は、出来ません。

   ・ 釉が熔け掛かた作品で、傷が無い物は、再焼成可能です。

   ・ 棚板の、割れた物は、他の使用方法で、使います。

  Ⅴ) 最悪の場合は、窯が破損した場合です。

   ・ 市販されている窯は、耐火煉瓦の外側を、鉄骨や鉄板で、囲んでいて、強い地震でも、

     窯が大きく壊れる事は、少ないと思われます。

   ・ 「ひび」等は、耐熱モルタルや、道具土で、補修します。

   ・ 電気窯の電熱線に、作品が当り、断線させる場合も有ります。

     この場合も、補修が必要です。
   
  Ⅵ) その他

   ・ 熱電対温度計の、保護管が破損した場合、交換する事が望ましいですが、1~2回程度の

     本焼きは、そのまま使用しても、特に問題には成らないと、思います。


尚、余談ですが、

 作った作品の保管時の、地震対策として、昔からの方法で、棚を、紐(ワイヤー、ロープ、鎖)で

 ブランコにする方法が有ります。

 固定された棚や、保管場所(ラックなど)では、地震の揺れで、作品が倒れる恐れが、有ります。

 逆に、棚ごと、揺れる事により、作品に掛かる力を弱め、転倒防止に成ります。

 その1例を、述べたいと、思います。

 ① 用意する物。

  ) 長さ90cm程の、丸材(パイプでも可)や角材2本。

  ) 紐(ワイヤー、鎖など)4本(長さ1~1.5メートル)。

  ) 作品を載せる、棚(幅20~25cm、長さ180cm、厚さ10mm以上)2~3枚程度

 ② 組み立て、取り付け。

  ) 丸材などの両端、3cm以上を空けた所に、ワイヤーや、紐(鎖)等が、外れない様に、

    溝を掘ります。(外れ防止ですから、必ずしも、溝である必要は、有りません)

  ) 紐(ワイヤー、鎖)4本を、各々前記丸材の、溝に結び、固定します。

  ) 各丸材の紐の他端2本を、部屋の天井や、梁から釣り下げます。

     作品を、棚に載せると、かなりの、重量と成りますので、しっかり固定します。

    天井との隙間、40~50cm、(作業する人の頭上に設け、頭にぶつからない事)

    長ければ長い程、ゆっくり揺れます。

    丸材間の間隔、120cm前後とします。

  ) 組み立てた、丸材などの上に、棚を載せれば、完成です。

    一組の丸材に、2~3枚の棚板が、載ります。棚板間は、作品が出し入れできる様に、

    隙間を開けて置きます。

  Ⅴ) 広い作業場では、このブランコを、何組も作ります。

     又、作品が載った棚板ごと、移動させてる事も、可能です。

     強い地震で、作品は大きく揺れますが、棚から、作品が落ちる事は、まずありません。

    
以上で、地震対策の話を、終わります。

陶芸の本焼きの話 

非常時地震 地震
コメント
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