気ままに

大船での気ままな生活日誌

カラヴァッジョ展

2016-04-08 09:04:37 | Weblog

3月1日にはじまった、国立西洋美術館のカラヴァッジョ展は開始早々、出掛けたが、紹介文はひと月もあとになってしまった。これだけの美術展はめったにないことだろうから、思い出しながら記録しておこう。

以前、イタリアではカラヴァッジョ(1571-1610)は、レオナルドやラファエロよりも誰よりも一番人気があるということを聞いて、ぼくは信じられなかった。レオナルドやラファエロの作品といえば、すぐ思いつくものはいくつもあるが、当時のぼくには、カラヴァッジョの作品を思い浮かべることができなかった。その後、近くの大学のカルチャー講座を受講し、カラヴァッジョが大変な画家であることを知り、関心をもつようになっていた。

大変な画家という意味は二通りあって、一つはバロック絵画の創始者という美術界の巨匠であること、もう一つは犯罪者として、一生を送ったことである。カラヴァッジョは生来、気性が激しく、たびたび牢獄に入ったが、とうとう、1606年(35歳)、テニスの試合のいざこざで殺人を犯してしまう。その後、ローマから、教皇の司法権の及ばないナポリに逃げ、さらにマルタ島、シチリア島と渡り、”逃亡者”となる。この間も作品を作り続けて、教皇の恩赦を待つ。しかし、1610年(38歳)に、誤認逮捕で牢獄に入れられ、そこで熱病に罹り、あっけなく死亡する。その直後に恩赦が出るという不運な人生を送った。

死後まもなく、彼の名は忘れ去られるが、20世紀になって、美術史的に再評価されるようになった。すなわち、カラヴァッジョは、それまでのルネサンスとマニエリスムを壊し、人間本来の肉体面、精神的面を写実的に描く手法や光と影の表現法が、その後のバロック絵画へ大きく影響したというのだ。

夭折したカラヴァッジョの作品は真筆として確認されているものは、60点ほどという。そのうち、何と11点も来日しているというのだからすごい。さらに、ごく最近、真筆と認定された”法悦のマグダラのマリア”は、世界初の公開ということで、見所満載。

それでは、ちらしと購入した絵ハガキをもとに”ミニ・カラヴァッジョ展”を開きましょう。展覧会では、カラヴァッジョの継承者たち(カラヴァジェスキ)の作品も多く、展示されているが、ここでは、純カラヴァッジョとしたしまする。

第1章 風俗画:占い、酒場、音楽
女占い師 (1597年) ローマ、カピトリーノ絵画館 女占い師が手相をみる隙に指輪を抜き取ろうとしている。
 
第2章 風俗画:五感
トカゲに噛まれる少年(1596-97年頃) フィレンツェ、ロベルト・ロンギ美術史財団 少年のおどろきの表情
ナルキッソス (1599年頃) ローマ、バルベリーニ宮国立古典美術館
 
第3章 静物
果物籠を持つ少年 (1593-94年) ローマ、ボルゲーゼ美術館
 
バッカス (1597-98年頃) フィレンツェ、ウフィツィ美術館
 
第4章 肖像
マッフェオ・バルベリーニの肖像 1596年頃 個人蔵
 
第5章 光
エマオの晩餐 1606年 ミラノ、ブレラ絵画館

第6章 斬首
 
メドゥーサ (1597-98年頃) 個人蔵
 
第7章 聖母と聖人の新たな図像
 
洗礼者聖ヨハネ 1602年 ローマ、コルシーニ宮国立古典美術館


仔羊の世話をする洗礼者聖ヨハネ 個人蔵 (帰属作品で真筆かどうかははっきりしていない)
(画像なし)
 
法悦のマグダラのマリア (1606年) 個人蔵 ぼくの年間展覧会美女ベスト10にノミネート(汗)。
 
エッケ・ホモ 1605年頃 ジェノヴァ、ストラーダ・ヌオーヴァ美術館ビアンコ宮 この人をみよ。
 
犯罪関係の史料も多数、展示されているのが面白かった。
ピエトロパオロ・ペッレグリーニの証言(1597年7月11日)、刀剣の不法所持(1598年5月4日)等。 ローマ国立古文書館所蔵。

おわりに、ふたつの作品を、ちらしでもう一度。
 
 
6月12日までにもう一度、訪ねてみたい。
 
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花びらの桜道

2016-04-08 08:52:35 | Weblog

おはようございます。昨晩の春の嵐で桜の花びらもだいぶ散らされたようです。今朝の散歩で見た、花びらの桜道です。うつくしい景色ですが、ちょっぴり、悲しくて、ちょっぴり、さびしくて、の気持ち。

この日でも、原節子桜はまだ蕾をもつ花房も。おわかいですね。

花びらと春の花

そうそう、不思議な光景をみました。川沿いの花びらをみているとき、目の前をひらひらと小型の蝶々が。でもよくみると、それは一枚の桜の花びらだった。一本の蜘蛛の糸にひっかかり、風のふくまま、動き回っていたのだった。まるで、蝶々の飛ぶ様にそっくり。空中を彷徨う花びら(中央の白い影)↓ 地ごくに落ちたくないのかな(笑)。

大長寺まで足を延ばした。

ここにも桜の花びらの絨毯が。

裏山では、まだ散らない山桜が朝日に輝いていた。


桜が散りはじめて、さびしくなりますが、元気を出さなければ!関東の桜が散っても、まだ、東北の桜が控えているし、京都の紅枝垂れだって、これからだ(汗)。

では、みなさん、今日も一日、お元気で!

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